JP2000075083A - 高速炉とその高速炉に用いるミスト・セパレータ - Google Patents

高速炉とその高速炉に用いるミスト・セパレータ

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JP2000075083A
JP2000075083A JP10244696A JP24469698A JP2000075083A JP 2000075083 A JP2000075083 A JP 2000075083A JP 10244696 A JP10244696 A JP 10244696A JP 24469698 A JP24469698 A JP 24469698A JP 2000075083 A JP2000075083 A JP 2000075083A
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gas
cover gas
mist separator
cooling
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Tadashi Goto
忠 後藤
Kengo Iwashige
健五 岩重
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Vaporization, Distillation, Condensation, Sublimation, And Cold Traps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】原子炉容器外に持ち出される放射化されたNa
蒸気量を減少させ、且つ閉塞事故を低減できる信頼性の
高いFBRのカバーガス系を提供する。 【解決手段】原子炉容器1内のカバーガス領域2にある
Arガス35をカバ−ガス系へ導く前段にミスト・セパ
レータ20を原子炉容器1内に装備し、カバ−ガス系か
らの冷却されたカバーガスでミスト・セパレータ20を
冷却してカバーガス領域2中のNaミストをカバーガス
領域2中に露出した冷却フィン等で凝縮させて原子炉容
器1内へ滴下させて戻し、且つ原子炉容器1内の熱によ
ってミスト・セパレータ20に付着したNaミストの凝
縮液が凝固することを抑制し、ミスト・セパレータ20
に自己再生機能を発揮させ、カバ−ガス系の閉鎖事故を
自動的に無くしてカバーガス系の信頼性を向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高速炉に係わり、
特に原子炉容器内におけるナトリウム液面上のカバーガ
スの管理に関する。
【0002】
【従来の技術】高速炉のカバーガス系の従来技術を図
9,図10、及び図11を用いて説明する。
【0003】高速炉である高速増殖炉(以下、FBRと
記す。)は、その1次系の冷却材として液体金属ナトリ
ウム(以下、Naと記す。)が使用される。
【0004】そのNaはFBRの原子炉容器内に装備さ
れた炉心を冷却しながら循環する。FBRの原子炉容器
内にはNaの自由液面と、その液面をカバーするカバー
ガスとして化学的に不活性なアルゴン(以下、Arと記
す。)ガスを有し、原子炉容器内にArガスを充填して
Na液面と空気との接触を遮断する。
【0005】そのArガスを取扱うのがカバーガス系で
あり、そのカバーガス系が原子炉容器に接続されてい
る。
【0006】Naプラントのナトリウム容器に接続され
たカバーガス系の機能は、(1)Naを空気から遮断し
て酸化を防止する。(2)Na輸送のための差圧を管理
する。(3)Naの温度変化に伴う圧力変化分を吸収す
るなどが要求される。
【0007】また、カバーガス系はNaプラントの運転
状態を監視する重要なシステムである。
【0008】さらに、原子炉容器のカバーガス系では、
上述した機能の他に、炉心の破損燃料を検出するため
に、カバーガスをサンプリングして、Arガス中に含ま
れた奇ガスを処理する機能も要求されるので、その機能
を果たす為にカバーガス系内に、希ガス処理系を有す
る。
【0009】FBRにおけるカバーガス系の採用は、原
子炉容器の他にも、ドレーンタンク,オーバーフロータ
ンクなどがあるが、原子炉容器のカバーガス系を例に以
下に説明する。
【0010】FBRの原子炉容器1に採用されたカバー
ガス系は、図9に示すようなArガスを循環するシステ
ムになっている。
【0011】原子炉容器1内のNa蒸気をミストとして
含むカバーガス領域2からカバーガスであるArガス
が、入口隔離弁3(a)(b)を通して、ミスト・トラッ
プ4(a)(b),ベーパー・トラップ5(a)(b)に通
過させられて、Naベーパーを除去した後、格納容器隔
壁7を貫通した配管を通って、希ガス処理系8(図では
省略しているが、希ガス吸着塔,脱湿塔,圧縮機,サー
ジタンク等で構成されている。)へ導かれる。
【0012】希ガス処理系8で浄化された浄化Arガス
9は、浄化ガス供給タンク10に供給される。
【0013】浄化ガス供給タンク10からは1次系ポン
プのオーバーフロータンクなどへ分岐されるが、一部は
戻りガスとして戻り配管11を経由して原子炉容器1内
のカバーガス領域2へ供給される循環系を構成してい
る。
