JPS5832731Y2 - オイルミスト除去装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はオイルミスト除去装置に関するものである。

従来、ケーシングに吸込みファンとフィルターを内蔵し
、吸込み口から吸い込んだ含ミスト空気を上記フィルタ
ーに通して、該フィルターにオイルミストを付着させる
方式のオイルミスト除去装置は種々開発されている。

ところが、従来のこの種装置においては、フィルターで
捕獲しきれなかった残ミストはせいぜい排気口で補助フ
ィルターにて捕獲するようにしているにすぎないため、
残ミストの除去効果に乏しいものであった。

また、含ミスト空気は、吸込みファンの回転により螺旋
状に旋回しなからケーシング沖を移動し、その移動中に
ケーシング内周壁と接触あるいは衝突することによって
もミストがケーシング内周壁に付着して捕獲される効果
がある。

しかるに、従来装置では空気の移動中に乱流が起こり易
く、これにより旋回流が阻害されてケーシング内周壁に
よるミスト捕獲作用が減殺されることになっていた。

本考案は上記の事情に鑑み、ミスト除去効率にすぐれた
オイルミスト除去装置を得んとするものであり、その構
成は次の通りである。

本考案は、吸込みファンおよび該ファンの外周に同軸的
に設けられた円筒状の回転フィルターがケーシングに内
蔵され、このケーシングには、上記回転フィルターの外
周部後方に、吐出口に連通ずるリング状空間部が形成さ
れ、上記吸込みファンおよび回転フィルターの高速回転
によってケーシング内に吸込まれ螺旋状の旋回流となっ
た含ミスト空気を、上記回転フィルターに通した後、上
記リング状空間部を移動させて吐出口から吐出すように
構成されたオイルミスト除去装置において、上記リング
状空間部に多数枚の旋回流誘導用の羽根を、該リング状
空間部を移動する上記旋回流に沿った傾斜姿勢で周方向
一定間隔置きに設けて成ることを特徴とするオイルミス
ト除去装置である。

以下、本考案の実施例を図に依拠して説明する。

１はケーシングで、前端部に吸込み口２を有し、該吸込
み口２に、大径に膨隆した整流室３を介して吸込みダク
ト４が連結される。

整流室３は、吸入された含ミスト空気を急激に膨張させ
ることによつてオイルミストを一部油滴化し、補助排油
口５から排出する。

６はシロッコファン、７は該ファン６と同軸的に取付け
られた回転フィルター、８はこれらを回転させるモータ
、９，９はモータ軸の軸受である。

回転フィルター７は、周壁に多数の孔が設けられたドラ
ム７ａの内面にポリプロピレン繊維等からなるフィルタ
一層７ｂを添着して戒っている。

この回転フィルター７の外周部には所定の間隙を存して
円筒状の第１吸着フィルター１０が設けられ、さらにこ
の第１吸着フィルター１０に対向するケーシング内周壁
に第２吸着フィルター１１が互いの間に空間部１２を存
して設けられている。

ケーシング１の後半部内側には有底円筒状の内ケース′
１３が設けられている。

この内ケース１３によってケーシング１の後半部空間１
４がリング状に形成され、回転フィルター７を通過した
空気がその外周方向から吸着フィルター１０．１１間の
空間部１２を通って該リング状空間部１４に向かうよう
に構成されている。

また、リング状空間部１４は、軸方向中間部でガイド枠
１５によって開口断面積が絞られている。

かくして、該リング状空間部１４が、吸着フィルター間
空間部１２の直後部の広口部分１４ａと、ガイド枠１５
による狭小部分１４ｂ、それにガイド枠１５の後方およ
び外周部に亙る拡散部分１４Ｃとから形成されている。

このようにリング状空間部１４の広さをケーシング軸方
向に沿って広、狭、広と変化させておけば、シロッコフ
ァン６の回転によってケーシング１中を螺旋状に旋回し
ながら移動する空気が、この部分１４で繰り返し膨張、
収縮することにより、ミストの捕獲効率が高まることと
なる。

１６は吐出口で、ケーシング後端部におけるリング状空
間部１４の拡散部分１４Ｃに臨む位置に設けられている
。

上記リング状空間部１４における狭小部分１４ｂには、
多数枚の旋回流誘導用の羽根１７・・・・・・が周方向
に一定間隔を置いて設けられている。

この羽根１７・・・・・・は、ケーシング１中を移動す
る螺旋状の旋回流にほは゛沿うように軸線に対し所定の
角度（たとえば６０°）をもった傾斜姿勢で取付けられ
ている。

また、各羽根１７・・・・・・の片面、すなわち旋回流
との接触の激しい側の面にフィルター１８・・・・・・
が装着されている。

なお、リング状空間部１４には、広口部分１４ａおよび
狭小部分１４ｂならびに拡散部分１４Ｃにそれぞれフィ
ルター１９．２０．２１が設けられ、これらと旋回流と
の接触によってミストを吸着しうるように構成されてい
る。

また、図中２２は主排油口、２３は各部からのオイルを
主排油口２２に導く案内樋である。

この装置の作用を説明すると、ファン６の回転によって
図外のフードから吸込みダクト４および整流室３を経て
ケーシング１内に吸入された含ミスト空気は、ファン６
および回転フィルター７の高速回転に基づき螺旋状に旋
回しなからケーシング１中を第１図矢印で示す経路で移
動する。

すなわち、この旋回流はまず回転フィルター７を通過し
、第１吸着フィルター１０および空間部１２を通り、さ
らにリング状空間部１４を通って吐出口１６から吐出さ
れる。

