JPS583282B2

JPS583282B2 - レコ−ドプレ−ヤキヤビネツト

Info

Publication number: JPS583282B2
Application number: JP15996976A
Authority: JP
Inventors: 伊藤滋章; 根本悦朗
Original assignee: Meisei Chemical Works Ltd
Current assignee: Meisei Chemical Works Ltd
Priority date: 1976-12-29
Filing date: 1976-12-29
Publication date: 1983-01-20
Also published as: JPS5383705A

Description

【発明の詳細な説明】この発明はレコードプレーヤキャビネットに関し、さら
に詳しくは、剛性大きく、内部損失が多く、共振周波数
を低くしたレコードプレーヤキャビネットに関する。

レコードプレーヤキャビネットは周囲を囲む側板に底板
を固定し、上部開放面にボードが施されて構成されてい
る。

このようなレコードプレーヤキャビネットは木質材料で
成形されたものが圧倒的に多いこと周知の通りである。

しかし、木質材料のレコードプレーヤキャビネットは、
比較的軽量で内部損失が少ないために外部からの弾性波
の影響を受け易く、またハウリングを生じ易いなどの問
題点をもっている。

即ち、天然木材自体比重が理想値に比較して非常に小さ
く、これにより得たレコードプレーヤキャビネットは遮
音特性が劣り、また、共振周波数が高く、ハウリングを
生じ易いのである。

そこで、最近レコードプレーヤキャビネットを構成する
材質を木質のものから内部損失が多く、共振周波数を低
くした材質のものに置き換えることが提案されつつある
。

例えば、プラスチックに金属粉を混合したもの、プラス
チックスと鉱物を混合したものにより、成形されたレコ
ードプレーヤキャビネットがある。

しかしながら、金属粉や鉱物をプラスチック材質に対し
、任意量、かつ大量に混入することが技術上困難であっ
て、十分に内部損失を多くし、共振周波数を低くした材
質のものが得られないという問題が残されている。

そこで、この発明は従来の木質レコードプレーヤキャビ
ネットの欠点を改善すると共に、新しい材料によりレコ
ードプレーヤキヤブネットを得ようとするもので、プラ
スチックに対して混合し易すい材料を得る上での問題点
を解決し、さらに、要求される諸特性を満足させること
ができるレコードプレーヤキャビネットを提供しようと
するものである。

ここでいま一度レコードプレーヤキャビネットの材料と
しての諸要求点をまとめると、剛性が大きく、内部、外
部の振動を吸収することができる。

いわゆる内部損失が多いこと、さらに、質量（比重）が
大きく、これにより共振周波数が低く、また、弾性波に
よる影響を受けにくいこと、加えて製作上能率的に成形
できることなどが望まれる。

これら諸要求点に沿って、この発明は、比重の小さい木
質を使用することをやめると共に、比重が大きく加工性
が容易であると共に、微粒子であるが故に得たる成形品
の表面が滑らかであるなどの理由で、硫酸塩を選んで母
材とし、この母材を結合させるために熱可塑性樹脂を結
合材を混合して得た材料をレコードプレーヤキャビネッ
トとして必要な形状に圧縮などの成形により理想的なレ
コードプレーヤキャビネットを得ようとするものである
。

比重が適当に大きいものとして、硫酸バリウム硫酸鉛、
硫酸カルシウムなどで代表される硫酸塩の粉、粒体を母
材とし、この母材に対し重量比約２０％以下の熱可塑性
などの合成樹脂の粉体を混合し、得たる混合物を圧縮す
ることにより任意の形状に成形する。

もちろん、圧縮成形だけでなく射出成形などによって成
形してもよい。

熱可塑性などの合成樹脂は硫酸塩の粒子間を間接的では
あるが結合させるもので、いわば、結合材であって例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニール樹脂
などを用いる。

