JPS58219387A - 耐火物炉壁の補修方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は耐火物炉壁の補修方法たとえば転炉の耐火物炉
壁の補修方法に関する。

一般に、転炉の耐火物炉壁の損傷機構は非常に複雑で、
炉内の位置により損耗速度に大きな差がある。そこで、
炉内各位置の損耗速度に合わせてライニングを強化する
方法が採られている。ところが、転炉の操業条件は炉代
毎に変動があり溶損パターンは必らずしも一定でないた
め、上記方法のみによシ損耗に対応することは不可能で
ある。さらに詳細に説明すると、転炉の耐火物炉壁は、
−炉代稼動後常に取り替えるウェアライニング層、数炉
代または数年に亘って使用されるパーマネントライニン
グ層および鉄皮から構成される。近年、炉壁の寿命特に
−炉代の寿命を長く保つために、Ｍｇ０−Ｃを添加して
耐食性を増加した塩基性耐火物を転炉炉体に用いること
が広く行なわれている。このような場合にも、炉壁の損
傷を常にウェアライニング層内にとどめるように操業す
ることは実際上不可能であり、たとえば製鋼時に生じる
スラグ侵食、スクラップ装入時に発生する機械的損耗、
熱変化の著しい部分で発生するスポーリング等により、
局部的にパーマネントライニング層まで損傷されること
が起る。局部的な損傷を受けると、それがウェアライニ
ング層のみの場合（図面Ｘ線）であってもパーマネント
ライニング層に及ぶ場合（図面Ｙ線）であっても、損傷
バランスのとれた操業を続けるために熱間補修、中間補
修により損耗部にタール・ピッチ系の耐火材を吹き付け
ることが行表われる。しかしながら、炉寿命（出鋼回数
５００〜３０００回／炉代）末期に々ると、ウェアライ
ニング層の残存寸法は５０〜１００關程度になり、熱変
化による膨張、収縮により円周方向に対して煉瓦間の迫
り力がなくなり、部分または広範囲に亘り脱落が発生す
る。このよう々場合、通常、ウェアライニング層につい
ては全面取替えを行なうが、パーマネント層については
損耗の小さい場合には間隙にタール・チップ系のスタン
プ材または目地４Ａ’　ｆ、充填１〜、損耗の著しい場
合（通常、残存寸法が原形・ｊ法の約１／２程度になっ
た場合）に全面取替えを行なうのが一般的であり、補修
に多額の費用を要していた。一方、パーマネントライニ
ング層の取替え時期は遅い程経済的には有利であるが、
残存ライニングが小さい部分での溶鋼流出事故も発生し
ており、取替え時期の判定と寿命の判断は非常に困難で
あった。

壕だ、上記したように従来は熱間補修用の補修材、目池
月ともにタール・ピッチ系のものが使用されているが、
タール・ピッチ系のものでは高熱によりタール分が揮発
すると、砂状となり強度および接着性がなくなってし捷
うので、補修の効果が永続しなかった。さらに、流動性
に劣るため小さい間隙の部分に充填できず、完全な施工
ができない欠点がある。このため、特に最近のようにＭ
ｇ０−Ｃ煉瓦を使用する場合には、煉瓦間の溶着性が乏
しいため、残存寸法が小さくなると脱落が一層はげしく
なる。さらに、従来のものでは、煉瓦間の目地から地金
が侵入するのを防ぐことができず、溶鋼流出事故が発生
し易い欠点があった。

そこで、本発明は一ト記従来技術の欠点に鑑みて成され
たもので、本発明の目的は、残存パーマネントライニン
グ層を有効に活用し補修費の低減を図ると共に、ウェア
ライニング層とパーマネントライニング層または鉄皮と
を強固に接着させて煉瓦の脱落を防止し、かつ、不定形
の一体構造を形成して地金侵入を防止することができる
耐火物炉壁の補修方法を提供することにある。

すなわち、本発明は、所定位置に新らたに構築したウェ
アライニング層と鉄皮捷たは残存パーマネントライニン
グ層との間隙に、塩基性耐火材を主材とし該耐火材に熱
硬化性樹脂およびラクトン類を添加した充填材を流し込
んで、上記間隙に一体構造の耐火材層を形成し、該一体
構造の耐火材層を介して上記ウェアライニング層と鉄皮
またはパーマネントライニング層とを接着させることを
特徴とする。

本発明に使用する充填材は、塩基性耐火材を主材とし、
これに熱硬化性樹脂およびラクトン類を添加して調製さ
れるもので、常温硬化性を有し、施工性が良好で、常温
から高温までの接着性を有する。

充填材の主材となる塩基性耐火材は、電融マグネシア、
焼結マグネシア等の各種マグネシア耐火制、安定化ドロ
マイト、合成ドロマイト等の各種ドロマイト耐火材等の
１種または２種以」二であり、さらにこれらに黒鉛、炭
化ケイ素等の炭素質物質の粉状捷たは粉状物を併用した
ものが好ましい。

