JPS582189Y2 - 田植機用苗タンク - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、田植機用苗タンクに関するもので詳しくは
、昇降動する苗植付杆の対向部に、この苗植付杆の分割
爪が介入する苗分割口を有した側面り字形の苗受止板の
苗植付杆側と反対側に、左右両側枠と底板とで苗受止板
対向面を開口して上付マット苗を載置して左右に往復動
して前記苗分割口に苗を繰出し苗植付杆へ苗床を供給す
る苗タンクに係るものである。

従来、この種の苗タンクの前側底板表面に、単に苗床裏
面へ喰込んで苗床の横ずれを防ぎ、横移動時にも苗床横
端と苗タンク側枠面とに隙間をつくらないで苗植時の欠
株を防止せんとする突起条を設けた構造のものがあった
が、苗床裏面全体が苗タンク底板に密着されている為に
、苗床の湿めり具合や苗床の質（砂質土、火山灰土、粘
性上等の原質のこと）によって苗床を分割口側へ移送す
る抵抗が異なり、苗床を苗植付杆で分割する量が一定し
ない欠点があった。

また、苗タンクの後側までも突起条を設ける場合には、
今度は苗タンク内へ苗床を後から供給するときスムース
に供給できないばかりでなく、後側から苗床を滑りこま
せるとぎに、苗床が苗タンクに対して左右一方へ片寄っ
て苗タンクへ挿入されると、その片寄ったままで供給さ
れてしまい苗床の一方の側端面と苗タンク側枠との間に
はじめから隙間を発生させる欠点があった。

そこで、この考案は、前記の諸々の欠点を解消する為に
、次の技術手段を講じたものである。

即ち、苗タンク５の底板表面に所望の横幅を有した凸条
リブ９，１０，１１を適当な横間隔に縦設し苗タンク前
側部の凸条リブ９，１０上面左右端縁に、当該凸条リブ
上面よりも高く突出して苗床裏面へ喰込む突起条１２を
設けた田植機用苗タンクの構成としたものである。

この考案を図面に示した一実施例に基づいて詳細に説明
すると、１は昇降動する苗植付杆で、先端に分割爪２を
取付けてあり、後述する苗タンク上面と土壌面との間を
楕円軌跡を描くように設けられている。

３は苗受止板で、側面視を略り字形して前記苗植付杆１
に対向する部分を穿設して苗分割口４を形成し、左右横
方向へ長く延ばして田植機の機枠に固定されている。

５は苗タンクで、左右両側枠６，７（図例では二連式タ
ンクの為に中間の仕切枠７が一方の側枠を兼ねている）
と底板８とからなり、この底板８表面に所望の横幅を有
した凸条リブ９，１０゜１１を適当な横間隔を設けて断
続（連続していても可）して縦設している。

そして、この凸条リブのうち苗タンクの前側位にあるリ
ブ９，１０の左右両端縁に載置する上付マット苗Ａの裏
面に喰込む突起条１２を設けである。

上述の如く構成された合成樹脂製または鉄板製の苗タン
ク５は、前記苗受止板３の苗植付杆１と反対側にその前
側部を近接して後側部が上方になるよう傾設し、適宜伝
動機構でもって左右横方向へ往復作動されるように構成
されている。

尚１図中苗タンク５の底板８に穿設の孔１３は、苗床裏
面を係合して苗床を前方へ移送する移送具が介入するた
めに形成されている。

上側の構成において、上付マット苗Ａを苗タンク５中へ
供給するには、苗タンク５の後方上部から第１図の仮想
線で示したように苗載板１４上にあらかじめ載せた上付
マット苗を滑り込ませる。

すると、滑り込み始めでは苗タンク底板８上の凸条リブ
１１上に載せられて円滑に滑動し左右横方向にも滑り易
いから、最初苗床が苗タンク５の左右横幅内に正しく設
定されない一方寄りの状態で挿入し始めても左右両側枠
６，７０案内によって自動的に修正されつつ滑り込み、
続いて前側凸条リブ１０，９の上に載ると突起条１２が
苗床裏面へ喰込み、終に苗床前端面が苗受止板３の立壁
面へ当接して収容される。

このようにして上付マット苗Ａを供給したのち田植機の
各回転部を伝動回転して苗植付は作業を開始する。

このとき、苗タンク５が苗受止板３に沿って左右横方向
へ往復動され、収容されている上付マット苗Ａの前端面
は苗受止板３に当接した状態で摺接移動されて苗分割口
４へ次々と繰出される。

そして、昇降運動しながら苗分割口４へ上部から介入す
る苗植付杆１の分割爪２で分離され、下部土壌面へ植付
けられる。

このように苗植付作業が行なわれる際、苗タンク５の左
右往復移動中に、上付マット苗Ａの前端面が苗受板３に
摺接されるから横移動抵抗を受は横方向へ縮まろうとし
たり、また、横移動折返時に上付マット苗Ａが移動慣性
力を受けて横ずれを起そうとしても、凸条リブ９，１０
の上面の突起条１２が苗床裏面へ喰込んでいる為に苗床
の縮みや横ずれが確実に防止され、横移動折返時にあっ
て苗床横端と苗タンク側枠面との間に隙間が発生せず苗
植付時の欠株が起らない。

この考案は、前記の如く構成したから、上付マット苗を
苗タンク内へ供給する際の最初のうちは。

苗タンク後側部に凸条リブだけが縦設されているから苗
タンク上で苗床が自由に横ずれできて、苗タンクの左右
一方向側へ苗床が片寄った状態で供給されることがなく
、供給が進んで苗床前端が前側の凸条リブに達するとぎ
には凸条リブの両側端縁から下方へ苗床裏面がたれ込む
状態で前方へ移動するために凸条リブの左右端縁に設け
られている突起条が確実に苗床裏面に喰込み苗植付時に
苗床が苗タンク内で左右にずれたり、縮まったりするこ
とが全くなく、苗植付杆へ確実に苗を供給でき欠株の発
生を防止できる作用効果を有する。

【図面の簡単な説明】

図は、この考案の一実施例を示したもので、第１図は側
断面図、第２図は平面図、第３図は要部の正断面図であ
る。 図中記号、１は苗植付杆、２は分割爪、３は苗受止板、
４は苗分割口、５は苗タンク、６，７は苗タンクの左右
両側枠、８は苗タンクの底板、９゜１０．１１は凸条リ
ブ、１２は突起条を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 昇降動する苗植付杆の対向部に、この苗植付杆の分割爪
   が介入する苗分割口を有した側面り字形の苗受止板の苗
   植付杆側と反対側に、左右両側枠と底板とで苗受止板対
   向面を開口して上付マット苗を載置する苗タンクを左右
   横方向に往復動せしめて前記苗受止板に苗床前端面を摺
   接移送して苗分割口へ苗床を繰出す苗供給装置における
   該苗タンクの底板表面に所望の横巾を有した凸状リブを
   適当な横間隔に縦設し、苗タンク前側部の凸条リブ上面
   左右端縁に、当該凸条リブ上面よりも高く突出して苗床
   裏面へ喰込む突起条を設けてなる田植機用苗タンク。