回転フィルター７に付着したオイルミストは、油滴に成
長したときに該フィルター７の高速回転に伴う遠心力に
よって外方に振り飛ばされ、一旦第１吸着フィルター１
０に付着する。

この第１吸着フィルター１０には、含ミスト空気の通過
によってもオイルミストが付着され、この油分と回転フ
ィルター７から飛ばされてきた油滴が結合して成長じた
後、風圧により飛ばされて第２吸着フィルター１１に付
着する。

同フィルター１１に付着した油分は、空間部１２の空気
の移動に伴ってフィルター１１中を後方に移動し、案内
樋２３を通って主排油口２２から排出される。

また、第１吸着フィルター１０からもある程度の油分が
同様に主排油口２２に導かれる。

旋回流に含まれたオイルミストは、上記回転フィルター
７および第１．第２吸着フィルター１０．１１によって
大半が捕獲されるが、これらフィルター７．１０．１１
で捕獲しきれなかったミストは空気とともにさらにリン
グ状空間部１４に向かうこととなる。

ノング状空間部１４に入った旋回流は、第４図矢印で示
すように狭小部分１４ｂに設けられた多数枚の羽根１７
・・・・・・間を通り、この際に各羽根１７・・・・・
・と接触することにより、旋回流に含まれたミストが羽
根１７・・・・・・に付着する。

この場合、ミストは羽根１７・・・・・・の両面に付着
するが、多くはフィルター１８が設けられた側の面に付
着することが実験により確認された。

この種ミスト除去装置において、含ミスト空気との接触
物をその移動経路中に配置しておくことがミスト捕獲の
基本原理である。

この点において本考案装置では、ケーシング中の空気の
流れ、すなわち螺旋状の旋回流に沿って多数枚の羽根１
７・・・・・・を設けであるため、この部分で旋回流と
の接触作用が激しく行なわれる。

しかも、旋回流と直角にフィルター等を設けた場合のよ
うに旋回流の流通性を阻害するおそれがなく、羽根１７
・・・・・・による旋回流の誘導作用により、該旋回流
を整流し、よりスムーズに移動させることができる。

このため、旋回流が本来もつ好ましい作用、すなわち旋
回に伴う遠心力により、空気より重いミストをケーシン
グ内周壁に押しつける作用を助長することができる。

かくして、この装置によるときは、羽根１７・・・・・
・自身によるミスト捕獲作用と、旋回流を助長すること
によるケーシング内周壁でのミスト捕獲の効率アップと
によって非常に効率のよいミスト除去作用が得られる。

また、リング状空間部１４を、広口部分１４ ａと狭小
部分１４ｂと拡散部分１４ Ｃとで形威しであるため、
旋回流は空間部１２から広口部分１４ａに入った瞬間に
膨張し、ついで狭小部分１４ ｂで収縮し、拡散部分１
４ Ｃに至って拡散する。

このように空気を再々膨張させることにより、ケーシン
グ内周壁へのミスト付着作用を効果的に行なわせること
ができる。

これにより、空間部１２以後のミスト除去効率を一段と
高めることができる。

なお、このようにリング状空間部１４の空間断面積を変
化させた場合、狭小部分１４ｂにおける空気の流れの変
化によってかく乱流が生じがちとなり、この乱流によっ
て旋回流の流通性が阻害されるおそれがある。

この点、本装置では前記したように狭小部分１４ｂに羽
根１７・・・・・・を設けることによって旋回流の流通
を促進することができるため、か・る乱流が起こるおそ
れがなく、旋回流の良好な流通性を維持しながら、上記
した空気の膨張による効果的なミスト除去作用を得るこ
とができる。

但し、本考案においては、羽根１７・・・・・・本来の
作用、すなわちミスト捕獲作用および旋回流の案内整流
作用によって充分なる効果が得られるため、空間断面積
が変化するリング状空間部１４によるミスト除去作用は
必ずしも必要とはしない。

従って、羽根１７・・・・・・の設置部位はとくに限定
されず、フィルター構造との関係等を考慮して、旋回流
の移動経路中の適宜部位に設ければよい。

以上述べたように本考案によれば、ケーシング中に旋回
流に沿って多数の旋回流誘導用の羽根を設けることによ
り、旋回流に含まれたミストを該羽根に付着させるとと
もに、旋回流の流通性を助長してケーシング内周壁に対
するミスト付着作用を高めることができ、これにより装
置全体としてミスト除去効率を格段に高めることができ
るものである。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例を示し、第１図は縦断側面図、第２
図は第１図ＩＩ −ＩＩ線に沿う断面図、第３図は羽根
取付部分の斜視図、第４図は作用を説明するための概略
的横断面図である。 １・・・・・・ケーシング、６・・・・・・吸込みファ
ン、７・・・・・・回転フィルター、１４・・・・・・
リング状空間部、１６・・・・・・吐出口、１７・・・
・・・旋回流誘導用の羽根。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 吸込みファンおよび該ファンの外周に同軸的に設けられ
   た円筒状の回転フィルターがケーシングに内蔵され、こ
   のケーシングには、上記回転フィルターの外周部後方に
   、吐出口に連通ずるリング状空間部が形成され、上記吸
   込みファンおよび回転フィルターの高速回転によってケ
   ーシング内に吸込まれ螺旋状の旋回流となった含ミスト
   空気を、上記回転フィルターに通した後、上記リング状
   空間部を移動させて吐出口から吐出すように構成された
   オイルミスト除去装置において、上記リング状空間部に
   多数枚の旋回流誘導用の羽根を、該リング状空間部を移
   動する上記旋回流に沿った傾斜姿勢で周方向一定間隔置
   きに設けて戊ることを特徴とするオイルミスト除去装置
   。