JPS5830306Y2 - 磁気テ−プカ−トリツジの自動組付装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、磁気テープカートリッジを治具を用いて連
続的に自動組付する装置に関する。

第１図において、一般に磁気テープカートリッジの組付
は、これの本体ケース１を構成する上下の分割ケース１
ａ・１ｂのうち、まず下ケース１ｂを組付ライン上を走
行する治具の上面にセットする。

そして、この下ケース１ｂの内部に、下側スリップシー
ト２．テープガイドローラ３．遮磁板４．パッド付きば
ね板５．磁気テープ６を巻回した一対のハブ７、上側ス
リップシート８などの内装部品を順に装着する。

つぎに取付ライン上のステーションで、上ケース１ａを
吸着支持して上方から下ケース１ｂの上に供給し、最後
につぎのステーションで上下ケース１ａ・１ｂを蓋合わ
せ状に重ねてタッピングねじ９でねじ結合する仕様とな
っている。

これらの一連の組付作業において、この考案が問題とす
るのは、下ケース１ｂに上ケース１ａをいかに位置合わ
して供給するかの点である。

すなわち、まず第１に、この種の図示せる磁気テープカ
ートリッジでは、上下ケース１ａ・１ｂの四隅部及び前
方寄り中央部の合計５箇所をタッピングねじ９でねじ結
合するようになっている。

そのためには、それぞれのねじ締結箇所において。

下ケース１ｂ側のねじ下穴１０に上ケース１ａ側のねじ
挿通孔１１が合致するように、下ケース１ｂに対して上
ケース１ａを止しく位置合わせ状に供給しなければなら
ない。

このことは、上下ケース１ａ・１ｂをねじ結合方式に代
えて該当箇所を超音波溶着する場合にも同様に云えるこ
とである。

第２に、伺よりも問題なのは１組付状態において第一２
図に示すように１本体ケース１の前面にあるピンチロー
ラ挿入口１２の内奥壁１３の前端縁は磁気テープ６に内
側から接触状態で近接している。

しかも、上ケース１ａの該当内奥壁１３は。その分割面
よりも大きく突出している。

そのため。第３図に示す如く１組付時に下ケース１ｂの
上方からこれに上ケース１ａをそのまま同心状に位置合
わせして供給しても、上ケース１ａ側の突出さる内奥壁
１３の前端下縁１３ａが下ケース１ｂ内の磁気テープ６
の上端エツジに当り、磁気テープ６を内奥壁１３でかみ
込んだ状態に組付けてしまうおそれのあることである。

このような事実は。上ケース１ａを治具で下ケース１ｂ
上に正しく案内供給しようとしても１例えは供給ステー
ションで上ケース１ａを吸着して持上げ支持するときの
ずれや、これを落下供給するときのずれにより。

上ケース１ａが下ケース１ｂに対して僅かでも前方より
落下すれば確実に発生する。

この考案は、かかる事実に着目して、磁気テープをかみ
込むことなく上ケースを下ケースに正しく位置合わせし
て供給できるようにしようとするものであり、その特徴
とするところは、上ケースが下ケースに対して前方より
に供給されようとする不測の事態の生じたとき１組付ラ
イン上の上ケース供給ステーションに配置したガイド部
材のガイド面に上ケースの前端面を案内接触させ、この
ガイド部材で上ケースの供給姿勢を後方よりに規制して
上ケース側の分割面より突出せる前記内奥壁の前端下縁
が下ケースに装着した磁気テープの上端エツジよりも内
側後方よりに、この上端エツジを越えて挿入したのち、
上ケースが下ケースに正しく重なり合うようにした点に
ある。

以下、この考案の詳細を図面に基づき説明する。

第４図、第５図及び第６図は、自動組付用の治具１５を
例示している。

この治具１５は、上面左右に一対の丸軸状突起１６・１
６を立設し、上面前部に左右一対のピン１７・１７を固
着立設し。

上面後部に板はね１８を取付けである。

このうち。各突起１６は、その下半部を治具１５の上面
に可回転に挿入してあり、該突起１６に形成した縦長ス
リット１９に一対の案内羽根２０・２０を左右対称にピ
ン枢支し、これら案内羽根２０・２０を突起１６の内外
に出退自在とする。

そして、突起１６の下部に当て板２１を介して案内羽根
２０・２０の枢支基部を押圧するスプリング２２を内装
し、該スプリング２２で各案内羽根２０・２０を突起１
６の外に突出付勢した基本構造となっている。

かかる構造の治具１５は１組付ライン上の図外フリーフ
ローコンベアに載せられて走行して行く。

この治具１５を用いて磁気テープカートＩＪツジを組付
けて行く手順の概略を、つぎに述べる。

まず１本体ケース１を構成する上下ケース１ａ・１ｂを
、蓋合わせ状に重合した状態で治具１５の上面にセット
する。

この状態から組付ライン上の所定位置で、上ケース１ａ
のみを真空吸着手段で上方に取外し、治具１５の後部外
側にこれとともに移動できるよう下向きに支持する（第
６図参照）。

