JPH0127609Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、圃場に作溝すると共に形成した溝に
肥料供給する施肥具を、取付け高さ変更自在に設
け、前記施肥具の前方に位置する夾雑物を前記施
肥具の下方に押圧案内する板体を、前記施肥具の
前方に位置させて固設して、苗植え作業と共に施
肥作業ができるように構成すると共に、ワラ屑等
が散在する場合でも、その夾雑物が施肥具に引掛
かることを防止できるように構成し、さらには、
供給肥料が植付苗に吸収される時期を調節すると
か、稲麦等の種子の直播作業に使用する場合のた
めに、作溝深さが変更できるように構成した施肥
装置付き田植機に関する。

上記田植機において、従来、肥料を浅く供給す
るとか直播のために、作溝深さを浅く調節した場
合、施肥具の下端が夾雑物押圧案内板の下端より
も高く位置するために、第６図に示す如く、施肥
具１１が形成する溝Ａの下方に溝Ｂが夾雑物押圧
案内板のために前記上側溝Ａに連通する状態で形
成され、施肥具から供給される肥料や種子が前記
下側溝Ｂに落ち込んでしまい、肥料や種子の供給
深さが所望深さより深くなることがあつた。

本考案の目的は、肥料を浅く供給したり、直播
する場合にも、夾雑物押圧案内板によつて形成さ
れる溝にかかわらず、所望深さに確実に供給でき
るようにすることにある。

本考案の特徴構成は、冒記した施肥装置付き田
植機において、前記板体の後端側に、薄肉部を所
定高さに位置させて、かつ、前記板体の後端縁に
連なる状態で備えてあることにあり、その作用及
び効果は次のとおりである。

すなわち、肥料を浅く供給するとか直播のため
に高くして取付けられる施肥具の下端付近に位置
させて、夾雑物押圧案内板の後端側に前記薄肉部
を備えさせておくのである。すると、薄肉部の前
方においては該箇所に位置する板体厚肉部のため
にこの肉厚に相当する巾広の溝が形成されていて
も薄肉部が進んで来ると、これに伴つて溝内壁と
板体の間に隙間ができることと、溝内壁には溝巾
を狭くする方向の土圧が作用していることとによ
つて、溝巾が薄肉部の肉厚に等しいあるいはこれ
に近い狭いものに変化し、さらには、このように
溝巾が狭くなつたところに押圧案内板が通り過ぎ
ると共に施肥具が進んで来ると、溝内には土圧に
よる溝巾縮少を阻止する部材になるところの押圧
案内板がなくなることと、溝の上側には施肥具を
介して機体荷重が掛かることとによつて、溝巾が
更に狭く変化する。すなわち、第５図に示すよう
に、夾雑物押圧案内板によつて形成される溝Ｂが
施肥具１１による形成溝Ａの下方に存在すること
になつても、下側溝Ｂの上側溝Ａに対する連通部
が閉塞されるとかこれに近い形状になる。

従つて、肥料を浅く供給するとか、直播に使用
する場合でも、肥料や種子が夾雑物押圧案内板に
よる形成溝にこの溝の施肥具による形成溝に対す
る連通部の閉塞あるいは狭さによつて落ち込まな
いようになり、供給深さが所望どおりになるよう
にできた。しかも、薄肉部を後端側にのみ設ける
から、全長にわたつて設けるとか、押圧案内板全
体を薄肉にする場合のように、曲げ強度が低下す
ることを抑制でき、夾雑物押圧案内板を、機体操
向されても変形しにくい等耐久性の優れたものに
できた。

