JPS5828682Y2 - 鋳造用金型 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は湯口内周にセラミックファイバー等の保温材を
装着し、該保温材表面にカーボンＣ，チタンＴｉ、ボロ
ンＢ等を混練した水ガラス系コーテイング材を塗布して
保温断熱層を形成するとともに新たな湯口を形成するこ
とにより、この新たなる湯口に押湯及びガス抜きの両機
能を同時に兼ね備えさせ、鋳造欠陥′Ｏない高品質なる
鋳造品を構造簡単にして容易、且つ安価に成形し得るよ
うにした鋳造用金型に関する。

キャビティに湯口のみを設けて成る比較的簡単なる構造
の鋳造用金型においては、鋳込時に前記湯口に溜まる湯
はその熱容量がキャビティ内の湯のそれに対し相対的に
小さく、更にその一端が大気に解放されているため、前
記キャビティ内の湯が凝固する以前に凝固を完了し、キ
ャピテイ内部に停滞しているガスや溶湯に含有されてい
るガスの排出口が塞がれ、このガスがキャビディ内に封
入されることにより、巣、ピンホール等の鋳造欠陥が発
生する。

更に、冷却及び凝縮に伴って生ずる鋳物の収縮に対して
溶湯の補給が阻止され、ヒケ等の鋳造欠陥を引き起こす
ことになる。

一方。上記した原因に基づく上記鋳造欠陥の発生を防止
するためには、一般的には更に押湯及びガス抜きの設備
を必要とする。

しかるに、との押湯がその本来の機能を発揮するために
は押湯は前記キャビティ内の湯（鋳物）が完全に凝固し
終えるまで溶融状態を保持する必要があり、そのため押
湯は相当大きな断面積と高さを必要とし、金型自体が大
型化、複雑化し、生産コストの高騰を招く結果となる。

上記した如き不都合を解消するため、従来から、湯口の
保温性、湯離れ性、鋳造性の向上等を目的として、湯口
の内周に種々の金属粉末を混練した水ガラス系のコーテ
ィング剤を直接塗布してコーティング層を形成し、これ
に対処しようとする試みがなされてきた。

しかしながら、斯る方法においては鋳込時、高温の溶湯
熱により金型及び前記コーティング層は共に熱膨張する
が１両者の熱膨張率が相違するためコーティング層が金
型の湯口円周面から剥離し、完全なる層が形成されず、
しかもこの傾向はコーティング層の厚さの増加と共に助
長されるため、自ずと層の厚さには限界があり、十分な
る断熱層を形成するには至らず上記目的は完全には遠戚
され得なかった。

本考案者等は、従来の金型の上記した諸種の不都合に鑑
み、これらを有効に解決すべく本考案を威したものであ
る。

本考案の目的とする処は、湯口の内周にセラミックファ
イバー等の保温材を装着し、該保温材の表面にカーボン
Ｃ，チタンＴｉ、ボロンＢ等の金属粉末を混練した水ガ
ラス系コーティング剤を塗布して保温断熱層を形成する
とともに新たな湯口を形成し、鋳込時この新たなる湯口
部の湯の温度勾配を小さく抑えて、この部分からの金型
本体部への伝導伝熱を防ぎ、前記湯口部の湯がキャビテ
ィ内の湯が完全に凝固し縮えるまで溶融状態を保持し得
る如くシ、この湯口に押湯及びガス抜きの機能な同時に
兼ね備えさせ、巣、ピンホール、ヒケ等の鋳造欠陥の発
生を防止し、材質緻密にして極めて高品質なる鋳造品を
構造簡単、容易、且つ安価に成形し得る鋳造用金型な提
供するにある。

以下に本考案の好適一実施例を添付図面に従って詳述す
る。

図は本考案に係る鋳造用金型の側断面図を示し。

１は鋳造用金型であり、該金型１は成形後の製品の取出
しの便を考慮して金型片１ａ、１ｂから戊る２分割タイ
プとなっている。

この金型１内部には成形されるべき形状のキャビティ部
２が形成され、該キャビティ部２に通ずる如く金型１上
部には下に向かって先細略円錐状に形成された湯口３が
設けられている。