充填材に添加する熱硬化性樹脂としては、フェノール、
フラン、エポキシ、メラミン等の各種樹脂やヘキサメチ
レンテトラミンを添加することによって熱硬化性となる
熱可塑性樹脂等が使用し得るが、フェノール樹脂および
フラン樹脂が特に好ましい。

これらの樹脂は、１種または２種以上を組み合わせて使
用してもよく、さらに熱可塑性樹脂、ピッチ、樹脂状ピ
ッチ、有機溶剤などを組み合わせて使用することもでき
る。

熱硬化性樹脂の使用量は、塩基性耐火材に対して５〜３
０重量係、好捷しくけ７〜２５重量係である０熱硬化性
樹脂の量が５重量係に満たない場合には、接着性が不足
したりカーボンボンドが十分生成し々いため、得られた
施工体の強度が不十分となる０３０重量係を超える場合
には揮発分が多くなって熱処理後の施工体の物性や面Ｊ
食性が低下して好１しくない。

充填材にさらに添加するラクトン類としては、β−プロ
ピオラクトン、γ−ブチロラクトン、テトロン酸、ピバ
ロラクトン等があり、これらを１種棟たは２ｆＩＩｉμ
上組み合わせて使用する。

ラクトン類の使用量は、１制火材に対して２〜２０重覇
係、軽重しくに３〜１８重計係である。

２重量係未満の場合には熱硬化性樹脂の常温硬化性を十
分に発揮できず、長い硬化時間を必要とし、また硬化後
の強度あるいは加熱時の施工体の保形力が不足する。２
０重量係を超える場合には得られる施工体の物性や耐食
性が劣り、好ましくない。

充填材の各成分は、使用に先立って例えばモルタルミキ
サー等により約′３〜５分間混練される。上記各範囲の
使用量で調製される充填材は通常２〜３時間の作業可能
時間を有し、硬化に（７） は約１０〜２０時間を要する。したがって、炉内のウェ
アライニング築造作業の進行状態に合わせて適宜充填材
を調製するようにすればよい。

なお、ここで作業可能時間とは、ＪＩＳＲ５２０１に定
められたモルタルフロー試験器を使用し、混練後一定時
間毎に７リーフロー値を測定し、その値が１５０　ｙｎ
ｍ以上を示すまでの時間である。

また硬化時間は混練後流し込み施工した試料の硬度を新
来工業製のグリーンハードネステスターを使用して測定
し、その値が８０以上を示す壕での時間である。

なお、本発明に使用する上記特定の充填材は、合成ドロ
マイト等の消化性耐火材に対しても使用することができ
るものである。

次に、本発明による転炉の補修方法を図面に基いて説明
する。

まず、−炉代使用後のウェアライニングの残存分を除去
した祐、炉底部Ａに煉瓦積みを行ないパーマネントライ
ニング層１ａを形成する。

次いで、鋼浴部Ｂおよび炉腹部Ｃの各側壁に残（８） 存するパーマネントライニング層１ｂはそのままにして
、その内側に、築造後の内径寸法が所定のものとなるよ
うに側壁部の煉瓦積みを行なってウェアライニング層２
ａを形成する。この時、パーマネントライニング層１ｂ
はたとえば図面においてＹで示すように溶損を受けてい
るので、上記所定位置に新らたに築造されたウェアライ
ニング層２ａと残存パーマネントライニング層１ｂとの
間には必らず間隙４が生じる。

そこで、本発明の補修方法では、先に特定した塩基性耐
火材を主材とし該耐火材に熱硬化性樹脂およびラクトン
類を添加して調製した充填材３を上記間隙４に流し込む
。１回の流し込み深さは、作業性の観点から見れば５０
０〜１０００ｍｍ程度が好ましい。したがって、好適な
実施態様としては、ウェアライニング層を５００〜１０
００ｍｍ築造毎に上記充填材３を流し込む作業を行なう
。この流し込み作業において、必要であればたとえば棒
状バイブレータを使用してより円滑かつ容易に充填させ
るようにしてもよい。

上記のようにして、転炉の鋼浴部Ｂおよび炉腹部Ｃ１さ
らには絞り部りおよび炉口部Ｅの炉壁が補修される。す
なわち、パーマネントライニング層１ｂの溶損部を補填
するとともに、ウェアライニング層２ａとパーマネント
ライニング層１ｂを強固に接着させ、かつウェアライニ
ング層２ａとパーマネントライニング層ｌｂ間の間隙４
に不定形一体構造の耐火材層を形成することにより、ウ
ェアライニング層の煉瓦の目地から地金が侵入するのを
防止する。

