JPS5822516Y2 - 果実保鮮用保湿カバ− - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は果実保鮮用保湿カバーに関し、特に柑橘類の簡
易貯蔵庫での使用に適する果実保鮮用保湿カバーに関す
る。

貯蔵中の柑橘類の目方は、当然の事ながら減少し、一般
に目減りと云われている。

貯蔵中の柑橘類は、生活作用を営んでいるため、糖や酸
が分解されて消耗したり、又、果実中の水分が蒸散して
失なわれ、これが目減りとなって現われる。

目減りは、果実の外観、内容、品質に関連しており、市
場価値が下がる。

果実の目減りを防いで市場価値を保持するためには、適
度の換気があり水分を蒸散させないように保存しておく
のが望ましい。

従来、柑橘類においては、木造の本貯蔵庫、冷房装置を
備えた長期保存可能な低温貯蔵庫、設備費が安価で建設
容易な簡易貯蔵庫等による保鮮か一般に行なわれている
。

そのうちでも、普通、農家等では経済的な簡易貯蔵庫が
比較的普及している。

簡易貯蔵庫は、床にコンクリート、骨組に軽量鉄骨、屋
根と壁にスレート等がそれぞれ用いられ、少人数で組立
、解体、移動等ができるという利点があり、又、窓を備
え換気や排気は考慮されているが、湿度等は考慮されて
いないため、実際に貯蔵するときには、柑橘類を収納し
ているケースの周囲に水を散布したり、湿めった新聞紙
を上面に被せたりしなげればならず煩雑な手間を要する
欠点があった。

本考案は、柑橘類等の簡易貯蔵庫での保鮮に手間がかか
らず、しかも、充分な保鮮効果が得られるようにするこ
とを目的とするものであり、柑橘類等を収納したケース
の上面と一部側面を同時に覆いうるプラスチックス性カ
バーで湿分を調整しその目的を達成しようとするもので
ある。

その構成について、更に詳しく説明すれば、第１図及び
第２図に示すように、二辺１，１が開放２．２され他の
二辺３，３が密封４，４され開放された二辺１，１間に
は適宜数の上下面を融着する融着線５を有し密封された
二辺３，３間には一本の融着線５を有するプラスチック
ス製袋体６と、該袋体６の辺１，１，３，３中の適宜辺
に付着７されている適宜数のプラスチックス製帛体８と
よりなり、該袋体６の上下面には孔部９が多数穿設され
ているものである。

尚、上記第１図及び第２図は、開放２，２されている二
辺１，１間の融着線５は一本であり、辺１、 １． ３
．３の何れかに付着７されるプラスチックス製帛体８は
一枚であるが、第３図及び第４図に示すように、開放２
，２されている二辺１゜１間の上下面を融着する融着線
５は二本でもよいし、第５図及び第６図に示すように、
辺１，１゜３，３の何れかに付着７されるプラスチック
ス製帛体８は二枚でもよい。

このような本考案の果実保鮮用保湿カバーの使用例及び
その作用について、第５図及び第６図に示す果実保鮮用
保湿カバーを用いて説明する。

先ず、プラスチックス製袋体６の開放２，２された二辺
１，１より保湿材、例えば湿めった新聞紙等１０を挿入
する。

この果実保鮮用保湿カバーを四枚用意し、第７図に示す
ような簡易貯蔵庫（図示せず）中の子指済みの柑橘類を
収納した全面通気性のケース１１の積み重ね体上面１２
に、プラスチックス製帛体８が該積み重ね体の側面１３
の上部を覆うように載置する。

このような状態において、本考案の果実保鮮用保湿カバ
ーは、プラスチックス製袋体６中の保湿材１０（もし、
使用中乾燥したら上面より散水して常時保湿程度を一定
に保つことができる。

