JPS5831317Y2 - 円筒型電池 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は集電体を兼ねる巻芯にセパレータを介して正・
負極板を巻付けて渦巻電極体を形成すると共にこの電極
体を収納せる電池外装罐の折曲縁により絶縁バッキング
を介して電池封口蓋を封口する構造の電池に係り、電池
封口蓋の内底面に軟性金属層を介して耐液性の導電網を
添着すると共に巻芯の端部に上記導電網に圧接する拡大
頭部を形設することにより電池性能の改善と耐漏液性の
向上を計るものである。

以下本考案の一実施例を円筒型非水電池を例にとり詳述
するに第１図において１は正極端子兼用外装罐であり、
その内底面に絶縁シート２が配設されている。

３は二酸化マンガンを主体とする帯状正極板、４はリチ
ウム圧延板をステンレス等の集電網に圧着せしめてなる
帯状負極板、５はポリプロピレン不織布等からなるセパ
レータであり、これら電極群は負極集電体を兼ねる巻芯
７に前記負極板４を構成する集電網の一端を固着すると
共にセパレータ５を介して正極板３を積層し巻回して渦
巻状に形成されている。

而して前記巻芯７は第２図に示す如く導電棒の端部に拡
大頭部７ａが形設された形状を呈するものである。

このように前記巻芯７により形成された渦巻電極体６は
正極集電体を兼ねる導電内鑵８に収納され、且つこの内
鑵８は外装罐１内に嵌着されている。

尚、前記渦巻電極体６の最外側には正極板３が位置し、
接触圧により電気接続された内鑵８を介して外装罐１に
電気接続されている。

又、９はその鍔縁９′が絶縁バッキング１０内に埋設さ
れバッキングと結合一体化された電池封口蓋であり、そ
の内底面にはスポット溶接により固着された負極集電網
１１にリチウム、インジウム等の軟性金属層１２が圧着
され、且つこの金属層１２上にステンレス等よりなる耐
有機電解液性の導電網１３が添着されている。

電池組立てに際しては、負極集電体を兼ねる巻芯７によ
り形成された渦巻電極体６を収納せる導電内鑵８を有機
電解液槽中に浸漬してセパレータに所定量の電解液を含
浸し、ついでこの内鑵８を外装罐１内に嵌着したる後、
前記内鑵８の上方開口面に形設せる鍔縁８′にバッキン
グ１０と結合一体化された電池封口蓋９を載置し、外装
罐１の折曲縁１′によりバッキング１０を介して封口蓋
９を封目して完成電池を得る。

この封目時、渦巻電極体６の中央部より延出せる巻芯７
の端部に形設した拡大頭部７ａが電池封口蓋９の支持部
材となると共に封口蓋９の内底面に配設せる軟性金属層
１２を介して添着された導電網１３に圧接することによ
り負極集電体を兼ねる巻芯７が封口蓋９に電気接続され
る。

さて、この種電池、即ち集電体を兼ねる巻芯にセパレー
タを介して正・負極板を巻付けて渦巻電極体を形威し、
この電極体を収納せる電池外装罐の折曲縁により絶縁バ
ッキングを介して電池封口蓋を封口する構造の電池にお
いては、巻芯と電池封口蓋との電気接続は圧接により行
うので、良好な電気伝導性を保持するために第５図の如
き導電棒よりなる巻芯２７を用いると共に電池封口蓋の
内底面に上記巻芯２７が喰い込む軟性金属層を配設する
ことが考えられるが、この方式では種々の問題点がある
。

即ち、第６図を参照するに電池封口蓋２９の内底面に配
設せる軟性金属層２２に対する巻芯２７の接触面積が小
さい故に封口時軟性金属層２２の縁部２２′が実線矢印
方向の圧を受ける結果、軟性金属層２２と絶縁バッキン
グ２０との密着性が低下し、かかる部分より漏液現象が
生じる。

軟性金属層２２は導電体としての作用と金属シール体と
しての作用を有するものである。

又、前述した如き電池組立時において巻芯は電解液に濡
れた状態であるため巻芯と軟性金属層との間には電解液
が残留し、その結果軟性金属層の表面が徐々に不働態化
して巻芯と軟性金属層との電気伝導性が悪くなり電池電
圧が極端に低下するという不都合がある。

これに対し本考案電池によれば軟性金属層１２の下面全
域に互って導電網１３が添着されていると共に巻芯７の
端部にはこの導電網１３に圧接する拡大頭部７ａが形設
されているため、封目時電池封口蓋９の支持面積が大と
なり、前述せる巻芯２７を用いた場合のように軟性金属
層の縁部がバッキングより離脱するのを抑制でき耐漏液
性が向上する。

又、軟性金属層１２に添着せる導電網１３が耐液性金属
であるため、たとえ巻芯７が電解液に濡れた状態であっ
ても、導電網１３は部分的に予じめ軟性金属層１２に埋
設されており良好な電気接続状態であると共に導電網１
３と巻芯７との間隙に電解液が存在しても導電網１３は
不働態化することがなく、従って巻芯７と軟性金属層１
２とは常に良好な電気伝導性が保持しうる。

更に導電網１３は弾性作用を有するため外部衝撃等が生
じた際にもその衝撃圧を吸収し常に巻芯７と良好な圧接
状態が保持しうるものである。

尚、第３図は巻芯の他の実施例を示し、導電網に対向す
る面に凹凸部を形成した拡大頭部７ａ’を形設せしめた
ものであり、導電網１３との接触面積が増大してより電
気伝導性が向上するものである。

上述した如く本考案によれば電池性能及び耐漏液性の向
上が計れるものでありこの種電池においてその実用的価
値は極めて大なるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す円筒型電池の縦断面図
、第２図は巻芯の斜視図、第３図は巻芯の他の実施例を
示す斜視図、第４図は本考案電池の要部拡大図、第５図
及び第６図は本考案の前提となる電池における巻芯の斜
視図及び要部拡大図である。 １・・・・・・電池外装罐、６・・・・・・渦巻電極体
、７，７′・・・・・・集電体を兼ねる巻芯、９・・・
・・・電池封口蓋、１２・・・・・・軟性金属層、１３
・・・・・・耐液性導電網。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ■ 集電体を兼ねる巻芯にセパレータを介して正・負極
   板を巻付けて形成した渦巻電極体を収納せる電池外装罐
   の折曲縁により絶縁バッキングを介して電池封口蓋を封
   目するものにおいて、前記封口蓋の内底面に軟性金属層
   を介して耐液性の導電網を添着すると共に、前記巻芯の
   端部に形設された拡大頭部を前記導電網に圧接せしめて
   なる円筒型電池。 ■ 前記巻芯の端部に形設せる拡大頭部の前記導電網に
   対向する面に凹凸部を形成してなる実用新案登録請求の
   範囲第■項記載の円筒型電池。