JPH07244186A - 格納容器安全システム - Google Patents

格納容器安全システム

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JPH07244186A
JPH07244186A JP6035557A JP3555794A JPH07244186A JP H07244186 A JPH07244186 A JP H07244186A JP 6035557 A JP6035557 A JP 6035557A JP 3555794 A JP3555794 A JP 3555794A JP H07244186 A JPH07244186 A JP H07244186A
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JP
Japan
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core
pool
coolant
reactor
containment vessel
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Pending
Application number
JP6035557A
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English (en)
Inventor
Miwako Shimizu
美和子 清水
Osamu Seki
修 関
Takio Mano
多喜夫 真野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Filing date
Publication date
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Priority to JP6035557A priority Critical patent/JPH07244186A/ja
Publication of JPH07244186A publication Critical patent/JPH07244186A/ja
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Structure Of Emergency Protection For Nuclear Reactors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】原子炉再循環系より放出された冷却材が格納容
器内底部に溜り、プールが形成される原子炉においてプ
ールの水面と炉心の間に通常運転時円錐型構造物10を
設ける。燃料交換を炉心下部から実施するために炉心2
の下部に燃料交換装置を有する場合、燃料交換装置の上
部に円錐型構造物を設ける。原子炉に、プールの水面と
円錐型構造物の間に冷却材の流れる配管群を設ける。 【効果】水蒸気爆発を防ぐことができ、円錐型構造物か
ら落下してきた溶融物を受け止め、配管の中を流れる冷
却材により溶融物は冷却され、より一層の水蒸気爆発の
可能性を低減できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、炉心下部に原子炉再循
環系より放出された原子炉冷却材が溜る構造の格納容器
を有した原子炉に関する。
【0002】
【従来の技術】炉心下方に原子炉再循環系より放出され
た冷却材が溜る構造の格納容器1を有した原子炉を図8
により説明する。
【0003】この原子炉は、炉心2を収容している圧力
容器3と圧力容器3内の炉心2を冷却する冷却材を循環
させる原子炉再循環系からなる。冷却材は圧力容器3内
の炉心2を冷却し、過熱された冷却材は蒸気ドラム6へ
と導かれ、原子炉再循環配管を通り、再循環ポンプ4に
より、再び圧力容器3内へ導かれる。蒸気ドラム6内で
は冷却材の一部が蒸気となりタービンへ導かれる。
【0004】原子力発電所における原子炉設備では、炉