この結合材としての熱可塑性樹脂は、熱硬化性樹脂であ
ってもよいが、成形時に熱硬化性であるがための工程を
必要とする。

次に、硫酸塩と熱可塑性樹脂の配合例を示す。

配合例１（重合割合）硫酸バリウム９０％ポリエチレン８．０％可塑剤（粘度低下剤）１．４％酸化防止剤０．５％カップリング剤０．１％配合例２硫酸バリウム８０％ガラス繊維
強化ポリプロピレン１８．０％可塑剤（粘度低下剤）
１．４％酸化防止剤
０．５％カップリング剤０．１％
なお、前記配合例（１）、（２）にグラスファイバ、カ
ーボンファイバを加え、成形品の機械的強度を向上させ
ることが好ましい。

以上の配合例（１）、（２）においてカップリング剤は
ポリエチレンと硫酸バリウムの結合を一層強固にするた
めのものである。

また、硫酸塩としての硫酸バリウムの比重は４．０〜４
．５位であって、この比重をさらに大きくするために、
金属酸化物、例えば、酸化チタン（商品名イルミナイト
比重４．５〜５．０）を加えて、レコードプレーヤキャ
ビネットとして必要な比重（重量）にして、特性を向上
する。

この場合の配合例を示すと下記の通りである。

硫酸バリウム、（商品名バライト）６０％金属酸化物
（チタン鉄商品名イル２５％ミナイト）ポリプロピレン１３％可塑剤（粘
度低下剤）１．４％酸化防止剤
０．５％カップリング剤
０．１％なお、金属酸化物としてチタン鉄以外にフエ
ライト、酸化鉛、フエロアロイ、フエロシリコンなどが
あり、ほかに金属単体などにも置換することが可能であ
る。

以上、代表的配合例を示したが、これらによるレコード
プレーヤキャビネットの成形の実際を説明する。

■ 硫酸バリウムならびにカップリング剤を除く他のも
の、具体的には、ポリエチレン、可塑剤、酸化防止剤を
混練する。

■ （１）とは別に硫酸バリウム、カップリング剤を混
練する。

■ 〔■〕と〔■〕の混練物をさらに混練する。

■ 〔■〕工程で得た混線物をエクストルーダによって
流れを生じるまで捏ね、この工程で得たものを所期の形
状に加圧成形する。

なお、加圧成形（圧縮成形）のほか、射出成形所期の形
状に成形することができる。

この発明によるレコードプレーヤキャビネットは、前述
のような成分材料を成形によって得るので、複雑な形状
であっても自由に、かつ量産できしかも、剛性が大きく
、内部損失も多く、必要な重さが得られ、レコードプレ
ーヤキャビネットとしての必要性を悉く備えたものとす
ることができる。

とくに、この発明により得たレコードプレーヤキャビネ
ットは、必ずしも全体が同一成分の材料で成形される必
要はなく、レコードプレーヤキャビネットを構成する構
成部材のうち、少なくとも一面がこの発明に示された成
分のもので構成されているのであってもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明によるレコードプレーヤキャビネット
を備えるプレーヤの側面図、第２図は製造工程の説明図
である。

Claims

【特許請求の範囲】１比重増加を目的とした硫酸バリウムなどで代表され
る硫酸塩の母材に対し、母材粒子の結合を目的とした合
成樹脂などの結合材を加え、少なくともレコードプレー
ヤキャビネットの一面を成形したレコードプレーヤキャ
ビネット。２硫酸バリウム、硫酸カルシウムなどで代表される硫
酸塩を母材とし、これに重量比約２０％以下の結合材と
しての合成樹脂を混合して少なくともレコードプレーヤ
キャビネットの一面を成形したことを特徴とするレコー
ドプレーヤキャビネット。３結合材として熱可塑性樹脂を用いた特許請求の範囲
第２項記載のレコードプレーヤキャビネット。４結合材として熱硬化性樹脂を用いた特許請求の範囲
第２項記載のレコードプレーヤキャビネツト。５硫酸バリウム、硫酸カルシウムなどで代表される硫
酸塩に、金属酸化物などの鉱物および金属粉、粒体の単
体または化合物、あるいは混合物を混合して母材とし、
これに重量比約２０％以下の結合材を混合して少なくと
もレコードプレーヤキャビネットの一面を成形したこと
を特徴とするレコードプレーヤキャビネット。