JPS581199B2 - メツキ用ハンガ− - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は枝杆が主杆に強固に固着されており、かつ金属
被覆層を有するメッキ用ハンガーに関する。

一般にこの種メッキ用ハンガーは、枝杆端部に被メッキ
物を引掛けあるいは挾持すると共に、主杆より枝杆へと
電流を通じるために、枝杆が主杆に対してガタツキなく
強固に固着されていること、電気抵抗が極力小さいこと
、製造が容易であることなどが要求される。

従来のメッキ用ハンガーとしては、主杆に孔を穿設し、
これに枝杆を通した後、溶着あるいは押しつぶして固着
したものがあげられるが、この構成のものは長期間使用
すると枝杆が軸方向に動きガタツクことかあるだけでな
く、その製造に多工程を要し、しかも熟練が必要である
といった欠点があった。

また枝杆は被メッキ物を引掛けまたは挾持するためにバ
ネ効果を有するステンレス鋼製のものが多いが、このも
のは電気伝導度が比較的小さいので、固着部のガタツキ
と相まって、従来のメッキ用ハンガーは電気抵抗が比較
的大きいという欠点があった。

本発明は上記従来の欠点を改善するためになされたもの
で、枝杆を主杆に強固に固着し、所定個所に金属被覆層
を設けることにより、電気抵抗が小さく、ガタツキがな
く、しかも製造が容易なメッキ用ハンガーを提供するこ
とを目的とする。

以下本発明の実施例を図面に従って説明する。

第１図ないし第４図において１は上部にかぎ形部１ａが
形成された銅製の主杆、２はバネ効果を有スるステンレ
ス鋼製の枝杆、３はステンレス鋼製の縦杆である。

所定本数の枝杆２は縦杆３に交差され、第２図に示すよ
うに、交点Ｐで枝杆２と縦杆３の中心線が同一平面上と
なるようにスポット溶接等により溶着されている。

この縦杆３およびその近傍の枝杆２の部分が、第３図お
よび第４図に示すように主杆１にプレス等にて打込み固
着されている。

枝杆２の端部２ａは被メッキ物の形状等に合わせて適宜
加工される。

４は銅の被覆層であり、溶射により上記固着部を含む主
杆１の上面１ｂおよび枝杆２の端部２ａを除く部分に被
覆されている。

点線で示す５は絶縁用合成樹脂ライニングまたはコーテ
ィング層であり、銅被覆層を完全に覆っており、銅の腐
食を防止すると共に、不必要な個所にメッキがつくのを
防止する。

以上説明した上記実施例の構成によれば、次のような効
果を奏する。

■ 縦杆３に所定本数の枝杆２を溶着しておけば、後は
ただ１回の打込み作業で簡単に製造することができる。

また、縦杆３に枝杆２を溶着する作業も、枝杆を縦杆に
交差して載せ、その交点をスポット溶接等すれば良いの
で手際良く行なうことができる。

従って製造作業全体が手間のかからない簡単な作業とな
る。

■ 枝杆２と縦杆３とは、それらの中心線が同一平面上
となるように溶着されているので、打込み時に急激に大
きなプレスを加えても枝杆２と縦杆３の溶着部が破損し
たり、枝杆２もしくは縦杆３が破損したり、また主杆１
の強度が低下したりすることはない。

その結果、打込みに要する時間がかなり短縮でき作業性
は極めて良好となる。

また枝杆２および縦杆３を均一かつ密に主杆１へ打ち込
むことができ、いわゆる喰い込みが良好であるから枝杆
２および縦杆３と主杆１との接触が良くなり、半田盛り
作業も省くことができる。

縦杆３及びその近傍の枝杆部分は打込み固着によって主
杆１内に埋込まれるので従来の固着方法に比して強固に
固着することができる。

■ また強固に固着できるので、その部分での接触抵抗
が少なく、従って枝杆２に掛止めされた被メッキ物に対
して主杆１から枝杆２を通じて所要の電流をロスなく供
給することができる。

■ 各枝杆２は少なくとも１本の縦杆３によって相互に
連結されているため、たとえ１本或いは数本の枝杆が固
着不良を起していても残りの枝杆及び縦杆によって軸方
向への動き、ガタツキを阻止される。

即ち、このような固着不良はハンガーの使用に際しては
何ら支障を来さないものであり、従来のように固着不良
によって被メッキ物のメッキ不良等の事態を招くことも
ない。

■ 銅が溶射により被覆されているので、枝杆２が主杆
１より離脱するといったことが完全に防止され、また主
杆１と枝杆２の接触をよりよくするための半田盛り作業
も省ける。

しかも銅はステンレスよりも電気伝導度が大きいのでメ
ッキ用ハンガー自体としての電気抵抗も小さくなる。

従って被メッキ物に短時間で均一なメッキ層を設けるこ
とができる。

なお、縦杆３は枝杆を溶着できる金属材であればその材
質には制限されなく、また上記実施例においては一本だ
け用いているが、二本以上用いてもよい。

たとえば第５図に示すように二本用いると、縦杆３と枝
杆２とで囲まれる四辺形の閉ループａが多数形成される
。

この閉ループａは打込み時にその閉ループ内に入り込ん
でくる銅によって側方力を受けて主杆１に対して接触性
よく、かつ強固に固着されると共に、残った銅が盛り上
がって閉ループ上部を覆うので、更に接触性良く、かつ
強固に固着されるという利点がある。

さらに溶射に用いる金属は銅に限られず、たとえば枝杆
のそれよりも大きい電気伝導度をもつものであればよい
。

以上詳述した如く、本発明によれば電気抵抗が小さく、
ガタツキがなく、しかも製造が容易という従来例にはみ
られないすぐれた効果を奏するメッキ用ハンガーが提供
される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す一部切欠き全体斜視図
、第２図Ａは枝杆と縦杆の溶着部を示す斜視図、同図Ｂ
はそのＸ−Ｘ断面図、第３図は打込み前の状態を示す一
部切欠き全体斜視図、第４図Ａは打込み後の状態を示す
要部斜視図、同Ｂ図はそのＹ−Ｙ断面図、第５図は本発
明の他の実施例を示す要部正面図である。 １・・・・・・主杆、２・・・・・・枝杆、３・・・・
・・縦杆、４・・・・・・金属被覆層。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 少なくとも一本以上の縦杆に交差した状態で所定本
   数の枝杆を前記縦杆と同一平面上となるように溶着し、
   前記縦杆及びその近傍の枝杆部分を主杆に打込み固着す
   ると共に、少なくともこの固着部に溶射により金属被覆
   層を設けてなるメッキ用ハンガー。