JPS583348B2 - アルミニウム端子およびその製造法 - Google Patents

アルミニウム端子およびその製造法

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JPS583348B2
JPS583348B2 JP52037833A JP3783377A JPS583348B2 JP S583348 B2 JPS583348 B2 JP S583348B2 JP 52037833 A JP52037833 A JP 52037833A JP 3783377 A JP3783377 A JP 3783377A JP S583348 B2 JPS583348 B2 JP S583348B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、アルミニウム端子の構造とその製造方法に関
し、特に板状部(例、羽子板部)において銅または銅合
金製板状導体と接続し、筒状部の孔内にアルミニウム電
線または鋼心アルミニウム撚線を挿入して接続するアル
ミニウム端子の、電気的接続の安定な板状部接続面の構
造と、その構造の端子を容易に作製するだめの製造法に
関するものである。
なお、この明細書に記載の「アルミニウム」なる用語は
、すべてアルミニウムおよびその合金を意味するもので
ある。
発電所、変電所、開閉所および変成所において、送配電
線が直接接続される電気設備および機器の端末部は、多
《の場合、銅または銅合金製の板状導体である。
一方、多くの架空送電線と一部の配電線の導体として、
アルミニウム撚線(AAC)、鋼心アルミ撚線(ACS
R)(以下、アルミニウム撚線と記す)が使用されてい
る。
これらの撚線導体と電気設備および機器の板状端末部の
接続には、例えば第1図に示すようなボルト孔1を有す
る羽子板部2と、筒内孔が電線挿入孔3をなす筒状部4
からなる第1図に示すような羽子板状端子が使用される
羽子板状端子では、撚線を電線挿入孔3に挿入して、筒
状部外周より水圧等を利用した締付具で圧縮して接続し
た後、機器の板状端末部を羽子板部にボルト締めして接
続する。
変電設備等は比較的大型である上に、事故防止の見地か
ら広い空間を必要とするので、屋外に設置されることが
多い。
したがって、アルミニウム撚線と電気設備および機器の
銅または銅合金製端末部との端子による接続部も、通常
大気環境に曝される。
アルミニウムは、銅または真鍮等の銅合金と接触させて
使用した場合には、腐食が著しく促進される。
単にアルミニウム、銅または銅合金のみよりなる羽子板
状端子を使用した場合には、アルミニウム端子と銅また
は銅合金端末部との接触面、またはアルミニウム導体と
銅または銅合金端子との接触面の間隙に、腐食性雰囲気
が侵入してアルミニウムの接触面が腐食し、接触抵抗の
増大による加熱や、導通不良等の故障を生ずる。
接続部の故障や修理の際には、停電等の事故が発生する
したがって、長期間に亘って安定な接続を行うための、
羽子板状端子の改良が当業者の関心事となっている。
羽子板状端子の改良は、主として羽子板状端子の本体を
アルミニウム製とし、その端子の銅または銅合金端末部
との接続面に、第1図に示すように銅板5を接合し、接
触面の隙間を除去すると共に、接合部の面積を大きくと
ることにより行われている。
アルミニウム端子接続部2への銅板5の接合方法として
は、ろう付け、爆発圧接法等が提案されている。
ろう付けは、通常錫および亜鉛を主成分とするアルミニ
ウムはんだと、酸性フツ化アンモニウム等のフツ化物フ
ラツクスを使用して行われるが、この作業はばらつきが
太き《、はんだ層の接合の不完全により、しばしば隙間
が残るという欠点がある。
さらに、フラツクスが接合部に残存することは不可避で
あり、フラツクスの残存は腐食を助長する。
したがって、ろう付けにより銅板を接合したアルミニウ
ム端子は、腐食、振動による銅板の剥離を惹起し易く、
長期間の使用により、過熱を生じ易いという欠点がある
爆発圧接による接合は、ろう付けに比べると接合が良好
で、接合面そのものの腐食は小さいが、多量の火薬を使