このとき、治具１５の突起１６・１６とピン１７・１７
とが下ケース１ｂの各駆動軸挿入孔２４・２４及び各基
準孔２５・２５にそれぞれ係入し、かつ板はね１８が下
ケース１ｂの後端面に弾接して下ケース１ｂを治具１５
上に位置形め保持している。

つぎに、治具１５上の下ケーキ１ｂの内部に。

下側スリップシート、テープガイドローラ３゜遮磁板４
．パッド付き板ばね５８磁気テープ６を巻回した一対の
ハブ７、上側スリップシート８などの内装部品を順に第
１図に示す如く装着する。

このとき、下側スリップシート２は、これに設けた左右
の透孔２６・２６がそのまま落とせば各突起１６の案内
羽根２０・２０の傾斜案内面に沿って滑り落ち、下ケー
ス１ｂの各駆動軸挿入孔２４の周縁に形成された環状リ
ブ２７の外周に正しく嵌り込む。

上側スリップシート８も同様である。また、ハブ７も前
記突起１６を介して下ケース１ｂの各駆動軸挿入孔２４
上に正しく組付けられる。

下ケース１ｂへの内装部品の組付が完了すると。

治具１５はつぎのステーション、すなわち上ケス供給ス
テーションに移動して停止する。

ここで治具１５とともに移動してきた待期中の上ケース
１ａを吸着支持して持ち上げ、下ケース１ｂ上に落下供
給する。

以後は、上下ケース１ａ・１ｂを蓋合わせ状に重合せし
めてタッピングねじ９で自動的にねじ結合し１組上った
本体ケース１を治具１５の突起１６から強制的に抜き外
して組付を完了する。

さて、これらの一連の組付ライン上において。

上ケース供給ステーションには、第７図に示すように、
コンベヤラインＡ上の治具１５の上側に真空吸着式の上
ケース供給機構２９を配置するとともに、治具１５の前
方に位置させて上ケース案内用ガイド部材３０を固定し
である。

上ケース供給機構２９は１図外の駆動手段によって前後
に移動する可動フレーム３１にエアシリンダ３２を取付
け、そのピストンロッド３３の下端に吸盤３４・３４を
有する真空吸着手段５５を設けたものであって、この真
空吸着手段３５で治具１５の後部に待機せる上ケース１
ａの上面を吸着保持して上方に持上げたのち、前方に移
動し、下ケース１ｂの上方において適当に下降させたの
ち上ケース１ａを下ケース１ｂ上に落下供給するように
なっている。

また、前記ガイド部材３０は、下ケース１ｂの左右全長
に亘る板状の部材を治具ガイドを兼ねた固定フレーム３
７にボルト止めしたものであって。

このガイド部材３０と下ケース１ｂの前端面Ｆｂとの間
には小間隙が形成されていて、上ケース供給ステーショ
ンにまで治具１５が移動して来たときに、このガイド部
材３０に上ケース１ｂが接触しないようにしである。

そのうえで、ガイド部材３０の治具１５に対向する面に
は、下ケース１ｂよりもやや高い位置にこれの前端面Ｆ
ｂと面一状に垂直ガイド面Ｓ１を形成するとともに、こ
の垂直ガイド面Ｓ１の上端から上側前方に向けて傾斜ガ
イド面Ｓ２を形成する。

そして、垂直ガイド面Ｓ１の上端は、落下供給位置に持
ち上げられている上ケース１ａの下面よりも低く、かつ
垂直ガイド面Ｓ、の少なくとも下部が下ケース１ｂに供
給した上ケース１ａの前端面Ｆａに対面するように設定
しである。

しかるときは、供給機構２９により上ケース１ａが下ケ
ース１ｂの上方、厳密には第８図に示すように、下ケー
ス１ｂに対して若干後方（図上右側）寄り位置で落下さ
れる。

その結果、上ケス１ａ側の分割面より下方に突出せるピ
ンチロラ挿入口１２の内奥壁１３の前端下縁１３ａが下
ケース１ｂに装着せる磁気テープ６の上端エツジよりも
充分に内側後方にまず挿入した状態で、上ケース１ａの
左右の駆動軸挿入口２４・２４が治具１５の各突起１６
・１６に嵌入する。

つぎに各突起１６０案内羽根２０・２０に案内されて上
ケース１ａが前方よりに変位し、その前端面Ｆａが下ケ
ース１ｂの前端面Ｆｂに合致する状態で上下ケース１ａ
・１ｂが重なり合う。

したがって正常な供給状態では、上ケース１ａの前端面
Ｆａは。

ガイド部材３０の各ガイド面Ｓ１及びＳ２に接触せず、
前記内奥壁１３が磁気テープ６をかみ込むこともない。

しかし、待機中の上ケース１ａが前方よりに位置すれし
ていたり、供給機構２９の真空吸着手段３５で待機位置
の上ケース１４を持上けるときにずれが生じたり、若し
くは上ケース１ａの落下供給時にずれが生じたりして、
上ケース１ａが下ケース１ｂに対してやや前方よりに落
下されることがある。

