JPS5830322Y2 - モノリシツク集積回路を使用する導波管型混合器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は簡易構造で且つ組立後パターン修正の容易な導
波管型混合器に関する。

従来導波管内を伝送されるような高周波帯の混合器は第
１図に裁断斜視図で示す構成例が知られている。

第１図において集積回路（以下本明細書においてＭＩＣ
と略記する）を表面に設けた基板１としては例えばセラ
ミックを使用し、その長手方向が入力及び局部発振の高
周波信号の進行方向２と平行になっている。

導波管を伝送する高周波をマイクロ波と称するため、マ
イクロ波帯で使用できる集積回路をマイクロ波集積回路
と云い、通常ＭＩＣと略称している。

基板１は導波管部３を構成する周壁４内に部分的に挿入
され、高周波の進行方向後方には短絡部５を設けである
。

第１図の基板１面にブロックで示すマイクロ波ストリッ
プ線路等と混合用ダイオードにより、前記高周波に混合
動作が行なわれ、得られた中間周波信号は図示しない同
軸線路等への接続導線を介して後段装置に伝送される。

このとき導波管部３の特性インピーダンスとＭＩＣ中の
混合器ダイオード・インピーダンスとは前記短絡部５の
位置調整により整合をとるが、なお完全な整合を求める
ときは基板１のダイオード等の部品の設けである面とそ
れに対向する面のパターンを修正することによって可能
である。

しかしながら前述のようにＭＩＣ基板が周壁４内に挿入
されている状態ではインピーダンス整合のため表面パタ
ーンを修正する作業が現実的に不可能である。

それは作業のため導波管部３を切断しなければならず、
しかも管開口部から内部を見てもＭＩＣ基板のパターン
が直接見えないため修正用工具を挿入してもパターンの
適確な修正ができず、ミリ波用の導波管では管寸法が細
く工具が挿入できないからである。

なお第１図に示す基板１の裏側は接地導体が全面に設け
られている。

本考案は前述の欠点を改善し、簡易な構造で且つ組立後
のパターン修正が容易で、小形化された導波管型混合器
を提供することを目的とする。

第２図に示す本考案の実施例について以下説明する。

第２図に示す斜視図において１はＭＩＣを表面に設けた
基板、６は導波管の取付フランジ、７はフランジのフラ
ンジ面に刻設した溝を示し、その化第１図と同一の符号
は同様のものを示している。

基板１は溝７内に固定され、（電波進行方向２と基板１
の長手方向を直交させる）基板１の表面・裏面パターン
８についてはその大部分８□が溝７に存在し、一部分８
□が導波管部３に存在するよう設けられている。

入力マイクロ波が伝送されてくる基板の面を表面、他方
の面を裏面とすると、第２図では表面に接地導体パター
ンが、裏面にダイオード等の部品が設けられている。

パターン８は導波管部３の特性インピーダンスと混合器
用ダイオードのインピーダンスとの整合を完全にするた
めトリミングが容易にできるように基板の表面即ちダイ
オードの在る面でない表側を使用する。

それはトリミングするときダイオードに接続する導体を
工作することが最も効果的であるが、導体が細いとき断
線する恐れがあるため、ダイオード接続導体と対向する
部分即ち前述の表面パターンをトリミングすることによ
り、ダイオードに入る直列素子のりアクタンスを変化さ
せる。

次に溝７の部分は方形空胴共振器として動作し、共振周
波数は近似的に次式で与えられる。

ただしｍ、ｎ、ｌは各軸方向の波数 Ｃｏは光速 ε、ｄは第３図に示す基板誘電率と基板の厚さを示し、
ｔは地導体の厚さを示す。

本考案では共振器の共振周波数を入力信号・局部発振周
波数よりやや高くなるように選定する。

高周波信号に対する共振器近傍の等価回路を画くと第４
図に示すように、溝部のインピーダンスＺｃ、ダイオー
ド部のインピーダンスＺｄ、短絡部があるとそのインピ
ーダンスＺｓ、基板等のインピーダンスＺａが入力信号
源のインピーダンスＺｇと接続された回路となる。

若し入力信号周波数が溝部共振周波数と一致すると第４
図のインピーダンスＺｃは高い値となって、混合用ダイ
オードに流れる高周波電流が急減して動作特性が悪化す
る。

そのため前記のように周波数を一致させず、入力信号と
局部発振周波数との差値だけ高い周波数（イメージ周波
数）に共振周波数を選定すると、イメージ周波数信号の
通過を阻止でき動作特性を向上できる。

また共振器となる溝を製作するとき小形であると、放電
加工等による製作のとき加工時間が節約でき、加工用電
極の消耗が少ないなど容易に製造できる。

このようにして本考案によると導波管部の取付フランジ
の内側を凹部に加工して溝部を形成させるのみで集積回
路基板を取付けることができ構成が簡単である。

また電波進行方向の基板及び溝の寸法を小さくできるか
ら全体構成が小形になる効果を有する。

また基板を導波管部に組立てた後基板パターンをトリミ
ングする場合は導波管の手前方向の開口部から基板パタ
ーンを見ることができるため、開口部から工作用具を挿
入し、導波管部に在るパターンに適確に当ててパターン
を修正することが容易にできる。

更に基板のパターンのない部分の誘電体を削ることによ
りダイオードがら短絡板までの電気長を微調整すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の導波管型混合器を一部裁断して示す斜視
図、第２図は本考案実施例を示す斜視図、第３図は基板
の大きさを説明する図、第４図は空胴共振器近傍の等価
回路図である。 １・・・・・・ＭＩＣを表面に設けた基板、２・・・・
・・電波の進行方向、３・・・・・・導波管部、６・・
・・・・取付フランジ、７・・・・・・溝、８・・・・
・・表面パターン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 導波管内に配設された集積回路を使用する導波管型混合
   器において、導波管取付フランジのフランジ面に導波管
   側から刻設した溝内に集積回路基板を固定し且つ前記基
   板に設けた導波管インピーダンス・ダイオードインピー
   ダンス整合用パターンを前記溝部に大部分が、導波管部
   に一部存在するよう設け、前記溝の寸法は使用周波数よ
   り高い周波数において共振し溝部が空胴共振器となるよ
   う選定したことを特徴とする集積回路を使用する導波管
   型混合器。