用し、騒音が甚大で地下壕が必要であり、危険な上にコ
ストも高く、爆発圧接により銅板を接合したアルミニウ
ム端子も、接合部外周の腐食に対しては極めて弱いもの
であり、腐食性の著しい環境で使用する場合には、外周
より徐徐に接合面に向って進行する腐食を防止するため
に、接合部外周に溝を切り、エポキシ樹脂系の防錆塗料
の塗付や、塩化ビニル樹脂粉末の塗装などが必要であっ
た。
また、従来法により銅板を接合したアルミニウム端子は
、通常アルミニウムの銅との接触による腐食の促進を低
減し、かつ電気設備および機器の端末部と接続した時の
接触抵抗を減少させる目的で、銅板を接合後、銅板上に
錫めっきを施していた。
しかしながら、アルミニウム端子と銅板の境界部におい
て、アルミニウムと銅を同時にめっきすることは不可能
で、また銅側部分のみを完全にめっきで覆うことは工業
的に困難であり、結局、境界部でアルミニウムと銅が接
触した状態で露出することは回避できなかった。
本発明は、アルミニウム導体と銅または銅合金製端末部
を接続するアルミニウム端子において、従来の端子の欠
点を大幅に低減することができ、特に接合部外周におい
てさえ、比較的耐食性の優れた端子の構造と、その製造
方法を提供しようとして成されたものである。
本発明の端子は、その内容において、3種類の構造に大
別されるが、そのいずれも銅または銅合金端末部との電
気的接続をなす接続面にニッケルめっき層を含む電気め
っき処理および溶融めっき処理を施してなり、従来の端
子に比べ、銅または銅合金端末部と接続して大気環境に
おいて使用した時の腐食が軽微で、過熱等の事故を起し
難い。
以下、本発明の端子の構造およびその製造法を主として
羽子板状端子に関して説明する。
第2図イ乃至チは本発明のアルミニウム端子の実施例の
羽子板部の部分断面図であり、12はすべてアルミニウ
ム羽子板部を示す。
本発明のアルミニウム端子の接続面は、犬別して3種類
の構造を有するので、以下順を追って説明する。
第2図イは羽子板部接続面の第1の構造を示すもので、
アルミニウム端子の羽子板部12の接続面上に、5〜1
00μのニッケルめっき層16を直接電気めっきしたも
のである。
第2図口,ハ,二およびホはそれぞれ第2の構造を示す
もので、アルミニウム端子の羽子板部12の接続面上に
、ニッケル(下地)めっき層16を直接電気めっきし、
さらにその上に銅、銀、錫およびはんだより選ばれた1
種の金属または合金をめっきした二層めっき構造を有す
るものである。
口図はニッケルめっき層16上にさらに銅めっき層17
を設けたものを、ハ図はニッケルめっき層16上にさら
に銀めっき層18を設けたものを、二図はニッケルめっ
き層16上に錫めっき層19を設けたものを、ホ図はニ
ッケルめっき層16上にさらにはんだめっき層20を設
けたものを示している。
第2図へ,ト、およびチは、第3の構造を示すもので、
アルミニウム端子の羽子板部12の接続面上に、ニッケ
ル(下地)めっき層16を直接電気めっきし、次いで銅
(中間)めっき層1γを施し、さらにその上の表面層と
して、銀、錫またははんだをめっきした三層めっき構造
を有するものである。
八図は銅めっき層17上にさらに銀めっき層18を設け
たものを、ト図は銅めっき層17上にさらに錫めっき層
19を設けたものを、チ図は銅めっき層17上に、さら
にはんだめっき層20を設けたものを示す。
上述の本発明のアルミニウム端子は、すべてアルミ端子
の羽子板部が電気設備および機器の銅または銅合金端末
部と接続する面において、アルミニウム上に直接めっき
されたニッケルの直接電気めっき層であるという特徴を
有する。
このことが本発明の骨子であり、本発明のアルミニウム
端子の共通の必須要件をなすものである。
本発明者らは、アルミニウム端子の接続面に種種の方法
でめっきを行い、銅または銅合金端末部と接続させた状
態での耐食性を検討した結果、後述のニッケルを直接め
っきする方法以外では、従来品以上の耐食性を持たせる
ことは実用上不可能であるとの結論に達した。
例えば、従来の最も一般的なアルミニウムへのめつき法
であるジンケート法で銅を50μめっきした端子は、ア
