JPS5828145B2 - 自動車用リツド装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は自動車のトランクリッドまたはエンジンフード
等リッド装置の改良に関するものである。

従来のトランクリッドの開閉装置を第１．２．３図によ
り説明すると、ａはトランクリッド、ｂが車体（リヤデ
ツキ）、ｃは上記トランクリッドａに一端を固定したＵ
字型のアーム、ｄは上記車体すに固定したブラケット、
ｅは上記アームＣの他端を上記ブラケットｄに枢着する
ピン、ｆはウェザストリップ、ｇはウィンドガラス、ｈ
は２本のトーションバーで、これらトーションバーｈの
うち、一方のバーの一端は左側のアームＣに、またその
他端は右側のブラケットｄに、また他方のバーの一端は
左側のブラケットｄに、またその他端は右側のアームＣ
に、それぞれ取付けられて互の中央部が車体すの中央部
で交叉しており、トランクリッドａをトーションバーｈ
に抗し押し下げると、ピンｅを中心に下方へ回動し、自
体公知のロック装置（図示せず）に係合して、閉位置に
保持され、また上記ロック装置を解除すると、トーショ
ンバーｈの付勢力によりトランクリッドａがピンｅを中
心に上方へ回動して、開位置に保持されるようになって
いる。

前記トランクリッドの開閉装置においては、アームＣの
先端がブラケツ）ｄに枢着されており、リッドａを第２
図に示すように荷物の出し入れを妨げないよう充分に開
放するためには、アームＣの湾曲度を大きくして、ウェ
ザストリップｆに当接させないようにしなければならな
い。

そのためトランクリッドａを第３図に示すように閉める
と、アームＣが同図中符号Ｈで示すようにトランクルー
ム内に大きく突出して、トランクルームの有効スペース
を減少する不具合があり、またトランクルーム内の荷物
がアームＣに衝接して、損傷することがある等の欠点が
あった。

本発明は上記従来装置の欠点を解消することを目的とし
て工夫されたものであり車体に形成された開口、同開口
を開閉自在に覆うリッド、上記開口の側縁部に配設され
、大体同側縁の方向に沿って延びた長孔状のガイド溝を
穿設したベースプレート一端を上記リッドに固着され他
端に設けたスライドピンを上記ガイド溝内に摺動自在に
嵌装された第１のアーム部材、上記スライドピンに設け
たピンアーム、一端を上記第１アーム部材又はリッドに
枢着され他端を上記開口側縁部に枢着された第２のアー
ム部材、および上記リッド部材を常時開くように付勢す
べく上記ピンアームの自由端と上記ベースプレートとの
間に張装したばね部材を有し、上記リッドの閉ＩＥ状態
において上記ガイド溝、第１アーム部材および第２アー
ム部材が大体平行に畳み込まれるように構成したことを
特徴とする自動車用リッド装置を要旨とするものである
。

このように、リッドを閉じた場合には、リッドの係合部
はガイド溝に規制されて摺動するようにしたため車体の
車室内側にアーム部材のような開閉部材が突出せず、そ
の結果車室内スペースを有効に利用できるばかりか、ト
ランクルーム内の荷物が開閉部材に当って破損するとい
うことも効果的に防止できるすぐれた作用効果を有する
。

次に、本発明を乗用自動車の車体後部のトランクルーム
に設けたトランクリッドに適用した実施例について説明
すると、第４〜７図において、符号１は車体２後部に設
けられたトランクルームの開口、３は開口１を区画する
車体側の側縁部２′に後述する開閉装置４を介して取付
けられ開閉作動するリッドである。

上記開閉装置４の詳細を説明すると、同装置は第５図に
示す如く、主要部材としてベースプレート５、第１アー
ム６、同第１アームとベースプレート５との間に両端を
回動可能に枢着された第２アーム７、およびベースプレ
ート５とピンアーム１９との間に張装されたコイル状の
はね８からなる。

そして、９はビス１０を嵌め込むためのビス孔で、この
ビス１０によってベースプレート５は上記車体２の側縁
部２′に取付けられる。

また同ベースプレートは上記開口の側縁０方向に犬体沿
つて延びた長孔状のガイド溝１１′を有し、同ガイド溝
１１′の内周縁部には好ましくは耐摩耗性合成樹脂で作
られたガイド枠部材１１が介装されている。

１２はベースプレートの端部に複数個列設され上記ばね
８の一端を係１トする小孔である。

上記第１アーム６はその一端部をビス１３によってリッ
ド３下面に取付けられ、同第１アーム他端部にはスライ
ドピン１４が固着されている。

１５は同ピン１４に嵌設された好ましくは耐摩耗性合成
樹脂からなる円筒状のスリーブであって、上記ガイド枠
部材の長孔状構内に摺動及び回動可能に係合する。

また、このピン１４に設けたピンアーム１９の自由端部
には上記スプリング８の他端部が係止され、同ピン１４
はスプリング８によって第５図に示す如く常時ガイド枠
部材の長孔状溝の右方側へ付勢されている。

１６は回動アーム７の一端部を上記ベースプレート５に
枢着するピンである。

なお、第４図において符号１８はリッド３を閉状態に維
持するためのロック装置を示す。

次に、上記構成を有する実施例装置の作用について説明
すると、第４，５図に示すように、開状態にあるリッド
３の閉方向に押圧すると、リッド３はロック装置１８に
よって第６図において実線で示す如く、閉状態に維持さ
れる。

