JPS5828672Y2 - 金型の取付装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、金型の取付装置に関し、特に鍛造用金型のう
ちの上型をボルスタ−に取付けるためのものに関する。

従来、このような鍛造用金型は、上型および下型に設け
た期付フランジをボルトによって各々直接ボルスタ−に
固定することにより増付けることが行われていた。

そのため、金型の取替え時、その都度、ボルトを取外さ
なければならず、増替え作業が極めて面倒であるという
問題があった。

本考案は斯かる問題点に鑑みてなされたもので、締付ボ
ルトの締付けを若干弛めるのみで上型の取替えを行い得
るようにした金型の取付装置を提供せんとするものであ
る。

すなわち、本考案は、取付フランジに斜め下向きの傾斜
面が形成された上型をボルスタ−に取付ける金型の取付
装置に釦いて、上記ボルスタ−の上型取付位置の側方に
設けられ、上記上型の取付フランジの傾斜面とは反対に
傾いた傾斜面が形成された固定ブロックと、上記上型お
よび固定ブロックの傾斜面にそれぞれ対向する傾斜面が
形成された押え金と、該押え金に上下方向に貫通して形
成され、ボルト頭部が挿通不能な上方開口およびボルト
頭部が挿通可能な下方開口よりなる段付きの長孔と、上
記押え金の下部にスライド自在に嵌挿された略Ｕ字状の
スペーサと、該スペーサ督よび押え金をボルスタ−に対
して貫通して増付ける締付ボルトとからなることを特徴
とするものである。

以下、本考案を図面に示す実施例に基づいて詳細に説明
する。

第１図ないし第３図にかいて、１はボルスタ−２釦よび
３は鍛造用金型を構成する上下に対向する上型卦よび下
型であって、それぞれ上下のボルスタ−１，１に取付け
られるものである。

すなわち、上記上型２の両側の取付フランジ２ａ。

２ｂには各々斜め下向きの傾斜面２ｃ、２ｄが形成され
ており、→りの傾斜面２ｃは、ボルスタ−１の上型取付
位置の一側に固定され該傾斜面２ｃとは反対に傾いた傾
斜面４ａを有する固定ブロック４の該傾斜面４ａに当接
されている。

一方、上記ボルスタ−１の上型取付位置の他側方には上
記上型２の地利の傾斜面２ｄと対峙して、固定ブロック
５が配設固定されており、該固定ブロック５の上記傾斜
面２ｄとの対向側には該傾斜面２ｄとは反対に傾いた傾
斜面５ａが形成されている。

また、６は上記上型２および固定ブロック５の各傾斜面
２ｄ、５ａにそれぞれ対向する傾斜面６ａ、６ｂが形成
された押え金であって、該押え金６には上下方向に貫通
した段付きの長孔７が形成され、該長孔７は、後述の締
付ボルト１２の頭部１２ａが挿通不能な大きさの上方間
ロアａと、ボルト頭部１２ａが挿通可能な大きさの下方
間ロアｂとからなり、下方開口Ｉｂ内にボルト頭部１２
ａを没入収容し上方間ロアａで係止可能なように形成さ
れている。

尚、本実施例では、上記長孔７の下方間ロアｂは上型取
付位置側にも開口しており、押え金６を軽量化するよう
にしている。

さらに、上記押え金６の下部には水平方向でかつ固定ブ
ロック５側にのみ開放されたアリ溝８が形成され、該ア
リ溝８には略Ｕ字状のスペーサ９が水平方向にスライド
自在にかつアリ溝結合により下方に脱落しないように嵌
挿されているとともに、上記押え金６の下部には上記ア
リ溝８と同方向に延びる係止溝１０が削設され、該係止
溝１０にはスペーサ９に立設したストッパピン１１が摺
動自在に係合して釦り、該ストッパピン１１が係止溝１
０の固定ブロック５側端縁に係止されることにより、該
スペーサ９を押え金６のアリ溝８から抜出さないよう抜
止めして両者を一体的に構成している。

そして、上記スペーサ９および押え金６はボルスタ−１
に対して、Ｕ字状スペーサ９の中央間隙部および押え金
６０長孔７に挿通させた締付ボルト１２で貫通して取付
けられており、該締付ボルト１２による上向きの締付力
を、締付ボルト１２の頭部１２ａと当接するスペーサ９
を介して押え金６に作用せしめ、該押え金６のくさび作
用により上型２を上方に押圧してボルスタ−１の所定の
取付位置に固定するように構成されている。

次に、上記実施例の作用について説明すれば、上型２を
取替える場合、締付ボルト１２の締付を若干弛めると、
スペーサ９が押え金６のアリ溝８内をスライド自在とな
り、該スペーサ９を固定ブロック５側へ抜止め位置會で
スライドさせて、スペーサ９と締付ボルト１２の頭部１
２ａとの当接係合状態を解除する。

