JPS5821935Y2 - 推進軸のカツプリングに於ける潤滑装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は駆動軸と従動軸とを連結する特に前輪駆動又は
四輪駆動トラクタにおけるカップリングの潤滑装置に関
する。

周知のように、前輪駆動又は四輪駆動トラクタにあって
は、前輪を駆動すべくギヤボックス側のＰＴＯ軸とデフ
ケース側のベベルピニオン軸トヲ、推進軸によりカップ
リングを介して連結し、この推進軸に例えば草等が巻付
くことを防止するため、該推進軸の外周をカバーにより
被覆している。

ところが、この従来例によれば、前記カップリングに潤
滑装置が設げられていないため、該カップリングが錆を
発生して推進軸の分解組立を困難とし、或いは同様にカ
ップリングと推進軸との間で酸化摩耗を生じる問題があ
る。

本考案は上記問題を解決すべくカップリングの潤滑装置
を提供することが目的であり、従ってその特徴とする処
は、前輪を駆動すべ（ギヤボックス側の駆動軸とデフケ
ース側の従動軸とを、これら両軸にスプライン嵌合する
カップリングを介して連結し、これら両軸及びカップリ
ングの外周をカバーにより被覆してなるものにおいて、
前記カップリングの中間部で半径方向にグリス浸入孔を
開設し、カップリングを軸方向から挾むように、係止具
を介し、各軸に仕切壁を外嵌係止し、該仕切壁とカバー
両面と、カップリング外周面とでグリス滞留室を形成し
た点にある。

以下図面に基いて本考案実施例を詳述すると、１はトラ
クタ機体の一部を構成する□ツションヶースで、機体前
部に搭載されたエンジンの動力をギヤミッション等を介
して後輪に伝動する。

このミッションケース１の下腹部にはギヤボックス２が
着設され、このギヤボックス２に軸受３，４を介して細
別したＰＴＯ軸５に摺動自在にギヤ６が設けられ、該ギ
ヤ６は後輪駆動系のギヤ７に対して選択的に噛合可能で
ある。

前記ＰＴＯ軸５は先端にスプライン３を刻或し、ギヤボ
ックス２の前方に臨出している。

９はテフケースで、左右前輪の略中央部に設けられ、該
デフ装置の一部を構成するベベルピニオン軸１０の後端
にスプラインを刻成し、該スプラインをデフケース９の
後方に臨出している。

このベベルピニオン軸１０と前記ＰＴＯ軸５とはカップ
リング１１，１２を介して推進軸１３により連結されて
おり、従ってギヤ６とギヤ７を噛合させると、後輪と同
調して前輪が駆動されることになる。

１４は板金製の筒状カバーで、推進軸１３の全長外周を
被覆し、該カバー１４の先端をデフケース９の開口部に
、後端をギヤボックス２の開口部に夫々挿着している。

図例ではＰＴＯ軸５側のカップリング１２に潤滑装置を
設けたものであり、この場合、ＰＴＯ軸５がギヤボック
ス側の駆動軸であり、これに対し、推進軸１３がデフケ
ース側の従動軸であって、第２図にその拡大図を示して
いる。

同図に於て、１５゜１５は円板状の仕切壁で、略中心部
に前記ＰＴＯ軸５のスプライン８又は推進軸１３のスプ
ライン１６に適合する溝付孔１７を開設し、該溝付孔１
７を介して両仕切壁１５，１５をカップリング１２０両
端面に位置させて、該カップリング１２を軸方向から挾
むように、該カップリング１２により連結された各軸に
外嵌し、前記スプライン８，１６に適合する止め輪１８
，１８により挾持状に固定している。

従ってこの仕切壁１５，１５によって、カバー１４の内
面且つカップリング１２の外周域にはグリス滞留室１９
が形成されている。

筐たカップリング１２の略中央半径方向に適数個のグリ
ス浸入孔２０が開設され、該グリス浸入孔２０が推進軸
１３及びＰＴＯ軸５０対向端面に臨むようされており、
このグリス浸入孔２０に対応するカバー１４の周面にグ
リス滞留室１９と連通自在なグリスニップル２１が挿着
されている。

本考案によれば、グリスニップル２１よｌｌバー１４の
内部にグリスを注入することにより、グリスをグリス滞
留室１９に滞留させることができる。

従って推進軸１３の回転に伴なって、グリスはグリス浸
入孔２０よりカップリング１２の内面に浸入し、更にＰ
ＴＯ軸５と推進軸１３のスプライン８，１６に供給され
る。

このためカップリング１２とＰＴＯ軸５及び推進軸１３
０間に常にグリスによる油膜が形成されており、従来の
如くカップリング１２の発錆による推進軸１３０分解組
立に困難を伴なうことはなく、シかもカップリング１２
とＰＴＯ軸５又は推進軸１３との酸化摩耗を生じること
はない。

しかも、カップリングにより連結された各軸に仕切壁１
５，１５を外嵌してグリス滞留室１９を形成したことか
ら、カップリング、推進軸１３及びこれを被覆するカバ
ー１４を有する従来構成に、グリス滞留室１９を形成す
ることは、単に仕切壁ｉｓ、ｉｓを各軸に外嵌すること
で達成でき、従って、従来構成に対する本考案の適用も
極めて容易であり、有益である。

また、仕切壁１５，１５は軸に外嵌されているから、例
えば、形成されたグリス滞留室１９からカバー１４を取
り去ると、両仕切壁１５，１５及びカップリング外周面
とで囲繞される空間部が外方に開放されることとなるた
め、該空間部に残留する古いグリースの交換、清掃が容
易になされることとなり、メンテナンス上も有益である
。

更に、グリス浸入孔２０はカップリングの中間部で半径
方向に開設されたため、この浸入孔２０により浸入する
グリスは軸方向左右に振り分けられてスプライン部を潤
滑することとなり、よって、両軸に対する潤滑ができる
だけ均等に達成されるのであり有益である。

尚、本考案が図示の実施例に限定されないこと勿論で、
例えば図例の潤滑装置をベベルピニオン軸側のカップリ
ングに設けること等は自由である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１実施例を示す推進軸の破断正面図
、第２図は同要部断面図である。 ５・・・・・・ＰＴＯ軸、１０・・・・・・ピニオン軸
、１１゜１２・・・・・・カップリング、１３・・・・
・・推進軸、１４・・・・・・カバー１５・・・・・・
仕切壁、１９・・・・・・グリス滞留室、２０・・・・
・・グリス浸入孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前輪を駆動すべくギヤボックス側の駆動軸とデフケース
   側の従動軸とを、これら両軸にスプライン嵌合するカッ
   プリングを介して連結し、これら両軸及びカップリング
   の外周をカバー１４により被覆してなるものにおいて、
   前記カップリングの中間部で半径方向にグリス浸入孔２
   ０を開設し、カップリングを軸方向から挾むように、係
   止具１８゜１８を介し、各軸に仕切壁１５，１５を外嵌
   係止し、該仕切壁１５，１５とカバー１４両面と、カッ
   プリング外周面とでグリス滞留室１９を形成したことを
   特徴とする推進軸のカップリングに於ける潤滑装置。