JPS5831917B2 - 微生物培養装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は微生物培養装置、さらに詳しくは、液体培地と
固体培地を同時に収納できる適用範囲の広い微生物培養
装置に関する。

検体に直接接触させた後、付着した微生物を培養するた
めに密封容器に戻すことができる培地を有する微生物培
養装置は公知であり、例えば、１９７１年１０月２６日
に発行した米国特許第３．６１６，２６５号に開示され
ている。

このような装置は実験室の必要なしに２４時間以内に診
療室で診断を行うために用いられる。

これらの装置では、固体培地をヘラ等に固定している。

本明細書で用いる「固体」なる語は培養ヘラに固定され
た場合にその形状を保持する物質を意味する。

米国特許第３，６１６，２６５号の開示は本発明の参考
となるものである。

本発明は、固体培地を収納する区画から分離された区画
中に液体培地を収納するための手段を設けることにより
このような装置の適用範囲を拡大するものである。

このことは、例えば、トリコモナス０バギナリス（Ｔｒ
ｉｃｈｏｍｏｎａｓ ｖａｇｉｎａｌｉｓ ）のような
ある種の微生物の培地が液体であることが望ましいので
非常に有用である。

すなわち、例えば腟感染症の鑑別診断にはトリコモナス
・バギナリスのための液体培地とともに、カンジダ［Ｃ
ａｎｄ ｉｄａ （Ｍｏｎ ｉ Ｉ ｉａ ） ）のた
めの替地培地を有する培養装置が非常に望ましい。

本発明の微生物培養装置は開口端を有する容器と該開口
を密封する手段を有する。

第２の密封手段が容器を、該開口端から離れた液体培地
用の第１区画と、該開口端に隣接した第２区画に仕切っ
ている。

着脱可能な細長い部材（培養ヘラ）は容器内で第２区画
を通って第１区画内に達し、着脱可能な状態で第２の密
封手段とかみ合い、第１区画内の液体培地を密封する。

該部材の第２区画内の部分には培地が固定されている。

好ましくは、該部材の両側縁は、その容器内部の先端部
がしだいに細くなるように傾斜し、該部材の第２区画内
の部分には１種またはそれ以上の固体培地が固定されて
いる。

有利には、第２の密封手段は、その中央部を該部材が通
るように案内するための傾斜がつけられている。

つぎに、添付の図面を用いて本発明の微生物培養装置を
説明する。

図面中５第１図は本発明装置の好ましい具体例の側面図
、第２図はその平面図、第３図は第１図の装置の容器か
ら引出した培養ヘラの平面図、第４図は第１図装置下部
における培養ヘラの状態を示す部分平断面図、第５図は
第１図装置下部における培養ヘラの状態を示す部分側断
面図、第６図は第１図６−６線における断面図、第７図
は第１図７−７線における断面図である。

第１図に示すとおり、本発明の微生物培養装置１は、例
えば、ガラスあるいはメチルメタクリレートのようなア
クリル樹脂またはポリカーボネート樹脂のような合成樹
脂の透明な容器２を有する。

細長い部材４は内部先端５を有し、実質的に平らな面８
の両面にくぼみ部６を有する。

各くぼみ部６は部材４の縦方向の中間にあり、複数の小
突起１０（第３図参照）を有しており、くぼみ部６にお
ける固体培地１２の保持を容易にしている。

容器開口端において、細長い部材４の側縁１４は、隆起
２２を設けた円筒部２０（第１図参照）を有する中空の
ガイド１８の一対の溝１６．１６（第６図参照）により
案内される。

該隆起２２は密封するごとく容器２の円筒状入口部２４
とかみ合う。

ガイド１８の内部端には溝１６．１６に隣接して一対の
ブラシ２８．２８（第６図参照）が設けられ、容器２に
挿入される細長い部材４とかみ合う。

ガイド１８は円筒状入口部３２を有し、これは周囲に隆
起３６を有する部材４のプラグ部３４（第３図参照）と
かみ合い、ガイド１８の外部端を密封する。

細長い部材の外部端は柄３８となっている。

本装置の第２の密封手段は弾性体のリングシール４４で
あり、これは容器２の内側に圧着して固定され、該シー
ル４４と容器２の内壁の間のしっかりとした密封を形成
する。

該シール４４は容器を区画４６（第２区画）および区画
４８（第１区画）に仕切る。

区画４８には液体培地５０が入れである（第４図参照）
。

第４図および第５図に示すとおり、リングシール４４の
上部は内側に向って傾斜する内壁５４を有し、リングシ
ール４４を通して挿入される細長い部材４を案内する。

細長い部材４の挿入はその先端部の側縁１４Ａ、１４Ａ
に傾斜をつけることにより容易に行える。

細長い部材４は、リングシール４４を通して側縁１４お
よび面８が該シール４４に密着するまで挿入され、液体
培地５０がシール４４を通して区画４６中にもれるのを
防ぐ。

