JPS582292B2 - 砂杭造成装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、軟弱地盤を改良するために軟弱地盤中に砂杭
を造成する砂杭造成装置に関するものである。

従来から軟弱地盤中に砂杭を造成する砂杭造成装置は種
々あるが、その１つとして、外ケーシングと内ケーシン
グとからなる２重管構造であって、良質の砂杭を造成す
ることができる砂杭造成装置がある。

そして、この砂杭造成装置は、中空状の外ケーシングと
、その外ケーシングの上方にエアバネを介して昇降可能
に配設した起振機と、上端を前記起振機に固定し、その
他の部分を前記外ケーシング中に垂下させた内ケーシン
グとからなるものであって、前記エアバネ中に圧力空気
を充満させて前記起振機と外ケーシングとを一体的に固
定し、前記起振機の上下方向の振動により外ケーシング
（内ケーシングも含む）を地盤中に貫入させる。

それから、前記エアバネ中の圧力空気を徐々に抜いて起
振機と外ケーシングとの縁を切って外ケーシングに起振
機の振動が伝わらないように、すなわち振動が外ケーシ
ングを介して外ケーシングの周囲の地盤に伝わって地盤
が撹拌されないようにし、内ケーシングのみを起振機の
振動により上下動させて外ケーシンク沖の砂を締固め、
次にエアバネ中に圧力空気を再び充満させて外ケーシン
グに起振機の振動を伝播させて外ケーシングを引き抜き
、以下上述の操作を繰返して地盤中に砂杭を造成する。

ところが、前述の砂杭造成装置は、起振機を使用するの
で、緩衝用のショツクアブソーバーが必要である。

また、外ケーシングと内ケーシングとの縁を切って振動
が外ケーシングの周囲の地盤に伝わらないようにするた
め、外ケーシングの引き抜きを一旦中止し、それから内
ケーシングのみを上下動させて外ケーシング中の砂を締
固める必要があり、このため作業能率が悪い欠点がある
。

本発明は、上述の諸欠点を改善した砂杭造成装置を提供
せんとするものである。

以下、本発明に係る砂杭造成装置の一実施例を添付図面
を参照して説明する。

この実施例における本発明の砂杭造成装置は、中空状の
外ケーシング１と、その外ケーシング１の上方に昇降可
能に設けたモンケン２と、そのモンケン２と前記外ケー
シング１の頂端の間に配設し、エアの圧入、抜きにより
伸縮して前記モンケン２を上昇、落下させるエアバネ３
と、上端を前記モンケン２に固定し、その他の部分を前
記外ケーシング１中に垂下させた中空状の内ケーシング
４とその内ケーシング４の下端に取付けたエアハンマ６
とを備える。

前記外ケーシング１は、円形状の主管１０と、ホッパー
１１を有し前記主管１０の上端に固定した第１中間管１
２と、前記第１中間管１２の上端に固定した第２中間管
１３と、その第２中間管１３の上端に防音用ストッパー
のゴムクッション１４を介在して固定した長方形状の固
定板１５と、上端ゴムクッション１４を有し下端を前記
固定板１５の中央に固定した上部管１６と、前記固定板
１５に下端を第３図に示すように固定した４本のガイド
パイプ１７および４本のエアバネ３の振れ止め用のパイ
プ１８と、そのパイプ１７．１８の上端に固定した連結
バー１９とからなり、前記パイプ１７．１８の長さを内
ケーシング４の上下動のストローク長が十分に取れる長
さにする。

前記モンケン２は長方体形状をなすと共に、前記パイプ
１７．１８に遊嵌し得る透孔２７，２８と、前記内ケー
シング４が嵌合し得る透孔２４とをそれぞれ設けたもの
で、前記パイプ１７．１８に上部管１６の上端のゴムク
ッション１４、連結バー１９間において昇降可能に装着
する。

前記エアバネ３はジャバラ形状をなし、エアの圧入、抜
きにより伸縮するものであって、前記モンケン２の下面
と固定板１５の上面との間において前記パイプ１７．１
８により挾持されるように左右２個介装し、そのエアバ
ネ３の下面に小口径のエア給入口３０と大口径のエア排
出口３１とを設け、そのエア給、排口３０．３１に電磁
弁（図示せず）を接続し、その電磁弁の切換によりコン
プレッサー（図示せず）からエアをエアバネ３に圧大し
たり抜いたりしてエアバネ３が伸縮し、それにより前記
モンケン２が外ケーシング１の上部管１６の上端ゴムク
ッション１４と連結バー１９との間において上昇、落下
するように構成する。