心が溶融するような苛酷事故が生じないよう種々の設計
対応がなされている。従って、炉心損傷は、工学的に起
こり難いことである。更に、炉心が溶融するような事故
の発生を仮定したときの対策を考えておくことで、より
一層の安全性を確保することができる。
【0005】原子炉で、万一、原子炉再循環系配管破断
が発生した場合、炉心の冷却性は一時的に低下するが、
多重化された非常用炉心冷却系が自動作動し、冷却材を
注入することにより、炉心の冷却性は長期にわたり確保
される。
【0006】炉心下部に原子炉再循環系より放出された
原子炉冷却材が溜る構造の格納容器を有した原子炉にお
いて、炉心が溶融するような苛酷事故が発生し、格納容
器内へ溶融燃料が放出されるような事態を想定した場
合、炉心下部に溜った原子炉冷却材中に溶融燃料の塊が
落下する。高温の溶融燃料がプール内に落下したことに
よる急激な水の蒸発により、いわゆる水蒸気爆発を起こ
し、動的な加重が発生し、格納容器の健全性に重大な影
響を与える可能性があるとの議論がある。
【0007】従来より、この問題点を解決する一つの手
段として、炉心下部に溶融燃料を保持し、燃料が水と接
触することを防止するためのコア・キャッチャの概念が
ある。
【0008】一例として、図9に特開昭59−196498号公
報の高温溶融炉心冷却装置を示す。本装置は、溶融燃料
落下時、コア・キャッチャ24により溶融燃料22を保
持し、コア・キャッチャ下面に接触しているプール水2
3による冷却効果を期待しているものである。
【0009】また、図10に特開昭55−55289 号公報の
溶融した炉心に対する捕捉装置を持った原子炉設備を示
す。本装置は円錐型構造物25と溶解物吸収床26を持
つ地下室27が格納容器の下に設けられている。炉心2
8下部に設けられた円錐型構造物25により炉心溶融物
が分散して溶解物吸収床上26に落下し、炉心溶融物が
冷却されることを期待したものである。格納容器の床上
に直接溶融物が落下してコンクリートとの反応による格
納容器の損傷を防ぐ為に耐火コンクリート,アスベスト
等を充填した溶解物吸収床26を設け、水のような粘性
を持つものは溶解物吸収床26の充填物の小孔のなかに
入り込み冷却され、続いて溶解物吸収床26が溶融物の
熱を奪い溶解することにより冷却性の効果を持つように
したものである。さらに地下室27の床は水冷されるよ
うになっており、溶解物吸収床26の溶解したものが地
下室27の底に流れたとき溶解物を冷却する機能を持っ
ている。この装置において、円錐型構造物25は溶融物
を分散させるために設けられており、冷却性を期待した
ものではない。溶融物の冷却は、溶解物吸収床26の溶
解と地下室27に設けられた水冷設備に期待している。
【0010】また、図11に特開昭51−148197号公報の
炉心溶融物捕集装置を示す。炉心溶融物捕集装置は格納
容器内の炉心下方に設けられている。炉心捕集装置の蓋
62は、漏斗状になっている。また蓋62の中央には開
口61がある。開口部には茸状に形成されたコラム63
が設けられている。この時、コラム63の直径Dは開口
61の直径dより大きい。また、捕集容器64のまわり
には冷却材の流れるパイプ65が設けられている。落下
してきた炉心溶融物はコラム63あるいは漏斗状の蓋6
2の上に落下し、捕集容器内に集められる。捕集容器に
集められた炉心溶融物による熱輻射は、捕集容器の蓋に
より外へ洩れることが妨げられる。集められた炉心溶融
物は、容器のまわりに設けられたパイプの中を流れる冷
却材により冷却される。この装置において、茸状のコラ
ムは漏斗状の蓋共にと、落下してきた炉心溶融物を捕集
容器に集める目的のために設けられたものであり、溶融
燃料を受け止めるものではない。さらに、コラムの傘の
直径Dを開口61の直径dより大きくすることによっ
て、熱の放射を防ぐことを期待している。
【0011】また、高速増殖炉におけるコア・キャッチ
ャを図12と図13に示す。図12に示したコア・キャ
ッチャは、フランスのスーパフェニックスに設けられた
もので、コア・キャッチャ30が、原子炉容器31内に