【0014】原子炉容器1のカバーガス系は、炉心燃料
の破損燃料検出の観点から、万一、燃料破損が起きて、
クリプトンなどの奇ガスがカバーガスへ放出された場
合、カバーガスを直ちに希ガス吸着塔へ導き、処理する
必要がある。そのために、カバーガスの循環流量を大き
く設定されている。
【0015】ミスト・トラップ4(a)(b)、及びベー
パー・トラップ5(a)(b)の構造は基本的に同じであ
る。
【0016】図10にその構造の内部構造を示すよう
に、円筒状の縦形容器12内にメッシュ状の充填物13
を充填し、容器12外周に冷却ジャケット14を設けて
いる。Na蒸気を含んだArガス17は、容器12下方
から流入し、上方から浄化されたArガス18として流
出する構造である。
【0017】Arガス17の浄化原理は、以下の通りで
ある。
【0018】すなわち、容器12を取り囲むジャッケッ
ト14の上方から冷却ガス15(通常は空冷)を供給
し、ジャケット14を冷却して容器12内を冷却する
と、容器12内のNa蒸気を含んだArガス17も冷却
され、過飽和のNa蒸気が凝縮した液状Naに、或いは
粉体状の固体Naになり、充填物13内でトラップ除去
され、浄化されたArガス18となる。
【0019】ミスト・トラップ4とベーパー・トラップ
5は直列に配置されいて、まず、ミスト・トラップ4は
数百℃の温度まで冷却され、Na蒸気を液状Naとして
除去し、更に、ベーパー・トラップ5を低温まで冷却し
固体Naとしてトラップする。
【0020】図11は実機のカバーガス系におけるNa
ベーパーの濃度分布を示した図である。
【0021】原子炉容器1内の1次系Na温度は約50
0℃で循環するため、カバーガス領域には約500℃の
Na蒸気圧に相当する約数万ppm のNa蒸気濃度が存在
し、カバーガス系の配管で高濃度のNa蒸気を含んだA
rガスがミスト・トラップに導かれる。
【0022】ミスト・トラップで数百ppm まで除去した
後、ベーパー・トラップで数ppm まで減衰させる必要が
ある。
【0023】トラップされたNaベーパーは、ミスト・
トラップ4及びベーパー・トラップ5内部に堆積し、堆
積量が増大すると、カバーガス系に閉塞現象が現れ、A
rガス循環機能が低下する。
【0024】そのため、実機のカバーガス系には、2系
統のミスト・トラップ4とベーパー・トラップ5を配置
し、閉塞現象が現れたら入口隔離弁3(a)(b)及び出
口隔離弁6(a)(b)を切り替えてバッチ運転を継続
し、閉塞した系統を再生するようになっている。
【0025】又、他の公知例として、特開昭60−214297
号公報には、二次冷却系の蒸気発生器の放出系とナトリ
ウム収納容器のカバーガス空間領域内に遠心分離式のミ
スト分離器を装備して、ミスト分離器でナトリウムミス
トを低減したガスをサイクロンセパレータ側に供給して
サイクロンセパレータ側のミスト除去の負担を軽減する
内容が記載されている。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】然るに、従来例のよう
なFBRでは、原子炉容器から放射化されたNa蒸気を
多量に原子炉容器外のカバーガス系へ取り出して処理す
ることになるので、安全という観点で信頼性を向上する
のに苦慮する。
【0027】さらに、Na蒸気を多量に原子炉容器外の
カバーガス系へ取り出して処理する事から、ミスト・ト
ラップ及びベーパー・トラップ内に多量のNaベーパー
が堆積するため、頻繁に再生運転操作を継続しなけれ
ば、カバーガス系の閉塞事故になる問題点がある。
【0028】特開昭60−214297号公報の技術ではミスト
分離器が遠心分離機能を果せるように、カバーガスに旋
回流を与える必要性から、カバーガスを流動させる駆動
源としてブロアや、旋回方向にガスを案内する機構とが
必要となる。そのブロアを、カバーガス系のブロアを共
用するとなれば、カバーガス系のブロアの容量が大きく
なるか、カバーガス系のブロアの負担が大きくなる課題
が生じる。
【0029】そこで、本発明の目的は、カバーガスに旋
回流を引き起こさせるエネルギーを必要とすることな
く、放射化されたNaミストをナトリウムが入れられて
いた容器から多量に取り出す状況を減らすとともに、カ
バーガス系の閉塞事故の発生を簡単に抑制することで、
高速炉の信頼性を向上する事を達成する事にある。
【0030】
【課題を解決するための手段】第1手段は、ナトリウム
容器内におけるナトリウム液面上のカバーガス空間内
に、ナトリウムミストの凝縮部と前記カバーガスの吸気
孔部を前記カバーガス空間に開放したミスト・セパレー
タを備えてある高速炉であり、容器内でカバーガス中の
ナトリウムミストが凝縮部にて凝縮して液滴となってナ
トリウム容器内に戻され、吸気孔から吸引されたカバー
ガス内のナトリウムミストの量を減らす作用と、カバー
ガス空間の高温雰囲気さらされている凝縮部ではナトリ
ウムミストが凝固してしまうことが無いという作用とが
得られ、それらの作用によって凝縮部の再生作業の必要
性が無く簡単に放射性ナトリウムミストの継続的除去効
果と放射性ナトリウムミストの原子炉容器外への流出抑
制とを達成でき、高速炉の信頼性を向上できる効果が得
られる。
【0031】第2手段は、第1手段において、ナトリウ
