JPS5828284B2 - 水溶性カチオン重合体の製造法 - Google Patents

水溶性カチオン重合体の製造法

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JPS5828284B2
JPS5828284B2 JP48090564A JP9056473A JPS5828284B2 JP S5828284 B2 JPS5828284 B2 JP S5828284B2 JP 48090564 A JP48090564 A JP 48090564A JP 9056473 A JP9056473 A JP 9056473A JP S5828284 B2 JPS5828284 B2 JP S5828284B2
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cationic
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政夫 長谷川
昭久 古野
久夫 大谷
利三 多田
洋二 和田
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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は水溶性カチオン重合体の製造法に関するもので
あり、特に凝集剤、製紙用助剤としてすぐれた性能を有
する水溶性カチオン重合体の製造法に関するものである
近年、河川、海洋などの環境保全が重要視されている折
から、産業廃水、都市下水など汚濁水中の浮遊物を除去
して水を清澄化する処理が広〈実施されている。
一般に水中に浮遊している微細粒子は負に荷電している
ものが多く、これらを凝集沈降させるためには正荷電を
有する薬剤が有効であって、水溶性カチオン重合体はこ
れら微細粒子を凝集沈降させる水処理剤として有用であ
る。
また、紙の性質を改善するために、製紙原料に各種の水
溶性高分子を添加することが行なわれているが、水溶性
カチオン重合体は炭酸カルシウムなど無機填料の紙への
定着率を向上させたり、紙の強度を増強させる添加剤と
して有効に用いられる。
従来、上記の用途に適した水溶性カチオン重合体として
種々の種類のものが知られているが、その代表的なもの
として、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチ
ルアミノメククリレートまたはこれらをアルキルハライ
ド、ジアルキル硫酸などの4級化剤によって第4級アン
モニウム塩化したものの重合体、あるいは前記各カチオ
ン単量体と他のビニル単量体(たとえばアクリルアミド
)との共重合体などを挙げることができる。
本発明は、これらの水溶性カチオン重合体を水溶液中で
有利に製造する方法を提供するものであって、その要旨
とするところは「下記の一般式(I)、叩で表わされる
カチオン単量体の1種以上(イ)、または〔I〕、叩と
共重合可能なビニル系単量体と(イ)との単量体混合物
(CI)を水溶液中で重合させるにあたり、(イ)また
は(0)の濃度を5〜30重量%、該水溶液のpHを2
.5〜5に調整し、かつ重合開始剤として2,2′−ア
ゾビス(2−アミジノプロパン)・2塩酸塩を用いるこ
とを特徴とする水溶性カチオン重合体の製造法」となっ
ている。
(式中、R1、R4は水素原子またはメチル基、R2,
R3,R5,R6およびR7はメチル基またはエチル基
、A、Bは−CH2−CH2−または−CH2CH−C
H2−、Xはハロゲン原子、−5O3・品 OCH3または−SO3・C6H4−CH3である。
)一般に前記CI) 、 C11)のカチオン単量体は
水溶液中ではエステル部分が加水分解してアクリル酸(
またはメタクリル酸)を生成する傾向があるが、このよ
うなアニオン単量体が混入したカチオン単量体を水溶液
重合させた場合には、得られた重合体の性能(凝集能、
水溶性など)は加水分解を受けないカチオン単量体の重
合物にくらべて劣るものである。
これは、線状に発達した重合体中のカチオン部とアニオ
ン部が分子内あるいは分子間で電気的に結合するため重
合体のカチオン性が減殺される(凝集能が低下する)こ
と、およびこの結合により分子内または分子間に橋架け
が形成される(水溶性が失なわれる)ことなどによるも
のと考えられる。
したがって、CI) 、 CIt″lのカチオン単量体
を水溶液中で重合させて性能のよいカチオン重合体を得
るためにはなるべく単量体が加水分解しない条件を採択
することが必要である。
本発明者らはこの目的に沿って種々研究した結果、〔I
〕、(ト)のカチオン単量体はpHが2.5〜5の水溶