配置されたものである。原子炉容器31内に配置された
コア・キャッチャ30の機能は、溶融燃料が原子炉容器
を侵食することを防止する目的で設置され、原子炉容器
31内で溶融燃料を保持し、原子炉容器内で循環される
冷却材のナトリウムにより、溶融燃料を冷却する事を想
定している。また、図13に示したコア・キャッチャ3
8は、ドイツのSNR−300に設けられたもので、コ
ア・キャッチャが、原子炉容器36外に配置されたもの
である。原子炉容器36外に配置されたコア・キャッチ
ャ38の機能は、溶融燃料が格納容器底部を侵食するこ
とを防止する目的で設置され、原子炉容器外で溶融燃料
を保持し、格納容器内を循環する空気により冷却するこ
とを想定している。
【0012】図14は特開昭48−63196 号公報の核燃料
屑保留装置を示す断面図である。液体金属を用いる高速
増殖炉で溶出した例を考えたとき溶出した燃料は円錐型
構造物50により、グリッドで燃料屑が捕集できるよう
に落下した燃料屑の流れの向きが変わる。円錐型構造物
50により分散した燃料屑のうち大きな燃料屑は粗なグ
リッド体51のグリッド翼上に降下し捕獲される。ま
た、小さな燃料屑は密なグリッド体53に捕獲される。
グリッドに捕獲された燃料屑は、グリッド翼間を流れる
ナトリウムにより冷却される。
【0013】図16は特開昭54−10881 号公報の炉心捕
集装置を示す説明図である。炉心から燃料が溶出した場
合、溶融燃料は回収トレイ57によって燃料は受け止め
られる。また、回収トレイ57上の溶融燃料は煙突59
を設けることにより通路58のナトリウムを循環させる
ことにより冷却される。このとき、炉心から落下してき
た溶融燃料が通路58を通り圧力容器60に接触しない
ように、傾斜カバープレート56を設けてある。
【0014】また、図17に特開平3−152497 号公報の
受動型ドライウエル注水装置を示す。本装置は炉心40
が溶融して格納容器底部に落下した際、冷却材の注入に
よって炉心溶融物の冷却を期待したものである。炉心溶
融物が格納容器底部にあるドライウエル43内に蓄積さ
れると冷却材注入口に取り付けられている弁45が熱に
よって溶けることにより冷却材の注入が達成される。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、炉心
下部に原子炉再循環系より放出された原子炉冷却材が炉
心下方に溜る構造の格納容器を有した原子炉において、
仮に、炉心溶融事故が起こったことを想定した場合で
も、格納容器底部に溜った原子炉冷却材中に溶融燃料が
落下する際の水蒸気爆発の発生を防ぎ、プール水中で燃
料を冷却し、保持する構造を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】前記の目的は、炉心下方
に原子炉再循環系より放出された原子炉冷却材が溜る構
造の格納容器を有した原子炉において、炉心溶融物が落
下する可能性のある炉心下方で、かつ原子炉再循環系よ
り放出された冷却材が格納容器内底部に溜ることにより
形成されるプールの水面より上方に、溶融燃料が同時に
多量の塊のままプール水中に落下するのを防ぐため斜度
を有する構造物を設け、一時的に溶融物を構造物上に受
け止め、溶融物を徐々に細かくして落下させることによ
り達成される。さらに、上記の目的は大きな塊のまま落
下した溶融物を斜度を有する構造物の下方にある冷却材
が流れている配管群上に落下させ、一時的に溶融物を受
け止め、溶融物の温度を低下させた後で、炉心溶融物を
徐々に細かくしてプール水内へ落下させることでも達成
される。
【0017】従来技術のコア・キャッチャを設けた場
合、一般的にコア・キャッチャ上に堆積した溶融物を冷
却するための装置を設ける必要がある。
【0018】本発明の目的は、炉心溶融物のプール水と
による水蒸気爆発の可能性を抑えた上で、プール水中に
おいて炉心溶融物の冷却を可能にし、従来の原子炉設備
が有している冷却設備を利用して、炉心溶融物を冷却で
きるようにすることにある。
【0019】
【作用】高温溶融物が冷却水中に落下した際に発生する