ム容器は原子炉容器であって、ミスト・セパレータのカ
バーガス出口にベーパー・トラップを介して希ガス処理
系を連通接続して備えたことを特徴とする高速炉であ
り、第1手段による作用効果に加えて、ミスト・セパレ
ータは再生作業を加える必要が無い上にベーパー・トラ
ップに入るカバーガス中のナトリウム蒸気は予めミスト
・セパレータで低減されているので、ベーパー・トラッ
プと希ガス処理系を含むカバーガス系の閉鎖事故の低減
が成せるので高速炉の信頼性が一層向上する。
【0032】第3手段は、第2手段において、希ガス処
理系で冷却されたカバーガスをミスト・セパレータに導
入してナトリウムミストの凝縮部が冷却される構成を備
えることを特徴とする高速炉であり、第2手段による作
用効果に加えて、希ガス処理系で冷却されたカバーガス
でミスト・セパレータの凝縮部が冷却されるから、新た
にミスト・セパレータの凝縮部を冷却する為の冷熱源が
必要でなく、経済的であるという作用効果が得られる。
【0033】第4手段は、第3手段において、ナトリウ
ムミストの凝縮部の冷却に利用されたカバーガスをミス
ト・セパレータからカバーガス空間へ放出する流路を備
えたことを特徴とする高速炉であり、第3手段による作
用に加えて、カバーガス系で浄化されたカバーガスはミ
スト・セパレータを経由して温度が上昇して原子炉容器
内に放出され、再度カバーガスとして用いられる作用が
得られ、カバーガスの原子炉容器内への戻し入れ流路と
ミスト・セパレータとを兼用させる事が出来るので構成
が簡素になる効果が得られる。
【0034】第5手段は、第1手段において、ミスト・
セパレータの内部にヒートパイプ型の伝熱機器の吸熱側
を挿入し、ナトリウム容器の外側に放熱側を配備し、前
記放熱側を冷却する冷却手段を備えたことを特徴とする
高速炉であり、前記伝熱機器でミスト・セパレータ内の
熱は吸熱されて放熱部から冷却手段によって取り去られ
ることでミスト・セパレータが冷却され、ナトリウムミ
ストの凝縮によるカバーガスからの分離作用がミスト・
セパレータによって成せ、第1手段による作用効果を持
って確実に成せる。
【0035】第6手段は、第1手段において、ナトリウ
ム容器は原子炉容器であって、ミスト・セパレータの凝
縮部を前記原子炉容器のルーフデッキの底部に配置し、
且つ、前記底部と凝縮部との間に冷却ガスの流路を備え
たことを特徴とする高速炉であり、第1手段による作用
効果に加えて、冷却ガスがミスト・セパレータの凝縮部
を前記原子炉容器のルーフデッキの底部を冷却する作用
でルーフデッキの冷却設備容量が少なくて済む、乃至は
ミスト・セパレータが原子炉容器内のナトリウム液面か
らルーフデッキへの輻射熱を遮る作用を成すので、ルー
フデッキの底部の熱遮蔽板の物量を減らす、或いはルー
フデッキの底部の熱遮蔽機能の強化が成せて、経済的効
果が得られる。
【0036】第7手段は、外側流路内にフィルターを設
け、前記外側流路と流路隔壁を介して接する内側流路に
は冷却流体の供給口と出口とが装備され、前記流路隔壁
に対して前記フィルターを挟んで反対側の前記外側流路
の流路隔壁には吸気孔と前記外側流路内のガスの出口と
冷却フィンとを備えているミスト・セパレータであり、
内側流路に冷却流体を供給口から出口へと通過させる
と、内側流路のみならず外側流路もフィルターも各流路
隔壁も冷却フィンも冷却され、その冷却状況下でガスに
同伴されてミストが吸気孔に入る前又は入った後に冷却
フィンや各流路隔壁やフィルターにミストが接触して凝
縮され、凝縮されたミストは液体となって吸気孔や外側
流路の流路隔壁や冷却フィンを伝わってミスト・セパレ
ータから滴下して離れ、一方凝縮作用でミストが低減さ
れたガスは外側流路内からガスの出口から出される。
【0037】第8手段は、冷却フィンを備えた外管の内
側にフィルターを設け、前記フィルターの内側に伝熱機
器の吸熱部を設け、前記伝熱機器の放熱部を前記外管の
外に置き、前記放熱部に対して強制冷却手段を装備し、
前記外管には吸気孔と前記外管内のガスの出口とを備え
ているミスト・セパレータであり、伝熱器機で吸熱され
た熱が放熱部で強制空冷によって取り去られて、外管や
冷却フィンやフィルターが冷却され、その冷却状況下で
ガスに同伴されてミストが吸気孔に入る前又は入った後
に冷却フィンや外管やフィルターにミストが接触して凝
縮され、凝縮されたミストは液体となって吸気孔や外管
の壁や冷却フィンを伝わってミスト・セパレータから滴
下して離れ、一方凝縮作用でミストが低減されたガスは
外管内からガスの出口を通じて出される作用が得られ
る。
【0038】第9手段は、第7手段又は第8手段におい
て、吸気孔が複数個分散して装備されていることを特徴
とするミスト・セパレータであり、第7手段又は第8手
段による作用に加えて、吸気孔が複数個分散して広範囲
に存在しているから、局所的な閉鎖現象が防止される
上、吸気孔の総開口面積が増大してガス流速が低速にな
ってガスのミスト・セパレータ内での停留時間が長くな
って、ミストの除去効率が向上するという作用が得られ
る。
【0039】
【発明の実施の形態】本発明の実施例では、信頼性の高
いFBRのカバーガス系を達成するため、原子炉容器内
のカバーガスをカバーガス系へ導く前段にNaミスト・
