JPS5830167B2 - 自動車の後開き式窓まわりのフィニッシャ取付構造 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は自動車の後開き式窓まわりのフィニッシャ取
付構造に関するものである。

一般にリヤサイドウィンドを備えた自動車にあっては、
実開昭５１−７８１８号公報や実開昭５１−６６１５号
公報に記載されているように、車体の窓開口周縁フラン
ジにウェザストリップを装着し、このウェザストリップ
に前端か車体リヤサイドにヒンジ支持され、後端が開閉
ハンドル（ロック部）により支持された後開き式窓ガラ
スをガラス閉時に弾接させるようにしている。

ところが、このような後開き式窓にあっては不正工具を
窓ガラスとウェザストリップとの間からウェザストリッ
プをめくって押し込んで開閉ハンドルを動かして開閉ハ
ンドルのロック状態を解除し、窓をあけ室内の貴重品が
盗まれるおそれかある。

そこでこのような盗難を防止するためにウェザストリッ
プの硬度を高くしてめくれに＜＜シたり、開閉ハンドル
を常に実開昭５１−６６１５号公報に示されているよう
なキャッチ式ハンドルにせずに容易にロック解除できな
いような精巧なものにしたりすることが考えられるが、
前者にあっては窓ガラスが閉まりにくくなり開閉操作性
が悪化するという新たな問題が生じ、後者にあっては構
造が複雑となり、この構造の複雑化に伴なって開閉操作
性にも悪影響を与え、しかも高価なものになるという問
題か生じ、いずれも採用しがたいことである。

そこでこの発明は開閉式でない固定式の窓ガラスまわり
でよく見かける例えば実開昭５３−２２４２３号公報や
実開昭５４−６５１１９号公報等のように窓まわりの装
飾効果を向上するためにモールを取りつけることに注目
し、後開き式窓の開閉に支障をきたさずに窓まわりを装
飾すべくフィニッシャを取りつけると共に、このフィニ
ッシャを利用して効果的に防盗性を向上させるようにし
たものである。

この発明はかかる目的を達成するために、車体外板の後
開き式窓周縁にフィニッシャを取りつけ、このフィニッ
シャの内縁部を、窓ガラスとウェザストリップとで形成
される空間部に、窓ガラス周縁部と重なるように延長し
、この延長部によって不正工具の侵入を阻止することに
よって防盗性を高めるようにしたものである。

以下図面に示す実施例を説明すると、第１図ないし第５
図において、リヤサイドウィンドＷはそのウィンドガラ
ス１５が後開きとなるようにガラス前端部が車体リヤサ
イドパネル１のインナパネル１ｂにヒンジ支持（図示せ
ず）され、ガラス後端部も車体リヤサイドパネル１のイ
ンナパネル１ｂに開閉ハンドル（図示せず）により支持
されている。

車体リヤサイドパネル１のウィンド開口周縁フランジ１
４にはウェザストリップ１３が装着され、ガラス閉時に
ウィンドガラス１５の周縁部内面に弾接して車室内外を
シールするようにしている。

車体外板であるリヤサイドパネル１のアウタパネル１ａ
には、フィニッシャ２が後述の取付手段により装着され
、ウィンドガラス１５のまわりを囲むようにしていると
共に、フィニッシャ２の内縁部をウィンドガラス１５と
ウェザストリップ１３とで形成される空間部りにウィン
ドガラス周縁部１５ａと寸法ｌの範囲で重なるように延
長２ａＬ。

ている。

そしてこの延長部２ａの端面にはエンドキャップ１２が
嵌装されている。

なおウィンドガラス１５を開いたとき、（一般的にヒン
ジを支点にして約５°〜１５°開く）ウィンドガラス１
５の端末がフィニッシャ延長部２ａに干渉しないように
しているか、もしくは干渉したとしても延長部２ａが若
干弾性変形するにとどまる程度に配設されているもので
ある。

次にフィニッシャ２の取付手段について説明すると、車
体ウェスト部となる開口縁フランジ１４の下辺を除くリ
ヤサイドアウタパネル１ａの一般部の平担部１ ａｌに
配置する部分のフィニッシャ２背面にネジ孔１７を有す
る適数個のボス部１６を一体成形してあり、またフィニ
ッシャ取付用クリップ１８にはネジ部１９を形成してあ
り、該ネジ部１９を前記ボス部１６のネジ孔１７に螺装
してクリップ１８をフィニッシャ２背面にサブアッセン
ブリし、このクリップ１８を平徊部１ａ１ の対応部位
に形成した取付孔１１に押圧嵌合しである。

他方、車体ウェスト部の開口フランジ１４下辺の斜面部
１ ａ２には、適数個のリテーナ２０を配して、該リテ
ーナ２０を介してフィニッシャ２の下側縁を固定するよ
うにしている。