ルミニウム素地とめつき層の界面が著しく腐食され、全
《実用に耐えなかった。
ジンケート法でニッケルを20μめっきした端子では、
ニッケルは銅やアルミニウムに比べ比抵抗が太き《、発
熱がやや大きいため、ジンケート法で必須工程とされる
銅ストライク層とアルミニウムとの間に脆弱な金属間化
合物が形成され、剥離を生ずるに至った。
これに対し、本発明の構造のアルミニウム端子では、腐
食も軽微で、接触面での発熱が太き《ても剥離すること
はない。
本発明の必須要件である接続面への直接ニッケル電気め
っきを施したアルミニウム端子の材質上の好ましい条件
は、少くとも羽子板部材として、鍛造、圧延、押出しお
よび/または引抜等の塑性変形を経たアルミニウム展伸
材料を使用することにある。
また好ましい製造条件は、ニッケルをめっきするための
前処理として、塩酸5〜35%を含む溶液でエッチング
し、次いでスルフアミノ酸塩またはホウフツ化物として
ニッケルオンを50g/l以上含むめっき液より電気め
っきすることにある。
本発明の端子のうち、第2図イに示すようなニッケルの
みを一層構造でめっきした端子において、その厚さを5
〜100μと限定した理由は、5μ未満では、銅または
銅合金端末部に接触せずに端子単独で大気中に放置した
場合、1年未満でめっき表面に発錆が認められる状態で
、耐食性が悪く、通常の保管状態でめっき表面の発錆を
防止するには、5μ以上必要であることと、100μを
超えると、ニッケルめっき層16の抵抗が過大となり、
またニッケルは接触抵抗も大きいので、発熱量が大きく
なり、同一量の電流を流すのに、現在使用されている端
子より大型の端子を使用する必要が生ずるからである。
また、本発明の端子材料の材質上の条件において、少《
ともめっきを施す羽子板部材に鍛造、圧延、押出しおよ
び/または引抜き等の塑性変形を経たアルミニウム材料
を使用する理由は、鋳物、ダイキャスト等の鋳造材に直
接ニッケルをめっきすることが極めて困難であるとの理
由による。
この条件は、前述のその後のめつき条件によって、外観
の良好な接続面を得るために好ましいものである。
この条件は、アルミニウム素材に一段または数段の熱間
又は冷間鍛造を施し、所定の端子の形状に成形するか、
または鍛造、圧延、押出し、引抜き等の塑性変形を経た
展伸材より羽子板部材を作製し、筒状部材を別個に製造
して、溶接により両部材を一体化することにより満たさ
れる。
前者では、成形後旋盤等の工具で電線挿入孔を堀削して
もよいし、後者では、筒状部材を展伸材、鋳造材のいず
れを使用してもよい。
第3図イは、展伸材より羽子板部材を作製し、筒状部材
を別個に製造し、溶接により両部材を一体化して製作し
た本発明のアルミニウム端子の実施例を示す断面図であ
る。
22は展伸材からなるアルミニウム羽子板部材、24は
筒状部材で、両部材は溶接部26を介して一体化されて
いる。
第3図イの例では、羽子板部22の接続面上のめっきが
、一層のニッケルめっき層16となっている。
また第3図口は、鍛造により羽子板部32と筒状部34
を形成した本発明のアルミニウム端子の他の実施例を示
す断面図で、この例では、羽子板部32の接続面上のめ
つき層は、ニッケル(下地)めつき16と、銅、銀、錫
およびはんだより選ばれた1種以上の金属のめつき層よ
りなる上部めっき層21からなっている。
第3図イ,口において、1はボルト孔、23は電線挿入
孔を示す。
前述の好ましいニッケルめっきの前処理およびめっきの
条件は、すべてアルミニウム素材とその上に直接接合さ
れるニッケルめっき層が、強固に密着するように選定さ
れたものである。
本発明のアルミニウム端子は、アルミニウム接続面と銅
または銅合金端末部との間に、アルミニウムに強固に密
着したニッケルめっき層等のめつき層を有する。
アルミニウムと直接接触する金属はニッケルであり、し
かもアルミニウムとニッケルは強固に接合されている。
アルミニウムのニッケルの接触による腐食は銅との接触
による腐食に比して小さく、また接合も強固なので、接
合面に沿ウ腐食によるめっき層の剥離の危険性が低い。
本発明の種々の構造において示された、めっき金属であ
