JPS5832131Y2 - 加熱熱処理炉 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、工業窯炉およびボイラー等の加熱炉に用いら
れている耐火物の改良に関するものである。

一般に、加熱熱処理炉の断熱構造としては定形耐火物や
不定形耐火物が多く用いられているが、炉内において処
理すべき被熱物がいろいろの形状をしていることから、
該被熱物の形状が炉内形状と同一の場合はさほど問題に
ならないものの、被熱物の形状が炉内形状と異なる場合
には、被熱物の炉壁に対面している部分が早く加熱され
炉壁に対面しない部分の加熱が遅れてしまうため、効率
的かつ均一的な加熱を行なうことが困難となり、被熱物
の加熱温度に加熱むらが生じ、場合によっては被熱物が
変形するという問題があった。

また、加熱熱処理の炉壁を構成している耐火物は接着剤
のモルタルにて相互に接着されているが、使用中におい
て上記耐火物再思の継目部分が切れて隣接する耐火物間
に隙間が生ずることがあり、そして隙間の発生に伴ない
炉壁よりの熱損失が多くなるとともに、耐火物の寿命も
短かくなるという問題があった。

本考案の目的は、上述した従来の問題を解消して、被熱
物の形状如何に拘らず加熱時間の短縮と均一的な加熱が
でき、しかも炉壁を構成する耐火物の目地切れの少ない
加熱熱処理炉を提供しようとするものである。

以下、本考案を具体化した図示の実施例について詳述す
る。

まず、加熱熱処理炉について第１図および第２図を参照
して説明すると、図において１は加熱炉２の炉殻であり
、左方側を被熱物１３の出入口３とする前記加熱炉２は
所定の基盤Ｇ上に設置されており、そしてその炉壁は炉
内側より第１層間の耐火物４、第２層目の耐火物５、さ
らに第２層目の耐火物５を覆う断熱ボード６によって層
状に構成され、内部に加熱室７が形成されている。

上記の加熱室７の底部には被熱物１３を載置して加熱室
７に出入するための車輪８を備えた台車９が配置され、
この台車９は加熱炉２の底壁を兼用している。

また、加熱炉２の出入口３には昇降機構（図示しない）
によって上下動されて出入口３を開閉する扉１０が設け
られており、この扉１０は炉内に面する耐火キャスタブ
ル１１と断熱キャスタブル１２とから形成されている。

なお、１４は加熱用のバーナ、１５は煙突である。

上述した如き加熱熱処理炉において、前記加熱炉２の炉
壁を構成するために使われる第１層目の耐火物４は、第
３図のａ−Ｃに示すようにその６面の全てがギザギザに
形成されている。

すなわち、炉内に面する耐火物４の表面はその全面が山
形凸状のギザギザ４ａに形成されており、従って第４図
に示すように、被熱物１３の加熱処理時における耐火物
４表面のギザギザ４ａによる熱放射は表面積が大きくか
つ放射方向にランダムとなって被熱物１３の到る所に作
用するため、被熱物１３が炉壁より受ける放射熱量はそ
の形状如何を問わずどの個所においてもほぼ一様となる
。

また、耐火物４の炉内に面する表面以外の５面、すなわ
ち隣接する耐火物４との接触面および裏側の第２層目の
耐火物５との接触面には、その両端部または中央部（図
示例では両端部の場合を示している。

）に、構築時における隣接耐火物とのレベル（平行）を
出すための適当は広さの平坦部４ｂを残してギザギザ４
Ｃが形成されている。

従って、上記のギザギザ４Ｃは第５図および第６図に示
すように、耐火物４同志を継ぐための接着剤であるモル
タル１６との接着面積を大きくするため、モルタル１６
による耐火物相互の接着力が強化されて目地切れが防止
される。

なお、耐火物４に作られた平坦部４ｂは加熱炉２の構築
において耐火物４を整然と積立てるときに役立つもので
ある。

また、第５図に示すように第２層目の耐火物５にも第１
層目の耐火物４と同様に接触面にギザギザ５ａを設けで
あるため、モルタル１６による耐火物４，５同志の接着
力が強化される。

第７図は扉１０の一部を拡大して示すもので、図示のよ
うに断熱キャスタブル１２と耐火キャスタブル１１との
接触面および耐火キャスタブル１１の炉内に面している
表面にそれぞれギザギザ１１ａ。

１１ ｂを設けたものであり、従って前述した加熱炉２
の炉壁の場合と同様にキャスタブル１１．１２相互の接
触面が多くなってその接着力が増すとともに、耐火キャ
スタブル１１の表面のギザギザ１１ ｂによる被熱物１
３への熱放射が多くしがも均等となる。

なお、図示例においては耐火物に形成するギザギザを格
子状として図示したが、このギザギザについては所期の
目的を達威し得るものであれば如何なる形状でも差支え
ない。

以上詳述したように、本考案は加熱熱処理炉において炉
壁を構成する耐火物の炉内側表面に山形凸状のギザギザ
を設けたものであり、従って従来の平坦なものに比べて
熱放射が種々の方向になされるとともに炉壁の表面積が
多くなり炉壁からの熱放射が実質的に増大されるため、
炉内形状と異形の複雑な被熱物に対しても炉壁からの熱
放射がどの部分においても均一的となって焼きむらが防
止されるとともに、加熱時間が短縮される等の効果を奏
するものである。

また、本考案は相互に隣接する耐火物の接触面には、一
部に平坦部を形成するばかこの平坦部を除く残りの部分
にギザギザを設けたことにより該接触面の面積を増大し
たので、上記平坦部の存在により構築時における耐火物
相互の関係位置を適確に定め得ることは勿論のこと、ギ
ザギザにより耐火物同志の接着力が強化されて目地切れ
が可及的に減少されるものであり、その結果炉壁よりの
熱損失が少なくなって熱効率の向上が図られるとともに
炉壁の寿命も延びる等の効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は加熱熱処理炉の
正断面図、第２図は第１図におけるＡＡ線断面図、第３
図のａは炉壁用の耐火物を示す正面図、第３図のｂは同
じく側面図、第３図のＣは同じく平面図、第４図は炉壁
からの放射熱による被熱物の加熱状態を示す説明図、第
５図は炉壁の一部を示す拡大断面図、第６図は同じく拡
大正面図、第７図は扉の一部を示す拡大断面図である。 ２・・・・・・加熱炉、４・・・・・・耐火物、４ ａ
、４ ｂ・・・・・・ギザギザ、５・・・・・・耐火
物、５ａ・・・・・・ギザギザ、１１・・・・・・耐火
キャスタブル、１１ ａ、１１ ｂ・・・・・・ギザギ
ザ、１２・・・・・・断熱キャスタブル、１３・・・・
・・被熱物。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 炉壁を構成する耐火物の炉内側に面する表面全面に山形
   凸状のギザギザを設けるとともに、前記耐火物の相互に
   隣接する接触面には、一部に平坦部を形成するほかこの
   平坦部を除く残りの部分にギザギザを設けたことを特徴
   とする加熱熱処理炉。