液中では最も加水分解が少ないことを実験によって確認
した。
たとえば、ジメチルアミノエチルメタクリレートの5%
水溶液を苛性ソーダおよび硫酸を用いて種々のpHに調
整し50℃で60分間放置したのちアルカリ滴定して加
水分解率を求めた結果は第1表の如くであった。
第1表にみられるようにジメチルアミノエチルメタクリ
レートの加水分解率は酸性側で低く、特にpH2,5〜
5で最低値を示す。
本発明に用いられる他のカチオン単量体についても上記
と同様の傾向が認められることから、本発明においては
重合に際し、予め単量体水溶液のpHを2.5〜5に調
整して重合を行なう。
なお、本発明においては重合中にpHが変動することは
殆んどない。
また、本発明においては重合開始剤として2゜2′−ア
ゾビス(2−アミジノプロパン)を用いるが、これは以
下に述べる理由による。
本発明に用いられるカチオン単量体のような水溶性のビ
ニル単量体を水溶液中で重合させる場合には、一般に水
溶性の重合開始剤、たとえば過硫酸アンモニウム、過硫
酸カリウムのような過硫酸塩あるいは、いわゆるレドッ
クス系触媒と呼ばれている酸化剤と還元剤の組み合せ、
たとえば、過酸化水素と第1鉄塩(または亜硫酸塩)と
の組み合せからなる重合開始剤などが好んで用いられる
しかし、CI) 、[31)のカチオン単量体またはこ
れらと共重合可能なビニル単量体とこれらとの混合物(
以下これらを単に本発明の単量体という)の水溶液をp
H2,5〜5に調整して上記の公知の水溶性開始剤を用
いて重合させてもよい結果は得られない。
すなわち、重合により生成したカチオン重合体が既述の
各用途に好適に用いられるためには分子量が充分に大き
くかつ水溶性が充分に良好であることが必要とされるが
、過硫酸塩を用いた場合は生成した重合体水溶液の粘度
安定性が悪くて保存中に粘度が低下する。
これは残存する過硫酸塩によって重合体が劣化するもの
と考えられる。
また、生成した重合体水溶液を加熱脱水して得られる重
合体の水溶性も良好ではない。
これは残存する開始剤ラジカルが加熱乾燥の過程におい
て重合体から水素を引抜くため重合体に分枝または架橋
が生じるためと考えられる。
また、レドックス系開始剤を用いた場合は、一般に酸性
領域では本発明の単量体は重合し難い。
このようなことから、本発明者らは前記のよう欠点のな
い、本発明の重合系に適した重合開始剤を探索中のとこ
ろ、アブ化合物のなかに最適のものがあることを見出し
た。
スチレン、メタクリル酸メチルなどの油性ビニル系単量
体のラジカル重合開始剤として常用されている2、2′
−アブビスイソブチロニトリル、2゜2′−アゾビス(
2、2’−ジメチルバレロニトリル)などを代表的なも
のとするアゾ化合物系ラジカル重合開始剤は油溶性のも
のは数多く知られているが、水溶性のものは少なく、ま
た水溶性のもののなかでも酸性側、特に本発明のような
pH2,5〜5の領域で有効なものはほとんど知られて
いない。
本発明者らは、商業的に生産されている数少ない水溶性
アゾ化合物のなかでも2,2′−アゾビス(2−アミジ
ノプロパン)・2塩酸塩 構造式: は塩基型であるため酸性の水溶液に良く溶解すると共に
他の水溶性アブ化合物にくらべて比較的低温においても
活性が高いので本発明の重合系において特に有利な開始
剤となることを見出したのである。
本発明においては、前記したCI) 、 叩のカチオン
単量体のみならず、これらと共重合可能なビニル系単量
体とこれらとの単量体混合物をも重合させるが、この際
用いられるビニル系単量体の種類としては、たとえばア
クリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸メチル、
メタクリル酸メチル、アクリロニトリル、メタクリロニ
トリル、酢酸ビニルなどが挙げられる。
カチオン単量体に対するこれら単量体の混合割合は生成
した共重合体が水溶性を失なわない範囲まで可能である
(1) 、 C[のカチオン単量体と共重合させる単量
体としてアクリル酸、メタクリル酸などのアニオン単量
体を用いた場合は既に述べた理由によりカチオン度の低
い重合体とか水不溶性の重合体が生成するので、このよ
うな単量体を用いることは本発明においては好ましくな
い。
重合の際の単量体濃度は通常5〜30重量%が望ましい
単量体濃度が低過ぎると重合性が良好でなく分子量が充
分に大きい重合体が得られず、一方単量体濃度があまり
にも高いと重合熱の発生が多くて重合系が沸騰するので
操作上好ましくない。
重合温度は通常35〜70℃が適当であり、また重合開
始剤の添加量は単量体水溶液に対して通常20〜2,0
00 ppmとするのが好ましい。
