JPS5832312B2 - 不定形耐火物構造 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、不定形耐火物構造、特に、セラミック製アン
カーと金属製アンカーとよりなる支持具を使用した不定
形耐火物構造に関する。

従来から、金属製アンカーを使用した不定形耐火物構造
は公知であるが、金属製アンカーは、（１）耐熱性が比
較的低く、アンカーを耐火物の施工面まで出すことがで
きないため、アンカーの内蔵しない先端耐火物に対して
補強が弱く、脱落を生じやすい。

また、耐火物の表面温度が高温の場合、アンカー先端部
の酸化による劣化を生じ、部分的に補強の効果がなくな
ることがある。

（２）熱膨張率が比較的太きいため、耐火物にクラック
が発生しやすく、耐火物の破損原因になることが多い。

（３）熱伝導率が比較的高いため、鋼板の表面温度がア
ンカーの熱放散により高くなりやすい。

（４）酸等に対して侵蝕されやすく、耐酸ライニング材
等のアンカーとして耐蝕性がない。

（５）膨張代として、各アンカーにビニルテープ等を巻
く必要があり、施工に手間がかかり、作業性に劣る。

など種々の欠点があった。

本発明は、これらの欠点を解決することを目的とするも
ので、鉄皮に金属製アンカーを熔接し、その上部におい
て枝分れ部を有するセラミック製アンカーを内挿するよ
うに接合して一体化し、これに不定形耐火物を支持させ
ることにより、不定形耐火物を使用した炉などの寿命を
向上させた不定形耐火物構造を提供しようとするもので
ある。

すなわち、本発明は不定形耐火物を、滑り止めを設けた
枝分れ部分を有するセラミック製アンカーと鉄皮に配設
した金属製アンカーとを一体化してなる保持具によって
支持した不定形耐火物構造において、枝分れしない部分
の端部に逆り字形の棒状接合具案内溝及びその溝の先端
部に棒状接合具の挿入する貫通孔とを具えたセラミック
製アンカーを金属製アンカーに挿入し、前記案内溝に沿
って回転止の位置まで移動させながら貫通孔に棒状接合
具を挿入し、金属製アンカーとセラミック製アンカーと
を一体化した保持具により不定形耐火物を保持してなる
不定形耐火物構造である。

以下、さらに本発明の詳細な説明する。

本発明は、枝分れ部分を有するセラミック製アンカーと
金属製アンカーとを接合して一体化しこれを支持具とし
て不定形耐火物を支持させた不定形耐火物構造を要旨と
するものであるが、まず、枝分れ部分を有するセラミッ
ク製アンカーは、その材質として、窒化ケイ素、炭化ケ
イ素、アルミナなどのセラミックを単独または、これら
の混合物を用い、これを粘着剤例えばポリビニルアルコ
ールなどの水溶液を用いて混練成形し、焼結することに
よって製造することができる。

これらの材質の中で、特に熱膨張率及び熱伝導率が小さ
く、熱衝撃性良好な窒化ケイ素を９０重量係以上含有さ
せたものが好ましい。

本発明に用いる枝分れ部分を設けたセラミック製アンカ
ーとは、Ｙ字形、■字形など複数の枝分れ部分を設けた
ものであって、その外周面に滑り止めを設けることが望
ましく、その滑り止めは、その外周面全面又は枝分れ部
分にリング状、ら線状などを形成させたものであって、
これらはセラミック製アンカーと同一材料または耐熱性
を有する材料からなり、一体成形又は別々に成形し、こ
れを埋設してもよい。

このように滑り止めを設けた保持具でキャスタブルなど
の不定形耐火物を支持すると、その脱落や亀裂など防止
することができる。

また、本発明に使用するアンカーは、セラミック製のも
のであるので、十分高温に耐えるので。

不定形耐火物の表面と同じ位置に固定することができる
。

、本発明に用いる枝分れ部分を設けたセラミック製アン
カーは、パイプ状の金属製アンカーに内挿するように接
合されるが、その上部においてピン状、ネジ状などの棒
状の接合具によって一体化することができる。

