JPS5822507Y2 - 脱穀機のわら屑巻付防止装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は脱穀機において扱き胴軸にわら屑か巻付くのを
防止する装置に関するものである。

自動脱穀機および自脱型コンバインの脱穀機は、扱き室
内で回転して殻稈を脱穀する扱き胴を備えており、この
扱き胴は、扱き室の両側側板に摩付けられた軸受に軸支
されている。

そして、脱穀時には穀粒とともに多くのわら屑・穂切れ
・かぎ又等の処理物が発生して扱き室内に充満し、これ
らの処理物は扱き胴の周面に螺旋状に配設された扱き歯
によって扱き室内を扱き胴の軸方向に移送されテソの終
端部の排塵口から排出される。

ところで、この処理物は主として扱き室の入口近傍で多
く発生するものであり、このうちのわら屑が扱き胴と扱
き室側板との間の扱き胴軸に巻付いて扱き胴の回転を阻
止することかあるので、従来からここにわら層巻付防止
装置を設けてこれを防止していた。

ところが、従来の装置は、第１図に示すごとく小幅で有
底円筒状の防止板１を、扱き胴２の端面に立縁部を対接
させて扱き室側板３に取付けたものであって、防止板１
が側板３に接する箇所にくさび状の曲げ８部４が形成さ
れていたので、この曲げ８部４にわら屑が巻付き、作業
の進行とともにとのわら屑がくさび作用によって曲げ８
部４を押し拡げて行って次第に奥深く巻き付けられると
いう不具合が発生していた。

本考案は以上のような点に鑑みなされたもので、扱き室
の入口側側板に形成した膨出部にそ○内周面と嵌合する
巻付防止体を取付けることにより、扱き室側板と巻付防
止体との間にわら屑が侵入するのを防止して脱穀効率の
向上を計った脱穀機のわら層巻付防止装置を提供するも
のである。

以下、その構成等を図に示す実施例により詳細に説明す
る。

第２図および第３図は本考案に係るわら層巻付防止装置
を示し、第２図はこれを実施した脱穀機の縦断面図、第
３図はおなじく要部の拡大断面図である。

図において、脱穀機１１のフレーム１２は、扱き室１３
とその下方にあって選別装置を収納する選別室１４とに
よって一体的に形成されている。

そして扱き室１３０入口側側板１５と出口側側板１６の
外側にはそれぞれ軸受１７．１８が取付けられており、
これには駆動プーリ１９によって駆動される扱き胴軸２
０か軸支されている。

また、この扱き胴軸２０には、円筒状に形成されて周面
に多数の扱き歯２１を螺旋状に配設した扱き胴２２が軸
着されており、その扱き室１３人口側端板は、扱き胴２
２の内部へ向って膨出されて扱き胴２２と同心円形状の
凹陥部２３が形成されている。

そして、扱き室１３０入口側側板１５は、この凹陥部２
３よりもや＼小径をもって扱き胴軸２０と同心法に外方
へ向って膨出されている。

一方扱き胴軸２０上の扱き胴２２と扱き室１３人口側側
板１５との間には、扱き胴軸２０と同心の有底円筒状に
形成された巻付防止体としての防止板２４が嵌装されて
いて、その底面が入口側側板１５の膨出部２５底面に螺
着されている。

またこの防止板２４の底部側外周面は、膨出部２５の内
周面と嵌合されており、立縁側外周部は前記扱き胴２２
の凹陥部２３に嵌合されている。

そして、扱き胴２２の下方には脱穀された穀粒を下方の
選別室１４へ漏下させる扱き室受網２６が張設されてお
り、また選別室１４内の選別装置は、選別網２７とスト
ロランク２８とを備えて揺動する揺動棚２９と、との揺
動棚２９内へ選別風を送風する唐箕３０と、この唐箕３
０に並設されて穀粒および２番物をそれぞれ移送する１
番螺旋コンベア３１および２番螺旋コンベア３？と、２
番物を扱き室１３へ還元させる２番揚穀機３３と、軽い
わら屑等を吸引して機外へ排出する吸引ファン３４等に
よって構成されている。

以上のごとく構成された脱穀機において、扱き胴２２０
回転によって脱穀された穀粒は、扱き室受網２６の網目
を通って選別網２７上に落下し、その揺動と唐箕３０の
送風によって選別されたのち、１番螺旋コンベア３１に
よって移送回収される。

一方、脱穀時には多数のわら屑・穂切れ・かぎ又等の処
理物が発生し、この処理物は一部の穀粒とともに扱き歯
２１によって扱き室１３内を扱き胴２２の軸方向に移送
される。

そしてこの処理物は、扱き室１３０入口近傍において多
く発生し、このうち主としてわら屑が扱き胴軸２０へ巻
付こうとするが、線部には防止板２４が嵌装されていて
その外周部が扱き室２０側板１５に設けられた膨出部２
３と嵌合しており、そこには扱き胴２２の回転によって
わら屑、６４い込む方向の間隙が形成されておらず、し
かも防止板２４が非回転体であるかられら屑が侵入した
り扱き胴軸２０に巻付いたりすることがない。

そして、移送された処理物と一部の穀粒とは扱き室１３
終端部の排塵口からストロランク２８上に落下して移送
される間に、穀粒の一部が回収され、わら屑や塵埃等が
機外へ排出された結果、残った排塵物はいわゆる２番物
となって扱き室１３へ還元されて選別が繰返される。

以上の説明により明らかなように、本考案によれば脱穀
機において、扱き室の人口側側板に扱き胴軸と同心円状
の膨出部を設けるとともに、扱き胴軸に嵌装した巻付防
止体をこの膨出部に嵌合させて取付けることにより、扱
き室側板と巻付防止体との間にわら屑が喰込む方向の曲
げＲ部が形成されることがないので、脱穀時に発生した
わら屑等が扱き胴軸および巻付防止体に巻付けられるこ
とがなく円滑に移送されて脱穀効率が向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のわら胴巻付防止装置の断面図、第２図お
よ、び第３図は本考案、に係る脱穀機のわら胴巻付防止
装置を示し、第２図はこれを実施した脱穀機の縦断面図
、第３図はわら層巻付防止装置要部の断面図である。 １１・・・・・・脱穀機、１３・・・・・・扱き室、１
５・・・・・・入口側側板、２０・・・・・・扱き胴軸
、２４・・・・・・防止板、２５・・・・・・膨出部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 扱き室の入口側側板を扱き胴軸と同心円状に外方へ向っ
   て膨出させるとともに、この膨出部の内周面に嵌合する
   巻付防止体を膨出部の底面に取付けたことを特徴とする
   脱穀機のわら層巻付防止装置。