トラップ機能を有し、且つ、自己再生機能を発揮するメ
ンテナンスフリーのミスト・セパレータを原子炉容器内
のカバーガス空間に配置することによって、あらかじ
め、Naミストを原子炉容器内で除去した後、原子炉容
器外のカバーガス系へ導くようにした。この手段によっ
て、原子炉容器外に持ち出される放射化されたNa蒸気
量を減少させることが出来、且つ、カバーガス系でのN
aベーパー除去量を削減することが出来る。
【0040】本発明の実施例では、原子炉容器のNa液
面上方空間のカバーガス領域に設けたミスト・セパレー
タは冷却機能を有し、その冷却温度範囲はカバーガス領
域の温度より低く、且つ、Naの融点温度(97.82
℃)以上に保持することによって、過飽和濃度になった
Naミストはミスト・セパレータに接触して凝縮し、ミ
スト・セパレータの表面(凝縮部)に液状に析出する。
凝縮したNaは液滴状に成長したあと雫となって原子炉
容器内のNa液面上に自然に流下する。したがって、ミ
スト・セパレータにトラップされたNaミストは堆積す
ることなく、自己再生作用が自動的に発揮されるため、
メンテナンスフリーのミスト・セパレータが達成され
る。
【0041】Na液面から発生するNaミスト量は、N
a温度に大きく依存し、図12に示すNaの飽和蒸気圧
特性から推定することが出来る。したがって、ミスト・
セパレータの冷却温度を低く保持することによって、N
aベーパー濃度を低濃度まで容易に下げることが出来
る。したがって、原子炉容器から取り出されたカバーガ
スであるArガス中に含まれるNaミストを低減するこ
とが出来る。
【0042】以下、図面を参照し、本発明の実施例につ
いて一層詳細に説明する。
【0043】図1,図2,図3,図4、及び図5は本発
明の第1の実施例を示すものである。図1は、本発明の
実施例を示しており、炉心30と1次系冷却材Na31
を内蔵した原子炉容器1にカバーガス系を装備したFB
Rを示している。その原子炉容器1内のカバーガス領域
2にミスト・セパレータ20を配置する。ミスト・セパ
レータ20の配置形状は、図2に示すように炉上部機構
21の周囲を囲むようなドーナツ状を成している。本実
施例のミスト・セパレータ20の形状は、原子炉容器1
内のカバーガス領域2の空間を有効に配置するためにド
ーナツ状に配置したが、原子炉内容構造物の機能を阻害
しない範囲で、カバーガス領域2の空間に配置できる形
状、例えば半円,円筒型等の自由な形状の設計が可能で
ある。
【0044】ミスト・セパレータ20は外管22と内管
23の二重管構造を形成する。さらに、外管22は多孔
管の外周に冷却フィン27を設けた構造で、ほぼ全周に
設けた開口部28はカバーガス領域2の広範囲の領域に
開口されている。外管22の流路の1部は原子炉容器1
を貫通して、カバーガス出口ノズル24に接続されてい
る。
【0045】内管23の流路の1部は原子炉容器1を貫
通して、Arガス供給ノズル25に接続されている。
【0046】さらに、内管23流路のもう一方は原子炉
容器1内のカバーガス領域2にArガスを放出するAr
ガス放出ノズル26に接続されている。
【0047】図3は図2のA〜A′断面視図で、図4は
図2のA〜B断面視図で、図5は図2のB〜A′断面視
図でミスト・セパレータ20の断面詳細構造を示す。
【0048】ミスト・セパレータ20の凝縮部である外
管22の外周面に垂直に突き出した冷却フィン27を設
ける。この冷却フィン27は冷却伝熱面積を増大し、凝
縮機能を拡大する為の面として用いられる。外管22に
は吸気孔としての複数の開口部28がカバーガス領域2
の広範囲の領域に分散して開口している。さらに、外管
22と内管23で構成する環状空間領域にメッシュ状の
充填物29(SUSメッシュ,SUS焼結フィルターが
最適)をフィルターとして充填する。この充填物29は
ミスト・セパレータの凝縮部としても機能する。
【0049】外管22と内管23とで囲われた環状空間
は外側流路として用いられ、内管23内が内側流路とし
て用いられる。
【0050】外側流路の流路隔壁は外管22と内管23
の管壁であり、内側流路の流路隔壁は内管23の管壁で
あり、両管壁は各内外側流路を形成するのに用いられる
とともに、ミスト・セパレータの熱交換部と凝縮部とし
ても利用される。
【0051】カバーガス出口ノズル24は入口隔離弁3
を経てベーパー・トラップ5に接続され、さらに出口隔
離弁6から希ガス処理系8(図では省略しているが、希
ガス吸着塔,脱湿塔,圧縮機,サージタンク等で構成さ
れている。)へ導かれる。希ガス処理系8からの戻り配
管11はミスト・セパレータ20のArガス供給ノズル
25に接続されている。
【0052】以下、本発明の実施例の作用を記す。図1
において、高速炉の炉心30で発熱した核分裂反応熱は
1次系冷却材Na31を約500℃の温度まで加熱され
1次系を循環する。
【0053】原子炉容器1の蓋であるルーフデッキ32
は炉内機器の可動機能を維持するため、ガスで冷却され
ている。
【0054】さらに、冷却効果を上げるために、ルーフ
デッキ下面には熱遮蔽板33を取り付け、1次系冷却材
Na31からの輻射熱を遮蔽している。
【0055】約500℃の1次系冷却材Na31の液面
からは多量のNa蒸気が発生し、カバーガス領域2の空