転炉炉体の絞シ部りおよび炉口部Ｅでは、温度変化が激
しく、ライニングを構成する煉瓦は膨張、収縮を繰シ返
えすことになるが、操業時の損耗等によシ残存量が少な
くなると煉瓦間の迫シカがなくなり、傾斜配置されてい
るところから特に脱落が発生し易い。実際、この傾斜部
における脱落が炉寿命に大きな影響を与えることも多い
。

そこで、本発明はさらに、特に絞り部りにおいて、鉄皮
５にスタッド６を設け、鉄皮５とつエアライニング層２
ｂとの間に直接上記充填材３を流し込むことを提案する
。この方法によると、不定形一体構造の耐火物で鉄皮５
内表面を被覆するとともに、ウェアライニング層２ｂを
鉄皮５と強固に接着させ、ウェアライニング層２ｂを構
成する煉瓦の抜は落ちをさらに有効に防止することがで
きる。

本発明によれば、流動性に優れた充填材を使用している
ため、狭い間隙まで十分施工することができ補修効果を
高めることができるとともに、施工が容易となり施工時
間は従来方法に比べて約１／４程度に短縮することがで
きる。さらに、一体構造の嗣人材層を形成することがで
きるので、地金の侵入を防止することができる。

壕だ、溶損により残寸の少なくなったパーマネントライ
ニング層を取替えることなく、そのまま再使用すること
ができるので、施工が簡便になると同時に、補修費が大
幅に低減される。さらに、施工後常温において接着性お
よび保形性に優れた充填材を使用しているため、炉稼動
前１ ｔ　　　　　　　） の振動等による煉瓦のずれがなくなり、これに起因する
煉瓦の抜は落ちが防止できる。寸だ、高温においても接
着性および保形性に優れ、強固で高配食性の酬火物層を
形成することができるので、ウェアライニング層の残寸
が少なくなっても煉瓦の抜は落ちがなく、吹付は補修を
低減することができ、さらにウェアライニング層が損耗
されても使用に耐えるので炉寿命を延長することができ
る○さらに、常温硬化性のレジンボンドを有する不定形
耐火物層が形成されるので、ウェアライニング層の煉瓦
の熱膨張を吸収し、スポーリングを防止することができ
る。

なお、上記の説明では本発明を転炉に適用する場合につ
いて説明したが、本発明は転炉に限らず、他の耐火物炉
壁の補修にも適用することができる。

次に、本発明の効果を実施例により説明する。

粒度調整したＲ／ＩｇＯ，，８８重量係とグラファイト
８重量係に対して、液状レゾール型フェノール樹脂（粘
度９０ｃｐ、ｐＨ６，８）８０重ｔ％β・プロ（１２） ビオラクトン２０重敗係を添加し、モルタルミキザーで
約３分間混練して充填材を調製した０７０を転炉におい
て、−炉代使用後のウェアライニング層を撤去した後、
新らたに所定位置にウェアライニング層を築造しながら
、鋼浴部および炉腹部におけるウェアライニング層と残
存パーマネントライニング層間の間隙に、上記充填拐を
流し込み、同（子に絞シ部における鉄皮とウェアライニ
ング層間に充填材を流し込んだ。

充填４′Ａの使用１計は４．２ｔであった。

」二記のようにして補修した転炉を１１０日間稼働させ
た０炉回数（寿命）は１５８２回であったＯ 稼動終了後の炉内状態を調べたところ、上記充填材によ
り形成された一体構造物は全般的に施工時とほとんど変
化のない状態で残存しており、最大残存厚みは１６０ｍ
ｍあった。捷だ、パーマネントライニング層への付着は
強固であった。

上記充填材の一体構造物の物性を調べたところ、操業時
のウェアライニング層の熱膨張等による圧縮で、下表に
示すように施工時に比べ却って物性値が向上しているこ
とが判った。

この補修方法によシ、パーマネントライニング用煉瓦の
使用量を平均２５ｔから７ｔにまで減少することができ
た。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明に係る耐火物炉壁の補修方法により施工さ
れた炉壁構造を示す説明図である。 ｌａ、ｌｂ・・パーマネントライニング層２ａ、２ｂ・
・ウェア１ライニング層 ３・・充填材　４・・間隙　５・・鉄皮　６・・スタッ
ド　Ａ・・炉底部　Ｂ・・鋼浴部　Ｃ・・炉腹部Ｄ・・
絞り部　Ｅ・・炉口部　Ｘ、Ｙ・・−炉代使用後のライ
ニング残存線 （１５）

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）所定位置に新らたに構築したウェアライニング層
   と鉄皮または残存パーマネントライニング層との間隙に
   、塩基性耐火材を主材とし該耐火材に熱硬化性樹脂およ
   びラクトン類を添加した充填材を流し込んで１、上記間
   隙に一体構造の耐火材層を形成し、該一体構造の耐火材
   層を介して上記ウェアライニング層と鉄皮まだはパーマ
   ネントライニング層とを接着させることを特徴とする耐
   火物炉壁の補修方法０