JPS5830120Y2 - 多気筒エンジンの吸気装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、吸気マニホールドの集合部内に突出する突出
部を有する排気ガス還流管を設けた多気筒エンジンの吸
気装置の改良に関する。

従来、吸気マニホールドの集合部に排気ガス還流管を開
口させる場合、排気ガスと混合気との混合を十分行なう
ようにしなければ、排気ガスと混合気とが層状的に燃焼
室に供給され、点火栓付近に排気ガスが存在すると着火
性が悪化するという不具合が発生し、捷た、気化器と吸
気マニホールドとの内壁を伝わって流下する燃料が排気
ガス還流管に浸入しないようにしなければ、排気ガス中
に含まれるカーボン等の成分と燃料とが接触し、排気ガ
ス還流管にカーボン等の成分が堆積してしまう不具合が
発生する。

そのため、吸気マニホールドの集合部に突出する突出部
を有する排気ガス還流管を設け、上記した不具合の発生
を防止しようとするものは公知である。

ところで、多気筒エンジンにおいて、各気筒に供給され
る混合気をバランスよく分配するため、第１図および第
２図に示すように、気化器１に接続される集合部２をほ
ぼ中央に有し、上記集合部２から分岐され、対称面Ｐ−
Ｐを基準としてほぼ左右対称に配置された分岐部３．３
−１．３−２．４．４−１．４−２を有する吸気マニホ
ールド５を設けている。

このような吸気マニホールド５を設けた多気筒エンジン
において、吸気マニホールド５の集合部２内に突出する
突出部６を有する排気ガス還流管７を設ける際、例えば
、減速時１次空気を上記吸気マニホールド５の集合部２
に供給する１次空気供給管（図示せず）およびブローバ
イガスを上記吸気マニホールド５の集合部２に還流する
ブローバイガス還流管（図示せず）の取付けとの関係で
、第２図に示すように上記排気ガス還流管７の突出部６
の上記吸気マニホールドの対称面Ｐ−Ｐを基準とした吸
気流れ方向（第１図に矢符で示す）における左右の投影
面積６ａと６ｂ（第２図において対称面Ｐ−Ｐの左右に
各々ハツチングで示した部分の面積）とが相違する場合
、上記気化器１から供給される混合気特に、混合気中に
含まれる燃料が、上記突出部６の大きい投影面積６ｂ側
の吸気マニホールド５の分岐部４．４−１．４−２には
少なく供給される一方、上記突出部６の小さい投影面積
６ａ側の吸気マニホールド５の分岐部３゜３−Ｌ３−２
には多く供給されるため、はぼ左右対称に配置した分岐
部３．３−１．３−２と４゜４−Ｌ４−２への混合気分
配が悪化し、図示のように気化器１の２次側吸気通路８
の下流側に突出部６を設けた際には２次側絞弁９の開き
始めに出力低下を招く一方、気化器１の１次側吸気通路
１０の下流側に突出部６を設けた際には低負荷時の運転
性が悪化するという不具合が生じていた。

本考案は、上記した不具合を解消するため、吸気マニホ
ールドの集合部内に突出し、上記吸気マニホールドの対
称面を基準とした吸気流れ方向における左右の投影面積
が相違する排気ガス還流管の突出部上流近傍に位置し、
上記吸気マニホールドの対称面を基準とした吸気流れ方
向における左右の投影面積を同一とした突起を設け、排
気ガス還流管の突出部による混合気分配の悪化をなくす
るようにした多気筒エンジンの吸気装置を提供するもの
である。

以下、第３図および第４図に基いて本考案の実施例を説
明する。

１１は、１次側メインノズル１２．１次側ベンチュリ１
３および１次側絞弁１４を有する１次側吸気通路１５と
２次側メインノズル１６．２次側ベンチュリ１７および
２次側絞弁１８を有する２次側吸気通路１９とを備えた
気化器である。

２０は上記気化器１１に接続される集合部２１をほぼ中
央に有するとともに上記集合部２１から分岐され、エン
ジンの各気筒（図示せず）に供給される混合気をバラン
スよく分配するため、対称面Ｐ−Ｐを基準としてほぼ左
右対称に配置された分岐部２２．２２−１．２２−２と
２３．２３−１ 。