間にNa蒸気がミストとして浮遊している。
【0056】カバーガス系内の希ガス処理系8で冷却さ
れたカバーガス領域2のArガス35は浄化ガス供給タ
ンク10内から戻り配管11を経由してArガス供給ノ
ズル25を通過して内管23内の内側流路を通り、内管
23とメッシュ状の充填物29と外管22と外側流路内
と冷却フィン27を冷却する。その冷却の代償として内
側流路内のカバーガスは加温されてガスの出口であるA
rガス放出ノズル26から原子炉容器内のカバーガス領
域2のArガス35層内に出される。カバーガス領域2
のArガス35層内に出された浄化後のカバーガスであ
るArガス35はミスト・セパレータ20で加温され
て、周囲のカバーガスとの温度差が小さくなっているの
で、温度差による障害が発生しない。
【0057】このように、Arガス供給ノズル25から
ミスト・セパレータ20内に流入してきた冷たいカバー
ガスとしてのArガスは、ミスト・セパレータ20の内
管23を通ってミスト・セパレータ20を冷却してから
カバーガス領域2の空間に放出する。
【0058】外管22の外周に設けた冷却フィン27は
伝熱面積が拡大されているためミスト・セパレータ20
近傍のカバーガス領域2の空間を効率よく冷却する。ミ
スト・セパレータ20近傍に浮遊する飽和濃度のNaミ
ストは冷却されることによって過剰になり、外管23の
外表面や冷却フィン27の表面に液状に凝縮する。
【0059】冷却フィン27は垂直に突き出した形状に
なっているため、凝縮したNa液滴34は外管23の外
表面で凝縮したNa液滴34と一緒に冷却フィン27を
伝わって、雫状になって流下する。
【0060】流下したNa液滴は、原子炉容器1内の1
次系冷却材Na31側へ回収される。
【0061】カバーガス系の図示していないブロアーを
駆動する事によってNaミスト分を除去したカバーガス
領域2内の雰囲気中のArガス35は、ミスト・セパレ
ータ20の開口部28から外側流路内に吸込まれるよう
にして取り込まれる。その開口部28から取り込まれた
Arガス35は、外管22内部に充填したメッシュ状の
充填物29をカバーガス出口ノズル24に向かって通過
する際、余剰なNaミストがメッシュ状の充填物29で
フィルタリングされて除去され、一層Naミスト濃度の
少ない状態に浄化される。この通過に際しても、冷却さ
れているメッシュ状の充填物29や内管23の外壁面や
外管22の内壁面にNaミストが接触して凝縮し、その
凝縮して出来た液滴は開口部28から原子炉容器1内の
1次系冷却材Na31へ流れ出て行く。
【0062】この構成の場合には、冷却フィン27の奥
に開口部28を有するので、冷却フィン27で凝縮作用
を受ける事でNaミストが少なくなっている状態のカバ
ーガス領域2のカバーガスであるArガス35をミスト
・セパレータ20が吸込む事になって、ミスト・セパレ
ータ20の内部の負荷が少なくなる。この事は、メッシ
ュ状の充填物29に捕捉されるNaミストが少なく成っ
てミスト・セパレータ20内を流れるカバーガスの流れ
の流路抵抗が小さくなる。その分、ミスト・セパレータ
20に連なるカバーガス系の運転駆動力が少なくて済
む。冷却フィン27が無い場合でもミスト・セパレータ
20外周面をNaミストの凝縮部として利用できるの
で、ミスト・セパレータ20の内部の負荷が少なくな
る。
【0063】ミスト・セパレータ20のカバーガス出口
ノズル24から取り出されるArガスは、さらに、ベー
パー・トラップ5を通して残留している微少のNaミス
トを除去した後、希ガス処理系8へ導かれる。
【0064】希ガス処理系8では、吸着塔が氷点下低温
処理を行っているため、低温領域を通過して来たArガ
スは、冷却された浄化Arガスとなる。
【0065】冷却された浄化Arガスは、浄化ガス供給
タンク10から戻り配管11を通ってミスト・セパレー
タ20のArガス供給ノズル25に戻り、再度Naミス
トを凝縮する為にミスト・セパレータ20を冷却するの
に用いられ、原子炉容器1内のカバーガス領域2のAr
ガス35層内にArガス放出ノズル26から放出され
る。
【0066】このような、カバーガス系を通しての循環
を繰り返してカバーガス領域2のカバーガスの浄化を継
続する。
【0067】ミスト・セパレータ20の吸気孔としての
複数の開口部28は、カバーガス領域2の空間の広範囲
に分布して外管22に開口しているため、局所的な閉塞
現象を防止することができる。また、複数の開口部28
によって、ガス流入の開口面積が広いため、ミスト・セ
パレータ20でのガス流の滞留時間が長くなり、Naミ
ストの除去効率が増大する。
【0068】ミスト・セパレータ20の冷却温度範囲を
カバーガス領域2の温度より低く、且つ、Naの融点温
度(97.82℃)以上に保持している。
【0069】このことによって、ミスト・セパレータ2
0で除去されたNaミスト成分は、ミスト・セパレータ
20内に堆積することなく、ミスト・セパレータ20で
液滴状に凝縮し凝固する事はない。
【0070】さらに、垂直状に設けた冷却フィン27は
Naミストの液滴の流下を妨げること無く、液滴は冷却
フィン27を伝わって原子炉容器1内のNa液面側に自
動的に流下することができる。
【0071】そのため、自己再生作用が自動的に起動す
