JPS5829073B2 - タバコ製品及びその「ろ」過装置のための添加剤及びこの添加剤の製法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、大きい比表面積を有する種々の金属酸化物及
び／又は金属酸化物水和物から成るタバコ製品及びその
濾過要素のための添加剤、ならびにこの添加剤の製法に
関する。

タバコの燃焼時には多くの種類の物質が遊離し、そのう
ちのあるものは喫煙者の健康に有害な影響を与え、ある
いは与える可能性がある。

この有害物質の大部分は、エヤーゾルを形成するタバコ
煙のいわゆる粒子相中に存在し、そして凝縮物（普通は
タールと呼ばれる）として析出する。

しかし気相中にもこの種の物質が多数見出される。

タバコ煙中の有害物質を減少させるためには、種々の手
段が提案されており、そしてこの志向は近時健康問題へ
の関心が高まるにつれて世界的に強くなっている。

その一方では喫煙品に用いられるタバコを、たとえば適
当なタバコの種類の選択によって又は特殊な後処理法に
よって変更する可能性が探求され、他方ではタバコ代用
物質を開発するため著しい努力がなされた。

この物質は燃焼時の有害物質特にタールの遊離を減少す
ることにより優れており、そして既に天然タバコに混合
物として添加されている。

たとえば紙又はセルロース−２・５−アセテート繊維か
ら成るフィルターを使用することによって、種々の成分
をタバコ煙の１過により除去することができる。

後者すなわちアセテートフィルターは種々の利点がある
ので、特に巻タバコの場合に一般に広まっている。

タバコ煙の有害成分を減少する他の公知方法においては
、吸着作用を有する物質がフィルター又はタバコに添加
されて用いられる。

その場合は主として比表面積の大きい製品が用いられる
。

その例は活性炭、珪酸ゲル、天然及び人工の種々の珪酸
塩、同じくイオン交換体及び分子ふるい、さらに金属上
としてアルミニウム、鉄及びマグネシウムの酸化物、酸
化物水和物及び水酸化物、微粒状の穀類殿粉、穀粉、粉
砂糖などである。

これら物質の多（は相互の混合物としても用いられる。

すなわちドイツ特許出願公告２２０６１８５号明細書に
は、セルロースを基礎とし、充填物としてアルミニウム
及び／又は鉄及び／又は珪酸の水酸化物、酸化物又は酸
化物水和物を含有する膨張させた薄膜から成る喫煙可能
な製品が記載されている。

ドイツ特許出願公開２２６２８２９号明細書にも類似の
ものが記載されている。

ドイツ特許出願公告１２７４９４６号明細書によれば、
たとえば珪藻土及び活性化アルミナからの混合物を含有
するタバコ煙フィルターの製法が知られている。

米国特許１１０３８２２号明細書には、粉末状又は顆粒
状の物質たとえば活性炭、シリカゲル、アルミナ等又は
それらの混合物から成るタバコ煙フィルターが記載され
ている。

また英国特許１１０４９９３号明細書及び米国特許３３
１３３０６号明細書によっても同種のものが知られてお
り、そこではそのほかに金属酸化物たとえば酸化アルミ
ニウム、酸化鉄等及びそれらの混合物があげられている
。

これらを総括すると、タバコ製品及びそのフィルターに
、大きい比表面積を有する種々の金属酸化物及び／又は
金属酸化物水和物を単独で又は組合わせて添加すること
は公知といえる。

この公知の金属酸化物及び／又は金属酸化物水和物の配
合物は、その性質において、たとえばタバコ煙中の有害
物質の吸収能力において、予期されたとおりの、すなわ
ちその個々の成分の量の合計に対応する性能を示す。

このような金属酸化物及び／又は金属酸化物水和物の配
合物を、各成分から常法により、たとえば攪拌、振とう
などにより製造すると、均質な混合物は生成しない。

この不均一性は、たとえば何個の粒子を一緒に球状にす
るときに起こり、そして集塊を形成するに至る。

金属酸化物及び／又は金属酸化物水和物の集塊形成は、
混合物の流下性、散布性及び流動性の悪いことによる。

このことはまた、数種の金属酸化物及び／又は金属酸化
物水和物を一緒にタバコ製品又はそのｐ過要素に添加し
ようとする場合に困難をきたす。

なせならば、タバコ製品又は沢過要素を製造するための
基礎材料の上又は中に、添加物の不均一な分布を生ずる
からである。

本発明の課題は、種々の金属酸化物及び／又は金属酸化
物水和物から成るタバコ製品又はその沢過要素のための
添加剤ならびにその製造法において、タバコ製品又は「
過要素の基礎材料の上又は中に容易かつ均一な分布を可
能にするように添加剤の取扱いが改善され、そして特に
タバコ煙から有害物質を除去する能力を公知のものより
できるだけ犬にされるように、添加剤の成分が組合わさ
れたものを開発することであった。