２３−２を有する吸気マニホールド、２４は、上記集合
部２１内に突出し、上記吸気マニホールド２０の対称面
Ｐ−Ｐを基準とした吸気流れ方向（第３図に矢符で示す
）に訟ける左右の投影面積２５ａと２５ｂが相違する突
出部２５を有する排気ガス還流管、２６は上記気化器１
１と吸気マニホールド２０との間に介設されたガスケッ
トである。

２７は、上記気化器１１とガスケット２６との間に介設
されたステンレススチール製のインシュレータであり、
上記インシュレータ２７には、上記排気ガス還流管２４
の突出部２５上流近傍に位置し、吸気マニホールド２０
の対称面Ｐ−Ｐを基準とした吸気流れ方向における左右
の投影面積２８ａと２８ｂを同一とした突起２８が一体
的に設けられている。

なお２９は、吸気マニホールド２０に設けた吸気加熱用
冷却水通路である。

このような構成により、２次側絞弁１８が開かれ、２次
側吸気通路１９から混合気が供給されると、この混合気
特に混合気中に台筐れる燃料はインシュレータ２７に設
けた突起２８によって、図中で左右に均一に振り分けら
れ、かつ上記突起２８と排気ガス還流管２４の突出部２
５との間を小さくしているので、振り分けられた燃料が
上記突出部２５でもって偏らされることが少なくなるの
で、バランスよく混合気特に混合気中に台筐れる燃料を
各分岐部２２と２３に供給することができるため、出力
低下を防止できる。

上記の実施例では２次側吸気通路１９の下流に排気ガス
還流管２４を設けたものについて説明したが、１次側吸
気通路１５の下流に排気ガス還流管２４を設けものにお
いては、該排気ガス還流管２４の突出部２５上流近傍に
突起２８を設けることによって、低負荷時の運転性を確
保することができる、 なお、上記の実施例においては、突起２８をインシュレ
ータ２７に設けたが、気化器１１の内壁もしくは吸気マ
ニホールド２０の内壁に設けることができる。

以上の説明で明らかなように、本考案は、気化器に接続
された集合部および上記集合部より分岐され、はぼ左右
対称に配置した分岐部を有する吸気マニホールドを設け
るとともに、上記集合部内に突出し、上記吸気マニホー
ルドの対称面を基準とした吸気流れ方向における左右の
投影面積が相違する突出部を有する排気ガス還流管を設
けた多気筒エンジンの吸気装置において、上記排気ガス
還流管の突出部上流近傍に位置し、上記吸気マニホール
ドの対称面を基準とした吸気流れ方向における左右の投
影面積を同一とした突起を設けるという簡単な構造でも
って、排気ガス還流管の突出部による混合気分配の悪化
を防ぎ、バランスよく混合気分配を行うようにしたもの
である。

【図面の簡単な説明】 第１図は従来の吸気装置の断面説明図、第２図は第１図
の気化器を取り除いた平面図、第３図は本考案の実施例
を示す断面説明図、第４図は第３図の気化器を取り除い
た平面図である。 １１・・・・・・気化器、２０・・・・・・吸気マニホ
ールド、２１・・・・・・集合部、２２，２３・・・・
・・分岐部、２４・・・・・・排気ガス還流管、２５・
・・・・・突出部、２７・・・・・・インシュレータ、
２８・・・・・・突起、Ｐ・・・・・・対称面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 気化器に接続された集合部および上記集合部より分岐さ
   れ、はぼ左右対称に配置した分岐部を有する吸気マニホ
   ールドを設けるとともに、上記集合部内に突出し、上記
   吸気マニホールドの対称面を基準とした吸気流れ方向に
   おける左右の投影面積が相違する突出部を有する排気ガ
   ス還流管を設けた多気筒エンジンの吸気装置にかいて、
   上記排気ガス還流管の突出部上流近傍に位置し、上記吸
   気マニホールドの対称面を基準とした吸気流れ方向にお
   ける左右の投影面積を同一とした突起を設けたことを特
   徴とする多気筒エンジンの吸気装置。