JPS5833113B2 - テンシヤインサツホウ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、昇華性染料からなる印刷模様を転写する方法
に関するものである。

従来、昇華性染料では染色しないまたはしにくい素材の
表面に合成樹脂皮膜を形成し、その合成樹脂皮膜上に昇
華性染料を含有するインキにより模様層を形成した転写
紙を重ね合わせて加熱し、上記合成樹脂被膜に染色模様
を形成するようにした転写印刷法は知られている。

しかし、この従来の方法においては、素材の表面に合成
樹脂を塗布し、これを乾燥（硬化）して一旦皮膜を形成
し、それから、この皮膜上に転写紙を重ね合わせて加熱
するので、この転写紙を上記皮膜に密着させることが困
難であって、加熱によって昇華する染料が拡散すること
により、転写された模様がボケで鮮明な模様を得ること
ができない欠点があると共に、その転写の際にプレス装
置を必要とするので、簡易に実施することができない等
の欠点がある。

本発明は、これらの欠点を除去することを目的とするも
ので、その要旨とするところは、昇華性染料を含むイン
キで模様層を形成した転写シートを、昇華する染料を透
過させる剥離層を介して未硬化の合成樹脂組成物の塗布
層に接触させること、この塗布層を硬化させる際に上記
転写シートを加熱すること、上記染料が転写された硬化
合成樹脂層から転写シートを剥離すること、を包含する
転写印刷法にある。

本発明の実施例を図面について以下説明する。

１は転写シートで、支持体シート２に昇華性染料を含む
インキで模様層３を形成し、剥離層４を形成したもので
ある（第１図）。

上記支持体シート２として、アルミ箔・スチール箔等の
金属シート、セロファン、プラスチックシート、紙等の
シートを使用することができるが、転写時の加熱温度に
耐えかつ模様３を形成し得る限り、上記材料に限定する
必要はない。

そして、−面に微細な凹凸を有するか或はこのような凹
凸を形成したものを使用すれば、模様が転写される合成
樹脂層の表面をマット状にすることもできる。

上記染料は、約５０℃乃至２５０℃の温度で加熱するこ
とにより昇華するもので、既知の分散染料・油は染料等
のなかから適宜に選択することができる。

この染料は、アマニ油等の乾性油・乾性油等で変性した
アルキッド樹脂等からなるワニスに練り込むことにより
、またニトロセルロース等のセルロース誘導体・アクリ
ル樹脂等のバインダーと低級アルコール・ケトン類・水
等の溶剤とからなるベヒクルに分散あるいは溶解させて
インキとする。

そして、このインキは平版印刷法・凸版印刷法・グラビ
ア印刷法・シルクスクリン印刷法等の印副手段により、
上記支持体シート２に単色又は多色の模様層３を形成す
る。

上記剥離層４は、上記模様層３から昇華するガス状の染
料を透過させることが必要であって、適当なものとして
シリコン樹脂の皮膜をあげることができる。

５は昇華性染料で染色されないか或はされにくい材料６
に塗布された硬化性合成樹脂層である（第２図）。

この合成樹脂としては、常温であるいは加熱して硬化す
る不飽和ポリエステル・エポキシ樹脂。

アクリル樹脂・ウレタン樹脂等の合成樹脂組成物を使用
することができる。

そして、この合成樹脂組成物は、ロールコータ−・カー
テンフローコーター等の塗装装置によって、あるいは流
展させることにより材料６上に塗布層５を形成すること
ができる。

この材料６は、鉄板・アルミニウム板・亜鉛板・鋼板等
の金属板、合板・ハードボード・パーティクルボード等
の繊維質の板体、スレート板・ガラス板・コンクリート
板特の無機質の板体あるいは紙布等の材料である。

本発明における転写印刷法の操作は、上記材料６に形成
した硬化性合成樹脂の塗布層５が未硬化の状態にあると
き、この塗布層５上に上記転写シート１をのせ、その上
からローラγで較正しつつ転写シート１を塗布層５に接
触させ（第３図）、この転写シート１の方から赤外線ラ
ンプ（図示せず）のよのな熱源で加熱する。

それによって、転写シート１の模様層３から昇華した染
料が転写されるとともに、塗布層５が硬化する。

その後、転写シート１を剥離すると、上記塗布層５が硬
化した合成樹脂層５′に染色模様３′が形成された印刷
物が得られる（第４図）。

本発明は上述のように構成したので、転写シートを合成
樹脂組成物の塗布層に密着させることができ、その密着
状態を維持しつつ転写印刷を行うことができるので、加
熱によって昇華する染料は拡散することなく合成樹１指
層に浸透し、ボケのない鮮明な染色模様を形成すること
ができる。

そして、本発明の方法によれば、プレス装置を必要とす
ることなく上記合成樹脂層の硬化の際に転写が行われる
ので、その作業を簡易かつ迅速化することができる等の
特殊効果を顕著に奏し得る。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示すもので第１図は転写シート
の・一部所面図、第２図は材料に合成樹脂塗布層を設け
た一部断面図、第３図は転写印刷の操作を示す一部断面
図、第４図は転写された印刷物の一部断面図である。 １・・・・・・転写シート、３・・・・・・昇華性染料
を含むインキで形成した模様、５・・・・・・硬化性合
成樹脂の塗布層、γ・・・・・・ローラー。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 昇華性染料を含むインキで模様層を形成した転写シ
   ートを、昇華する染料を透過させる剥離層を介して未硬
   化の合成樹脂組成物の塗布層にローラで転圧して接触さ
   せること、この塗布層を硬化させる際に上記転写シート
   を加熱すること、上記染料が転写された硬化合成樹脂層
   から転写シートを剥離すること、を包含する転写印刷法
   。