JPS5832258Y2 - 小型バリコン - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は小型バリコンに係り、押板に彎曲部及びその周
辺に切欠部を設けることにより全体を薄型化しうると共
にロータ軸の適切な回転トルクを得られる小型バリコン
を提供することを目的とする。

従来の小型バリコンとしては、１例として第１図に示す
ものがあった。

同図中、小型バリコン１は大略パネル板２に取付けた小
型バリコン本体３の後述するロータ軸９にネジ１３によ
り更にプーリ４を取付けている。

小型バリコン本体３は、大略基板５に植設したピン部６
にステータ板７を固定し、且つ該基板５及び押板８に枢
支されたロータ軸９にロータ板１０及びストッパー板１
１を取付固定してなり、更に該基板５には１対のピン１
２を植設される。

尚押板８はピン部６上端に嵌合され各ピン部に螺装した
ナツトにより固着される。

プーリ４は上記ロータ軸９のパネル板２下方の突出部に
同軸的にネジ止め固定される。

従って、小型バリコン本体３の容量可変時には、プーリ
４がベルト駆動により回動されることにより、ロータ軸
９及びロータ板１０が回動されてロータ板１０及びステ
ータ板７の対向面積が可変される。

又ロータ軸９（ロータ板１０）の回動範囲は、これと一
体的に回動するストッパー板１１の凸部１１ ａが１対
のピン１２に夫々当接する範囲内とされる。

しかるに上記従来例によれば、押板８は単に平板である
ため、ピン部６上端のナツトはバリコン全体に対し独自
の高さを形成し、バリコン高さが大になるという欠点が
あり、又押板８は何ら弾性力を有さないため、ロータ軸
９の回動トルクは単にその軸承部、ステータ板７及びロ
ータ板９の噛合摩擦等のみにより決まり不安定であり操
作フィーリングも不安定であるという欠点があった。

本考案は上記欠点を除去したものであり、以下図面と共
にその各実施例につき説明する。

第３図〜第５図は夫々本考案になる小型バリコンの１実
施例の平面図、縦断面図及び底面図、第６図は上記小型
バリコンの分解斜視図である。

第４図中、小型バリコン２１はプーリ２２を組付けた小
型バリコン本体２３をパネル板２４に取付けてなる。

プーリ２２は第３〜第６図に示す如く、樹脂等より後述
するロータ軸２５と共に盆形状に一体モールド成型した
ものである。

従って、このプーリ２２及びロータ軸２５は一体成型構
造であるため、上記従来例の組付構造に比して、ネジ等
による組付作業を必要としないため、組付工数を低減し
え、又組付構造にガタを生ずることなく相互の円周方向
位置及び直角度の精度を向上して性能を向上しえ、又ネ
ジ止めの如くロータ軸２５に過大荷重がかかる恐れがな
く一層性能を向上しえ、又ネジを不要とする分だけ組付
構造厚さを低減して全体を薄型化しうる。

又第４図、第５図に示す如くロータ軸２５下端の樹脂製
ブー１１２２に埋設される部分には、円周方向溝及び下
端割溝等が設けられて樹脂との接触面積を大とされてい
るため、プーリ２２及びロータ軸２５の取付けは極めて
強固である。

プーリ２２は筒状部２２ａ、凹部２２ｂ、及びベルト巻
回部２２ Ｃを有し、筒状部２２ ａ上面に１対の凸部
２２ｄ１，２２ｄ２を一体形成される。

又ロータ軸２５は断面長円状で下部及び上部に夫々軸受
は部２５ ａ及びネジ孔２５ ｂを形成される。

小型バリコン本体２３は基板２６を有し、この基板２６
は孔２６ ａを有し、父上部にネジ部を形成された４本
のピン部２６ｂ、第４図中前後方向１対の取付部２６
Ｃ及び第５図に示す如く上記１対の凸部２２ｄｌ、２２
ｄ２に当接するーのストッパ一部２６ｄを一体形成され
てなり、上記プーリ２２の凹部２２ ｂ内に収納される
。