前記内ケ−シング４はその上端を前記モンケン２の透孔
２４に固定し、その他の部分を外ケーシング４中に垂下
させたものであって、下端部の外周側面に振れ止め用の
小翼４０を適宜に固設すると共に、最下端にジェットノ
ズル４１を固定し、かつ内側面にジェットエア送給パイ
プ４２を内ケーシング４の中心軸方向に固定し、そのジ
エソトエア送給パイプ４２の下端を前記ジェットノズル
４１に連結すると共に、前記ジエシトエア送給パイプ４
２の上端にコンプレッサー（図示せず）からのエアホー
ス等（図示せず）を連結し、前記ジェットノズル４１か
らエアーが噴射されるように構成する。

前記エアハンマ６は、第５図および第６図に示すように
、前記内ケーシング４の下端に固定したヘッド６０と、
そのヘッド６０のフランジに上フランジをボルト６１等
により固定したシリンダ６２と、そのシリンダ６２に摺
動可能に収納したピストン６３と、そのピストン６３の
下端にボルト６４により固定したハンマ６５とからなり
、前記ヘッド６０にエア供給口６００および二股状のエ
ア送給路６０１を設け、前記シリンダ６２に前記ヘッド
６０のエア送給路６０１に連通ずるエア送給路６２１を
シリンダ６２の軸方向に２本設けると共に、該シリンダ
６２にエア排出口６２２を前記エア送給路６２１より下
方の４ケ所のところに２個づつ計８個設け、前記ピスト
ン６３にエア挿通口６３０を設け、該ピストン６３の外
周側吉前記シリンダ６２の内周側との間に前記シリンダ
６２のエア送給路６２１と連通する第１エア室６６を設
けると共に、前記ピストン６３内に前記エア挿通口６３
０と連通する第２エア室６７を設けたものである。

前記ヘッド６０の供給口６００にエア送給パイプ６８の
下端を連結し、そのエア送給パイプ６８の下端にコンプ
レッサー（図示せず）からエアホース等（図示せず）を
連結し、このエア送給パイプ６８を介してエアを供給す
るとハンマ６５が上下動するように構成する。

すなわちエア送給パイプ６８を介してエアを供給すると
、エアは供給口６００、送給路６０１ ，６２１、挿通
口６３０を経て第２エア室６７中に圧大してピストン６
３を押下し、それに伴ってハンマ６５が下降する。

ピストン６３が下り、第１エア室６６と第２エア室６７
とが閉塞され、挿通口６３０を介して第２エア室６７と
排出口６２２とが連通すると、第２エア室６７中のエア
は挿通口６３０、排出口６２２を経て外へ排出されると
共に、エア送給パイプ６８を介して連続して供給される
エアは供給口６００、送給路６０１，６２１を経て第１
エア６６中に圧入してピストン６３を押上げ、それに伴
ってハンマ６５が上昇する。

以下、上述の作用を繰返してハンマ６５が前記エアバネ
３による内ケーシング４の上下動と独立して上下動する
ものである。

なお、図中７は前記外ケーシング１の下端に開閉可能に
取付けたシューで、外ケーシング１打込時は閉じていて
土砂の外ケーシング１内の侵入を防ぎ、外ケーシング１
引抜時は開いていて砂杭の造成の邪魔にならないように
構成したものである。

この実施例における本発明の砂杭造成装置は、上記の如
き構成よりなり、次に砂杭の造成作業を第７図を参照し
て説明する。

（ａ） まず、本発明の砂杭造成装置をワイヤーロー
プ５０、ハンガー５１、シーブ５２等を介してリーダー
５に吊し、これを改良する軟弱地盤Ｇの所定位置経位置
させる。

次に、エアバネ３を作動させてモンケン２を外ケーシン
グ１の上部管１６の上端ゴムクッション１４と連結バー
１９の若干下方との間Ｔ１において上下させることによ
り、モンケン２が外ケーシング１の頂，端に落下して外
ケーシング１が地盤Ｇ中に打込まれる。

このとき、モンケン２はエアバネ３のエアーの圧入、抜
きの切換えにより上下するので、滑車等によりモンケン
を巻き上げて落下させるも，のと比較してモンケンの上
下動が早く、従って外ケーシング１を早く打込むことが
でき、かつ騒音が小さい。

また、開閉シュー７が閉じているので、土砂が外ケーシ
ング１内に侵入する虞れはない。

（ｂ） 上述の（ａ）の操作を繰返して外ケーシング
１（内ケーシング４も含む）を所定深度まで打込んだ後
、ホッパー１１より砂を外ケーシング１中に投入する。

（ｃ） それから、エアバネ３を再び作動させてモン
ケン２を外ケーシング１の上部管１６の上端ゴムクッシ
ョン１４の若干上方と連結バー１９の若干下方との間Ｔ
２において上下させる。

すなわち、電磁弁の切換によりエアバネ３中のエアーを
抜いている途中で、エアバネ３中にエアーを新たに圧入
することにより、モンケン２が外ケーシング１の上端に
落上することがなく上下する。

このために、外ケーシング１にはモンケン２の衝撃が伝
わらず、従って外ケーシング１の周囲の地盤１０が撹拌
されずに保護される。

一方、前記モンケン２を介して内ケーシング４が上下動
し、該内ケーシング４により外ケーシング１中の砂が突
き固められると共に、外ケーシング１の先端から押し出
される。

