JPS5826799B2

JPS5826799B2 - 誘導加熱炉

Info

Publication number: JPS5826799B2
Application number: JP52108362A
Authority: JP
Inventors: 俊治伊藤; 剛啓梶永; 喜一郎千畑; 整司田辺
Original assignee: Kawasaki Steel Corp
Current assignee: JFE Steel Corp
Priority date: 1977-09-10
Filing date: 1977-09-10
Publication date: 1983-06-04
Also published as: JPS5443343A

Description

【発明の詳細な説明】この発明は、真空またはガス雰囲気下にかいて金属その
他導電性物質を誘導加熱するための高周波のまたは低周
波の誘導加熱炉に関するものである。

従来、この種の高・低周波誘導加熱炉と呼ばれるものに
は、次のような２つの方法がある。

その１つの方法は第１図に示すように、誘導加熱コイル
１を真空またはガス雰囲気に保った容器２内に設け、該
加熱コイル１への外部電源への接続は、共軸導体３を介
して印加する方式のものである。

この方法は加熱コイル１ならびに被加熱物４がともに同
じ雰囲気下にあり、とくにこれが真空下にあっては加熱
コイル１のその裸部（露出部）が３００Ｖをこえる電圧
になると真空放電を起すので、安定した運転が困難とな
る。

このため、該加熱コイルには種々の絶縁処理をして放電
を防止しているが、印加できる電圧に制限があるので、
コイル層間の間隙を広くして放電を防止したり、供給電
圧を低くしたりしているが、結果的には加熱効率が低下
する欠点があった。

一方、他の１つとして第２図に示す装置による方法があ
げられる。

この方式のものは加熱コイル１が石英などを使った容器
２の外側に配置され、真空またはガス雰囲気にした該容
器２内にるつぼ５などを介して被加熱物４を置いて誘導
加熱する方法である。

しかし、前記円筒状の容器２は熱絶縁とともに電気絶縁
の機能を付与さぞなければならないので、かかる容器２
には焼結石英やアルミナのようなセラミックで作る場合
が多いから、高価であると共に壊れやすいので取扱いが
極めて不便である欠点があった。

この発明は、上述のような従来技術のもつ欠点を解消す
る誘導加熱器の振供を目的としており、真空容器等の内
部に加熱コイルを設けることなく、また被加熱物と加熱
コイルとの間に磁器製容器などを介在させることのない
、所謂取扱いに便利で高い加熱効率を有する高・低周波
の誘導加熱炉に係るものであり、その特徴とするところ
は、複数捲数させた加熱用コイルの内側に、周方向の一
部に絶縁性パツキンを介挿させて不連続部を設けた金属
製円筒状容器を同心イに設置し、その容器の筒軸方向の
両端部を電気絶縁したもとで気密封塞可能構造として真
空あるいは雰囲気維持用の容器壁体を構成する点にある
。

以下に本発明の好適実施例を示す図面にもとづき、その
内容を詳述する。

図面の第３図はこの発明に係る高・低周波誘導加熱炉を
示すもので、図示の１１は加熱コイルであり、中空パイ
プな直筒状に複数捲回してなるものであり、その中空１
２内部には冷却水を流して水冷する。

また両端部には高・低周波電源を接続して電流を供給す
る。

図示の符号１３は周方向の一箇所に欠設した不連続部を
有する金属製２重壁構造の容器であって、２重壁内部に
設けた空隙１３ｂ内に冷却水を循環させるようになって
いる。

これは中空帯状銅板を前記不連続部を除いて直筒状に単
捲回して形成される。

この容器１３は前記不連続部を母線方向に沿ってのばし
た縦スリットをもってかり、その縦スリツト内の間隙部
には、第４図の横断面図に示すように、パツキン１４と
このパツキン保護用断熱材２９を気密に挾み入れること
によって完全な筒状体として構成しである。

かかるパツキン１４等の固定は縦スリットを形成する欠
設したその両端縁から側部フランジ１５ａ、１５ｂを突
設する一方、絶縁ブツシュ１６を介して用いるボルト１
７を締付けることにより、該パツキン１４を挟圧するこ
とで果される。

このほか、該金属製容器１３の縦スリット部接合方法と
して、第４ａ図に示すようなパツキン１４を押える絶縁
板３０を介して、該絶縁板を、スタッドボルト３１によ
り容器１３周面に押付けて固定する方法、あるいは筒体
表面をゴムバンドに代表せる、絶縁性の弾性帯で締付け
る方法等がある。