このとき孔２６ ａより突出するロータ軸２５にはワッ
シャ２７が嵌装され、又各ピン部２６ ｂには夫々セラ
ミック等の絶縁ブツシュ２８を嵌装される。

尚この基板２６はロータ軸２５と導通しており、１対の
取付部２６ Ｃはロータ側アースの機能も兼ねる。

第６図中、後方の１対のピン部２６ｂ（ブツシャ２８）
には更にポリエチレン等の絶縁ワッシャ２９０、夫々複
数の導電性ステータ板３０１、及びワッシャ３１．端子
板３２□、及び短寸法の絶縁ブツシュ３３を夫々順次嵌
装され、該ステータ板３０、にはロータ軸２５に一体回
動可能に嵌装された複数のロータ板３４、が交互に対向
する。

他方、前方の１対のピン部２６ｂ（ブツシュ２８）には
、夫々短寸法絶縁ブツシュ３３、端子板３２２、夫々複
数の導電性ステータ板３０□及びワッシャ３１．及び絶
縁ワッシャ２９２を夫々順次嵌装され、該ステータ板３
０□にはロータ軸２５に更に嵌装された複数のロータ板
３４□が交互に対向する。

次に、第４、第６図に示す如く、ロータ軸２５のネジ孔
２５ ａにネジ３５が螺合されて上記ロータ板３４１，
３４２が締付けられ、又該ネジ３５の小径軸部３５ ａ
にワッシャ４１が嵌装される。

４２は金属製押板で、略中央部が上方へ彎曲してなる彎
曲部４２ａ（中央に孔４２ ｂを有する）、四辺の切欠
部４２Ｃ１四隅の支持孔４２ ｄを有する。

尚切欠部４２ Ｃの存在により彎曲部４２ ａの絞り加
工は押板周辺にしわを生ずることなく良好に行なわれる
。

押板４２は四隅の支持孔４２ ｄが夫々ピン部２６ｂに
嵌合された後該各ピン部２６ ｂにナツト４３が螺装さ
れることにより、該各ピン部２６ ｂに固着して取付け
られる。

同時に孔４２ ｂにネジ３５の小径軸部３５ ａが嵌入
され、ネジ３５及びロータ軸２５は切欠部４２ Ｃを有
さない押板８の本来の弾性力が該切欠部４２ Ｃの存在
により適宜に調整された弾性力によりバリコン基板方向
へ付勢され、ロータ軸２５に適切な回動トルクを設定せ
しめる。

最後に樹脂製のケース４４が基板２６周縁に係合して嵌
合され、上記各端子板３２□、３２２の上端部を第６図
中二点鎖線で示す如く折曲して夫々ケース４４の１対の
切欠部４４ ａに案内係合させて該ケース４４を係止す
る。

かくして第２図に示す如く、小型バリコン本体２３及び
プーリ２２の組付けが完了し、更に１対の上記取付部２
６ Ｃによりパネル板２４にネジ止めされて小型バリコ
ン２１が完成する。

従って、この小型バリコン２１によれば、ナツト４３高
さは押板４２の彎曲部４２ ａ高さと重複しており、し
かも彎曲部４２ ａ内にネジ３５の少なくとも一部が収
納されるため、全体として従来例に比して、上記ネジ３
５の彎曲部４２ ａ内への収納高さ分バリコン高さが低
減され薄型化される。

又この小型バリコン２１によれば、プーリ２２の凹部２
２ ｂ内に小型バリコン本体２３の下部が入り込んでい
るため、バリコン本体２３及びプーリ２２を合計した高
さ寸法は比較的小さくなり小型バリコン２１を薄型化し
つる。

次に上記小型バリコン２１の駆動動作時には、プーリ２
２がベルト駆動により回動されると、これと一体的にロ
ータ軸２５がその軸受部２５ ａ及びネジ３５の凸部３
５ ａを夫々基板２６及び押板４２により支承されて回
動する。

これにより、ロータ板３４□。３４□が夫々ステータ板
３００，３０２に対して対向面積を可変しながら回動し
ロータ側アースの取付部２６Ｃと各端子３２□、３２２
との間に夫々所定の容量を可変的に設定する。

