JPS5828358B2 - メツキ用ハンガ− - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はメッキ用ハンガーに関する。

一般にこの種メッキ用ハンガーは枝杆端部に被メッキ物
を引掛は或いは挾持すると共に、主杆より枝杆へと電流
を通じるために、枝杆が主杆に対してガタッキなく強固
に固定されていること、電気抵抗が小さいこと、また数
多くの被メッキ物が取付けられること、丈夫で長持ちす
ること、製造が容易であることなどが要求される。

従来のメッキ用ハンガーとしては、銅製の主杆に孔を穿
設しこれに枝杆を通した後、溶着あるいは押しつぶして
固着したもの、あるいは、主杆にあらかじめ枝杆と同じ
形の凹型をつけるとともにこの凹型に隣接してボルト穴
をあけ、凹型内に枝杆をはめこんでのち、ボルトナツト
で締付けるもの（特公昭４０−３４０３号参照）があっ
たが、この横取のものは、主杆に孔を穿設する工程、こ
の孔に枝杆を通す工程等、その製造に多工程を要し、し
かも孔の穿設には熟練が必要であるだけでなく、長期間
使用すると、枝杆がその軸方向に動きガタックという欠
点があった。

ざらに主杆が銅製であるので比重が大きく、大型のもの
では掛止具に大きな負担を与えるという欠点があった。

本発明は、上記従来の欠点および問題点を解消せんとす
るものであって、電気抵抗は従来のものとあまり変らず
、しかも軽いメッキ用ハンガーを提供することを目的と
する。

すなわち本発明のメッキ用ハンガーは、主杆がアルミニ
ウムからなり、枝杆は主杆に打ち込み固着され、主杆の
少なくとも枝杆との固着部を含む表面に良導電性金属の
被覆層が溶射により形成されてなることを特徴とする。

以下本発明の実施例を図面に従って説明する。

第１図は本発明の一実施例を示す斜視図であり、同図中
１はアルミニウム製の主杆でその上部にはかぎ形部２が
設けられており、３はバネ効果を有するステンレス製の
枝杆である。

第２図に示すように、枝杆の中央部には屈曲部４が形成
されており、この屈曲部４を含む枝杆３の部分が主杆１
に載置され、上から強圧が加えられて主杆１に固着され
る（第３図参照）。

このようにして、はぼ等間隔にあるいは被メッキ物の形
状等に合わせて枝杆３は順次主杆１（こ固着される。

枝杆３の端部３ａは被メッキ物の形状等に合わせて適宜
加工される。

５は銅の被覆層であり、溶射により上記固着部を含む主
杆１の上面１ａに被覆されている。

点線で示す６は絶縁用合成樹脂ライニングまたはコーテ
ィング層であり、銅被覆層を完全に覆ってその腐食を防
止するとともに不必要な個所にメッキがつくのを防止す
る。

以上説明したように、上記実施例においては、屈曲部４
を含む枝杆３の部分を主杆１に打ち込んだとき、屈曲部
４の膨大部４ａによって押し出されたアルミニウムがく
びれた形状の基部４ｂに流れて、この基部４ｂ＆Ｃ対し
側方力として働くので枝杆３を主杆１に強固に挾持され
る。

しかも余分のアルミニウムは枝杆３の上方に盛り上がる
のでさらに強固かつ緊密に固着される。

したがって固着部がガタックごともなく、主杆１と枝杆
３の接触をよくするために半田盛りをしなくても電気的
接触抵抗は小さい。

そして、これらの作業は、枝杆３を主杆１に載置して、
上からプレスなどにより強圧するだけの数少ない工程で
完了できる。

また銅が溶射により被覆されているので、銅はアルミニ
ウムよりも電気伝導度が大きいのでメッキ用ハンガー自
体としての電気抵抗も小さくなる。

さらにアルミニウムは比重が小さいので主杆１を大きく
してメッキ用ハンガー自体を大型化しても掛止具に大き
な負担を与えることもない。

またそれだけ数多くの枝杆３を主杆に打込むこともでき
るので複雑な形状または大型の被メッキ物にも均一なメ
ッキ層を設けることができる。

なお、上記実施例においては、第２図に示すように屈曲
部４を形成した枝杆３を主杆１に打ち込んでいるが、本
発明においては第４図に示すように複数本の枝杆３を一
つの部材７に交差させ同一平面上となるようにスポット
溶接など（こより溶着したもの、また第５図に示すよう
に所定本数の枝杆３を少なくとも１本の縦杆に交差させ
同一平面上となるようにスポット溶接などにより溶着し
たものなどを主杆１／Ｉこ打ち込んで固着させてもよい
。

これらの場合は枝杆３が主杆１により強固に固着される
だけでなく、打ち込みの作業性も向上する。

また第５図に示す縦杆８の両端に折曲部を形成すれば第
２図に示す屈曲部と同様の効果を奏する。

また本発明においては、溶射により上記固着部だけでな
く端部３ａを除く枝杆３の部分、あるいは主杆１の裏面
や側面にまで金属被覆層を設けてもよい。

溶射に用いる金属は銅に限らず、たとえば枝杆のそれよ
りも大きい電気伝導度をもつものであればよい。

本発明は以上説明したように、主杆がアルミニウムから
なり、枝杆は主杆に打ち込み固着され、主杆の少なくと
も枝杆との固着部分を含む表面に良導電性金属の被覆層
が溶射により形成されてなるものであるから、製造容易
で、しかも軽く、電気的抵抗も小さいメッキ用ハンガー
を提供することができるものである。

すなわち、主杆がアルミニウム製であるため、メッキ用
ハンガー全体が軽量になり、しかも主杆に枝杆を打ち込
み固着するものであるため、工程が少なくてすみ、ざら
に主杆がアルミニウム製であるから、単位当りの打ち込
み力も小さくてよい。

さらに、少なくとも枝杆との固着部を含む表面に、良導
電性金属層の被覆層が溶射により形成されてなるためハ
ンガーに供給された電気は、主杆を導通すると共に被覆
層を導通して枝杆に供給されるので、電気的抵抗は小さ
く、従来のものとあまり変らないものとなった。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す斜視図、第２図は枝杆
を主杆に固着した部分の部分正面図、第３図は第１図の
Ｘ−Ｘ下部断面図、第４図Ａは枝杆を部材に溶着させた
部分を示す斜視図、同図ＢはＡのＹ−Ｙ断面図、第５図
Ａは枝杆を縦杆に溶着させた部分を示す斜視図、同図Ｂ
はＡのＺ−Ｚ断面図である。 １・・・・・・主杆、３・・・・・・枝杆、４・・・・
・・屈曲部、５・・・・・・金属被覆層。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 主杆がアルミニウムからなり、枝杆は主杆に打ち込
   み固着され、主杆の少なくとも枝杆との固着部を含む表
   面に良導電性金属の被覆層が溶射により形成されてなる
   ことを特徴とするメッキ用ハンガー。