JPS5831882Y2 - 不純物除去装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は液体すＩ・リウムを流体として使用する装置
や原子炉冷却系で浄化装置として使用される不純物除去
装置に関する。

従来、液体ナトリウムなどの液体金属中に含まれている
酸素、水素、炭素あるいは腐食生成物などのいわゆる不
純物を除去する装置として、コールドトラップが広く使
用されている。

第１図は一般に使用されているコールドトラップの構成
を示したもので、不純物を含んだ流体を導入する容器１
内に金網等で形成された充填材２を挿設し、この充填材
２部を適当な手段例えばフィン３で冷却し、温度の違い
による不純物の溶解度差を利用して不純物を充填材２上
に付着させて除去するようにしている。

ところが、このように充填材２を使用するものでは、充
填材２への不純物の付着に伴い、この部分で流体炉路の
閉塞が生じ易い欠点がある。

一方、不純物の濃度勾配による拡散によって不純物を除
去する拡散型コールドトラップも知られている。

第２図はその一例を概略的に示したもので、流体の流路
４の途中に付設した容器１の外壁を冷却し、温度の違い
による不純物の溶解度差より容器１内壁近傍の不純物を
容器１内壁上に析出させるようにする。

このようにすると容器１内の不純物濃度は流路４内のそ
れより低くなるので、流路４内の不純物はこの濃度勾配
による拡散によって容器１の方に移行して除去される。

この拡散型コールドトラップでは第１図に示したような
充填材２を使用しないため、流路４の閉塞という問題は
ないが、容器１内の流れが緩慢であり、拡散距離が長い
と不純物の移行は緩慢となり、不純物の除去に長時間を
要する欠点がある。

この考案は上記した点に鑑みてなされたもので、拡散型
コールドラップに改良を加え、不純物を含む流体の本来
の流路のほかにバイパス流路を形成し、主にこのバイパ
ス流路にて不純物を析出させることによって、析出した
不純物による流体流路の閉塞がなく、シかも不純物の除
去を短時間で行なうことができる不純物除去装置を提供
しようとするものである。

以下図面を参照してこの考案を詳細に説明する。

第３図はこの考案の一実施例を示す断面図である。

１０はコールドトラップ容器となる外筒であり、図示下
端側に入口ノズル１１が連結され、周壁の一部に出口ノ
ズル１２が接続されており、この出口ノズル１２は外筒
の内周面に開口している。

この外周１０の外周上には冷却手段としてフィン１３が
取着されている。

この外筒１０の内側にはこれと同軸的に内筒１４が配置
されており、この内筒の図示下端は上記入口ノズル１１
に接続している。

この内筒１４のほは゛中間部には閉塞体１５が形成され
ており、さらに閉塞体１５より下方の内筒１４の周壁に
第１および第２の流出孔１６．１７が形成されている。

ここで第１の流出孔１６は内筒１４内に導入され内筒１
４を通流した流体を出口ノズル１２へ案内するためのも
ので、第２の流出孔１７は内筒１４内に導入された流体
の一部を内筒１４と外筒１０との間の間隙（以下バイパ
ス流路という）２０に案内するためのものである。

このため第１の流出孔１６は外筒１０の出口ノズル１２
の開口に対向した位置に形成され、第２の流出孔１７は
出口ノズル１２の開口に対向しない位置たとえば内筒１
４の下端近傍に形成される。

なお、外筒１０および内筒１４の図示上端部にはフラン
ジ１８．１９がそれぞれ形成され、フランジ１８に対し
フランジ１９が載置された形で適当な手段例えばねし止
めにより固定されるようになっている。

次にこの装置の作用を説明する。

入口ノズル１１より内筒１４内に導入された不純物を含
む流体、例えば液体すトリウムの大部分は第１の流出孔
１６を通って出口ノズル１２より噴出し、直接出口ノズ
ル１２に流入する。

また液体すｌ〜リウムの一部は第２の流出孔１７より外
筒１０と内筒１４との間のバイパス流路２０内に流れ、
このバイパス流路２０内を流通したのち上記第１の流出
孔１６から噴出する液体ナトリウムの流れに誘導さメｔ
、この第１の流出孔１６から噴出する液体ナトリウムの
噴流とともに出口ノズル１２に流れる。

この場合、外筒１０の外壁は冷却フィン１３によって冷
却され、また内筒１４も閉塞体１５より上側の部分の内
壁が外気に触れて冷却作用を受けることから、温度の違
いによる溶結度差によってバイパス流路２０の壁面近傍
の不純物が壁面に析出される。

この結果バイパス流路２０内の不純物濃度は本来ナトリ
ウム流路である内筒１４内部のそれより低くなり、この
濃度勾配による拡散によって内筒１４内部の不純物はバ
イパス流路２０内に移行して除去されることになる。

そして、上記第１の流出孔１６から噴出した液体ナトリ
ウムの流れは直接出口ノズル１２内に流れるので、この
部分では不純物の析出が生じることはなく、この部分が
閉塞されることはない。

また、第２の流出孔１７からバイパス流路２０内に流れ
た液体すトリウムは第１の流出孔１６から噴出する噴流
に誘導され、この噴流とともに出口ノズル１２に流れる
ので、このバイパス流路２０内の流れは半強制的となり
、充分な流量が確実に得られるので不純物の除去効率が
高くなる効果を奏する。

また、前記実施例の構成によれば内筒１４の内壁の一部
が外部に露出しているるため冷却効果をより高めること
ができる。

さらに外筒１０および内筒１４の上端がフランジ構造と
なっているため、外筒１０と内筒１４とを簡単に分離で
き、保守、点検が容易であるという利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は従来の不純物除去装置の断面図、
第３図はこの考案の一実施例に係る不純物除去装置の断
面図である。 １０・・・・・・外筒、１１・・・・・・入口ノズル、
１２・・・・・・出口ノズル、１３・・・・・・冷却フ
ィン、１４・・・・・・内筒、１５・・・・・・閉塞体
、１６．１７・・・・・・流出孔、１８．１９・・・・
・・フランジ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外筒と、この外筒内に設けられた内筒と、この内筒の外
   周面と上記外筒の内周面との間に形成された環状のバイ
   パス流路と、上記内筒に接続されこの内筒内に不純物を
   含む流体を供給する入口ノズルと、」−記外筒に接続さ
   れこの外筒の内周面に開口する出口ノズルと、この出口
   ノズルに対向して上記内筒の周壁に形成された第１の流
   出孔と、上記出口ノズルに対向しない位置において上記
   内筒の周壁に形成された第２の流出孔と、この外筒を冷
   却する手段とを具備したことを特徴とする不純物除去装
   置。