JPS5824299B2 - タンデムマスタ−シリンダのリザ−バ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はタンデムマスターシリンダのリザーバの改良に
関するものである。

タンデムマスターシリンダにおいてはリザーバをコンパ
クトにすると共に、ブレーキ液補充を簡単にするため、
ブレーキ液補充口を１つとした一体型リザーバタンクの
底面に２つの液供給口を設けてこれら各液供給口を夫々
独立した各ブレーキ系統に連通ずるマスターシリンダの
ボス部ニ接続することにより各ブレーキ系統への液供給
を図るようにしたものが提供されている。

そして、この場合一方のブレーキ系統が失陥した場合の
対策としてリザーバタンク内に各液供給口を隔別する隔
壁を立設してリザーバ内を二分割し一方のブレーキ系統
が失陥した場合でも他方のブレーキ系統に最低限必要な
液量を確保し得る構成が採用されている。

一方、安全上の見地から、リザーバ内の液量が一定以下
になると運転者に警告を発すべくレベルインジケータ（
液面警告装置）が設けられることが多い。

この場合各液圧系統に夫々レベルインジケータを設ける
と部品点数が増大して高価となるので、両ブレーキ系統
を一本のレベルインジケータで測定できるようにレベル
インジケータの警告液面高さを隔壁上端より高い位置に
設定するものが知られている。

この警告液面高さは、リザーバ内に最小限必要な液量が
確保できる高さ近くに設定することが望ましいので、隔
壁もこの両側に最小限必要な液量を確保できる高さまで
低くする必要がある。

ところが、液量の必要最低量を確保し得る高さまで隔壁
高さを下げると、車両の急加、減速度により液面が傾動
し、このときブレーキ液が隔壁を乗り越えて失陥した方
の液圧系統側へ浴出して前記必要量を確保することがで
きなくなり、車両の安全運転を阻害するおそれが生じる
等の問題がある。

本発明は上記に鑑みなされたものでその目的とするとこ
ろは、隔壁の形状、特にその上端の高さを車両の加、減
速度を考慮して前後方向で異なるように設定することに
より一方のブレーキ系統が失陥した時に正常なブレーキ
系統側に最小限必要な液量を常に確保し得るようにする
と共に、レベルインジケータの警告液面高さを理想に近
い高さにすることができるタンデムマスターシリンダの
リザーバを提供することにある。

以下、図面に示す実施例により本発明を説明する。

第１図は本発明実施例の縦断面図、第２図は横断面図で
あり、図において１はその上面に各ブレーキ系統と連通
ずるサプライポート２，３等を有するタンデムマスター
シリンダであってその内部構造は周知の如くになってい
る。

４は下面に一対の液供給口５，６を有するリザーバタン
クであり、各液供給は５，６が前記サプライポート２，
３と夫々連通するようにシール部材７／、Ｉを介して前
記シリンダ１の上側に支承しである。

このリザーバタンク４は下リース８と上リース９とから
容器状に形成し、その平面形状は図示の如く概略三角４
形をしてその頂点が車両の前方を向くように配設しであ
る。

そして、リザーバタンク４の内底面には詳細を後述する
隔壁１０を立設し、前記各液供給口５，６を隔絶する。

また、タンク４の上面に形成した孔１１の周囲に垂下し
た円筒１２が前記。

隔壁１０により隔成される液供給口５側部位に配置する
ように構成する。

前記円筒１２の下端は隔壁１０上端の最も低い部分２０
よりも下方に位置し、その内部には下面にストレーナ１
３ａを有する案内筒１３が支持されている。

前記孔１１の上４部フランジ１４に螺合するキャップ１
５はその下面ニ周知のレベルインジケータ１６を有し、
液面が第１図のＨｌ にまで下ったときにフロート１γ
のマグネート１γａ及びリードスイッチ１８の作用によ
り警告信号を発するようになっている。

１９は大気連通孔である。

前記隔壁１０は、車両の横方向に沿って延設した横壁部
２３と車両の前後力向に沿って延在する側壁部を有する
。

この側壁部は、略中央部に上端最低部２０を有しそこか
ら前後に向って徐々にその上端高さを高くした形状とす
る。

この上端最低部２０の高さＨ２は前記Ｈ１より低くなっ
ている。

また高さＨ２は一方のブレーキ系統が失陥したとき、後
方のブレーキ系統に最小限必要なブレーキ液量をリザー
バタンク内に確保し得る高さとする。

前記上端最低部２０より後方の傾斜部２２は前記Ｈ２に
液面を位置する液が車両の急加速時に傾斜される液面に
合わせてあり、前方の傾斜部２１は逆に車両の急減速時
に傾斜される液面に合わせである。