るメンテナンスフリーのミスト・セパレータが達成され
る。
【0072】ミスト・セパレータ20内へ戻り配管11
を経由して冷却ガスとして送り込まれるカバーガスは、
希ガス処理系で氷点下の温度での処理を受けるものの浄
化ガス供給タンク10や戻り配管11を通過しているう
ちに、原子炉容器1が納められた格納容器内の雰囲気温
度まで上昇してミスト・セパレータ20に供給される。
ミスト・セパレータ20は500℃以上の雰囲気内にさ
らされているから、ミスト・セパレータ20の内側流路
に冷却ガスとして送り込まれるカバーガスを受け入れて
も外管外周や冷却フィンの凝縮部の温度は、Naの融点
温度(97.82℃)以上、且つ原子炉容器1内のカバー
ガス領域2の温度以下の範囲に保持できる。
【0073】Naの融点温度(97.82℃)以上、且つ
原子炉容器1内のカバーガス領域2の温度以下にミスト
・セパレータ20を保持できない懸念がある場合には、
ミスト・セパレータ20の冷却温度範囲をカバーガス領
域2の温度より低く、且つ、Naの融点温度(97.82
℃)以上に保持できるように、戻り配管11に装備され
た弁の開度を調整して冷却されたカバーガスの戻り配管
11を経由してのミスト・セパレータ20への供給量を
調整する。
【0074】このようにして、ほとんどのNaミストは
原子炉容器1内部のミスト・セパレータ20で除去され
るため、原子炉容器1外に持ち出される放射化されたN
aミスト量が減少し被曝低減対策に有効になる。
【0075】さらに、原子炉容器1外に持ち出されるN
aミスト量が減少することは、ベーパー・トラップの負
荷を低減することが出来るため、カバーガス系に起こり
がちな閉塞事故防止に有効となる。
【0076】本発明の第2の実施例を図6及び図7に示
す。図7は図6の断面視図で、ミスト・セパレータ20
の冷却手段として、伝熱器機であるヒートパイプ36を
適用した。
【0077】原子炉容器1内のカバーガス領域2内に
は、吸気孔としての開口部28を多数備えた外管22が
炉上部機構21の周りを取り囲むように環状に配備され
る。
【0078】その開口部28は外管の環状方向に広く分
布している。
【0079】その外管22内にはヒートパイプ36の吸
熱部36aが環状に配備されている。
【0080】外管22とヒートパイプ36の吸熱部36
aとの隙間にはメッシュ状の充填物29が充填されてい
る。
【0081】そのヒートパイプ36の放熱部36bには
放熱フィン36cが装備され、その放熱部36bは原子
炉容器1の外に配備されている。
【0082】その放熱部36bに送風できるように送風
方向を向けた送風機37が強制空冷手段として採用され
る。
【0083】外管22にはカバーガス出口ノズル24が
接続され、且つカバーガス出口ノズル24は原子炉容器
1を貫通して外側に出ている。
【0084】カバーガス出口ノズル24はカバーガス系
のベーパー・トラップの入り口側に接続されている。
【0085】カバーガス系の希ガス処理系からの浄化済
みのカバーガスを原子炉容器1に戻す戻り配管11は原
子炉容器1に接続される。
【0086】その他の構成は、第1実施例と同じであ
る。
【0087】このようなミスト・セパレータにおいて
は、送風機37で放熱部36bに送風すると放熱フィン
36cから熱が放熱されて取り去られ、放熱部36bが
冷却され、ヒートパイプ36内の冷却された冷媒が吸熱
部36aに移動して吸熱部36aでは周囲から熱を吸熱し
てその周囲を冷却する。
【0088】このように、ミスト・セパレータ内を冷却
すると、外管やメッシュ状の充填物29や冷却フィン2
7は冷却され、冷却された部分に接触したNaミストは
凝縮して液滴となって原子炉容器1内のNa液面上に滴
下する。
【0089】外管内側で凝縮したNaミストの液滴は開
口部28を通過して外側に流出して原子炉容器1内のN
a液面上に滴下する。
【0090】このように、ミスト・セパレータ20内部
にヒートパイプ36を挿入し、原子炉容器1の外部へミ
スト・セパレータ20内の熱を放熱してミスト・セパレ
ータ20を冷却してある。
【0091】第2の実施例では、送風機37による送風
量を変化させてヒートパイプ36によるミスト・セパレ
ータ20の冷却温度を制御して、ミスト・セパレータ2
0の冷却温度範囲をカバーガス領域2の温度より低く、
且つ、Naの融点温度(97.82℃)以上に保持することに
よって、第1の実施例と同じ作用が発揮できる。
【0092】本発明の第3の実施例を図8に示す。この
実施例は、原子炉容器1の蓋であるルーフデッキ32の
底面にミスト・セパレータ20を設けたものである。ミ
スト・セパレータ20を冷却する為の冷却手段として従
来のルーフデッキ32に具備している冷却機能を併用し
てもよいが、本実施例では、冷却ガス入口配管41、お
よび、冷却ガス出口配管42が冷却層38に接続されて
いる。
【0093】ミスト・セパレータ20は内側流路である
冷却層38の隔壁である下部冷却壁39を介してを配置
する。
【0094】ミスト・セパレータ20の吸気孔としての
多数の開口部28は、多孔板で形成され、カバーガス領
域2に開口されている。
【0095】その多孔板と下部冷却壁39との間に形成
された外側流路の内側にはメッシュ状の充填物29を充
填し、そのメッシュ状の充填物29を外側流路の隔壁で