水蒸気爆発のメカニズムを図18に示す。水蒸気爆発
は、通常、高温溶解物が水と接触することにより高温溶
融物の熱が低温の水に短時間に移行し、一時的に水が過
熱状態となった時、なんらかの条件により非常な短時間
に沸騰が起き相変化に伴い極めて高い圧力を発生する。
その過程の詳細は、a)高温溶融物46が水と接触する
ことにより高温溶融物46のまわりに水蒸気47の均一
な膜ができ、b)その水蒸気膜47が不均一になり、
c)穴があき、d)高温溶融物46と水が直接触れ、
e)高温溶融物46内に水が取り込まれ、取り込まれた
水が急激に水蒸気となり爆発を引き起こす。
【0020】高温溶融物が冷却水中に落下した際に発生
する水蒸気爆発について日本原子力研究所にて行われた
実験結果を表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】実験結果より、水蒸気爆発が発生するた
めには、ある量以上の溶融物が落下する必要がある、
水蒸気爆発は溶融物が塊で落下した方が発生しやすい等
のことが明らかとなった。また、溶融物にスプレイ上に
水をかけた場合には水蒸気爆発とはならず、溶融物が静
かに冷却されることも明らかとなった。このため、溶融
物がプール水中に落下する際、これらの点に配慮し、溶
融物が一度に塊となって落下する際の障壁を設け、更に
液状になったものだけが徐々に落下する構造を設けるこ
とにより水蒸気爆発の可能性が低減できる。また、溶融
物に水をかけて冷却する場合にはスプレイ状に水をかけ
ると水蒸気爆発の可能性が低減できる。参考までに、構
造物より液状になった溶融燃料が液滴となってプール水
中に落下するときの粒径をZrを代表させて、甲藤好郎
著「伝熱概論」により求めると、直径は約30mm弱とな
り、この際の液滴となった溶融燃料の重量は、1kg以下
となる。この重量は先に述べた日本原子力研究所の実験
結果では、十分に水蒸気爆発の可能性が小さくなる領域
である。
【0023】溶融燃料の落下を想定した炉心下方に、溶
融燃料が一時的に溜まり、液状の溶融燃料が徐々に落下
する程の斜度を有する構造物を設けると、溶融燃料が塊
となって落下してきた場合でも、直接、原子炉再循環系
より放出された冷却材が格納容器内底部に溜ることによ
り形成されるプール水中に落下する事なく、小さな液滴
となり徐々にプール水中へ落下する事になり、水蒸気爆
発の発生を低減できる可能性が高くなる。さらに構造物
上に溶融燃料が一時溜まることにより、溶融燃料が格納
容器雰囲気により冷却され溶融燃料の表面が固化してプ
ール水中に落下する事になり、水蒸気爆発発生を抑えた
上でプール水中において溶融燃料を冷却することができ
る。
【0024】また円錐形構造物の下方に冷却材の流れて
いる小口径の配管群を設けることにより、溶融物が小口
径配管群上に落下し配管中を流れる冷却材によって冷却
される。また、落下した溶融物の熱により配管が溶けて
孔があいた場合でもスプレイ状に冷却材が放出され溶融
物を冷却することにより水蒸気爆発の可能性を低減でき
る。
【0025】
【実施例】冷却材喪失事故発生時、原子炉再循環系によ
り放出された冷却材が格納容器1内部に溜り、プールが
形成される原子炉において、プールの水面と炉心の間と
なる位置に通常運転時円錐型構造物10を設けた実施例
を図1に示す。
【0026】本発明の装置は、炉心の下方に円錐型構造
物10を設けたことを特徴としている。円錐型構造物に
つけられた斜度は溶融燃料が斜面を徐々に流れ、円錐型
構造物から液滴となって落下させる必要がある。炉心溶
融物の液滴の質量をm、円錐型構造物の材質形状あるい
は溶融物の種類等による静摩擦係数をμとしたとき、
【0027】
【数1】mgsinθ=μmgcosθ となる角度θで力は釣り合う。この時の角度よりわずか
に大きく、かつ円錐型構造物より炉心溶融物を液滴とし
て落下する角度θ′を有した円錐型構造物に設けること
により実現する。この作用を図19に示す。
【0028】溶融した炉心2は、炉心下部に設けた円錐
型構造物上に落下する。円錐型構造物10に落下した炉