本実施例のリザーバは以上の構成であるから、一方のブ
レーキ系統の失陥してリザーバタンク４から液が洩出し
ても、他方の正常なブレーキ系統に必要とされる液量は
、これに連通ずる隔壁１０の内又は外の一方内に確保で
きる。

例えば、隔壁１０外側のブレーキ系統に失陥が生じれば
隔壁１０内に所定量の液量を確保できる。

そして、この確保できる液量は車両に急激な加減速度が
生じない状態（液面が略水平の状態）では上端最低部２
０により規制されるＨ２の液面高とされるのはもとより
、車両に急激な加減速度が生じて液面が傾動しても前述
の如き隔壁１０の傾斜部２１゜２２を設けた形状により
液の隔壁１０外への浴出を防止し、前記液量を保持し得
る。

これにより、液面Ｈ２にて規制される液量を確実に確保
して、一方のブレーキ系統失陥時の安全を確保する。

一方、レベルインジケータ１６の機能についてみれば、
液面が隔壁１０の上端最低部２０の高さＨ２、すなわち
最小限必要な液の高さに低下するまでは隔壁１０の内外
の液が連通して液面が一致するので、レベルインジケー
タの警告面高さＨｌを最小限必要な液の高さＨ２に近づ
けることが可能となり、従来のようにリザーバ内に充分
な液量があるにもかかわらずレベルインジケータが警告
を発するといった心配はない。

なおこのＨｌ は安全を見込んで、Ｈ２より若干高く設
定するのが普通で、ある。

尚、隔壁１０内側のブレーキ系統が失陥した場合には隔
壁外側に液が確保されることになるが、この場合にも同
様の理由によって必要最小限の液量（液面高Ｈ２）を車
両の急加減速運転に拘らず確保できる。

また、レベルインジケータ１６は隔壁１０の外側に設け
てもよく、その効果には何等変りはない。

円筒１２は液面の傾動を吸収してインジケータ１０のフ
ロート１ｒの上下動を抑止し、インジケータの誤動作を
防ぐためのものである。

更に、本実施例ではリザーバタンク４の平面形状を概略
三角形としたがこれは、第３図に示すようにエンジンル
ーム（ＥＲ）内へマスターシリンダ１を装着するときの
他部、例えばストラットハシジング（ＳＨ）等との干渉
を防ぐ点に有効であるが、かかる点に問題が生じない場
合には第４図Ａ、Ｂに示すような方形に形成し得ること
は君うまでもない。

尚、この図では第１図、第２図と均等な部分には同一符
号を付しである。

以上要するに本発明のタンデムマスターシリンダのリザ
ーバによれば、リザーバタンク内に立設した隔壁の側壁
部を略中夫に設けた上端最低部と、この前後に設けた傾
斜部とにより構成した形状としたから、上端最低部によ
り規制される必要最低限の確保可能な液量を車両の急加
減速時にも確実に保持して車両の安全を確保することが
できると共に、液面が上端最低部近くに低下するまでレ
ベルインジケータによる液面測定を行なわせることがで
き、この結果、液が最小限必要な液量になる手前で警告
を発するといったレベルインジケータの本来の機能を有
効に発揮し得る等実用上火なる効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のリザーバの縦断面図、第２図は第１図
の■−■線断面図、第３図は装着状態を示す平面図、第
４図Ａ、Ｂは他の実施例の線図的な横縦断面図である。 １・・・・・・タンデムマスターシリンダ、４・・・・
・・リザーバタンク、５，６・・・・・・油供給口、１
０・・・・・・隔壁、１６・・・・・・レベルインジケ
ータ、２０・・・・・・上端最低部、２１，２２・・・
・・・傾斜部、２３・・・・・・横壁部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ リザーバタンク内底面に立設し、車両横方向に延設
   した横壁部と車両前後方向に延設した側壁部とを有する
   隔壁により、タンデムマスターシリ３ンダに夫々連通す
   る２つの液供給口を隔別するようにしたリザーバにおい
   て、前記側壁部を、該側壁部の略中夫に設けた上端最低
   部から前後に向って徐々にその上端高さを高くした形状
   にすると共に、前記隔壁の内側もしくは外側のどちらか
   一方二にレベルインジケータを配設したことを特徴とす
   るタンデムマスターシリンダのリザーバ。 ２ リザーバタンクは、この車両前方部の横幅が後方部
   の横幅より小さく形成したことを特徴とする特許請求の
   範囲第１項記載のタンデムマスターシリ３ダのリザーバ
   。 ３ レベルインジケータは、前記リザーバの上方から延
   設されて警告液面高さより低い位置で開口した筒体内に
   設けたことを特徴とする特許請求の範囲第１項記載のタ
   ンデムマスターシリンダのり；ザーバ。