JPS58252B2 - 架空送配電線路 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、架空送配電線路の改良に関するものである。

地上に適当な間隔を置いて立てられた電柱に所定の絶縁
支持碍子を介して任意数の絶縁電線を張架せしめて構成
される架空送配電線路には、それが屋外に建設されるも
のであるが故に、落雷による断線を生じ易いと言う半ば
宿命的問題がある。

落雷により線路に断線を受けると、そのために生じる停
電により大きな社会的被害を被ることは必至であるが、
このことにも増して大きな問題は、断線して垂れ下った
電線により感電の被害を被る憂いがあることである。

特に、後者の場合には、人命にかかわることでありきわ
めて大きな問題である。

一方、この後者の問題を解決するための策としては、次
の二通りがある。

（１）断線して垂れ下った電線を直ちに接地させ、以っ
て当該断線の事実を逸早く検知して当該電線への通電を
断ってしまうことである。

（２）断線した電線を垂れ下らせないことである。

本発明は、上述の点に鑑みて為されたものであって、落
雷により断線した電線の垂れ下りを確実に防止し得る架
空送配電線路の提供を目的とし、その要旨とするところ
は、適当な間隔を置いて立てられた電柱に所定の絶縁支
持具を介して所定の絶縁電線を張架せしめると共に、各
電柱と絶縁電線との間に落雷による断線に際して当該電
線の落下を防止する絶縁棒条体を、その一端を当該電線
に、他端を上記支持具よりも下方の位置で電柱にそれぞ
れ固定せしめるようにして設けて成る架空送配電線路に
おいて、上記絶縁棒条体は、互いにネジ係合された内外
側棒条体と、外側棒条体の一端に設けられたＣ型クラン
プと、該クランプ内に収納され且つ上記内側枠条体の軸
方向移動と共に上記クランプ内で移動できる楔とよりな
り、上記絶縁棒条体の絶縁電線に対する固定が、当該絶
縁棒条体の一端に設けられたＣ型クランプと該クランプ
内に収納された楔とより行なわれるように構成せしめら
れて成る点にある。

上記に言う絶縁支持具として具体的には、絶縁支持碍子
（ピン碍子）等が使用される。

又、絶縁棒条体として具体的には、合成樹脂製の棒条体
等が使用される。

なお、発明者らの過去の観測によれば、落雷による架空
送配電線路の断線はその大半が絶縁支持具から約１．５
ｍ以内の所で起っている。

従って、上記絶縁棒条体の絶縁電線に対する固定位置は
、絶縁支持具から２〜３ｍの所が良いと考えられる。

因に、一般にこの種架空送配電線路は低くて地上的６ｍ
の所に張架されているから、絶縁支持具から３ｍ離れた
所で棒条体の一端を固定した時に、架空送配電線路が絶
縁支持具の根元で断線を起したとしても当該電線は、普
通の人間が容易に届く位置までは垂れ下がらないことは
理解されよう。

次に、添付図面により本発明架空送配電線の実施例を説
明するが、本発明が本実施例を以って限定的に解釈され
るものでないことは言うまでもない。

さて、図中１は地上に適当な間隔を置いて立てられた電
柱のうち一本である。

（他の電柱は省略。）２は上記各電柱１に従来の手段に
より所定の絶縁支持碍子３を介して張架された絶縁電線
である。

４はその一端を上記碍子３から３ｍ離れた位置で絶縁電
線２に、他端を上記支持碍子３よりも下方の位置で電柱
１にそれぞれ固定せしめられた絶縁棒条体である。

更に詳しくは、上記棒条体４は第２図に示すように互い
にネジ係合された内外側棒条体５，６と、外側棒条体６
の一端に設けられたＣ型クランプ７と、該クランプ７内
に収納され且つ上記内側枠条体５の一端に接続されて当
該絶縁棒条体５の軸方向移動と共に上記クランプ７内で
移動できるようになっている楔８とより構成されてなる
。

そして、上記棒条体４の電柱１に対する固定は、当該電
柱１に巻付は固定せしめられた固定バンド９に内側枠条
体５の他端を従来の任意の手段で固定せしめることで行
われ、一方、絶縁電線２に対する固定は当該電線２をク
ランプ７内に収納せしめた後、外側棒条体６を回転せし
めて内側枠条体５を相対的に移動せしめることにより楔
８をクランプ７と電線２間に押し込むことで行われる。

従って、このようにして構成される棒条体６であれば、
絶縁電線２に対する固定はきわめて容易であり、従って
、特に作業条件の悪い電柱上への使用にはきわめて有利
である。

１０は架空接地線である。

その上、本実施例架空送配電線路によれば、各電柱と絶
縁電線との間に、落雷による電線断線に際して当該電線
の落下を防止する絶縁棒条体を設けて成ることから、落
雷を受けて線路の電線に断線を生じたとしても当該電線
の垂れ下りは確実に防止することができる。

なお、上記の効果は落雷による断線が絶縁棒条体の一端
と支持碍子間において起った場合を条件とすることは言
うまでもないが、前述の通り上記断線はその大半が上記
支持碍子のごく近辺（約１．５ｍ以内）で生じている事
実からして、上記断線による垂れ下りの大半を防止でき
ることは確かである。

更に、本実施例架空送配電線路によれば、絶縁棒条体の
他端を支持碍子よりも下方の位置で電柱に固定せしめて
成ることから、断線に際しての電線のはね上がりを効果
的に防止でき、従って上記はね上がりによって起こり易
い電線同志の絡み合いあるいは断線した電線の架空接地
線への絡み付きを防止できる。

従って、断線しない他の電線あるいは接地線を保護する
上できわめて有効である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明架空送配電線路の一実施例説明図、第２
図は上記実施例において使用された絶縁棒条体の詳細図
、第３図はそのＡ−Ａ′断面図である。 １：電柱、２：絶縁電線、３：絶縁支持碍子、４：絶縁
棒条体。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 地上に適当な間隔を置いて立てられた電柱に所定の
   絶縁支持具を介して所定の絶縁電線を張架せしめると共
   に、各電柱と絶縁電線との間に落雷による電線断線に際
   して当該電線の落下を防止する絶縁棒条体を、その一端
   を当該電線に、他端を上記支持具よりも下方の位置で電
   柱にそれぞれ固定せしめるようにして設けて成る架空送
   配電線路において、上記絶縁棒条体は互いにネジ係合さ
   れた内外側棒条体５，６と、外側棒条体６の一端に設け
   られたＣ型クランプ７と、該クランプ７内に収納され且
   つ上記内側枠条体の軸方向移動と共に上記クランプ内で
   移動できる楔８とよりなり、上記絶縁棒条体の絶縁電線
   に対する固定が、当該絶縁棒条体の一端に設けられた上
   記Ｃ型クランプ７と該クランプ７内に収納された楔８と
   より行なわれるように構成せしめられて成ることを特徴
   とする架空送配電線路。