心溶融物は、円錐型構造物10が障害となり一時的に円
錐型構造物10に受け止められることになる。そして、
受け止められた溶融物のうち、溶けて液状のものになっ
たものは円錐型構造物10の斜度により小さな液滴とな
り徐々にプールの中へ落下し、それ以外のものについて
は円錐型構造物10上に堆積する。プール水中へ落下す
る液滴の大きさは約30mmで、重量は1Kg以下となり今
までに得られた実験結果からは水蒸気爆発発生の可能性
が小さい大きさとなる。この円錐型構造物10は高温で
ある炉心溶融物を直接受け止めるために、高融点である
材質でなければならず、考えられるものとして、タング
ステン(融点=3377℃)がある。
【0029】燃料交換を炉心下部より実施するために、
炉心2より下方に燃料交換機5を有する原子炉におい
て、燃料交換機5の上部に円錐型構造物10を備え、通
常運転時炉心下部に燃料交換機5を配置した場合の実施
例を図2に示す。
【0030】燃料交換を下部より実施する原子炉では円
錐型構造物10を燃料交換機5の上部に取り付けること
で容易に実現できる。
【0031】燃料交換時には、燃料交換機5の上部に取
り付けてある円錐型構造物10が燃料交換の妨げとな
る。その為、燃料交換時には円錐型構造物10を燃料交
換機5から取外さなければならない。円錐型構造物10
を燃料交換装置5から取外し、燃料交換の妨げにならな
い位置に移動させる方法として、円錐型構造物10が燃
料交換の妨げにならない場所を退避場所として格納容器
1内に設け、退避場所の上部にはクレーン12を設け
る。退避場所に燃料交換装置15と共に移動した円錐型
構造物10は、クレーン12により燃料交換機5と離さ
れ、燃料交換が行われた後、再び燃料交換機5に取り付
けられる。
【0032】また、原子炉再循環系からの放出蒸気を凝
縮させるために格納容器1内に設けられているプール水
が中を流れる配管群11を冷却材喪失事故発生時原子炉
再循環系より放出された冷却材が格納容器内底部に溜り
形成されるプールの水面と円錐型構造物10の間に配置
した場合の実施例を図3に示す。
【0033】原子炉冷却材が漏洩して炉心が溶融したと
き、炉心溶融物は円錐型構造物10に落下する。溶融物
は円錐型構造物上に一時的に溜まる。そして、円錐構造
物上に落下した炉心溶融物のうち、液状のものは、円錐
型構造物10より小さな液滴となる。液滴となったもの
はプール水中へ落下する前に冷却材の流れている配管1
1上に落下する。配管上に落下した炉心溶融物は配管の
なかを流れる冷却材により冷却され、高温溶融物がプー
ル水中へ落下することを防止でき、水蒸気爆発を防止で
きる。また仮に、落下物の熱により配管が溶けて孔があ
いた場合には、炉心溶融物は直接冷却材によって冷却さ
れる。このとき、配管を流れる冷却材は、配管口径を小
さくすることで配管の孔からスプレ状に出るため、溶解
物は徐々に冷却され、水蒸気爆発の可能性はない。配管
が溶融して炉心溶融物がプール内に落下するようなこと
が起こっても、炉心溶融物は円錐型構造物10上の作用
により小さな液滴となっているため、水蒸気爆発は起こ
らない。落下してきた高温の溶融物を受け止め、配管内
を流れる冷却材で冷却することを目的とするため配管の
材質は高融点であり、熱伝導度の高い物質でなければな
らない。例えば、タングステンは融点がTmelt=33
77℃、熱伝導率がλ=1.5W/cm・deg (2000
℃)であるため適当な材質と考えられる。
【0034】設置する配管群の実施例を図4に示す。設
置する配管群の間隔は、円錐型構造物10と組み合わせ
た場合、円錐型構造物10上の溶融物が塊となって落下
してくる可能性は小さいが、万一、落下した場合でも水
蒸気爆発の可能性が少なくなる間隔とする。日本原子力
研究所の実験結果によると10Kgの塊が落下したときに
は、水蒸気爆発が発生しなかったことから10Kg以上の
ものが落下しない間隔にすれば水蒸気爆発の発生を防ぐ
ことができる。炉心を構成するものとして密度の大きい
UO2 を代表させて配管の間隔を決めるとUO2 の密度