又第３図中、プーリ２２が時計方向へ回動する時は、同
図に示す如く、プーリ２２の凸部２２ｄ１がバリコン基
板２６のストッパ一部２６ｄに当接して停止し、又逆に
プーリ２２が反時計方向へ回動する時は、他の凸部２２
ｄ２が上記ストッパ一部２６ ｄに当接して停止するも
のであり、これによりロータ板３４． 、３４□は大略
１８０°の範囲内で上記の如く回動じうるちのである。

上記小型バリコン２１によれば、更に凸部２２ ｄ工、
２２ｄ２及びストッパ一部２６ ｄとロータ軸２５との
距離が、従来例に比してかなり大となるため上記回動停
止時に円周方向位置精度を向上しうる。

又上記ロータ軸２５の回動駆動力即ち回転モーメントが
一定の条件下では、上記距離が大であるほどストッパ一
部２６ ｄに加わる力は小さくなるため、該ストッパ一
部２６ｄは強度的に弱くてもよく小型のものとしえ、プ
ーリ２２の筒状部２２ ａを薄型化しうる等により材料
コストを低減しうる。

上記実施例では、小型バリコン本体２３にプーリ２２を
取付けるものであったが、プーリに限ることなく、第８
図に示す如く、側面にギヤ部５１ ａを設けたギヤ体５
１の凹部にバリコン本体２３を収納する構成として、該
ギヤ体５１をこれに噛合する他のギヤにより回動駆動す
るようにしてもよい。

又このギヤ体５１の代わりに第９図に示す如く、上面に
ギヤ部５２ ａを設けたギヤ体５２として、該ギヤ部５
２ ａに噛合するピニオンにより回動駆動するようにし
てもよい。

又プーリ２２の代わりに手動操作しうるダイヤルとして
もよく、又該ダイヤル又はその周縁パネルに回動角度を
表示する目盛を取付けてもよい。

又上記実施例のストッパー機構は、プーリ２２の１対の
凸部２２ｄ、、２２ｄ２及び小型バリコン本体２３の−
のストッパ一部２６ ｄよりなるが、これに限ることな
く、逆に第８図に示す如く、プーリ２２の−の凸部２２
ｅを又小型バリコン本体２３に１対のストッパ一部２
６ ｅ １，２６ ｅ ２を設けてこれに該凸部２２
ｅが夫々当接するようにしてもよく、又第１１図に示す
如く、プーリ２２の筒状部２２ ａの内壁に１対の凸部
２２ｆ、、２２ｆ２を設けてこれに小型バリコン本体２
３の−のストッパ一部２６ ｆが夫々当接するようにし
てもよい。

尚上記各実施例において、プーリ２２又は小型バリコン
本体２３のいずれか一方の一対の凸部又はストッパ一部
を夫々１個のみとすればロータ板３４□、３４□の回動
角度を大略３６０゜まで拡げることが可能となるし、同
時に種々の回動可能角度を設定しうる。

尚又、上記の第８図、第９図の実施例ではストッパー機
構を図示していないが上述したストッパー機構のいずれ
かを適用することができる。

特に第９図の実施例では、第１１図のストッパー機構が
適当で゛ある。

第１２図〜第１４図は上記実施例のネジ３５及びワッシ
ャ４１の他の実施例を示すものであり、何れの実施例も
ロータ軸２５の回動動作を滑らかにしうるものである。

第１２図中、ネジ５３は上面の凹部５３ ａを有し、こ
の凹部５３ ａに嵌入されたボール５４が更に押板４２
の孔４２ ｂにも嵌入して回転自在とされている。

第１３図中、ネジ５５は円錐状部５５ ａを有し、これ
の上端が上記孔４２ ｂに嵌入されている。

第１４図中、ネジ５６は円錐台状部５６ ａを有し、該
円錐台状部５６ ａが押板４２の孔４２ ｂ周縁を上方
へ彎曲させてなる軸受部４２ ｅに嵌入される。

又、上記各実施例では、プーリ２２（ギヤ体５１．５２
）は大略盆形状をしていたが必ずしもこれに限ることな
くフラットな円板形状でもよい。

更に又、上記各実施例ではバリコン基板２６は金属製で
あったが、これに限ることなく、例えば樹脂等の絶縁材
料でもよくこれに金属製のピン部２６ｂを嵌合固定又は
製造時に一体モールド戊形すればよい。