重合体の分子量は、重合温度と重合開始剤濃度を適宜組
み合せることによって調節することができる。
すなわち、分子量の低い重合体を得る場合は、重合温度
を高くするかまたは重合開始剤の添加量を多くすればよ
いし、分子量の高い重合体を得る場合は、重合温度を低
くするかまたは重合開始剤の添加量を少なくすればよい
生成した重合体水溶液の性状は重合体の濃度および分子
量などによって異なり、低濃度、低分子量のものは流動
性のある高粘度液体であり、高濃度、高分子量のものは
ゲル状を呈する。
これらを常法にしたがい脱水乾燥すれば粉末状の重合体
が得られる。
本発明により製造される、水溶性カチオン重合体を凝集
剤、紙処理剤などの実用に供する場合は、本発明方法に
より得られた重合体水溶液をそのまままたは水で適宜の
濃度に希釈して用いるかもしくは前記のような粉末を水
に溶解して用いる。
次に、実施例により本発明を説明する。
実施例 1 次の3種のカチオン単量体(A、B、C)の各25%水
溶液をpHおよび重合開始剤の種類を第2表に記載のよ
うに変化して重合させた。
重合はデユワ−瓶中で断熱的に無攪拌で行なった。
重合条件および得られた結果を第2表に示すが、表中A
BAPとあるのは2,2′−アゾビス(2−アミジノプ
ロパン)2塩酸塩を示すものであり、また重合体水溶液
の粘度とあるのは生成した重合体水溶液を水で希釈して
重合体濃度を1%にした場合の25℃における粘度(B
型回転式粘度計による測定値)を示す。
なお、pH調整には硫酸を用いた。
また、重合体のカチオン度の測定は重合体水溶液をトル
イジンブルーを指示薬とじ1740ONポリビニルスル
ホン酸カリウムで滴定する、いわゆるコロイド滴定法に
したがった。
第2表から、本発明の限定値よりも高いpHで重合した
場合は、カチオン度の低い重合体(実験/i64および
5の場合)かまたは水に不溶の重合体(実験、%11の
場合)しか得られないことが解る。
また、重合開始剤として通常のレドックス系開始剤(N
2O2〜ロンガリツト系)を用いた場合は重合しない(
実験/166.7および9の場合)ことが解る。
実施例 2 ジメチルアミノエチルメククリレート *D、M
と云う〕とアクリルアミド(CH2=CHC−ONH2
,以下これをA、Aと云う)の混合物を実施例1と同様
の方法にしたがい水溶液中で重合した。
但し、単量体混合物の水溶液中における濃度は実験屑1
2および13では20%、実験414および15では1
0%とした。
得られた結果を第3表に示す。
、以下これを り、Mと云う〕 4級化物 とり、Mのジメチル硫酸による第 0CH3,以下これを単に第4級化物と云う]の混合物
を実施例1と同様の方法にしたがい水溶液中で重合した
結果を第4表に示す。
応用例 実施例1〜3で得られた重合体水溶液について凝集剤と
しての性能評価を行なった。
評価方法としては、内径257nr/L、長さ3501
mの沈降管に顔料ウルトラマリンブルー(第1化成品+
1200)の2%懸濁液100m1を満たし、次にこれ
に重合体の1%水溶液0.211Llを加え、 **1
0回転倒してから沈降界面が液量体の体積の1/2にな
るに要する時間(いわゆるS■半減期、秒)を測定した
また、この測定の60分後に上澄液を採り、波長66m
μでの光線透過率を測った。
得られた結果を第5表に示す。
第5表から明らかなように、重合時のpHが5以上にな
るとウルトラマリンブルーの沈降速度が次第に遅くなり
、上澄液の清澄度は著しく悪化することが解る。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 下記(イ)または(ロ)を水溶液中で重合させるに
    あたり、(イ)または(ロ)の濃度を5〜30重量%、
    該水溶液のpHを2.5〜5に調整し、重合開始剤とし
    て2.2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)2塩酸
    塩を用いることを特徴とする水溶性カチオン重合体の製
    造法。 (式中、R1,R4は水素原子またはメチル基、R2,
    R3,R5,R6およびR7はメチル基またはエチル基
    、A、Bは−CH2−CH2−またはCH2−CH−C
    H2−、Xはハロゲン原子、品 SO3・OCH3または−SO3・C3H4・CH3で
    ある。 )で表わされるカチオン単量体の中から選ばれた少なく
    とも1種の単量体。 (ロ)上記CI) 、 (IOの単量体と共重合し得る
    ビニル単量体と(イ)との単量体混合物。
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