は10.970g/cm3であるから10KgのUO2は直径
約12cmとなる。従って、冷却材の流れる配管は約12
cm間隔とする。このとき、円錐型構造物から落下した液
滴の直径は30mmであり、配管上に落下せずにプール内
へ落下するものもあるがこの液滴は1kg以下であり、水
蒸気爆発は起こらない。
【0035】また、配管群11の中を流れる冷却材は原
子炉再循環系からの放出蒸気を凝縮させるために格納容
器内に設けられたプール水7を利用するためプールの水
面は配管群よりも高い位置にあることが必要である。
【0036】次に、冷却材喪失事故発生時原子炉再循環
系より放出された冷却材が格納容器内底部に溜り、プー
ルが形成される原子炉において、プールの水面と炉心の
間となる位置に、通常運転時斜度を有する平板構造物を
設けた場合の実施例を図5に示す。図5の実施例は図1
の実施例の円錐型構造物10を平板の構造物に変えたも
のである。平板構造物の斜面は、落下した溶融燃料が徐
々に平板構造物上を流れ平板構造物の最下端から液滴と
なって落下するような角度θを有している。
【0037】平板構造物13は円錐型構造物10と同様
に炉心溶融物を一時的に受け止め、格納容器底部に形成
されるプールに溶融物の塊が落下することを防ぐことが
できる。また、平板構造物13には斜度を設けたため、
受け止められた溶融物の内、液状のものは液滴となって
平板構造物13から落下することになり、水蒸気爆発を
防ぐことが可能となる。
【0038】燃料交換を炉心下部より実施するために、
炉心2より下方に燃料交換装置を有する原子炉におい
て、燃料交換機5の上部に平板構造物13を備え、通常
運転時炉心下部に燃料交換装置を配置した場合の実施例
を図6に示す。
【0039】また、原子炉再循環系からの放出蒸気を凝
縮させるために格納容器内に設けられているプール水が
中を流れる配管群を冷却材喪失事故発生時原子炉再循環
系より放出された冷却材が格納容器内底部に溜り形成さ
れるプールの水面と平板構造物13の間に配置した場合
の実施例を図7に示す。
【0040】
【発明の効果】本発明により、炉心下部に原子炉再循環
系より放出された原子炉冷却材が溜りプールを形成する
構造の格納容器を有した原子炉において、仮に炉心溶融
という苛酷事故を想定しても、落下した炉心溶融物とプ
ール水とによる水蒸気爆発の発生が抑えられた上でプー
ル水中で冷却保持でき、より一層の格納容器の健全性を
保つことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】炉心とプールの水面の間に円錐型構造物を設け
た例の説明図。
【図2】燃料交換装置が炉心下部にある原子炉に円錐型
構造物を設けた例の説明図。
【図3】円錐型構造物と冷却材が流れる配管群を設けた
例の説明図。
【図4】冷却材が流れる配管群と円錐型構造物の平面
図。
【図5】炉心とプールの水面の間に平板構造物を設けた
例の説明図。
【図6】燃料交換装置が炉心下部にある原子炉に平板構
造物を設けた例の説明図。
【図7】冷却材が流れる配管群と平板構造物の平面図。
【図8】圧力管型原子炉の構造の説明図。
【図9】高温溶融炉心冷却装置の断面図。
【図10】溶融した炉心に対する補足装置の断面図。
【図11】従来例によるコア・キャッチャの断面図。
【図12】スーパーフェニックスのコア・キャッチャの
断面図。
【図13】SNR−300のコア・キャッチャの断面
図。
【図14】燃料屑保留装置の断面図。
【図15】燃料屑保留装置のグリッド体を示す説明図。
【図16】炉心捕集装置の説明図。
【図17】受動型ドライウェル注水装置の断面図。
【図18】水蒸気爆発のメカニズムの説明図。
【図19】斜面での溶融物に働く力を示す説明図。
【符号の説明】
1…格納容器、2…炉心、3…圧力容器、4…再循環ポ
ンプ、5…燃料交換機、6…蒸気ドラム、7…放出蒸気
凝縮プール、10…円錐型構造物。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炉心と、前記炉心を冷却する冷却材が流れ
