JPS5832141Y2 - 溶融金属容器の耐火ライニング装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は高炉出銑樋、溶滓樋等の長大形の溶融金属用容
器を不定形耐火物でライニングする装置に関する。

高炉出銑樋あるいは溶滓樋等の長大形の溶融金属用容器
（以下樋という）をライニングする場合、第１図に例示
せる如く、樋外殻１に２〜５０ｍ長さの成形用中子２を
セットするが、この際成形用中子２は中子懸吊用支持部
材（以下中子支持部材という）３により固定される。

次いで樋外殻１と成形用中子２の中間に不定形耐火物Ａ
を流し込む作業がおこなわれているが、人手では労力の
負担が大きく、ベルトコンベアでは使用位置の移動によ
ってベルトコンベアをその都度いちいち移動しなければ
ならないという不便がある。

また更に改善された方法ではキャスタブル耐火物を搬送
用パイプで圧送する方法が知られているが、この場合は
圧送に必要な流動性を付与させるために水分量を多くし
流動性が高くなければ搬送し得ないので、樋への用途は
一般的には使用できない。

本考案は上記に述べた従来の不定形耐火物、特に流動鋳
込用耐大物の搬送および流し込み作業を行なうための装
置を提供するものである。

次に本考案の装置について図示例をもって説明する。

中子支持部材３は通常Ｈ形鋼等を用いているが、この中
子支持部材３の上に軌条４を敷設する。

この軌条４の敷設手段は予め、定幅に着脱可能となるよ
うに、公知の手段を利用して、たとえばクレーンにて装
着し、コツターにて固定するなどで行なわれる。

なお、軌条４は中子支持部材３に限らず、床面から設置
することも考えられるが一般にこのような設備を設けら
れることを当初から設計されていない樋周辺の事情から
中子支持部材３上に設けることが実用上有効である。

軌条４上には不定形耐火物Ａを貯蔵し、かつ走行可能な
る移送車５が乗載される。

この移動車５は移送台車６とホッパーの如き不定形耐火
物貯槽（以下ホッパーという）７と該ホッパー７に続い
てシュートの如き耐火ライニング施工用誘導部（以下シ
ュートという）８から構成されている。

ホッパー底部９は不定形耐火物Ａの排出が容易となるよ
うに面が傾斜しており、その最底部には排出口１０が設
けられる。

排出口１０は手動で開閉できるもので、開閉機構は公知
の手段により選択的に用いられる。

本考案の実施ではハンドル１１によりバタフライ型の蓋
１２を開閉することで不定形耐火物Ａの排出量を調節す
る。

排出口１０の下方に続く位置にはシュート８を取りつけ
る。

不定形耐火物Ａを施工部に誘導するためにシュート８の
先端を位置変更する必要がある。

樋１の長さ方向には移送車５の軌条上移動で所定の位置
が得られる一方、直交方向の移動微調整には、予めシュ
ート８に傾斜を与えて排出口１０とシュート先端位置を
ずらしておき、排出口１０の位置を軸点としてシュート
８の先端を上下方向に移動させることによって不定形耐
火物落下位置が変えられるようにした。

シュート８の上下方向の移動機構は公知の手段により選
択されるが、本考案の実施では手動で上下移動が出来る
もので、シュート８の先端部に取りつけられた回転可能
なギアー１３と、一方移送車５の下方位置に取りつけら
れたハンドルつき回転可能なギアー１４とをクサリ１５
にて連結し、移送車５に取りつけられたハンドル１４′
を手動で回転させることによって、クサリの長短運動を
起こさせてシュート８先端を上下方向に移動させ、直交
方向の位置を調節した。

移送車５の走行の際、必要ならばシュート８は移送車５
の走行が可能な高さまで゛、引き上げられる。

移動台車６とホッパー７は固着されたものでもよいが、
ホッパー７を着脱可能とすれば、クレーンでホッパー７
のみ搬送することができ、不定形耐火物Ａを他所から運
搬するのにも便利である。

通常は移送車５に不定形耐火物Ａを装填するには移送車
５を別途定位置に設けた図にはない混練機から、ベルト
コンベア等によって配給される。

なお、本考案の適用に当り、排出口１０の開閉、シュー
ト８の上下移動の動力機構は電動式、油圧式に設計変更
することも可能である。

以下実施例を示す。

高炉出銑樋の施工例において長さ２０ｍ、幅１．４ｍの
樋外殻１の中に長さ２０ｍ、幅０．９ｍの成形用中子２
を樋外殻１と直交方向に高炉鋳床上に置かれた中子支持
部材３Ｈ形鋼によって固定後、中子支持部材３Ｈ形鋼の
上に樋外殻１と平行方向にあらかじめ間隔０．７ｍに組
立てられた長さ２０ｍの軌条４を敷設する。

この軌条上に移動台車６とホッパー７、シュート８から
構成された移送車５を乗載する。

次に別途準備された混練機によって混練され、泥状化し
た不定形耐火物Ａをベルトコンベアーによって、あらか
じめ電動モーターにて走行可能な移送車５に取りつけら
れたホッパー７に装填される。

その後、電動モーターによって移送車５を走行させ、施
工個所に停止させて、樋外殻１と成形用中子２の間に不
定形耐火物が落下するように、手動にてハンドル１４′
を回転させて、シュート８を移動させて、所定の位置ま
で調整した後にホッパー底部９に取りつけられた排出口
１０の蓋１２をハンドル１１で開き、ホッパー７内に装
填されている泥状不定形耐火物Ａを落下流し込み施工す
る。

次に排出口１０の蓋１２を閉めた後、シュート８先端の
位置を手動でハンドル１４′を回転し、上方にあげ移送
車５の移動が可能とした後、移送車５を電動モーターに
て泥状不定形耐火物Ａの装填可能な位置までもどし、再
び不定形耐火物Ａを装填する。

このように所定の不定形耐火物Ａの施工が終了まで、つ
ぎつぎに上記作業をくり返し、施工が行われる。

本考案による不定形耐火物Ａのライニング装置の使用に
よって第１表に示すように、施工時間が短縮し、作業が
軽減されるなど、作業能率が大幅に向上した。

かつ、高熱重筋作業の解消がはかられると同時に施工精
度の向上が達成されて耐火ライニングの耐用が延長され
た。

【図面の簡単な説明】

第１図は溶融金属容器用耐火ライニング装置の斜視図、
第２図は溶融金属容器用耐火ライニング装置の縦断面図
。 図中、１は樋外殻、２は成形用中子、３は中子支持部材
、４は軌条、５は耐火物移送車、６は移送台車、７はホ
ッパー、８はシュート、９はホッパー底部、１０は排出
口、１１はハンドル、１２はバタフライ型の蓋、１３は
ギヤー、１４はギヤー、１４′はハンドル、１５はクサ
リ、Ａは不定形耐火物。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 耐火ライニング成形用中子２を支持する部材３に軌条４
   を敷設し、底部に開閉可能な排出口を備えた耐火物貯槽
   ７およびこれに続く耐火ライニング施工用誘導部８を有
   する耐火物移送車５を、前記軌条４上に走行可能なるご
   とく乗載したことを特徴とする溶融金属容器の耐火ライ
   ニング装置。