るニッケル、銅、銀、錫またははんだ、および端末部の
金属である銅または銅合金より選ばれた2種の金属の接
触による一方の金属の腐食の促進の度合は、アルミニウ
ムが銅との接触により腐食が促進される度合に比べると
、はるかに小さい。
まためっき層と他のめつき層の間は、通常のめつき方法
に従うだけで、強固に接合され、間隙がないので、接触
面が腐食して層間剥離を生じたり、接触抵抗が増大する
危険性が小さい。
さらに本発明のもう一つの大きな利点は、接触によりア
ルミニウムの腐食を著しく腐食させる銅めっき層、銀め
っき層および銅または銅合金製端末部は、すべてニッケ
ルめっき層等を介して間接的に接触しているだけで、ア
ルミニウム素地とは距離的に離れているので、アルミニ
ウムの接触作用による腐食は大幅に低減されていること
になる。
とのため、接続面および接合面外周においてさえ、従来
の構造に比べ、腐食が軽微になる。
しかも、電気電導度の低いニッケル層が、めっきにより
施されるために薄いので、電気的な障害もほとんどない
本発明の端子を実際使用するに当っては、本発明のいず
れの構造を選定するかが重要である。
本発明の第1の構造は、第3図イに示すニッケルのみを
直接めっきした構造であり、これは接触抵抗がやや高く
、端子の温度がやや高くなるという問題があるが、端子
単独での耐食性が良いという特徴を有する。
また100℃程度の温度では、変色等の劣化を生じない
したがって、比較的高温の部位において、比較的小さな
電流で使用するのに好適である。
また、ニッケルをめっきし、次いで銀、錫、銅またはは
んだをめっきした接続面を有する第2図口,ハ,二また
はホに示す端子は、ニッケルのみを直接めっきした端子
に比べ接続面の接触抵抗が小さいが、環境によっては、
変色する場合がある。
したがって、比較的腐食性の弱い環境で大きな電流を流
すのに適する。
また、ニッケルをめっきし次いで銅をめっきし、さらに
その上に銀、錫またははんだをめっきした第2図へ,ト
またはチに示すアルミニウム端子は、耐熱性の点では他
の態様の端子に劣るが、その接続後の接触抵抗は、従来
品と同等またはそれ以下であって、汎用の大電流用端子
として好適である。
いずれの構造の端子も従来品に比べ、腐食によりめっき
層の剥離する危険性が非常に小さい。
第3図イに示すニッケルのみをめっきしたアルミニウム
端子は、めっき厚さは前述のように、5〜100μに限
定される。
本発明の端子のうち、二層または三層のめっきを有する
構造のものでは耐食性の観点から、全めっき層の厚みの
総和が10μ以上であることが好ましいが、その上限は
ニッケル以外のめつき金属が、電気伝導度の高い銀、銅
、または軟かいために締付け接続時に相当厚みの低減さ
れる錫若しくははんだであり、これらのめつき層の抵抗
が小さいので、上限は規定されない。
しかしめっきの生産性の点で、100μ以下が実用的で
ある。
それぞれのめつき層の厚みは用途によって変えられるが
、ニッケル層が厚過ぎると抵抗が太き過ぎるので、10
〜50μが適当である。
本発明の端子の製造に際しては、少なくともめっきを施
す羽子板部分は鍛造、圧延、押出しおよび/または引抜
き等の加工を経た材料が適している。
鋳物、ダイキャスト等の鋳造材では、結晶粒が大きく、
また鉄等の不純物が粒界に大きな析出物となって介在す
るなど組織が荒《、塩酸5〜35%を含む溶液でエッチ
ングすると、直径1〜3mmのビットを生じるなど、外
観が著しく損われてしまう。
金型鋳物では、外観がやや良好なものができるが、これ
も荒れが著しく、めっきを相当厚くしないと、平滑な接
続面とならない。
羽子板部と管状部を別個に製造する方法では、第3図イ
に示すような管状部材24は引抜き等の塑性加工によっ
ても、鋳造で製作してもかまわない。
いずれにしても、筒状部材24および羽子板部材22を
一体化する必要があるが、その溶接部26の断面積は、
板状接続面の面積に比べ小さくまたアルミニウム同志で
、脆い金属間化合物の生成もほとんどないので、容易に
実施できる。
例えばガス溶接、アーク溶接、電子ビーム溶接で接合で
きる。