棒状接合具によってセラミック製アンカーと金属性アン
カーと接合する場合は、セラミック製アンカーの枝分れ
していない部分に例えば逆り字形形状の案内溝とその先
端部に孔を設けたものを使用し、これを金属製アンカー
内に挿入し、棒状接合具を介して一体化する方法も考え
られるが、これはセラミック製アンカーを金属製アンカ
ーに取付ける際に天井部分など取付にくい所があり、ま
た、数多く取付けるため通常金属アンカーの上部に棒状
接合具を挿入した状態としたままで、これとセラミック
製アンカー案内溝と嵌合させた後セラミック製アンカー
を移動させ逆り字形案内溝の先端の穴に差し込むように
すれば、作業性がよいので好ましい。

この棒状接合具及びセラミック製アンカーの穴にネジ山
を設けておくと固定しやすいという利点がある。

棒状接合具は、金属製又はセラミック製のものであって
もよいが、膨張率などの点からセラミック製のものが好
ましいが、高温に耐えられる材質のものであればよく、
これらに限定されるものではない。

以下、さらに本発明の実施例を図面によって説明する。

第１図は、本発明の詳細な説明図であり、第２図、第３
図及び第４図は、それぞれセラミック製アンカー下部棒
状接合部の側面図、Ａ−Ａ線断面図及び縦断面図である
。

第１図において、ケーシング１にパイプからなる金属製
継手２を溶接する。

この金属製継手２の上部にセラミック製アンカー３を固
定する棒状接合具４を挿入する棒状接合具穴５とセラミ
ック製アンカー３に設けた逆り字形案内溝７と合せ、棒
状接合具４をその案内溝に従って回転止の位置まで廻し
、その位置に設けた貫通孔８に棒状接合具４を入れ、セ
ラミック製アンカー３を金属製継手２に固定させる。

また、セラミック製アンカー３の枝分れ部にはリング状
のすべり止め６が設けてあり、これによってこの上にキ
ャスタブルなどの不定形耐火物を施工した場合、リング
状滑り止めの下面への不定形耐火物の充填、密着も容易
であり、剥離又は亀裂などの損傷を防止することができ
る。

以上説明したように、本発明によるセラミック製アンカ
ーを使用した場合、 （１）耐熱性が高く、耐火物施工面までアンカーを出す
ことができるので補強効果が全体におよび、先端耐火物
の脱落を防止できる。

（２）熱膨張率が小さいため、耐火物のクラック発生を
防止し、耐火物の寿命が延びる。

（３）熱伝導率が低いため、熱損失が少なく鋼板の表面
温度を低下させる効果がある。

（４）耐蝕性にすぐれるため、硫酸等の発生する煙突、
煙道等の耐酸ライニング材のアンカーとして強い耐酸性
がある。

（５）膨張代として各アンカーにビニールテープ等を巻
く必要がなく、また軽量のため作業性にすぐれている。

（６）鉄皮への金属製アンカーの固定が複数個所のため
膨張収縮による不定形耐火物への損傷がない。

などの利点がある。

【図面の簡単な説明】 第１図は、本発明の詳細な説明図、第２図、第３図及び
第４図はそれぞれセラミック製アンカー下部棒状接合部
の側面図、Ａ−Ａ線断面図及び縦断面図である。 信号、１・・・ケーシング、２・・・金属製継手、３・
・・セラミック製アンカー、４・・・棒状接合具、５・
・・棒状接合具穴、６・・・滑り止め、７・・・セラミ
ック製アンカー案内溝、８・・・貫通孔。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 不定形耐火物を、滑り止めを設けた枝分れ部分を有
   するセラミック製アンカーと鉄皮に配設した金属製アン
   カーとを一体化してなる保持具によって支持した不定形
   耐火物構造において、枝分れしない部分の端部に逆り字
   形の棒状接合具案内溝及びその溝の先端部に棒状接合具
   の挿入する貫通孔とを具えたセラミック製アンカーを金
   属製アンカーに挿入し、前記案内溝に沿って回転止の位
   置まで移動させながら貫通孔に棒状接合具を挿入し、金
   属製アンカーとセラミック製アンカーとを一体化した保
   持具により不定形耐火物を保持してなる不定形耐火物構
   造。