JPS5822857Y2 - ステアリング装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ハウジングと、該ハウジングに回転可能に支
持され且つテーパーギヤとして形成されたセクターを有
するクロスシャフトと、前記セクターに噛合うラックを
備え且つボールネジ軸にボールを介して回転可能に支持
されたポールナツトとヲ有し、クロスシャフトをセクタ
ーギヤの両側直近で支持したステアリング装置に関する
。

自動車が高速走行する際、高速回転するタイヤからの反
力がステアリング装置及びステアリングホイールを介し
て運転者に伝達されるが、この場合、従来周知のクロス
シャフトのセクターギヤ側端部をブツシュ又はニードル
ベアリングで軸支したステアリング装置を介する場合、
該軸受部の微少な隙間のためクロスシャフトはラジアル
力向に僅かながら変位し、ラックとセクターとの噛合い
を初期に設定した通りに長期間維持させることができず
、従って高速走行時、特に直線走行時には自動車の所望
走行方向から外れるようになり、ステアリングホイール
を時折修正する必要が品った。

本考案は上述周知のステアリング装置の欠点を除去する
と共に製作上容易であるステアリング装置を提供するこ
とを課題とする。

上記課題は、本考案にしたがいクロスシャフトをセクタ
ーギヤ側端部をアンギュラ−ボールベアリングで支持す
るとともに、該アンギュラ−ボールベアリングに予圧を
与えることにより解決される。

この本考案による提案に従えば、ステアリング装置の噛
合い剛性を増加させることができるので、中立位置にお
ける噛合いを常に一定に保持させることができるので、
ラックとセクターとの噛合いを初期に設定した状態に長
期間維持することができる。

次に本考案を、実施例を示した図面に従い詳細に説明す
る。

第１図に示しているように、クロスシャフト１はハウジ
ング５にニードルベアリング又はプレーンベアリング１
８により回転可能に支持されている。

ベアリング１８は、ハウジング５に形成した溝に嵌着し
たスナップリング１９によりその位置を保持されている
。

クロスシャフト１はテーパーギヤとして形成したセクタ
ーギヤ１３を備えていて、該セクターギヤ１３はボール
ナツト１５の１個面に形成したラック１４と噛合ってい
る。

ポールナツト１５は一連のボール１６を介してボールネ
ジ軸１１に支持されている。

ボール１６はポールナツト１５に雌ネジ状に形成した溝
と、ボールネジ軸１７に雌ネジ状に形成した溝との間に
配置され、戻し管により循環するように配置されている
。

ボールネジ軸１７は図示していない軸受によりハウジン
グ５に支持されている。

クロスシャフト１０セクタ一側ｉ部１ ａ ハ１ 個の
アンギュラ−ボールベアリング２を備えていて、該アン
ギュラ−ボールベアリング２はクロスシャフト１の軸方
向のスラスト荷°重及びラジアル荷重を受けるように装
着されている。

アンギュラ−ボールベアリング２はアウターレース２ａ
’ａ＝介して調整カバー３に支持され、該調整カバー３
はサイドカバー４にネジ結合されている。

サイドカバー４はボルト２２によりハウジング５に固着
されているが、サイドカバー４のボルト孔はクロスシャ
フト１の心出しのため比較的太きく形成されている。

調整カバー３はその外周に設けたネジに螺合するロック
ナツト９及びロックヲッシャー１０でサイドカバー４に
固定可能である。

クロスシャフト１０セクター側端部１ａにはコッフ状ノ
キャップ状部材６ががしめ等の適宜の手段により固定さ
れていて、該コツプ状部材６の底部にはクロスシャフト
１の軸心にたいして同心の孔が設けられていて、該孔に
はキャップ６とクロスシャフト１との間にボルトヘッド
７ａを挿入する形でボルト軸７を貫通させている。

ボルトヘッド７ａとキャップ６０間にはスペーサー８が
設けられている。

ボルト７は調整カバー３に設けた孔を通じ外方に突出し
ていて、その端部にはナツト１１が螺合されていて、ナ
ツト１１は封印板１２により固定されている。

クロスシャフト１０セクターとは逆側ハウジング５から
突出した端部にはテーパーセレーション２１が形成され
、該セレーション２１を介してピットマンアームが固定
される。