なふ・、この縦スリツト部接合端には段部１８が形成し
てあり、この段部１８を設けることによってシール性を
向上さぞ、且内部の熱がパツキン１４を害さないように
とくに内側部に断熱材２９を介在させて該パツキン１４
を保護し、とくに該加熱コイル１３自体を真空容器とす
るような場合に起る弊害を効果的に防止する。

要するに、該容器１３は上述のように縦スリツト部の接
合部をシールすることによって真空あるいはガス雰囲気
維持用容器として機能しているのである。

上記容器１３の長手方向（筒軸方向）の両端のフランジ
部１３ａ、１３ａには、それぞれに電気絶縁リング１９
．１９’とシールリング２２とを介して上蓋２０４たは
底板２１が絶縁・気密状態で取付けられる。

したがって、この状態で該容器１３内は真空あるいはガ
ス雰囲気をつくりだすことができ、所謂、該容器１３を
上蓋２０や底板２１を使うことで真空あるいは雰囲気維
持用の容器の１部として機能させるのである。

なお、該上蓋２０卦よび底板２１は容器１３のフランジ
部１３ａ、１３ａに絶縁ブツシュ２２を介してボルト２
３によってしっかりと締付けて固定する。

図示の符号２４は真空ポンプへの連結口、２５は内部観
察用覗窓、２６は雰囲気ガス導入また導出用のための弁
、２７は冷却水の導出入管である。

前記コイル１１は加熱コイルとして作動するもので、高
電圧小電流が印加されている。

一方容器１３は、母線方向に沿って縦スリットを設けた
ため、この縦スリットの箇所が一種のコンデンサーの働
きを或すとともに、この容量Ｃが極めて小さいことによ
り、容器１３のインピーダンス２が、次の（１）〜（３
）式より極めて大きくなって、その結果該容器１３には
ほとんど電流が流れず、容器１３の銅板部分の抵抗が小
さいことと相俟って、ごく僅かなジュール熱しか発生し
ないこととなる。

しかも容器１３の空隙１３ｂ内には冷却水を流している
ため、容器１３が発熱することはない。

次に容器１３に、母線方向に沿った縦スリットを設けた
ことによって、該容器１３を金属で構成するにも拘らず
、該容器１３の内部に置いた被加熱物４は、電気的に遮
蔽されることがなく、加熱コイル１１によって直接誘導
加熱され得る。

このように本発明になる誘導炉では、加熱コイル１１を
、容器１３の外側、即ち大気中に置くことができ、しか
も容器１３の内部は、真空もしく、はガス雰囲気に維持
した昔ま大容量かつ高電圧を印加し得るので、電源設備
が低電圧大電流のものに比して安価なことと併せて、極
めて好都合である。

オた、被加熱物４は前記容器１３内にふ・いては、セラ
ミック類、ファイバー類を利用した断熱容器２８内に装
入されているから、熱が直接的には該容器１３には伝達
されることがな、く、また接合部の間隙に挾み入れたパ
ツキン１４もその内側にはアルミナ、マグネシア、ジル
コン等の断熱材２９を用いているので、熱からの保護が
完全となり気密シールの寿命を向上させることができる
。

【図面の簡単な説明】

図面の第１図会よび第２図は従来の誘導加熱装置の断面
図であり、第３図は本発明に係る誘導加熱装置の縦断面
図、第４図ならびに第４ａ図は横断面図とその一部拡大
図、第５図は第４図矢視Ｖ部の一部切欠き正面図である
。１１・・・加熱コイル、１２・・・中空、１３・・・金
属製容器、１３ａ・・・金属製容器のフランジ、１３ｂ
・・・金属製容器の空隙、１４・・・パツキン、１５ａ
。１５ｂ・・・金属製容器の側部フランジ、１６・・・絶
縁ブツシュ、１７・・・ボルト、１８・・・縦スリツト
接合部の段部、１９，１９・・・絶縁リング、２０・・
・上蓋、２１・・・底板、２２・・・絶縁ブツシュ、２
３・・・ボルト、２４・・・連結口、２５・・・覗窓、
２６・・・弁、２７・・・導出入管、２８・・・断熱容
器、２９・・・断熱材、３０・・・絶縁性押え板、３１
・・・スタッドボルト。

Claims

【特許請求の範囲】

１複数捲回ｇ−ｖでなる加熱用水冷コイルの内側に、
周方向の一箇所を欠設して母線方向へ連続さぞてなる縦
スリットを有する円筒状金属製水冷２重壁構造の容器を
同心に設置してなり、かつ該容器はその上記縦スリツト
部分に絶縁性パツキンを介挿させて不連続部のない円筒
にするとともに、筒軸方向の両端には絶縁リングを介し
て上蓋、底蓋を気密封塞可能に取付けたもので構成した
ことを特徴とする誘導加熱炉。