JPS5821787B2 - 電気的コンセントブシュ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は電気的接触材料より成り、少くとも一つの半径
方向に曲り易い接触フィンガーを構成するスリットを有
する一つのブシュ本体と、該ブシュ本体の接触フィンガ
ーを内方へ押し、ブシュ本体を外周でつかんでいるばね
板より成る一つのばねケースとを備えた電気的コンセン
トブシュに係る。

この種のコンセントブシュはそれとプラグピンとの間に
解放できる電気的接続を作る目的で一つのプラグピンを
受は入れるようになっている。

黄銅、銅、青銅のような電気的接触材料より成るブシュ
本体は、低い電気的接触抵抗及び比較的高い電流装荷可
能性を保証し、またこの接触材料の比較的低い弾性のた
めに、簡単な方法で圧搾又はひた結合によって電導体に
接続される。

ばねケースは、ブシュ本体と差込まれたプラグピンとの
間に十分高い接触圧力を生ずるためにブシュ本体の接触
フィンガーを弾性的に内方へ押しつける任務を有するが
、この事はばねケースが無ければ、接触フィンガーの比
較的小さい弾性のために同じ程度にはできないものであ
る。

逆に、ばねケース又はその一部が、接触材料より成るブ
シュ本体の少くとも一つの接触フィンガーを介する代り
に、直接にプラグピン上に押しつけられる場合は、ブシ
ュ本体と差し込まれたプラグピンとの間の接触抵抗、コ
ンセントブシュの絶縁抵抗、並びに差し込み結合の電流
装荷可能性はあまり有利ではない。

ブシュ本体それ自体かばね弾性材料より成り、従って付
加的なばねケースをなくすことができ、その際また問題
のブシュ本体の材料の弾性のために申し分のない圧搾又
はひた結合が形成される場合も同様な不利がなおはっき
りした程度で生ずる。

冒頭に述べた種類の公知のコンセントブシュの場合は、
ばねケースによって接触フィンガーを介してプラグピン
上に加えられた圧力が、部品の成形上の製作条件の差異
に帰する差し込み結合ごとに比較的大きい偏差を有する
という欠点をしばしば示すものである。

それ故に本発明の課題は、接触フィンガーを介して、差
し込まれたプラグピン上に作用するばね力のわずかな分
散が保証されるように冒頭に述べた種類のコンセントブ
シユヲ形成することである。

この課題の解決は、直角座標の縦軸に荷重を取り、横軸
に伸びを取った荷重／伸びダイヤグラムに於て、ばねの
特性曲線の傾斜度が小さいほど、ばねの順応性が大きく
なり、従って接触ピン上に作用するばね力が部品の製作
公差に左右されることが少くなるという認識に基くもの
である。

この事は本発明によるコンセントブシュの場合は主とし
て次のことによって達成される。

即ちばねケースがその一端にブシュ本体を包囲している
帯環を構成し、該帯環とばねケースの対向端部との間に
於て、スリットより成形され、ばねケースの縦方向に延
びている、帯環に向った一つの自由端部を備えた少くと
も一つの舌部を有し、半径方向に内方ヘブシュ本体の接
触フィンガー上に圧力を加えることである。

本発明のこの特徴及び他の詳細並びに本発明の特別な実
施態様の利点は、特許請求の範囲、以下の記載及び本発
明が例示されている添付図面から明らかになるものであ
る。

図示された電気的コンセントブシュは、例えば黄銅のよ
うな電気的接触材料より成るほぼ管状のブシュ本体１１
及び例えば鋼板のようなばね板より成りブシュ本体１１
を外周でつかんでいるばね５ケース１２より成る。

該ブシュ本体は薄板材料から巻かれ、縦のスリット１３
を有し、スリット個所では薄板の互に対向する切断縁が
、第４図、第５図及び第６図に見られるように互に截頭
状で当接している。

ブシュ本体１１の一端は電気的プラ１（グピンの一つ（
図示せず）を差し込むための端口１４を有し、他方に於
てブシュ本体の対向端部は、電気導線の一つ（図示せず
）を挿入するための横断面がＵ字形の端子１５として構
成され、該導線は例えば端子１５を圧搾することによっ
てブシュ１゜本体１１と機械的及び電気的に結合するこ
とができる。