アンギュラ−ボールベアリング２の替りにテーパーロー
ラーベアリングを用いてもよい。

本考案によるステアリング装置の組立を次に説明する。

ハウジング５に、先ずボール１６を介してポールナツト
１５を備えたボールネジ軸１７を軸受する。

次いで、アンギュラ−ボールベアリング２、調整カバー
３、サイ「カバー４等を取付けてクロスシャフト１を、
ポールナツト１５のラック１４とクロスシャフト１のセ
クターギヤ１３とが噛合うようにハウジング５に挿入さ
れる。

ここでクロスシャフト１は軸受１８により回転可能に支
持される。

この軸受１８の回転中心と、クロスシャフト１のセクタ
ー側端部に設けたアンギュラ−ボールベア９フフ２０回
転中心とが一致するように、サイドカバー４がハウジン
グ５に固定される。

次いで調整カバー３をネジ込み、ステアリングの中立位
置でバンクラッシュが零となるようにラック１４とセク
ターギヤー１３との噛合いを調整する。

アンギュラ−ボールベアリング又はテーパーローラーベ
アリングは予圧を与えることによって中心を保持するが
、通常は２個のベアリングをセットとして組合せ両側に
荷重を与えることにより予圧を掛けるようにしているが
、本実施例の装置では１個のアンギュラ−ボールベアリ
ング２をクロスシャフト１と調整カバー３の間に設け、
クロスシャフト１の先端をボルト７とナツト１１とによ
り調整カバー３に対して引張ることにより、該ベアリン
グに予圧を与えることを可能としている。

上述の如く、クロスシャフト１０セクターギヤ側端部１
ａを軸支するアンギュラ−ボールベアリングのボールと
クロスシャフト及びアウタ−レース２ａ側軌道面との間
に適度の予圧が与えられることによりラジアル方向には
全く隙間がなくなり、クロスシャフトのラジアル方向の
変位は完全に防止される。

その結果、ラック１４とセクターギャ１３との噛合を初
期に設定した通り長期間維持でき、第２図の曲線Ａで示
しているように本考案によって構成されたステアリング
装置は／・ンドル主軸の初期設定起動トルクを１５．５
に５７ｚに設定した場合に、例えば１５万馳走行後でも
３割程度しか低下しない。

これに対し、従来周知のステアリング装置では曲線Ｂで
示しているように初期設定起動トルクを同様１５．５に
７−ＣＷｌ程度に設定した場合、１万勉走行後にはその
値をはマ半分に減少させている。

この様に本考案によるステアリング装置は長期間使用後
でもその性能は低下せず、従つて、ステアリング装置を
原因とする自動車の走行、特に直線走行不安定をなくす
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案によるステアリング装置の一実施例を示
す縦断面図であり、第２図は本考案によるステアリング
装置と従来のものとの自動車の走行キロに対する起動ト
ルクの比較曲線を示している。 １・・・・・・クロスシャフト、５・・・・・・ハウジ
ンク、１３・・・・・・セクターギヤ、１４・・・・・
・ラック、１６・・・・・・ボール、１５・・・・・・
ポールナツト。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）ハウジングと、該ハウジングに回転可能に支持さ
   れ且つテーパーギヤとして形成されたセクターギヤを有
   するクロスシャフトと、前記セクターギヤに噛合うラッ
   クを備え且つボールネジ軸にボールを介して回転可能に
   支持されたボールナツトとを備え、クロスシャフトをセ
   クターギヤの両側直近で支持したステアリング装置にお
   いて、クロスシャフトのセクターギヤ側端部を包囲して
   調整カバーをクロスシャフトと同じ軸線上に軸方向に位
   置調整可能に上記・・ウジングに螺合して設け、クロス
   シャフトのセクターギヤ側端部を上記調整カバーと該ク
   ロスシャフトとの間に設けた１個のアンギュラ−ボール
   ベアリングで支持するとともに、前記調整カバーにたい
   しクロスシャフトを引張るボルトをクロスシャフトの先
   端に回転自在に設け、該ボルトによりクロスシャフトを
   調整カバーに対して９張ることにより、該ベアリングに
   予圧を与えたことを特徴とするステアリング装置。
2. （２）前記のクロスシャフトを引張るボルトを該クロス
   シャフトに対して回転自在とするための手段としてクロ
   スシャフトのセクターギヤ側端部にコツプ状のキャップ
   が被せられていると共に固定され、該キャップの底部に
   設けた孔を通して上記の引張りボルトの軸を貫挿し該ボ
   ルトのヘッドを該キャップとクロスシャフトとの間に挿
   入していることを特徴とする実用新案登録請求の範囲第
   １項に記載のステアリング装置。