）によって孔部９を通してケース１１中の柑橘類に水分
を付与し、しかも、温度が上り易く柑橘類の水分が蒸散
し易いケース１１の積み重ね体の側聞３上部をプラスチ
ックス製帛体８が覆っているので、柑橘類の水分蒸散を
相当程度防止することができ、一方、保湿材１０は三辺
が密封されている袋体中に挿入されているので、作業中
に脱落したり、動いたすせず確実に保持され、作業に手
間がかからずきわめて能率的である。

このように、柑橘類の水分蒸散を抑制するにはケース１
１の積み重ね体の側面１３上部を覆うのみでなく、ケー
ス１１の積み重ね体の全側面を覆った方が効果的である
が、反面、柑橘類の呼吸により発生した炭酸ガスがケー
ス１１内部に蓄積し、柑橘類が窒息する危険がある。

本考案では、ケース１１の積み重ね体の上面と上方の一
部側面即ち、積み重ね体側面１３上部のみを覆うので、
空気より比重の大きい炭酸ガスは下方から散逸してこめ
ような危険がなく、ケース１１内の柑橘類は上部を除い
て各柑橘類が他の柑橘類によって取り囲まれ覆われてい
る状態なので、水分の蒸散は抑制されており、従って、
ケース１１の積み重ね体の上面及び上方の一部側面１３
のみを覆うことで柑橘類の水分蒸散を抑制する効果を発
揮するものである。

プラスチック袋体６中の上下面に穿設する孔部９は、散
水により袋体６の中に挿入された保湿材１０に水分を補
給し、また保湿材１０からケース１１の内部へ湿分を通
すために目的に合った適宜の大きさ、間隔、数が選ばれ
、袋体６の上下面で必ずしも同じ状態であることを要し
ない。

保湿材１０との関連にもよるが、水分吸収性のやや劣る
保湿材などの場合には袋体６の上下面の孔部９の位置が
合致しないようにずらした方がよい。

プラスチックス製袋体も中に挿入する保湿材１０として
、含水率を予め調整した高吸水性アクリル酸系重合体架
橋物（自重の数倍〜数百倍の水分を吸収し又は蒸散する
ことができ、工定の湿度に保ちうる。

）を利用すれば、該架橋物は、水分を強制的に吸収する
ことができるので、子指を実施していない柑橘類をその
ままケース１．１中に収納しても、貯蔵初期の段階で子
指と同じ作用を柑橘類に及ぼし、通常実施されているよ
５な子指作業が不要であり、より一層手間が省ける。

尚、水分の蒸散量が少ない果実の場合には、第１図及び
第２図に示すようなプラスチックス製帛体８がブ枚のも
のを使用し、ケース１１の側面１３の上部を半分覆って
保鮮することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の果実保鮮用保湿カバーの一実施例を示
す斜視図、第２図は第１図！７）Ａ−Ａ線縦断面図、第
３図は他の実施例を示す斜視図、第４図は第３図のＢ−
Ｂ線縦断面図、第５図は更に他の実施例を示す斜視図、
第６図は第５図のＣ−Ｃ線縦断面図、第７図は第５図及
び第６図の果実保鮮用保湿カバーを四枚使用して柑橘類
を収納した１２個のケースを覆っている状態を示す斜視
図であり、図中１０は保湿材、１１は柑橘類を収納した
全面通気性のケース、１２は積み重ねられたケース１１
の上面、１３はその側面を表わす。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 二辺１，１が開放２，２され他の二辺３．３が密封４，
   ４され開放された二辺１，１間には適宜数の上下面を融
   着する融着線５を有し密封された二辺３，３間には一本
   の上下面を融着する融着線５を有し密封された二辺３，
   ３間には一本の上下面を融着する融着線５を有するプラ
   スチック製袋体６の四辺１．１．３，３中の適宜辺に付
   着７されている適宜数のプラスチック製帛体８とよりな
   う、該袋体６の上下面には孔部９が多数穿設されている
   果実保鮮用保湿カバー。