溶接時においては、溶接部位以外の部材の溶融、過熱に
よる組織の変化を避けるために、空気その他の冷却媒体
、例えばガス、水等で冷却することが好ましい。
なお溶接加工は、接続面へのめっきの前または後のいず
れにおいて実施してもよい。
まためっきに際しては、必要に応じてあらかじめ研磨、
トリクロルエチレン等の有機溶剤による脱脂等の予備処
理を施すこともできる。
めっきは、まずカセイソーダ等のアルカリを含む溶液中
でエッチングした後、塩酸を含む溶液でエッチングし、
次いでめっきの工程に入る。
アルカリを含む溶液でのエッチングは、50?/l以上
のカセイソーダを含む溶液で、60〜80℃で1分間浸
漬することで達成できる。
塩酸を含む溶液でのエッチングは、塩酸5〜35%、好
ましくは15〜20%を必須的に含み、硝酸および/ま
たは硫酸0.1〜2%含む溶液を特に加熱することなく
使用し、エッチング時間は30〜60秒で行なうのが良
い。
めつき液は、スルファミン酸塩またはホウフツ化物とし
てニッケルを509/l以上含む他に、塩化ニッケル、
ホウ酸等を含むことが好ましく、まためっきの外観を良
好なものとするために、ナフタレンスルフオン酸ソーダ
などの界面活性剤や、クマリンなどの光沢剤を加えるこ
ともできる。
銀は通常のシアン浴から、錫は錫酸塩浴、ホウフツ化浴
または硫酸浴から、銅はシアン浴、硫酸浴、ホウフツ化
浴のいずれからでも電気めっきできる。
まためっきを施す面は、銅または銅合金端末部を接続す
る面を必須的に含まなければならないが、この面のみに
限定されるものではなく、むしろ、めっき面を限定する
ためにめっきの不要な部分を樹脂等によりシールする手
間を省くためには、羽子板部全面にめっきを施す。
溶融めっきは、常法に従い溶融めっき浴への浸漬、刷毛
塗りいずれでもよい。
以上、本発明の説明は主として羽子板状端子を対象とし
て行ってきたが、形状は特に限定されるものではな《、
例えば後述する実施例3のように単一の筒状スリーブで
、めっきを有する部分で銅撚線を、めっきを有さない部
分でアルミニウム撚線を圧縮接続するアルミニウム接続
具にも適用できる。
次に本発明の実施例を述べる。
実施例1 厚さ12mmのA1060アルミニウム圧延板より幅7
5mm、長さ115mmの板材を切り出し、直径15m
mのボルト穴を4個設けた後、端面より2cmを残して
めっきを施した。
めっきは、まず509/lのカセイソーダ溶液に60℃
で1分間浸漬し、水洗し、次いで塩酸185%、硝酸1
.0%を含む溶液に45秒間浸漬した後、水洗し、 Ni(So3NH2)2・4H20 450g
/lNiC12・6H20 10
g/IH3BO3 30g
/1からなる50℃のめつき液で、IOA/dm2の電
流密度で15分間めっきした。
これに厚さ10mmの銅板をボルト締めして、JIS
Z 2371の塩水噴霧試験を100日間施したが、め
っき層の剥離も接触面の腐食も認められなかった。
実施例 2 厚さ12mmのA1060アルミニウム押出板より幅6
0mm、長さ100mmの板材を切り出し、直径20m
mのボルト穴を2個設けた後、端面より1cmを残して
めっきを施した。
アルカリによるエッチングと、塩酸および硝酸を含む溶
液でのエッチングは、実施例1と同じ条件で行い、めっ
き工程では、実施例1と同じの条件で5分間ニッケルを
めっきした後、シアン浴より5μの銀めっきを施した。
しかる後、管状部と、その先端の三角状部材からなるア
ルミニウム鋳物の三角状部端面と、板状部材の端面をア
ーク溶接により溶接した。
これらの作業はすべて容易に実施でき、外観も良好であ
った。
100時間の塩水噴霧試験を行ったが、めっき表面に腐
食生成物は認められず、長期間大気中に放置しても問題
のないことが立証された。
実施例3 外径48mm,内径29.9mmのA1060アルミニ
ウム引抜管で、740mmの長さの圧縮型直線スリーブ
を作った。
40Cmを液中に浸漬して、実施例1と同じ条件でアル
カリおよび酸によるエッチングを施した。
次いでNi(BF4)2 500g/l H3BO3 30g/l からなるめっき液で、15A/dm2の電流密度で3分