このリテーナ２０は上側に略水平な取付座２１を備え、
該取付座２１にフィニッシャ２の取付方向に係合溝２２
を形成してあり、また、底部には前述と同様のネジ部１
９付きのクリップ１８をネジ込み固定し、このクリップ
１８を斜面部１ ａ２に形成した取付孔１１に嵌装して
固定しである。

一方、該斜面部１ ａ２側に配置されるフィニッシャ２
の下側縁の背面には、前記リテーナ２０の係合溝２２に
対応して突起２３を一体成形してあり、該突起２３を前
述の平担部１ａ＋へのクリップ１８固定時にリテーナ２
０の係合溝２２に押圧してスライド係合させて、組付け
るようにしである。

この組み付けについて更に詳述すると、作業者はフィニ
ッシャ２を車外側外方で車体リヤサイドアウタパネル１
ａに大略平行になるように位置させ、この状態から第２
図、第３図で矢印Ｘで示す方向より近づけてクリップ１
８を嵌装固定すると同時に突起２３をリテーナ２０にス
ライド係合させるといういわばワンタッチ取付けをする
。

従ってフィニッシャ２は全体的に一挙に車体に組付ける
ことができるようにしである。

なお、このフィニッシャ２下側縁部においてはリテーナ
２０の保合溝２２とフィニッシャ２背面の突起２３との
係合構造自体には抜止め機能はないか、フィニッシャ２
の他の周縁部分か前述のように平担部１ａ１にクリップ
１８止めされることと、ウィンドガラス１５の配設によ
って該ウィンドガラス１５の周縁部がフィニッシャ２内
周の車外側縁部に位置して該ガラス１５周縁で支えられ
るためフィニッシャ２の離脱が確実に防止される。

かかる構成により、不正工具Ｔを第４図或いは第５図に
示すようにウィンドガラス１５とウェザストリップ１３
とで形成される空間部りに押し入れてウェザストＩＪツ
ブ１３をめくって開閉ハンドル（図外）を動かそうとし
ても、フィニッシャ２の延長部２ａによって、不正工具
Ｔの押し込みを阻止し、開閉ハンドルにまで到達できな
いようにしているので、不正にウィンドガラス１５を開
けることかできず防盗性が向上する。

また言うまでもないが、ウィンドガラス１５のまわりは
フィニッシャ２により装飾効果が向上し、特に延長部２
ａによりウィンドガラス１５とフィニッシャ２との間で
リヤサイドアウタパネル１ａの塗装面が露出するのを防
止できるので装飾効果は一段と向上する。

なおこのフィニッシャ２とウィンドガラス１５の取付順
序であるか、本発明の構造上、不可避的にまずフィニッ
シャ２を取りつけてからウインドガラス１５を車外側よ
りフィニッシャ２と適合させ、その後車室内側でヒンジ
及び開閉ハンドルをリヤサイドインナパネル１ｂに固定
支持させるものである。

しかも実施例のような取付手段によれば車体開口縁−股
部の平担部ではフィニッシャ背面に自体をネジ込み固定
したクリップ１８により取付孔に押圧嵌合し、他方車体
開口縁の斜面部？ａ２では該斜面部１ａ２に固定したリ
テーナ２０の係合溝２２とフィニッシャ背面に付帯成形
した突起２３とによるフィニッシャ取付方向のスライド
係合により前記クリップ固定と同時にワンタッチで組付
けることかできるので組付作業性がよく、また、前述の
ようにクリップ自体をフィニッシャ背面にネジ込み固定
するためクリップ１８のサブアッセンブリ作業に際して
も作業性が良く、しかも部品点数が削減されるため部品
管理面並にコスト的にも有利となる。

以上述べたとおり、この発明によればフィニッシャを装
着することによって後開き式窓まわりの装飾効果を高め
るだけでなく、不正工具の侵入を阻止することによって
防盗性を高めることかできるという効果をも発揮する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明が適用される後開き式窓を備えた自動
車の側視図、第２図、第３図はそれぞれこの発明の一例
を示す第１図Ａ−Ａ線及びＢ−Ｂ線に沿う断面図、第４
図は第３図Ｃ−Ｃ線に沿う断面図、第５図はフィニッシ
ャの側面図である。 １・・・車体リヤサイドパネル、２・・・フィニッシャ
、２ａ・・・延長部、１３・・・ウェザストリップ、１
４・・・フランジ、１５・・・ウィンドガラス、１５ａ
・・・ガラス周縁部、Ｗ・・・窓、Ｄ・・・空間部、ｌ
・・・重合寸法。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 車体の窓開口周縁フランジにウェザストリップを装
   着し、該ウェザストリップに後開き式窓ガラスの周縁部
   を閉時に弾接するようにした構成であって、車体外板面
   における窓開口周縁部にフィニッシャを装着して前記窓
   ガラスのまわりを囲むと共に、該フィニッシャの内縁部
   を、窓ガラスと前記ウェザストリップとで形成される空
   間部に、窓ガラス周縁部と重なるように延長したことを
   特徴とする自動車の後開き式窓まわりのフィニッシャ取
   付構造。