このときは、第９図に示すように、上ケス１ａの前端面
Ｆａ７の下側縁がガイド部材３０の傾斜ガイド面Ｓ２に
まず接触案内されたのち、垂直ガイド面Ｓ１に沿って下
ケース１ｂ上に落下する。

したがって、このような不測の事態でも、上ケース１ａ
は下ケース１ｂに対して必要以上に前方よりに落下供給
されることを規制され、前記内奥壁１３の前端下端１３
ａが確実に磁気テープ６の上端エツジの内側後方に挿入
する状態で、上ケース１ａを下ケース１ｂに正しく位置
合わせして供給できるに至ったものである。

なお１図の例では、ガイド部材３０の垂直ガイド面Ｓ１
を治具１５にセットした下ケース１ｂの前端面Ｆｂと面
一にしたが、この垂直ガイド面Ｓ１を下ケース１ｂ側の
前端面Ｆｂと僅かに重複する状態に突出させ、上ケース
１ａの落下供給時にこれの前端面Ｆａが前述の傾斜案内
面Ｓ２に常時接触して案内されるよう規制してもよい。

また、上ケース供給ステーションにおいては。

磁気テープ６のかみ込み防止を第一義に配慮して上ケー
ス１ａを治具１５の各突起１６を介して下ケース１ｂ上
に供給すれば足り、上下ケース１ａ・１ｂを完全に位置
合わせしてこれらの分割面同士を密着状態で蓋合わせ重
合するまでもない。

つきの工程で上下ケース１ａ・１ｂをねじ結合するに際
して両者を完全に蓋合わせ状に別途重合すれはよいから
である。

以上説明したように、この考案によれば、磁気テープカ
ートリッジの組付ライン上の上ケース供給ステーション
において、垂直ガイド面Ｓ１と傾斜ガイド面Ｓ２を有す
るガイド部材３０を配設し。

上方より下ケース１ｂ上に供給されるべき上ケス１ａが
少なくとも前方よりに位置ずれしているときには、これ
の前端面Ｆａが傾斜ガイド面Ｓ２とこれに続く垂直ガイ
ド面Ｓ１に接触しつつ案内されて下ケース１ｂ上に供給
されるようにした。

したがって、王ケース供給時に、上ケース１ａの一部。

例えはピンチローラ挿入口１２の内奥壁１３が下ケース
１ｂに装着した磁気テープ６をかみ込むようなことなく
、上ケース１ａを下ケース１ｂに正しく位置合わせして
供給できるようになった。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案が対象とする磁気テープカートリッ
ジの分解斜視図、第２図はその組付状態での要部切欠き
平面図、第３図はその組付時の要部縦断面図である。 第４図はこの考案の構成部材の一つである組付用治具の
全体斜視図、第５図はその中央縦断正面図、第６図はそ
の中央縦断側面図である。 第７図はこの考案に係る上ケース供給装置の一部縦断側
面図である。 第８図はその上ケス供給装置により上ケースが正常な状
態で供給されるときの要部縦断側面図である。 第９図はその上ケース供給装置により上ケースが異常な
状態で供給されるときの要部縦断側面図である。 １・・・・・・本体ケース、１ａ・・・・・・上ケース
、１ｂ・・・・・下ケース、６・・・・・・磁気テープ
、１２・・・・・・ピンチローラ挿入口、１３・・・・
・・１２の内奥壁、１５・・・・・治具、１６・・・・
・・突起、２０・・・・・・案内羽根、２９・・・・・
上ケース供給機構、３０・・・・・・ガイド部材、３５
・・・・・・真空吸着手段、Ｓｌ・・・・・・垂直ガイ
ド面、Ｓ２・・・・・・傾斜ガイド面。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 磁気テープカートリッジの本体ケース１を構成する上下
   の分割ケース１ａ・１ｂのうち、下ケース１ｂを組付ラ
   イン上を走行する治具１５の上面にセットし、下ケース
   １ｂ内に各種の内装部品を装着したのち、組付ライン上
   のステーションで上ケース１ａを吸着支持して上方から
   下ケース１ｂ上に供給し、つぎに上下ケース１ａ・１ｂ
   を蓋合わせ状に結合するようにした。 磁気テープカートリッジの組付装置において、組付ライ
   ン上の上ケース供給ステーションに、前記治具１５の前
   方に位置させて上ケース１ａの案内用ガイド部材３０を
   配置し、このガイド部材３０の治具１５に対向する面に
   は、下ケース１ｂよりも上位にこれの前端面Ｆｂとはぼ
   面一の垂直ガイド面Ｓ１を形成するとともに、この垂直
   カイト面Ｓ１の上端より上側前方に向けて傾斜ガイド面
   Ｓ２を形成しであることを特徴とする自動組付装置。