間めっきした後、硫酸銅めっき液で20μの銅めっきを
施した。
めっきを施した部分に、2.9mmφの硬銅線61本を
撚り合せた撚線を、めっきを施していない側に、3.5
mmφの亜鉛めっき鋼線1本と4.5mmφのアルミニ
ウム線26本を撚り合せた鋼心アルミニウム撚線な圧縮
接続した。
40℃の5%食塩水中に10日間浸漬しておいたが、め
っき層はいずれの部分でも剥離しなかった。
以上述べたように、本発明のアルミニウム端子は、接続
部の接続面に、ニッケルを直接電気めっきし、必要に応
じその上に銅、銀、錫、はんだをめっきしてなるため接
続部におけるアルミニウムとニッケルの接合が強固で、
銅とアルミニウムの接触による腐食がなくなるので、耐
食性が良く、長期間大気中に放置しても接続面の腐食が
なく、めっき層の剥離を生ずることがなく、かつ接触抵
抗が増加しない特長がある。
また少《とも板状部に展伸材を使用すると、上述のニッ
ケルの直接電気めっきが好都合に行われる。
また本発明の筒状部分と板状接続部分を別個に作製し、
両部材を接合一体化する製造法は、圧延、押出し、引抜
き等では、スリーブと羽子板を有する端子を一体整形し
て製作することはできないからで、例えば鍛造では、大
型の鍛造機と高価な型を要し、AI端子は電線サイズ、
機器側端子によってサイズ、形状が異り、極めて多数の
型が必要となり、また犬型のAI端子は、鍛造でも製造
は事実上不可能であるのに対し、接続部が塑性変形を受
けた展伸材であることが本発明の一つであり、これを実
施する上で、筒状部分と展伸材よりなる板状部分を別個
に作製し接合一体化する本発明の製造方法は耐食性の良
いアルミニウム端子を容易に安価に製造できる効果があ
る。
【図面の簡単な説明】 第1図は従来のアルミニウム端子を示す斜視図である。 第2図イ乃至チはそれぞれ本発明のアルミニウム端子の
実施例の羽子板部の部分断面図である。 第3図イ,口はそれぞれ本発明のアルミニウム端子の実
施例を示す断面図である。 1・・・・・・ボルト孔、2,12,32・・・・・・
羽子板部(接続部)、3,23・・・・・・電線挿入孔
、4,34・・・・・筒状部、5・・・・・・銅板、1
6・・・・・・ニッケルめっき層、17・・・・・・銅
めっき層、18・・・・・・銀めっき層、19・・・・
・・錫めっき層、20・・・・・・はんだめっき層、2
1・・・・・・上部めっき層、22・・・・・・羽子板
部材、24・・・・・・筒状部材、26・・・・・・溶
接部。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 接続面に、厚さ5〜100μのニッケルを直接電気
    めっきしてなるアルミニウム端子。 2 少くとも板状部が塑性変形を経た展伸材よりなる請
    求の範囲第1項記載のアルミニウム端子。 3 接続面に、ニッケルを直接電気めっきし、次いで銅
    、銀、錫およびはんだより選ばれた一種の金属をめっき
    してなるアルミニウム端子。 4 少くとも板状部が塑性変形を経た展伸材よりなる請
    求の範囲第3項記載のアルミニウム端子。 5 接続面に、ニッケルを直接電気めっきし、次いで銅
    をめっきし、さらにその上に銀、錫またははんだをめっ
    きしてなるアルミニウム端子。 6 少くとも板状部が塑性変形を経た展伸材よりなる請
    求の範囲第5項記載のアルミニウム端子。 7 電線を圧縮接続する筒状部分と、塑性変形を経た展
    伸材よりなる板状接続部分を別個に作製し、上記両部分
    を結合一体化する前または後において、上記板状接続部
    分の接続面にニッケルを直接電気めっきすることを特徴
    とするアルミニウム端子の製造法。 8 ニッケルを直接電気めっきした後に、銅、銀、錫ま
    たははんだをめっきする請求の範囲第7項記載のアルミ
    ニウム端子の製造法。 9 ニッケルを直接電気めっきした後に、銅をめっきし
    、次いで銀、錫またははんだをめっきする請求の範囲第
    7項記載のアルミニウム端子の製造法。
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