本発明はこの課題を解決するものであって、高度に分散
された金属酸化物及び／又は金属酸化物水和物の数種を
、大量の激しく動かされている易沸騰性の液体（これは
前記の酸化物及び／又は酸化物水和物に対し溶剤でない
）の中に入れ１次いでこの液体を完全に除去することに
より得られた大きい比表面積を有する金属酸化物及び／
又は金属酸化物水和物の均密な混合物から戒り、そして
この混合物が固形物混合物に異常な液体様の挙動を示す
ものであることを特徴とする、タバコ製品及びその沢過
要素のための添加剤である。

そして混合物は比重、表面積、流動性及びガス及び蒸気
に対する吸収能がその混合成分のそれらを相加したもの
でなく、タバコ煙中の有害物質に対する吸収能が相乗的
に強化されている特性を有する。

特に好ましい実施態様においては本発明の添加剤は、ア
ルミニウム及び／又はカルシウム及び／又はマグネシウ
ム及び／又は珪素及び／又はチタンの酸化物及び／又は
酸化物水和物から成ることを特徴とする。

この添加剤の製法は、種々の高度に分散された金属酸化
物及び／又は金属酸化物水和物を、大量の激しく動かさ
れている易沸騰性の液体（単独又は混合物、ただしそれ
は高度に分散された金属酸化物及び／又は金属酸化物水
和物に対し溶剤ではない）の中に入れ、次いで液体又は
液体混合物を完全に除去することを特徴とする。

本方法の特に好ましい実施態様によれば、添加剤の製造
に金属酸化物及び又は金属酸化物水和物として、アルミ
ニウム及び／又はカルシウム及Ｗ又はマグネシウム及び
／又は珪素及び／又はチタンの酸化物及び／又は酸化物
水和物を使用する。

本発明に用いられる高度分散金属酸化物及び金属酸化物
水和物としては、塩化物の高温分解によって得られたエ
ーロゲル粉末、たとえば焼成酸化アルミニウム、二酸化
珪素及び二酸化チタン、ならびに塩の溶液からの沈殿又
は結晶及び続いての乾燥／脱水によって得られたキセロ
ゲル粉末又は微結晶粉末、たとえば沈降酸化アルミニウ
ム、酸化アルミニウム水和物、水酸化アルミニウム、酸
化カルシウム、酸化マグネシウム、二酸化珪素及び二酸
化チタンが好適である。

下記の例は本発明を説明するものであって、限定するも
のではない。

例１ 本発明の添加剤を製造するため、下記の物質を原料とし
た。

（ａ） 平均粒径２５μの沈殿法による無定形二酸化
珪素（珪酸）。

（ｂ） 平均粒径３００ナノメーターの沈殿法による
結晶（ガンマ−構造）酸化アルミニウム水和物（水酸化
アルミニウム）（ドイツ特許 ２２２７２９１号明細書に記載のもの）。

これらの物質を二酸化珪素７０重量％対酸化アルミニウ
ム水和物３０重量％の割合で、エタノール２４容量部及
び水１容量部から戒る５倍重量の混合物に、激しく攪拌
しながら添加し、３時間激しい攪拌を続けた。

次いでさらに攪拌しながら真空ポンプを用いて段々真空
にし、その際代わりに絶えず乾燥した空気を吸入した。

この操作を液体が完全に除去されるまで続げた。

得られた粉末を２０’Ｃ及び相対湿度６０％に温湿度調
整した。

このものはさらさらした（ １ｏｃｋｅｒｅ ）微細な
形で得られ、液体に類似する性質、すなわち容易な運動
性及びそれによる良好な雨下性、分散性及び流動性を示
した。

こうして得られた二酸化珪素及び酸化アルミニウム水和
物から成る本発明に用いられる物質は、第１表及び第５
表に示すようにタバコ製品及びそのＥ過要素のための優
れた添加剤である。

例２ 本発明の添加剤を製造するため、下記の物質を原料とし
た。

（ａ） 例１と同じ二酸化珪素。

（ｂ） 平均粒径１２ナノメーターの焼成法による無
定形二酸化珪素（珪酸）。

これらの物質を沈降二酸化珪素３０重量％対焼戒二酸化
珪素７０重量％の割合で、３倍重量の液体空気中に激し
く攪拌しながら添加した。

その後の操作工程は例１のそれに相当するが、液体空気
を使用するため、真空にして空気を吸引することを省略
できる利点がある。

こうして例１により製造されたものと同様な液体様の性
質を示す粉末が得られた。

得られた沈降二酸化珪素及び焼成二酸化珪素から成る物
質は、第４表に示すように同様に本発明の意味における
優れた添加剤である。

本発明の添加剤を製造するためには、前記以外の液体も
生成物に対して溶剤性を有しない限り使用できる。

後記表中の例において本発明の添加剤の製造に使用され
た他の出発物質は、下記の平均粒径な有する。

二酸化チタン（焼成） ３０ナノメーター数種の
金属酸化物及び／又は金属酸化物水和物からの安定な付
加物としての本発明の物質の生成は、下記の機構に基づ
くと推定される。

