JPS5830075Y2 - 遠心脱水機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は脱水受槽内に脱水槽を配した遠心脱水機に関す
るもので、脱水槽を胴部と底部に分割成形し、胴部は上
方へ向うに従って次第に径小とした筒状となし、底部を
上方に向うに従って次第に径大とした略皿状となし、こ
の底部の下端側と底部の上端側とを熱板溶着又は回転摩
擦溶着により一体化し、かつ、前記熱溶着による接合部
には、流体を封入する環状空間を有するハウジング部を
形成したことにより、脱水起動時の洗濯物のアンバラン
スによる脱水槽の振れが大きい場合に、脱水槽が脱水受
槽に当り定常回転に達しなかったり、又、脱水槽と脱水
受槽が接触して破損する等の問題が生じるのを防止する
ものであり、かつ、脱水槽そのものの構造を簡素化する
ものである。

以下、本考案の一実施例を図面と共に説明すると、１は
脱水受槽、２は外枠、３は外枠２上方に配した操作パネ
ルである。

４は大別して胴部５と底部６とから構成された樹脂材料
の成形にてなる脱水槽であり、脱水受槽１内に回動自在
に配している。

７は脱水槽４と、脱水受槽１下方に配した電動機８と連
結する回転軸である。

次に前記脱水槽４を構成する胴部５と底部６に関して説
明すると、まず、胴部５においては、上方径小で下方径
大である筒からなり、上端部には環状空間部９内に流体
を封入せしめたハウジング部９ａを形成し、下端外周に
は厚肉なフランジ部１０を形成している。

又、底部６においては、上方径大で所定の深さを有する
略皿状をなし、上端外周には、前記胴部５に形成したフ
ランジ部１０に対応させて厚肉なフランジ部１１を形成
している。

１２は胴部５及び底部６の壁部に設けた透孔である。

第１図は、胴部５と底部６のそれぞれのフランジ部１０
．１１を対向させて、熱板溶着、即ち、フランジ部１０
．１１の接合面で熱板をはさみ互いに溶けた時に熱板を
とり去り両フランジ部と加圧するか、又は回転摩擦溶着
、即ち、フランジ部を対向させて若干加圧ぎみでどちら
か一方を高速回転させ、この時に生ずる摩埠熱で溶着す
るかにより一体化した脱水槽であり、ビス、ナツト又は
爪等による結合に比し、少ない接合代で済む。

又この結合部分において、ゆるみや爪の破損による脱水
槽の破壊等が生じない。

また、本実施例においては、第１図に示す構成に加えて
、第２図の構成を有しており、詳しくは底部６の上方部
（第１図のフランジ１１に相当する部分）に環状の溝を
設け、胴部５のフランジ部１０と溶着接合することによ
り、環状空間部１４を有するハウジング部１５を形成し
ている。

そして、この脱水槽を逆さにして前記ハウジング部１５
に設けた透孔１６より流体を注入し、その後、透孔１６
を部材１７でふさぐことにより、自動バランス構造とな
している。

次に、この脱水槽の使用時における作用効果を述べる。

まず、脱水起動時洗濯物のアンバランスにより脱水槽４
が大きく振れる。

脱水槽４及び電動機８等からなる振動系は、一端をブラ
ケット１３に固定した防振具にて支持している為、脱水
槽４及び電動機８が平行移動することがなく、第１図の
イの如く、脱水槽の上方部が下方部よりも変位が大きく
なり、下方部は変位が比較的少ない。

この為、従来の脱水槽の様に上方部が径大で、下方部が
径小なる場合には、前記した様な脱水起動時、小さなア
ンバランス量で脱水槽の上端外周が水槽の内壁に当たる
ことになる。

しかるに、本実施例では、変位の大なる脱水槽上方部を
径小とし、変位の少ない下方部を径大とすることにより
、上記従来の場合と同じアンバランス量時において脱水
槽上方の振れが同程度であっても、脱水槽上方部の外径
と脱水受槽の内壁との間隔が広くなることから、両者は
当りにくくなるものである。

また、上記実施例においては、流体を封入したハウジン
グ部１５を有しており、脱水槽の脱水回転起動時のアン
バランスの発生を、前記流体の移動によって抑制できる
ものであって、前記脱水槽の上方部と脱水受槽の内壁と
の当たりをより確実に阻止し得る。

しかもハウジング部１５は、胴部５と底部６の両者の熱
溶着による一体化によって前記両者の接合部に構成した
ものであり、脱水槽の形成と同時にハウジング部１５を
形成でき、組立工数の削減化によって、生産面での合理
化が図れる。

なお、流体を用いたバランス構造は、第２図に示すよう
に脱水槽の上端部と、胴部と底部との接合部の双方に設
けても良いし、さらには、前記接合部のみに設けても良
い。

以上のように本考案の遠心脱水機によれば、その脱水槽
の上方部の径が下方のそれより小さいために、脱水受槽
内面と脱水槽上方部との間隔を従来に比して大きくでき
、脱水起動時の許容アンバランス（洗たく物によるアン
バランス程度で、支障なく起動する時の限界値）が大き
くなってゆとりができ、しかも、脱水槽の形成にともな
って形成されるハウジング部は、脱水槽のアンバランス
回転の発生を抑制し得、これにより、脱水槽及び脱水受
槽の破損が極めて少なくなる。

しかも、本考案によればバランス構造を脱水槽の形成時
に脱水槽に設けることができ、組立工数の削減により生
産面の合理化が図れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例における遠心脱水機の縦断面図
、第２図はその脱水槽の他実施例を示す縦断面図である
。 ４・・・・・・脱水槽、５・・・・・・胴部、６・・・
・・・底部、１０・・・・・・フランジ部、１１・・・
・・・フランジ部、１２・・・・・・透孔、１４・・・
・・・環状空間部、１５・・・・・・ハウジング部、１
６・・・・・・透孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 脱水受槽と、この脱水受槽内に回動自在に配した脱水槽
   とを備え、前記脱水槽は、上方部の径を下方部のそれよ
   り小とした筒状の胴部と、上方部が下方部よりも径大で
   かつ所定の深さを有する略皿状の底部とよりなるととも
   に前記胴部の下端側と底部の上端側とを熱溶着にて一体
   化して構成し、かつ前記胴部と底部の熱溶着による接合
   部には、環状空間を有するハウジング部を形成し、この
   ハウジング部に透孔を介して流体を封入した遠心脱水機
   。