さらに、エア送給パイプ６８を介してエアハンマ６にエ
アを供給すると、ハンマ６５が前記内ケーシング４の砂
の押し出し量に応じて外ケーシング１を徐々に引き抜く
。

このとき、内ケーシング４の上下動のストローク長が大
きいと、内ケーシング４の砂の押し出し量が多くなり、
従って砂の出が良く砂杭を効率良くかつ早く造成するこ
とができる。

このように、本発明によれば、外ケーシング１の引き抜
きを止める必要がないので作業能率を顕著に向上させる
ことができる。

なお、ジェットノズル４１からエアーを噴射すれば、砂
が外ケーシング１の先端から押し出され、前記内ケーシ
ング４の押し出し、突き固めおよびエアハンマ６の突き
固めと相俟ってさらに強固な砂杭を早く造成することが
できる。

また、外ケーシング１が最初のうち容易に引き抜けなか
ったならば、モンケン２を連結バー１９に当てることに
より、逆ハンマーの作用で外ケーシング１を地盤Ｇより
引き抜くことができる。

さらに、砂杭造成時には開閉シュー７が開いているので
砂杭の造成には何等支障を来たす虞れはない。

ｒｄ） 上述の（ｃ）の操作を繰返して軟弱地盤Ｇ中
に強固な砂杭を造成する。

なお、上述の実施例においては、エアバネ３を使用した
が、その代わりにエアジャッキなどを使用しても良い。

以上の実施例からも明らかなように、本発明の砂杭造成
装置は、エアバネまたはジャッキの作動でモンケンを外
ケーシングに落下させて外ケーシングを地盤に打込み、
エアバネまたはジャッキ、モンケンを介して内ケーシン
グを上下動させると共に、エアハンマのハンマを内ケー
シングの上下動と独立して上下動させて外ケーシング中
の砂を締固めながら外ケーシングを引き抜くようにした
ものであるから、砂の出が良くしかも外ケーシングの引
さ抜きを止める必要がなく、従って作業能率が良い。

また、モンケンはエアバネのエアーの圧入、抜きの切換
えにより上下するので、滑車等によりモンケンを巻き上
げて落下させるものと比較してモンケンの上下動が早く
、従って外ケーシングを早く打ち込むことができ、かつ
騒音が小さＧ）。

さらに、起振機の振動がリーダーやクレーン等に伝わら
ないようにするショツクアブソーバーが不要であり、し
かもショツクアブソーバーによって発生する騒音の虞れ
はないなどの効果がある。

特に、本発明によれば、内ケーシングの上下動と、その
内ケーシングの上下動と独立したエアハンマのハンマの
上下動とを併用したので、さらに強固にかつ能率良く砂
杭を造成することができる。

すなわち、内ケーシングの上下動により主に外ケーシン
グ中の砂を押し出し、さらにエアハンマのハンマの上下
動により押し出された砂を突き固めることにより、さら
に強固にかつ能率良く砂杭を造成することができる。

なお、当然のことながら本発明の砂杭造成装置は、上述
の実施例にのみ限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

添付図面は本発明に係る砂杭造成装置の一実施例を示し
、第１図は一部破断正面図、第２図は一部破断側面図、
第３図および第４図は第１図におけるＩ−１線断面図お
よびＩＶ−ＩＶ線断面図、第５図はエアハンマの縦断面
図、第６図ａ，ｂはエアハンマの作動状態の説明図、第
７図ａ，ｂ，ｃ，ｄは施工説明図である。 １・・・・・・外ケーシング、２・・・・・・モンケン
、３・・・・・・エアバネ、４・・・・・・内ケーシン
グ、６・・・・・・エアハンマ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 中空上の外ケーシングと、その外ケーシングの上方
   に昇降可能に設けたモンケンと、そのモンケンと前記外
   ケーシングの頂端の間に配設し、前記モンケンを上昇、
   下落させるエアバネまたはジャッキと、上端を前記モン
   ケンに固定し、その他の部分を前記外ケーシング中に垂
   下させた内ケーシングと、その内ケーシングの下端に取
   付けたエアハンマとを備え、前記エアハンマはエアを供
   給することによりハンマが上下動するように構成され、
   前記エアバネまたはジャシキによりモンケンを外ケーシ
   ングの頂端に落下させて外ケーシングを地盤中に打込み
   、前記エアバネまたはジャシキによりモンケンを介し内
   ケーシングを上下動させると共に、前記エアハンマのハ
   ンマを内ケーシングの上下動と独立して上下動させて外
   ケーシング中の砂を締固めながら外ケーシングを除々に
   引き抜き得るように構成したことを特徴とする砂杭成装
   置。 ２ 内ケーシングの上下動のストローク長を大きく取っ
   たことを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の砂杭造
   成装置。