尚このときは押板４２等をロータ側アースとすればよい
。

上述の如く、本考案になる小型バリコンによれば、押板
は、その略中央部が外方に彎曲された彎曲部と該彎曲部
底部の孔と周辺に設けた適宜数の切欠部とを有し、ロー
タ軸は該ロータ板を締付ける螺合部材が螺装され且つ該
ロータ軸上部に配された軸部を有し、該螺合部材の少な
くとも一部が該彎曲部内に収納される状態で上記軸部が
該押板の孔に嵌入軸承されるよう構成してなるため、押
板の彎曲部内に螺合部材の少なくとも一部が収納され、
しかも該彎曲部の高さは押板に挿通されるステータ支柱
等の取付部高さく例えば取付用ナツトの高さ）に重複し
ているため、バリコン全体高さが上記螺合部材の収納高
さ分低減されバリコンを薄型化しえ、又押板によりロー
タ軸をバリコン基板方向へ付勢し且つ押板の周辺の切欠
部の存在によりロータ軸にその回動方向上適切な回動ト
ルクを設定して操作フィーリングを向上しうると共に、
又該切欠部の存在により上記彎曲部を絞り加工する際に
押板周辺に加工しわ等を発生することなく、良好な加工
を行ないえ押板の精度及び美観を向上しうる等の特長を
有する。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は夫々小型バリコンの従来例の一部切
截側面図及び第１図中Ａ−Ａ線に沿う矢視図、第３図〜
第５図は夫々本考案による小型バリコンの一実施例の平
面図、第３図中Ａ−Ｊ線に沿う矢視図及び底面図、第６
図は上記小型バリコンの分解斜視図、第７図は上記小型
バリコンの縦断面部分図、第８図〜第１４図は夫々上記
小型バリコンの変形例を示す図である。 １．２１・・・・・・小型バリコン、２．２４・・・・
・・パネル板、３゜２３・・・・・・小型バリコン本体
、４，２２・・・・・・プーリ、５゜２６・・・・・・
バリコン基板、６，２６ ｂ・・・・・・ピン部、７，
３０．。 ３０２・・・・・・ステータ板、８，４２・・・・・・
押板、９，２５・・・ロータ軸１０，３４□、３４□・
・・・・・ロータ板、１１・・・・・・ストッパー板、
１１ ａ 、２６ ｄ 、２６ ｅ、２６ ｅ２，２６
ｆ ・−・・ニーストッパ一部、１２・・・・・・ピ
ン、１３・・・・・・ネジ、２６Ｃ・・・・・・取付部
、２８．３３・・・・・・ブツシュ、２９．．２９□・
・・・・・絶縁ワッシャ、３２□、３２゜・・・・・・
端子板、３５，５３，５５．５６・・・・・・ネジ、３
５ａ・・・・・・小径軸部、４２ ａ・・・・・・彎曲
部、４２ Ｃ・・・・・・切欠部、４３・・・・・・ナ
ツト、４４・・・・・・ケース、５１，５２・・・・・
・ギヤ体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. バリコン基板及び押板間に、ステータ支柱に支持したス
   テータ板と、該画板間に軸承したロータ軸に支持したロ
   ータ板とを噛合させて配してなる小型バリコンにおいて
   、該押板は、その略中央部が外方に彎曲された彎曲部と
   該彎曲部底部の孔と周辺に設けた適宜数の切欠部とを有
   し、上記ロータ軸は該ロータ板を締付ける螺合部材が螺
   装され且つ該ロータ軸上部に配された軸部を有し、該螺
   合部材の少なくとも一部が該彎曲部内に収納される状態
   で上記軸部が該押板の孔に嵌入軸承されるよう構成して
   なる小型バリコン。