JPS5832185B2 - スイセイインキソセイブツ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は筆記具用、スタンプ用、印刷用、記録 折用として好適な水性インキ組成物、更に詳細には蒸発
を制御し、長期間大気に露出していても耐乾燥性に優れ
た特性を有する水性インキ組成物に関するものである。

従来より、例えば筆記具、具体的には繊維、フェルト、
モノフィラメント使用のペン先付筆記具、又は万年筆等
の毛細管型筆記具において、その保存中又はキャップを
筆記具本体からはずし、ペン先が大気中に長時間露出さ
れていてもペン先のインキ流通路を詰らせる事な（、常
にインキが円滑に流出し、筆記を極めて円滑に行わしめ
ることができるような水性インキが要望され、又その要
望に応えるべくグリコール系溶剤、グリコールエーテル
系溶剤、グリコールエーテルエステル系溶剤等の水溶性
有機溶剤、或いは塩化リチウム、塩化カルシウム等の吸
湿性無機化合物を水溶性染料の水溶液に包含させ、耐乾
燥性を向上せしめんとした水性インキが知られているが
、耐乾燥性を十分に満足するものが得られなかった。

その理由としては、グリコール系溶剤は一般に高粘度、
高沸点を有する為インキの粘度が上昇し、低粘度を要求
される前記筆記具に使用した場合、インキの流出が阻害
されインキ切れの原因になり、又筆跡が乾燥しにくく筆
記後の耐摩耗性も劣るなどの欠点があり、使用量には限
度があり耐乾燥性を十分に満たすだけの量を添加するこ
とができない。

グリコールエーテル系溶剤及びグリコールエーテルエス
テル系溶剤は、一般に表面張力が低いため筆跡が滲み易
く、紙の裏面にまでインキが浸透したり或いは表面にて
滲んで明瞭な筆跡が得られない事；水溶性染料に対する
溶解力が低く十分な発色が得られない事；インキの粘度
を上昇させる事；臭気が強い事などの欠点があり、前記
同様に耐乾燥性を十分に満たすだけの量を添加すること
ができない。

又、塩化リチウムや塩化カルシウムは染料と反応し、塩
を形成し、染料の溶解度を低下させる為、高濃度のイン
キを調整し難く、耐乾燥性を十分に満たすだけの量を添
加することができないということに起因するものであっ
た。

又、筆記具用インキ以外の、例えばスタンプ用インキ等
についても未だ十分なものとはいえなかった。

そこで、本発明は叙上せる従来の問題を解消すべく種々
研究を重ねた結果、水溶性染料の水溶液にＮ−ポリオキ
シエチレン化ピロリドンを配合せしめた場合、耐乾燥性
の良好な、急激な粘度上昇の生ずることのない、染料の
溶解度が良好且つ耐水性等にも優れた水性インキ組成物
が得られることを見い出し本発明を完成したものである
。

即ち、本発明は水溶性染料の水溶液に、下記一般式（１
）で示されるＮ−ポリオキシエチレン化ピロリドンを配
合したことを特徴とする水性インキ組成物を要旨とする
ものである。

（式中、ｎは２〜３０の整数を表わす） 次に、本発明の水性インキ組成物の各成分について更に
詳細に説明する。

水溶性染料としては水溶性の酸性染料、直接性染料、或
いは塩基性染料等のほとんどの染料が使用可能であるが
、具体例を挙げれば、酸性染料としてはアイゼンエオシ
ンＧＨ（Ｃ，１，４５３８０）、ウォーターブランク＃
２１ （Ｃ，１，１５９８５，４２０９０，４２７４５
の混合染料）、ニグロシンＮＢ ｃｏｎｃ（Ｃ，Ｉ、
５０４２０ ）、ウォーターブルー＃９（Ｃ，１，４
２０９０）、ウォーターピンク＃−２（Ｃ１１，４５４
１０）、カヤフタ−トラジン（Ｃ，１，１９１４０）等
があり、直接性染料としてはウォーターブラック＃１０
０（Ｃ，Ｉ。

３５２５５）、ダイレクトディープブラックＸＡ（住友
化学社製）、ダイレクトディープブラックＥＸ（Ｃ，Ｉ
、３５２２５）、ダイレクトファーストブランクｃｏｎ
ｅ（Ｃ，Ｉ、 ２７７２０ ）、ダイレクトファースト
ブラックＡＢ（Ｃ６Ｉ、３５４４０）ウォーターブラッ
ク＃１５３（オリエント化学社製）等があり、塩基性染
料としてはビクトリアブルーＦ４Ｒ（Ｃ０Ｉ、４２５６
３ ）、ビクトリアブルーＦＢ（Ｃ０Ｉ、４４０４５）
、メチルバイオレットＦＮ（Ｃ，Ｉ、４２５３５）、ロ
ーダミン６ＧＣＰ（Ｃ６Ｉ、４５１６０）等があり、こ
れらの単独或いは他の水溶性染料との組合せにより使用
される。