このことにより、押え金６の下方への移動が可能となり
、該押え金６をスペーサ９と共に、その長孔７の下方間
ロアｂに締付ボルト１２の頭部１２ａを没入収容せしめ
て該締付ボルト頭部１２ａが上方間ロアａに係止される
位置まで下方へ移動させると、第１図仮想線で示すよう
に押え金６の内傾斜面６ａ、６ｂと上型２および固定ブ
ロック５の各傾斜面２ｄ、５ａとの当接状態が解除され
る。

よって、上型２は、下型３上に合致して載せられた状態
で該下型３と共にボルスタ−１から簡単に増外すことが
できる。

次に、取外した後、新たな上型２を取付ける場合には、
上記とは逆の手順によって行うことができる。

すなわち、□先ず、上型２の一方の傾斜面２ｃを一側方
の固定ブロック４の傾斜面４ａに当接させて上型２をボ
ルスタ−１の所定位置に配置しておき、この状態で、押
え金６を上方へ移動させて、該押え金６の内傾斜面６ａ
、６ｂを上型２の他側の傾斜面２ｄおよび固定ブロック
５の傾斜面５ａにそれぞれ当接させる。

次いで、スペーサ９を押え金６のアリ溝８内を上型取付
位置へスライドさせ、押え金６と締付ボルト１２の頭部
１２ａとの間に嵌挿せしめる。

しかる後、上記若干弛めた締付ボルト１２の螺合を締付
けることにより、上記押え金６のくさび作用により上型
２をボルスタ−１の所定の取付位置に確実に固定するこ
とができる。

したがって、このように締付ボルト１２の締付を若干弛
めるのみで、上型２を簡単に取外すことができ、また再
び締付ボルト１２を締付けることにより新たのものを簡
単に取付けることができるので、上型２の取替作業を極
めて能率よく簡易に行うことができる。

オた、上記実施例では、上型２の取外し時、スペーサ９
および押え金６は一体的に、かつ締付ポル）１２に係止
された状態で増除かれるので、部品を紛失事故の発生を
防止できるとともに、その後の取付は作業を一層簡便に
行うことができる。

尚、本考案は上記実施例に限定されるものではなく、そ
の他種々の変形例をも包含するものであり、例えば上記
実施例では、押え金６の下部にアリ溝８を設けてスペー
サ９がアリ結合によりスライド自在に嵌挿されるように
したが、その他Ｔ字状溝等の各種形状の嵌挿溝を押え全
６下部に設けてスペーサ９をスライド自在に嵌挿させる
ようにしてもよいのは勿論である。

！た、上記スペーサ９の厚みおよび押え金６の長孔Ｔの
下方開口ｒｂの深さは、取外し時に押え金６の傾斜面６
ａ、６ｂと上型２および固定ブロック５の傾斜面２ｄ、
５ａとの当接状態が十分に解除されて上型２をボルスタ
−１から取外スに必要な間隙をかせぐように設定される
ものである。

以上述べたように、本考案によれば、締付ボルトの螺合
の若干の弛緩およびその締付けによって上型の取外しお
よび取付けを行うことができるので、上型の取替作業の
能率化および簡易化を図ることができるという実用上優
れた効果を有する金型の取付装置を提供することができ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は縦断側面図、第
２図は押え金とスペーサとの関係を示す下方から見た図
、第３図は第２図の■−■線断面図である。 １・・・・・・ボルスタ−２・・・・・・上型、２ａ
、 ２ｂ・・・・・・取付フランジ、２ｇ、２ａ・・・
・・・傾斜面、５・・・・・・固定ブロック、５ａ・・
・・・傾斜面、６・・・・・・押え金、６ａ、６ｂ・・
・・・・傾斜面、７・・・・・・長孔、７ａ・・・・・
・上方開口、７ｂ・・・・・・下方開口、９・・・・・
・スペーサ、・・・・・・締付ボルト、１２ａ・・・・
・・頭部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 取付フランジに斜め下向きの傾斜面が形成された上型を
   ボルスタ−に取付ける金型の取付装置において、上記ボ
   ルスタ−の上型取付位置の側方に設けられ、上記上型の
   取付フランジの傾斜面とは反対に傾いた傾斜面が形成さ
   れた固定ブロックと、上記上型および固定ブロックの傾
   斜面にそれぞれ対向する傾斜面が形成された押え金と、
   該押え金に上下方向に貫通して形成され、ボルト頭部が
   挿通不能な上方開口およびボルト頭部が挿通可能な下方
   開口よりなる段付きの長孔と、上記押え金の下部にスラ
   イド自在に嵌挿された略Ｕ字状のスペーサと、該スペー
   サ釦よび押え金をボルスタ−に対して貫通して取付ける
   締付ボルトとからなることを特徴とする金型の取付装置
   。