使用した出発物質である金属化合物はすべて多孔質のも
のであるから、その表面間で種々の交換作用、たとえば
種々な金属イオンの錯塩形成、水素橋形酸、部分的塩形
成、イオン交換、さらに粒子の反発／吸引を起こす電気
的／静電的影響を可能にする（たとえばガラス容器中で
振盪したのち、焼成珪酸は負、沈降珪酸は正、焼成二酸
化チタンは正、結晶水酸化アルミニウムは正、水酸化ア
ルミニウムからか焼により得られた酸化アルミニウムは
負のそれぞれ荷電を示し、焼成酸化アルミニウムならび
に酸化マグネシウムはいずれも荷電なしである）。

どの生成機構が実際上有効であるかは、現在までの知見
からはまだ定められない。

本発明の添加剤は、タバコ製品及びその濾過要素に公知
方法により添加できる。

すなわちこの添加剤は、タバコ製品又はその濾過要素を
製造するための基材の表面上に塗布又は散布できる。

これに相当する方法は、たとえばオーストリー特許３１
８４５６号及び２０８２７８号各明細書に記載されてい
る。

またタバコ製品又はその濾過要素を製造するため基材中
に、この添加剤を混合加工し又は紡糸加工することがで
き、その方法はたとえばドイツ特許出願公開２１０９９
１９号明細書により知られている。

本発明は後記衣により更に説明される。

そこに示す結果は数回の測定結果の平均値である。

第１表及び第２表には、種々のタバコ及び添加物を用い
た比較実験を示す。

第１表で用いた人工タバコは、ドイツ特許出願公開１９
００４９１号明細書、特にその実施例９の方法により製
造されたもので、充填材料の種類は第１表中に示すよう
に変化された。

第１表及び第２表で用いた天然タバコは、常用の巻タバ
コのかるい種類ときつい種類のタバコを混合したもので
ある。

無機添加物はタバコの表面上に均一に分布された。

第２表で用いた巻タバコは予備処理されたタバコから７
０朋の長さに製造されたフィルターなしのもので、重量
及び引張り抵抗を一致させたのち吸煙用に選ばれた。

第１表に示す熱分解結果は、規定された条件すなわち８
００℃及び１７．５ ｍｌ／ ｓの気流において得られ
たものである。

煙の凝縮沈降は標準Ｃ０ＲＥＳＴＡ （Ｃｅｎｔｒｅ
ｄｅ Ｃｏｏｐｅｒａｔｉｏｎｐｏｕｒｃｉｅｓ Ｒｅ
ｃｈｅｒｃｈｅｓ ５ｃｉｅｎｔｉｆｉｑｕｅｓＲｅｌ
ａｔｉｖｅｓ ａｕ Ｔａｂａｃ ）による「ケンブリ
ッジ−フィルター」によって行われた。

第２表の巻タバコの吸煙は、煙からの凝縮物の分離を静
電的に行う、巻タバコ３０本人りのボルクワルト吸煙機
を用い、吸さし長さ８ｍｍになるまで実施された。

すべての記載された操作段階と分析は、標準Ｃ０ＲＥＳ
ＴＡの指示に従った。

第１表及び第２表から明らかなように、タバコ煙中の有
害成分減少の測定値は、装入された添加物の特に高い又
は特に低い比表面積の結果ではなくて、はるかに優れた
結果を達成する本発明の特殊な物質の使用によるもので
ある。

このことは添加した材料が表面に存在する天然タバコに
も、添加剤が実質中に混合加工された人工タバコの場合
と同様に当てはまり、第１表に示されるように添加剤が
天然タバコとの混合物として存在する場合でも同様であ
る。

第３ないし第８表は、フィルターに種々の添加剤を用い
、たフィルター付巻タバコについての比較試験を示すも
のである。

フィルター付巻タバコのためには常に同じ天然タバコの
束が用いられ、そのタバコは第１表及び第２表において
用いられた、市販の巻タバコ用の軽いものときついもの
のタバコ混合物に相当する。