この間、第１アーム６のスライドピン１４はガイド枠部
材１１の長孔状溝内をその右方向から摺動して左方端へ
変位し、リッド３は第６図において、二点鎖線Ａで示さ
れる位置から実線で示す位置に回動する。

この閉止状態において、ロック装置１８を解錠したのち
、リッド３の後方端に矢印Ｂ方向に軽く力を加えると、
リッド３に作用する開作動力はピン１６を介して第２ア
ーム７に作用し、第２アーム７はピン１７を中心にして
時計方向に回動する。

と共に、第１アーム６のスライドピン１４はガイド枠部
材１１の長孔状溝内を右方向へ摺動する。

このとき、スライドピン１４と小孔１２との間に張設さ
れたばね８のばね力は、リッドに加えられる上記人為開
作動力とあいまってリッド３をさらに開く方向に作用す
る。

そして、スライドピン１４がガイド溝１１′の右方端に
当接したとき、第６図に示す如く、第１アーム６、第２
アーム７は二点鎖線Ａで示した状態に変位し、人による
開作動力が除かれた後もリッドはばね８のばね力によっ
て同位置に保持される。

この開状態では、スライドピン１４、ピン１６およびピ
ン１７の３つのピンによって三角形が形成される。

次に上記開状態からリッド３を閉じる場合には、ばね８
のばね力に抗してリッドに反時計方向（矢印Ｂとは逆方
向）の人為作動力を加える。

すると第１アーム６、第２アーム７は上記とは逆方向に
変位して第６図実線で示すように大体平行に折畳まれス
ライドピン１４は元の位置に復帰し、ロック装置１８に
よってリッド３はトランクルームの開口１を閉じて実線
で示す位置へ変位する。

なお、ばね８のばね力の調整は、ばね８の右端を隣接す
る別の小孔１２あるいは切欠き部１２′に係合させるこ
とにより任意に行なうことができる。

上記した如く、本実施例装置によれば第１アーム６とベ
ースプレート５との間に第２アーム７を介装し、第１ア
ーム６のスライドピン１４をガイド溝１１′に沿って摺
動できるようにしたため、リッド３閉時における第１ア
ーム６のトランクルーム内への突出量を小さくできると
共に、ピンアーム１９の自由端にばね８を係止させてい
るためピン１４にはピンアーム１９の腕の長さにばね８
の張力を乗じた回転モーメントが第１アーム６に作用す
るので、リッド３の開閉操作を円滑に行なうことができ
る。

また、ガイド溝１１′に耐摩耗性の合成樹脂で作られた
ガイド枠部材１１を設けたため、スライドピン１４の摺
動音を低減できる作用効果を有する。

従ってトランクの有効スペースの減少、荷物の破損等を
効果的に防止できると共に、ばね８をベースプレート５
内に組込むことができるので、トーションバーを使用す
る場合に比べると、ばね８の取付けが容易になるし、左
右の第１アーム６．６間の構成を簡潔にできるものであ
る。

上記では第２アーム７の一端を第１アーム６に枢着した
が、これを直接にリッド３に枢着することもできる。

また上記実施例においてガイド枠部材１１、スリーブ１
５の何れか一方を省いても、なお摺動音の低減を期待で
きることはいうまでもなく、また最良の実施例における
摺動音低減の効果は我慢することとして、ガイド枠部材
１１、スリーブ１５の双方を省くこともできる。

以上は本発明をトランクリッドに適用した実施例により
説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、同
様にエンジンフードにも適用できる。

なお、トランクリッド３を開閉させるときにその先端部
を車体（リヤデツキ）２に、また同先端ウィンドガラス
の位置まで移動させる場合には同ウィンドガラスに、当
接させないようにする必要がある。

モしてリッド先端部の軌跡はガイド溝１１′の形状によ
り決まり、前記実施例ではガイド溝１１′を直線状にし
て上記先端部を車体１に当接させないようにしているが
、車体１の形状或はウィンドガラスの傾斜状態に変更が
ある場合には、ガイド溝１１′の形状を弧状等に変えて
、当接させないようにする。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のトランクリッド開閉装置を示す斜視図、
第２図は同開閉装置でトランクリッドを開いたときの側
面図、第３図は同開閉装置でトランクリッドを閉じたと
きの側面図、第４図は本発明の一実施例を示す外観斜視
図、第５図は開閉装置の外観斜視図、第６図は上記実施
例装置の作用説明図、第７図は第６図の■−■線におけ
る矢視断面図である。 ３：リッド、４：開閉装置、５：ベースプレート、６：
第１アーム、７：第２アーム、８：ばね、１１′ ニガ
イド溝、１４ニスライドピン。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 車体に形成された開口、同開口を開閉自在に覆うリ
   ッド、上記開口の側縁部に配設され大体同側縁の方向に
   沿って延びた長孔状のガイド溝を穿設したベースプレー
   ト、一端を上記リッドに固着され他端に設けたスライド
   ピンを上記ガイド溝内に摺動自在に嵌装された第１のア
   ーム部材、上記スライドピンに設けたピンアーム、一端
   を上記第１アーム部材又はリッドに枢着され他端を上記
   ベースプレートに枢着された第２のアーム部材、および
   上記リッドを常時開くように付勢すべく上記ピンアーム
   の自由端と上記ベースプレートとの間に張装したばね部
   材を有し、上記リッドの関東状態において上記ガイド溝
   、第１アーム部材および第２アーム部材が上記リッドの
   開閉方向に直交する方向に大体平行に畳み込まれるよう
   に構成したことを特徴とする自動重用リッド装置。