更に、湯口３の内周面３ａにはセラミックファイバー等
の保温材４が水ガラス系の耐熱接着剤５にて固着され、
該保温材４は湯口３上部より少しく突出し、その厚さは
上方を最大とし下方に行くに従って薄く形成され、略逆
円錐形状を威している。

そして、この保温材４０表面４ａにはカーボンＣ，チタ
ンＴｉ、ボロンＢ等の金属粉末を混練したコーティング
剤を塗布或は流し込みしてコーティング層６を形成し、
前記保温材４な湯口３の内周面３ａに保持して、これ３
ａの周りに保温断熱層７を形成するとともに、新たな湯
口８をも形成する。

尚、この断熱層７も成形後の製品の取り出しの便を考慮
して、金型１の分割線りに一致する分割線にて２分割さ
れている。

斯る構成にて、鋳込時溶湯は新たに形成された湯口８よ
り注湯されるが、前記の如く、該湯口８の形状な下に向
かって先細略円錐状としたため、重力加速変による溶湯
の落下速度増大に伴う溶湯とコーティング層６間の距離
の増大を防止し、空気やガスを吸引せず極めて円滑に注
湯することができ、又耐熱コーティング層６により保温
材４０表面固化を図ったため、該保温材４を保護し、金
型１の耐久性を向上せしめるとともに、溶湯との馴染み
性の向上をも企図することができ、鋳込性の向上を頗る
増大せしめ得ることができる。

上記の如くして注湯した後、湯口８内に溜った湯Ａの熱
容量はキャピテイ２内の湯Ｂのそれに比し相対的に小さ
いにも拘らず、保温材４による断熱効果のため、その温
度勾配を小さく抑えることができ、前記湯口８内の湯Ａ
から金型本体への伝導伝熱を防ぎ、この湯Ａは前記キャ
ビティ２内の湯Ｂが完全に凝固を終了するまで溶融状態
を保持することができ、湯口８は押湯及びガス抜きの機
能を同時に兼ね備えることができる。

すなわち。前記湯口８内の湯Ａが溶融状態であるが故に
、湯口８の高さＨに和尚する静圧がキャビティ２内の湯
Ｂに伝導し、キャビティ２内に停滞しているガスや溶湯
に含有されているガスな該湯口８内の湯Ａ内を通して外
部に有効に排出除去することができ、巣、ピンホール等
の欠陥の発生を防止することができる。

又、冷却及び凝縮に伴って生ずる鋳物の収縮に対し、溶
湯の補給が常時なされているため、ヒケ等の欠陥も発生
することはない。

又、前述の如く湯口８に押湯及びガス抜きの機能を兼ね
させる構成としたことにより、湯口８自体を小さく設計
することができ、構造簡単にして容易且つ安価に鋳造品
を成形することができる。

なお、図では省略しているが、一般にはキャビティ２近
傍には冷却水路が設けら□れ、該冷却水路を流れる冷却
水によりキャビティ２内の湯Ｂの温度勾配を制御してい
ることを付言しておく。

以上から明らかな如く１本考案によれば湯口の内周にセ
ラミックファイバー等の保温材を装着し。

該保温材の表面にカーボンＣ，チタンＴｉ、ボロンＢ等
の金属粉末を混練した水ガラス系コーティング剤を塗布
して保温断熱層を形成するとともに新たな湯口を形成す
ることにより、この新たな湯口に押湯及びガス抜きの機
能を同時に兼ね備えさせることができ、巣、ピンホール
、ヒケ等の鋳造欠陥のない材質緻密なる高品質鋳造品を
構造簡単にして極めて容易、且つ安価に成形することが
でき、製品の不良品発生率な著しく低下するととも蝉、
金型自体の耐久性をも向上させて飛躍的な生産性向上を
企図することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例な示す鋳造用金型の側面図であ
る。 冑図面中、１は鋳造用金型、２はキャビティ。 ３．８は湯口、４は保温材、６はコーティング層。 ７は保温断熱層である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 大きな勾配角を有する先細り形状の湯口の内周にセラミ
   ックファイバー等の保温材を上方す厚＜下方に向って薄
   くして装着し、該保温材の表面にカーボンＣ，チタンＴ
   ｉ、ボロンＢ等の金属粉末を混練した水ガラス系コーテ
   ィング剤を塗布してコーティング層を形成したことを特
   徴とする鋳造用金型。