以下に、本考案の実施例を図面に基いて説明す
る。

第１図に示すように、走行機体（図外）にリン
ク機構１を介して昇降操作自在に連結された伝動
ケース２に、リンク機構３を介して植付アーム４
を揺動駆動されるように取付け、苗のせ台５を植
付アーム４にこの苗植え運動に伴つて左右に往復
摺動されるように連動させた状態で苗植付アーム
４の前方に設けると共に、接地フロート６を伝動
ケース２の下部に取付け、そして、肥料タンク７
を支柱８に取付けると共に、タンク７の下部に付
設されている肥料繰出し装置９にホース１０を介
して肥料供給されるように接続した施肥具１１
を、苗植付箇所の近くに作溝すると共に形成した
溝に肥料供給するように配置した状態で、板体１
２を介して接地フロート６に取付けて、苗植え作
業と共に施肥作業ができるように、かつ、稲麦等
の直播作業にも使用できるように、施肥装置付き
乗用田植機の苗植付装置を構成してある。

前記板体１２は、後方側ほど低レベルに位置す
る傾斜下端を有する形状に形成されると共に、施
肥具１１の前方に位置させた状態でアーム１３、
及び、接地フロート６の伝動ケース２に対する取
付けブラケツト１４を介して接地フロート６に固
設され、施肥具１１の前方に位置するワラ屑等の
夾雑物を下端傾斜の作用により施肥具１１の下方
に押圧案内して、夾雑物が施肥具１１に引掛かる
ことを防止するように構成されている。

前記施肥具１１を、板体１２の上下方向長孔に
挿通させた締付けボルト１５により板体１２に上
下摺動及び固定操作自在に取付けて、施肥具１１
の接地フロート６に対する取付け高さ変更ができ
るように構成してある。すなわち、肥料の供給深
さを変更して肥料が吸収される時期を調節した
り、肥料を苗が成長した後に吸収されるように供
給する場合よりも浅く供給する必要がある直播時
のために、施肥具１１による作溝深さを変更でき
るようにしてある。

第３図及び第４図に示すように、前記板体１２
の後端側に、薄肉部１２ａを板体１２の後端縁に
連なる状態で、かつ、肥料の浅供給時や直播時に
位置される施肥具１１の下端部レベルに位置させ
た状態で備えさせて、肥料の浅供給時や直播時に
おいて、第５図に示すように、施肥具１１による
形成溝Ａの下方に板体１２によつて形成される溝
Ｂが土圧と、施肥具１１を介して掛かる機体荷重
とのために、前記上側溝Ａに対する連通部の閉塞
された形状あるいは極く狭くなつた形状に形成さ
れ、肥料や種子が板体１２による形成溝Ｂに落ち
込むことを防止されるように構成してある。

尚、第１図に示す遊転ローラー１６は、直播時
に施肥具１１の通過跡を鎮圧させて種子に覆土さ
せるものである。又、このローラー１６は、揺動
アーム１７を介して下降使用位置と上昇格納位置
とに切換え自在に取付けられると共に、これら両
位置にストツパー１８ａ又は１８ｂとスプリング
１９とによつて維持されるように構成されてい
る。又、第１図に示す２０は、施肥時に使用する
覆土板であり、２１は、肥料タンク７に対するガ
ードであり、２２は、タンク７に供給する肥料や
種子の容器を支持させる載置台である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る施肥装置付き田植機の実施
例を示し、第１図は乗用田植機苗植付装置の側面
図、第２図は施肥具配設部の平面図、第３図は板
体の側面図、第４図は第３図の−断面矢視
図、第５図は板体による形成溝の説明図である。
第６図は従来板体による形成溝の説明図である。 １１……施肥具、１２……板体、１２ａ……薄
肉部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 圃場に作溝すると共に形成した溝に肥料供給す
   る施肥具１１を、取付け高さ変更自在に設け、前
   記施肥具１１の前方に位置する夾雑物を前記施肥
   具１１の下方に押圧案内する板体１２を、前記施
   肥具１１の前方に位置させて固設した施肥装置付
   き田植機であつて、前記板体１２の後端側に、薄
   肉部１２ａを所定高さに位置させて、かつ、前記
   板体１２の後端縁に連なる状態で備えてある施肥
   装置付き田植機。