リングシール４４は弾性体、有利には、例えば、ポリエ
チレンまたはポリプロピレンのような弾性合成樹脂から
なる。

細長い部材４（第４図参照）には複数の小さな開口５８
が設けられ５微生物はその壁土に付着し、液体培地５０
中に入れられる。

液体培地は対象となる微生物に適したものでよく、例え
ば、微生物がトリコモナス・バギナリスの場合はつぎの
組成の液体培地を用いることができる。

トリブチカーゼ・ペプトン １５．０ ？／を
酵母エキス ｉ ｏ ｏ ｙ７
ｔＤ−マルトース（＃Ｍ−２２５０） ２ｏ、ｏ？
／ｌＬ−システィン塩酸塩（＃Ｃ−７８８０） １．
ｏ？／ｌ。

Ｌ−アスコルビン酸 １．０Ｐ／２オキ
ソイド（０ｘｏｉｄ ）寒天（＃１） １．０Ｐ
／２水（蒸留水またはイオン交換水） ９００ｄ
／２馬血清（加熱不活化） １００ｍ１
／ｌナイスクチン（Ｎｙｓ ｔａｔ ｉｎ ）溶液
１０．０ｒｒＬＶ、ｌ。

（２００Ｕ／ｍＪ） コリスチン（Ｃｏｌ １ｓｔｉｎ ）溶液 １０．０
．／ｌ（２０ｐ？７ｍｌ ） ペニシリンＧナトリウム溶液 。

。、Ｏｍｌ／、１（５０００Ｕ／ｍの ネオマイシン硫酸塩溶液（２００１ｄ／ｒｕｔり１０．
０ ｍｌ／ｌブロモクレゾールパープル溶液 ３０
．０ｍｌ／ｌ（０，００３％） ジメチルスルホキシド（Ａ ＣＳ １．０ｍＶ
ｔグレード、０．１％） くぼみ部６に用いる代表的な固体培地の組成は、例えば
、カンジダ・アルビカンス（Ｃａｎｄｉｄａａｌｂｉｃ
ａｎｓ （Ｍｏｎ１ ｌｉａ ■） ：）に対してはつ
ぎのとおりである。

Ｇ、Ｃ，寒天ベース ３６．０グ／ｌバ
クト（Ｂａｃｔｏ ）寒天 １０．０ ？
／を水（蒸留水またはイオン交換水） ９２５ｍ１
／ｌブロモクレゾールパープルｉ液（０，１％） ３
０ｍ１／ｌ。

デキストロース（２５％溶液） １６ｍ１／ｌ
イソビタレツクス（Ｉ ５ｏｖｉ ｔａ ｌｅｘ ）強
化剤（０１％デキストロース含有）１０″ＩＶｔネオマ
イシン硫酸塩（４００μｆｆ／ｒｎｃ） ２０ｒｒＪ
／１１つの培養装置に前記の液体培地および固体培地を
有することは腟感染症の鑑別診断にきわめて都合がよい
。

本発明装置の使用にあたっては、医者は、液体培地５０
を区画４８内に留めておくために、容器２を垂直に保持
しながら、柄３８を持って細長い部材４を容器から引出
す。

例えば、培地が前記の液体培地および固体培地の場合、
医者は腟検体採取に滅菌綿棒を使用でき、細長い部材の
両側の開口５８部分をその綿棒でぬぐう。

また、くぼみ部６の固体培地１２の下半分にその綿棒で
該検体を塗布する。

ついで、細長い部材のリングシール４４の通過を容易に
するための傾斜した壁５４および傾斜した側縁１４Ａ、
１４Ａにより、該部材を垂直に保持した容器２に、該部
材がリングシール４４にしっかりと密着するまで挿入す
る。

２４時間培養後、固体培地１２上にコロニーが増殖して
いるか否かを、容器２の透明壁を通して観察できる。

同様に、常法により、液体媒地の混濁および青緑色（正
常）から黄色（陽性）への変色を観察できる。

以上の記載は本発明の好ましい態様の一例を説明するも
のであり、これに限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明装置の好ましい具体例の側面図、第２図
はその平面図、第３図は第１図の装置の容器から引出し
た培養ヘラの平面図、第４図は第１図装置下部における
培養ヘラの状態を示す部分平断面図、第５図は第１図装
置下部における培養ヘラの状態を示す部分側断面図、第
６図は第１図６６線における断面図、第７図は第１図７
−７線における断面図である。 図面中の数字はつぎのものを意味する。 １：微生物培養装置、２：容器、４：Ｍ長い部材、１２
：固体培地、１８ニガイド、３８：柄、４４：リングシ
ール ４６および４８：区画、５ｏ：液体培地。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 開口端を有する容器、該開口端を密封する手段、該
   容器を該開口端から離れた液体培地用の第１区画と該開
   口端に隣接した第２区画に仕切る第２の密封手段、容器
   内で該第２区画を通って該第１区画内に達し、着脱可能
   な状態で該第２の密封手段とかみ合い、該第１区画内の
   液体培地を密封する着脱可能な細長い部材および該細長
   い部材の第２区画内の部分に固定された培地からなるこ
   とを特徴とする微生物培養装置。 ２ 該細長い部材の該容器内部における先端部がしだい
   に細くなっている特許請求の範囲第１項の装置。 ３ 該細長い部材の第１区画内の部分に小さな開口を設
   けた特許請求の範囲第１項または第２項の装置。 ４ 該細長い部材に異なった２種の培地を固定した特許
   請求の範囲第１項の装置。 ５ 該第２の密封手段がリングシールで、その上部が内
   側に向って傾斜する内壁を有する特許請求の範囲第１項
   または第２項の装置。