而して水溶性染料はその目的に応じ種種変更されるが、
例えば筆記具用インキとして使用せる場合、インキ組成
物の０．３〜３０重量％使用せる時が好適な結果が得ら
れる。

又、前記せる一般式（１）のＮ−ポリオキシエチレン化
ピロリドンはその目的に応じ種々変更されるが、例えば
筆記具用インキとして使用せる場合、インキ組成物の０
．５〜５０重量％使用せる時が好適な結果が得られる。

このＮ−ポリオキシエチレン化ピロリドン添加による効
果は次の通りである。

○染料の溶解度が高められると共に、吸湿性が良好であ
り、且つ常温でインキ中の染料が凝固するようなことも
なく、長時間キャップを取り外して大気中に放置しても
、ペン先部のインキが蒸発しない耐菟燥性に優れたイン
キ組成物が得られる。

Ｏ塩基性、酸性、直接性の全ての染料の溶解度を高める
ことができるので、使用可能な染料の範囲を広げること
ができ、特に従来溶解性が悪（あまり使用されなかった
直接染料をも使用可能ならしめたので、直接性染料の使
用により耐水性の良好なインキ組成物が得られる。

叙上の如く、本発明は水溶性染料の水溶液にＮ−ポリオ
キシエチレン化ピロリドンを添加配合することによって
耐乾燥性を大きく向上させると共に、射光、耐水性等も
向上させたものであるが、必要に応じてグリコール系、
グリコールエーテル系、グリコールエーテルエステル系
などの溶剤、或いは防腐剤、界面活性剤などを適宜選択
して使用することもできる。

以下、本発明の実施例を筆記具用インキについて説明す
る。

尚、実施例中単に部とあるのは重量部を示す。

実施例 １ ウォーターブラック＃１００ （Ｃ，Ｉ、３５２５５オリエント化学・・・・・・・・
・８．０部社製） 水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・６
０．５〃Ｎ−ポリオキシエチレ訛ピ甲ノドン００００１
０１０．ｏ、５／／（一般式中 ｎ＝３０） 安息香酸ナトリウム（防腐剤） ・・・・・・・・・・
・・１．０部エチレンクリコール １．・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・２０．０／ジエチレン
クリコール ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・１０．０７上記成分中エチレングリコール、ジエチ
レングリコール、Ｎ−ポリオキシエチレン化ピロリドン
、水を先ず混合し、次いで残りの成分を該混合溶液中に
混合して約２時間室温で攪拌して黒色インキを得た。

実施例 ２ ウォーターブランク＃２１ （Ｃ，Ｉ・４２７４５，１５９８５．−＋２．ｏ部４２
０９０の混合染料、オリエント 化学社製） 水 ５０、（１／ Ｎ−ポリオキシエチレン化ピロリドン 、１５．０７７
（一般式中 ｎ＝１５ ） １０％ホルマリン水溶液（防腐剤） ・・・・・・２．０ １％ノイゲンＰ水溶液 （第一工業製薬社製、界面活性剤） ・・・・・・１．０ エチレンクリコール ・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・２０．０部上記の各成分中１０％ホ
ルマリン水溶液、１％ノイゲンＰ水溶液、エチレングリ
コール、Ｎ−ポリオキシエチレン化ピロリドン、水を先
ず混合し、次いで残りの成分を該混合溶液中に混合して
約２時間室温で攪拌して黒色インキを得た。

上記実施例１〜２のインキを市販のサインペンと同様の
筆記具に充填し、キャップを取外して大気中に１０日間
放置したところペン先のドライアップ（乾燥）は全く見
られず、筆記してもカストを生ずることなく筆記できた
。

又、実施例１〜２においてＮ−ポリオキシエチレン化ピ
ロリドンを添加しないインキは、１日でペン先がドライ
アップした。

更に、実施例２のインキは特に耐水性が良好であった。

尚、実施例は筆記具用インキ組成物について説明したが
、スタンプ用、印刷用、記録計用のインキ組成物として
も適用できるものである。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 水溶性染料の水溶液に、下記一般式（１）で示され
   るＮ−ポリオキシエチレン化ピロリドンを配合したこと
   を特徴とする水性インキ組成物。 （式中、ｎは２〜３０の整数を表わす）。