    ている原子炉再循環系と、冷却材喪失により原子炉再循
    環系から放出された冷却材により炉心下方格納容器内底
    部に形成されるプールで構成される原子炉において、前
    記プールの水面と前記炉心の間となる位置に、円錐形構
    造物を設け、通常運転をすることを特徴とする格納容器
    安全システム。
  2. 【請求項2】炉心と、前記炉心を冷却する冷却材が流れ
    ている原子炉再循環系と、冷却材喪失により原子炉再循
    環系から放出された冷却材により炉心下方格納容器内底
    部に形成されるプールと、炉心下方に設けられた燃料交
    換装置と、前記燃料交換装置の上部に設けられた円錐型
    構造物とを含む原子炉において、前記円錐型構造物を炉
    心真下に配置して通常運転を行い、前記円錐型構造物を
    前記燃料交換装置と分離して燃料交換を行うことを特徴
    とする格納容器安全システム。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2において、前記原
    子炉再循環系より放出された前記冷却材により形成され
    る前記プールと、前記プールと前記炉心の間に設けた前
    記円錐型構造物と、原子炉再循環系からの放出蒸気を凝
    縮するために格納容器内に設けたプールで構成される原
    子炉において、放出蒸気を凝縮するための前記プールの
    水が流れる配管群を前記原子炉再循環系から放出された
    冷却材により形成される前記プールと前記円錐型構造物
    の間に設けた格納容器安全システム。
  4. 【請求項4】炉心と、前記炉心を冷却する冷却材が流れ
    ている原子炉再循環系と、冷却材喪失により前記原子炉
    再循環系から放出された冷却材より炉心下方格納容器内
    底部に形成されるプールとで構成される原子炉におい
    て、前記プールの水面と前記炉心の間となる位置に、平
    板構造物を設け、通常運転をすることを特徴とする格納
    容器安全システム。
  5. 【請求項5】炉心と、前記炉心を冷却する冷却材が流れ
    ている原子炉再循環系と、冷却材喪失により前記原子炉
    再循環系から放出された前記冷却材により炉心下方格納
    容器内底部に形成されるプールと、前記炉心の下方に設
    けられた燃料交換装置と、前記燃料交換装置の上部に設
    けられた平板構造物とを含む原子炉において、前記平板
    構造物を前記炉心の真下に配置して通常運転を行い、前
    記平板構造物を前記燃料交換装置と分離して燃料交換を
    行うことを特徴とする格納容器安全システム。
  6. 【請求項6】請求項4または請求項5において、前記原
    子炉再循環系より放出された冷却材により形成されるプ
    ールと、前記プールと前記炉心の間に設けた前記平板構
    造物と、前記原子炉再循環系からの放出蒸気を凝縮する
    ために前記格納容器内に設けたプールとを含む原子炉に
    おいて、放出蒸気を凝縮するための前記プールの水が流
    れる配管群を前記原子炉再循環系から放出された冷却材
    により形成されるプールと平板構造物の間に設けた格納
    容器安全システム。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015125006A (ja) * 2013-12-25 2015-07-06 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 コアキャッチャ
CN113793703A (zh) * 2021-08-27 2021-12-14 北京航空航天大学 一种安全壳的外挂撞击防护结构
JP2022508002A (ja) * 2018-08-29 2022-01-19 ジョイント ストック カンパニー アトムエネルゴプロエクト 加圧水型原子炉炉心溶融物捕捉冷却システム

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