JPS591316B2 - スイセイインキソセイブツ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は筆記具用、スタンプ用、印刷用、計用として好
適な水性インキ組成物、更に許は蒸発を抑制し、長時間
大気に露出していて乾燥性に優れた特性を有する水性イ
ンキ組成関するものである。

従来より、例えば筆記具、具体的には繊維エルト、モノ
フィラメント使用のペン先付華また万年筆等の毛細管型
筆記具において、そ存生またはキャップを筆記具本体か
らはずしン先が大気中に長時間露出されていてもペン円
滑に流出し、筆記を極めて円滑に行わしめることができ
るような水性インキが要望され、またその要望に応える
べくグリコール系溶剤、グリコールエーテルエステル系
溶剤等の水溶性有機溶剤或いは塩化リチウム、塩化カル
シウム等の吸湿性無機化合物を水溶性染料の水溶液に包
含させ、配乾燥性を向上せしめんとした水性インキが知
らねているが、耐乾燥性を十分に満足するものが得られ
なかつた。

その理由としては、グリコール系消１０剤は〒般に高粘
度高沸点を有するためインキの粘度が上昇し、低粘度を
要求される前記筆記具に使用した場合、インキの流出が
阻害されインキ切れの原因になり、また筆記跡が乾燥し
にくく筆記後の耐摩擦性も劣るなどの欠点があり、使用
量には１５限度があり、耐乾燥性を十分に満たすだけの
量を添加することが出来ない。グリコールエーテル坪溶
剤およびグリコールエーテルエステル系溶剤は〒般に表
面張力が低いため、筆跡が滲み易く紙Ｃ裏面にまでイン
キが浸透したり、或いは表面にて２０滲んで明瞭な筆跡
が得られないこと；水溶性染キに対する溶解力が低く十
分な発色が得られないこと；インキの粘度を上昇させる
こと；臭気が強（ことなどの欠点があり、前記同様に耐
乾燥性を」分に満たすだけの量を添加することができな
い。２５また塩化リチウムや塩化カルシウムは染料と反
斤し塩を形成し、染料の溶解度を低下させるため渾濃度
のインキを調整し難く、これは耐乾燥性を］分に満たす
だけの量を添加することができない＾いうことに起因す
るものであつた。

また筆記具月３０インキ以外の、例えばスタンプ用イン
キ等につ〜ても未だ十分なものとはいえなかつた。そこ
で本発明は、叙上せる従来の問題を解消でべく種々研究
を重ねた結果、直接染料にポリエ＝レンオキサイドを導
入した染料を含有せしめる５３５とにより、耐乾燥性の
良好な水で稀釈してても多料の沈澱が生ぜず、染料の溶
解性が良好かつ耐フ性にも優れた水性インキ組成物が得
られること）見い出し本発明を完成したもので、下記一
般式で示されるポリエチレンオキサイドを導入した直接
染料を含有してなる水性インキ組成物を要旨とするもの
である。

＝般式 （式中Ｄは直接染料の母体、Ａは酸素、窒素の各原子を
示し、ｎは５〜３０の整数を表わす。

）上記構造式中ｎが４以下の場合、耐乾燥性が悪く、ｎ
が３１以上の場合、染料自身の着色力が低下して実用的
なインキに使用できない。次に本発明の水性インキ組成
物の各成分について更に詳細に説明する。

前記一般式で示されるポリエチレンオキサイド基を含む
直接染料を使用する。この種の染料は、ポリエチレンオ
キサイド基を含む中間体から常法通りカツプリング反応
で合成する。例えばＮ−ポリエチレンオキサイド付加Ｈ
一酸、Ｎ−ポリエチレンオキサイド付加およびＮ−ＮＩ
エチレンオキサイド付加ｍ−フエニレンジアミン、Ｎ−
エチレンオキサイド付加アミノフエノール、Ｎ−エチレ
ンオキサイド付加ナフチルアミンスルホン酸、０−エチ
レンオキサイド付加レゾルシン、サルチル酸アミドのエ
チレンオキサイド付加物、ナフトールスルホン酸および
ナフチルアミンスルホン酸のスルホン酸アミドのＮ−エ
チレンオキサイド付加物などがある。ジアゾ成分として
適当なものを選択し、上記成分とカツプリングを行い目
的とする染料を得る。かくして得られた染料はエチレン
オキサイド付加をしない染料に比較して溶解性は良好で
あり、かつ染料の結晶性が悪くなることからインキ中染
料濃度が５０重量％という高濃度でも溶解し、溶解した
ものは染料の析出が見られない。従つてインキの遅乾性
は非常に良好となる。かくして得られる染料としてＣＩ
ダイレクトブルー２、同１５、同１６５、ＣＩダイレク
トバイオレツト５１、ＣＩダイレクトブラツク２２、同
３８などのエチレンオキサイド付加物がある。

これらの染料は単独または二種以上混合して水性インキ
組成物中１〜３０重量％、望ましくは１〜２５重量％使
用する。染料自身の溶解性が良好なること、結晶析出が
困難であることおよび元の直接染料の耐水性の性質を有
することからペン先部にて染料力く析出することなく、
インキが非常に蒸発しにくい耐水性の優れた水性インキ
組成物が得られる。水溶性のインキ溶剤としで一般の市
販の溶剤、例えばエチレングリコール、ジエチレングリ
コール、セルソルヴ類、カービトール類、チオジグリコ
ール類などが使用でき、必要なら防腐剤、例えばゾルピ
ン酸カリウム、Ｐ−ヒドロキシ安息香酸エステル類とが
各種界面活性剤、更に添加剤、例えば尿素などを使用す
る。水溶性インキ溶剤は水と共に用いられるが、インキ
組成分中１０〜５０重量％使用する。以下本発明の実施
例を筆記具用インキについて説明する。

なお、実施例中単に部とあるのは重量部を示す。実施例
１ 上記成分を常温でかきまぜて溶解することにより青色イ
ンキを得た。

実施例 ２ 上記成分を常温でかきまぜて溶解することにより紫色イ
ンキを得た。

上記成分を常温でかきまぜて溶解することにより黒色イ
ンキを得た。

実施例１〜３のインキを充填したサインペンは、キヤツ
プを取り外したまま１０日以上放置しても筆記可能であ
つたが、エチレンオキサイド付加をしていない一般市販
の染料を同じ割合使用したインキを同様にサインペンに
充填してキヤツプを取り外したままでは、１〜２日で乾
燥してしまつて筆記不可能となつた。

以上、本発明は筆記具用の水性インキ組成物について説
明したが、スタンプ用、印刷用、記録用等の水性インキ
組成物としても適用できるものである。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 下記一般式で示される染料を含有するこ特徴とする
   水性インキ組成物一般式 Ｄ−Ａ−（ＣＨ＿２ＣＨ＿２Ｏ）＿ｎＨ （式中Ｄは直接染料の母体、Ａは酸素、窒素原子を示し
   、ｎは５〜３０の整数を表わす。