もある多孔板上に配備してある。
【0096】さらに、開口部28の多孔板下面に垂直の
冷却フィン27を取り付け、熱遮蔽板33は開口部28
を設けた多孔板下面から支柱40で固定されている。
【0097】外側流路には、ルーフデッキ32を貫通し
てカバーガス出口ノズル24が接続され、カバーガス系
に至る。カバーガス系の希ガス処理系からの浄化済みカ
バーガスを原子炉容器1内に戻し入れる為の戻し配管
は、図示で省略しているが、従来技術と同じように直接
原子炉容器1へ配管されている。
【0098】その他の構成は第1実施例と同じである。
【0099】第3実施例では、冷却ガス入口配管41か
ら冷却層38を通して冷却ガス出口配管42に抜け出る
ように冷却済みの冷却ガスを通すと、ミスト・セパレー
タ20が冷却されるとともにルーフデッキ32も冷却さ
れ、ルーフデッキ32の正常な機能が維持される。
【0100】ミスト・セパレータ20が冷却されると、
下部冷却壁39やメッシュ状の充填物29や多孔板や冷
却フィン27が冷却され、その冷却部分にカバーガス領
域2中のNaミストが接触すると、凝縮してNa液滴3
4となって原子炉容器1内に滴下して1次系冷却材Na
31に戻される。
【0101】カバーガス出口ノズル24にはカバーガス
系が接続されてカバーガス系側に外側流路のガスが吸引
されるから、原子炉容器内のカバーガス領域2にカバー
ガスとして充填されているArガス35はNaミストを
同伴しながら開口部28から吸引されて外側流路を通過
してカバーガス出口ノズル24からカバーガス系側に流
される。
【0102】Arガス35がNaミストを同伴しながら
ミスト・セパレータ20の外側流路を通過する際には、
外側流路の隔壁やメッシュ状の充填物29にNaミスト
が凝縮して液滴となり、Arガス35中のNaミストの
濃度が一層低減される。
【0103】外側流路の隔壁やメッシュ状の充填物29
にNaミストが凝縮して出来たNa液滴は開口部28か
ら滴下して原子炉容器内の1次系冷却材Na31に戻さ
れる。
【0104】カバーガス系の希ガス処理系を通して浄化
されたカバーガス領域2のArガス35は原子炉容器1
内の再度カバーガス領域2に戻される。
【0105】このような第3の実施例でも、冷却層38
に通す冷却ガスの温度を、ミスト・セパレータの冷却温
度範囲がカバーガス領域の温度より低く、且つ、Naの
融点温度(97.82℃)以上に成るように制御すること
によって、第1の実施例と同じ効果が発揮できる。
【0106】本発明の各実施例では、以下の効果が得ら
れる。
【0107】すなわち、高速炉のカバーガス系は、原子
炉容器内部のカバーガス領域2の空間にミスト・セパレ
ータ20を設けることによって、 1)析出したNaミストは、ミスト・セパレータ表面に
液滴状に凝縮し、垂直状に設けた冷却フィンを伝わっ
て、Na液面側に自動的に流下することができるため、
自己再生作用が自動的に起動するメンテナンスフリーの
ミスト・セパレータが達成される。
【0108】2)析出したNaミストは、原子炉容器内
に回収されるため、原子炉容器外に持ち出される放射化
されたNaミスト量が減少し、被爆低減対策に有効にな
る。
【0109】3)さらに、原子炉容器外に持ち出される
Naミスト量が減少することは、ベーパー・トラップの
負荷を低減することが出きるため、カバーガス系に起こ
りがちな閉塞事故防止に有効となる。
【0110】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、高速炉におけ
るナトリウムが入れられている容器内の放射化されたナ
トリウムミストを、凝縮によって捕捉して極力容器外へ
出さないようにしてカバーガスを浄化できるので高速炉
の信頼性を向上出来る。
【0111】請求項2の発明によれば、請求項1の発明
による効果に加えて、カバーガス系の閉鎖事故の低減が
成せるので高速炉の信頼性が一層向上するという効果が
得られる。
【0112】請求項3の発明によれば、請求項2の発明
による効果に加えて、希ガス処理系からの冷却済みカバ
ーガスをミスト・セパレータの凝縮部を冷却する為の冷
熱として利用するので、ミスト・セパレータ専用の冷熱
源を採用する必要が無くて経済的であるという効果が得
られる。
【0113】請求項4の発明によれば、請求項3の発明
による効果に加えて、カバーガスの原子炉容器内への戻
し入れ流路とミスト・セパレータとを兼用させる事で構
成が簡素になる効果が得られる。
【0114】請求項5の発明によれば、請求項1の発明
による効果に加えて、ミスト・セパレータを専用の冷却
設備で冷却できるので、ナトリウムミストの凝縮による
カバーガスからの分離作用が確実に成せるという効果が
得られる。
【0115】請求項6の発明によれば、請求項1の発明
による効果に加えて、ミスト・セパレータが原子炉容器
のルーフデッキの温度上昇を抑制する働きを成すので、
ミスト・セパレータにルーフデッキの温度上昇抑制手段
を兼ねさせて経済的効果が得られる。
【0116】請求項7の発明によれば、蒸気状のミスト
が凝縮する為の部位をそのミストの存在する空間に露出
させて、その空間内でのミストを凝縮し、ミストを蒸気
状態にするほどのその空間の高温な雰囲気からの温度の