フィルター付巻タバコのため用いられたフィルターは、
８０ｍｍ水柱の引張り抵抗を示し、７．９關の直径と２
０７ｎ７１Ｌの長さを有する。

このフィルターは、２１デニー ルの単繊度とＹ字状横
断面を有する捲縮したセルロース−２・５−アセテート
糸からの撚糸から製造された。

第３ないし第８表に用いられた巻タバコの全長は８５間
であった。

第３ないし第７表による巻タバコの吸煙は、第２表に記
載の条件下に、２８關の吸さし長さくフイルター２０ｍ
ｍ＋タバコ残部８１ｎ０まで行われた。

これと異なり第８表の結果は、「ケンブリッジ−フィル
ター」上の凝縮物沈降によるただ１本人りの吸煙機によ
るものである。

その他の吸煙条件は、同様に標準Ｃ０ＲＥＳＴＡによっ
た。

タバコ煙の全気相は、「ケンブリッジ−フィルター」を
通過するタバコ煙成分の定義に従って吸煙機の採集円筒
で捕集され、次いでガスクロマトグラフィーにより分析
された。

各物質をそれぞれガスクロマトグラフィーにより分離す
るため用いられたカラムは長さ２ｍであって、充填物と
してバリアン社によるボラパックＱが詰められた。

すべてのフィルターは、基材であるセルロースアセテー
ト糸の表面に３重量％の量で均質に分布して無機添加物
を含有した。

第３ないし第８表からは、タバコ煙中の有害成分の減少
が、特に高い又は特に低い装入添加物の表面積に基因す
るものでなく、それにより最善の結果が達成される本発
明の添加剤の使用に基因することも認められる。

さらに第８表においては、本発明の特殊な添加剤が煙中
の凝縮物含量を予測し得ないほど低下させるばかりでな
く、また特にタバコ煙の有機気相の極性成分、たとえば
アセトアルデヒド、アセト・ニ） ＩＪル及びアクロレ
インをも予測されないほど著しく減少させることが示さ
れている。

酸化アルミニウム水和物の代わりに、結晶（γ−構造）
状で個々の粒子の平均粒径が１ｏｏナノメーターの酸化
アルミニウムー水和物（Ａ１００Ｈ、ベーマイト）が支
障なしに用いられる。

同様に前記酸化カルシウムは、個々の粒子の平均粒径が
３００ナノメーターの沈殿法による結晶二酸化チタン（
アナターゼ変態）により代用される。

個々の金属酸化物又は金属酸化水和物の作用、ならびに
本発明による混合物の作用が知られたのちでは、このよ
うな混合物を相互に及び／又は本発明の意味における他
の単独成分と組合わせることは容易である。

本発明により達成される利点は、技術水準に比して特に
、好適に高度分散した金属酸化物及び／又は金属酸化物
水和物の組合わせを、本発明によりタバコ製品及びその
濾過要素のための添加剤となし、それによりタバコ製品
及びフィルターの基材の上又は中における均質分布を可
能にしたことにある。

その際本発明の添加剤は、タバコ煙の有害成分の減少の
ために予測不可能な優れた性質を示す。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 高度に分散された金属酸化物及び／又は金属酸化物
   水和物の数種を、大量の激しく動かされている易沸騰性
   の液体（これは前記の酸化物及び／又は酸化物水和物に
   対し溶剤でない）の中に入れ、次いでこの液体を完全に
   除去することにより得られた大きい比表面積を有する金
   属酸化物及び／又は金属酸化物水和物の均密な混合物か
   ら成り、そしてこの混合物が固形物混合物に異常な液体
   様の挙動を示すものであることを特徴とする、タバコ製
   品及びその１過要素のための添加剤。 ２ アルミニウム及び／又はカルシウム及び／又はマグ
   ネシウム及び／又は珪素及び／又はチタンの酸化物及び
   ／又は酸化物水和物から成ることを特徴とする特許請求
   の範囲第１項に記載の添加剤。 ３ 高度に分散された金属酸化物及び／又は金属酸化物
   水和物の数種を、大量の激しく動かされている易沸騰性
   の液体（これは前記の金属酸化物及び／又は金属酸化物
   水和物に対し溶剤でない）の中に入れ、次いでこの液体
   を完全に除去することを特徴とする、大きい比表面積を
   有する金属酸化物及び／又は金属酸化物水和物の均密な
   混合物から戒り、そしてこの混合物が固形物混合物に異
   常な液体様の挙動を示すものである、タバコ製品及びそ
   の濾過要素のための添加剤の製法。 ４ 金属酸化物及び／又は金属酸化物水和物として、ア
   ルミニウム及び／又はカルシウム及び／又はマグネシウ
   ム及び／又は珪素及び／又はチタンの酸化物及び／又は
   酸化物水和物を使用することを特徴とする特許請求の範
   囲第３項に記載の方法。