影響を凝縮部分に与えて凝縮後のミストの固化を抑制し
て凝縮ミストの滴下作用を促すことが出来るのでその固
化による閉鎖事故等の機能低下の要因を自動的に抑制し
て、その空間を形成する容器内でミストを低減するに好
適であり、信頼性の高いミスト・セパレータが提供でき
る。
【0117】請求項8の発明によれば、請求項7の発明
と同等な効果、および強制冷却手段を用いてミストの凝
縮を確実に行えるという効果が得られる。
【0118】請求項9の発明によれば、請求項7又は請
求項8の発明による効果に加えて、ミスト・セパレータ
によるミスト除去効率の向上と局所閉鎖現象の発生抑制
との効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による高速炉のカバーガス系の
系統構成図である。
【図2】図1のミスト・セパレータの平断面図である。
【図3】図2のA〜A′断面視図である。
【図4】図2のA〜B断面視図である。
【図5】図2のB〜A′断面視図である。
【図6】本発明の他の実施例によるミスト・セパレータ
の平断面図である。
【図7】図6のC〜C′断面視図である。
【図8】本発明の更に他の実施例によるミスト・セパレ
ータの縦断面図である。
【図9】従来の高速炉のカバーガス系の系統構成図であ
る。
【図10】従来のミスト・トラップ或いはベーパー・ト
ラップの概略縦断面図である。
【図11】従来の高速炉のカバーガス系におけるNaベ
ーパー濃度分布を示した図である。
【図12】Naの温度に対する飽和蒸気圧特性を示した
グラフ図である。
【符号の説明】
1…原子炉容器、2…カバーガス領域、3…入口隔離
弁、4…ミスト・トラップ、5…ベーパー・トラップ、
6…出口隔離弁、7…格納容器隔壁、8…希ガス処理
系、9…浄化Arガス、10…浄化ガス供給タンク、1
1…戻り配管、12…縦形容器、13,29…メッシュ
状の充填物、14…冷却ジャケット、15…冷却ガス、
16…冷却ガス出口、17…Na蒸気を含んだArガ
ス、18…Arガス、20…ミスト・セパレータ、21
…炉上部機構、22…外管、23…内管、24…カバー
ガス出口ノズル、25…Arガス供給ノズル、26…A
rガス放出ノズル、27…冷却フィン、28…開口部、
30…炉心、31…1次系冷却材Na、32…ルーフデ
ッキ、33…熱遮蔽板、34…Na液滴、35…Arガ
ス、36…ヒートパイプ、36a…吸熱部、36b…放
熱部、37…送風機、38…冷却層、39…下部冷却
壁、40…支柱、41…冷却ガス入口配管、42…冷却
ガス出口配管。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ナトリウム容器内におけるナトリウム液面
    上のカバーガス空間内に、ナトリウムミストの凝縮部と
    前記カバーガスの吸気孔部を前記カバーガス空間に開放
    したミスト・セパレータを備えてある高速炉。
  2. 【請求項2】請求項1において、ナトリウム容器は原子
    炉容器であって、ミスト・セパレータのカバーガス出口
    にベーパー・トラップを介して希ガス処理系を連通接続
    して備えたことを特徴とする高速炉。
  3. 【請求項3】請求項2において、希ガス処理系で冷却さ
    れたカバーガスをミスト・セパレータに導入してナトリ
    ウムミストの凝縮部が冷却される構成を備えることを特
    徴とする高速炉。
  4. 【請求項4】請求項3において、ナトリウムミストの凝
    縮部の冷却に利用されたカバーガスをミスト・セパレー
    タからカバーガス空間へ放出する流路を備えたことを特
    徴とする高速炉。
  5. 【請求項5】請求項1において、ミスト・セパレータの
    内部にヒートパイプ型の伝熱機器の吸熱側を挿入し、ナ
    トリウム容器の外側に放熱側を配備し、前記放熱側を冷
    却する冷却手段を備えたことを特徴とする高速炉。
  6. 【請求項6】請求項1において、ナトリウム容器は原子
    炉容器であって、ミスト・セパレータの凝縮部を前記原
    子炉容器のルーフデッキの底部に配置し、且つ、前記底
    部と凝縮部との間に冷却ガスの流路を備えたことを特徴
    とする高速炉。
  7. 【請求項7】外側流路内にフィルターを設け、前記外側
    流路と流路隔壁を介して接する内側流路には冷却流体の
    供給口と出口とが装備され、前記流路隔壁に対して前記
    フィルターを挟んで反対側の前記外側流路の流路隔壁に
    は吸気孔と前記外側流路内のガスの出口と冷却フィンと
    を備えているミスト・セパレータ。
  8. 【請求項8】冷却フィンを備えた外管の内側にフィルタ
    ーを設け、前記フィルターの内側に伝熱機器の吸熱部を
    設け、前記伝熱機器の放熱部を前記外管の外に置き、前
    記放熱部に対して強制冷却手段を装備し、前記外管には
    吸気孔と前記外管内のガスの出口とを備えているミスト
    ・セパレータ。
  9. 【請求項9】請求項7又は請求項8において、吸気孔が
    複数個分散して装備されていることを特徴とするミスト
    ・セパレータ。
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