ブシュ本体１１は更に一つの横方向スリット１６（第６
図、第７図）並びに二つの縦方向スリット１７．１８を
有し、これらスリットはスリン２ト１３に関して対称的
に配置され、スリット１３と共に二つの並んで延びてい
る接触フィンガー１９．２０を形成し、これらフィンガ
ーはブシュ本体１１の縦方向に延長している。

横方向スリット１６によって限定されている両接触フィ
ンガー２１９．２０の自由端部は端口１４に向いており
、それから或距離を保っている。

端口１４と横方向スリット１６との間にはブシュ本体の
環状端部２１が存在する。

実際上半径方向には曲らない。この環状端部２１とは反
対に、両接触フィンガー３１９．２０はブシュ本体１１
の縦軸に対し半径方向に曲り易く、従って横方向スリッ
ト１６に隣接している接触フィンガーの端部は内方へ又
は外方へ動くことができる。

両方の縦方向スリット１７゜１８は、両接触フィンガー
１９ 、２０に対し一つ５のブシュ本体における非可撓
性部２２が向かい合って横たわり、このブシュ本体にお
ける非可撓性部２２がブシュ本体１１のほぼ半分の周囲
を越えて延長し、従って実際上は半径方向には曲らない
ように配置されている。

縦方向スリン１−１７，１８４に隣接しているブシュ部
分２２の切断縁は、接触フィンガーの内向き半径方向運
動を限定するために、接触フィンガー１９又は２０の一
つ又は他の自由端に対して夫々一つの止め片を形成して
いる。

ばねケース１２はばね板から管状に巻かれ、縦方向のス
リット３０（第６図、第７図）を有し、このスリット個
所では互に対向して横たわる板の切断縁が截頭状で当接
している。

ばねケース１２の縦方向スリット３０は、特に第４図及
び第５図に示すように、ブシュ本体１１の縦方向のスリ
ット１３に対して直径上で対向して横たわる。

ばねケース１２の上記一端はブシュ本体１１の端口１４
と同じ並びにある。

上記端部と横方向スリット３１との間に横たわるばねケ
ース１２の端部は帯環３２を形成し、この帯環はブシュ
本体１１の環状端部２１を密接に包囲している。

軸方向に於ては帯環３２の寸法が対応するブシュ本体１
１の環状端部２１の寸法よりも幾分長い、従って第３図
に見られるように、帯環３２はブシュ本体の横方向スリ
ット１６及び接触フィンガー１９．２０の自由端部を越
えて延びている。

斯くして帯環３２の一部は、接触フィンガー１９．２０
の外方への移動可能性を限定するための止め片を形成す
る。

ばねケース１２の横方向スリット３１の端部からは二つ
の縦方向スリット３３．３４が出て行き、それらは横方
向スリット３１と共に一つの舌部３５を限定し、この舌
部の自由端部が帯環３２に向っており、一つの縦方向ス
リット３６によって二つの部分３５ａ 、３５ｂに分岐
されている。

この舌部３５はばねケース１２の縦方向スリット３０に
対して直径上で対向し、弛められた状態、即ちばねケー
ス１２がまだブシュ本体１１の周りに置かれていない限
り、ばねケースの縦軸に対して内方へ向けられるように
形成されている。

それ故にコンセントブシュが組み立てられた状態に於て
は、舌部３５がその弾性の影響下に圧力を接触フィンガ
ー１９．２０に加え、それらを内方へ圧迫するために部
分３５ａ 、３５ｂの各々が接触フィンガーの一つを個
々に押すのである。

舌部３５の両側に延びている縦方向スリン）３３．３４
は横方向スリット３１から、ばねケースの帯環３２に背
を向けたばねケースの端部３７の近くまで延長し、他方
舌部３５を分岐している縦方向スリット３６は著しく短
いものである。

ばねケース１２は、縦方向のスリット３０を形成する縁
に、夫々二つの係留耳片３８．３９を有し、それらは互
に一対で対向して存在し、ブシュ本体１１の壁中の開口
部４０または４１に一対で係合する（第３図、第５図、
第７図）。

一対の係留耳片３８及びそれに関連する開口部４０は、
ばねケース１２の帯環３２またはブシュ本体１１の環状
端部２１の近傍に配置される。

他の一対の係留耳片３９及びそれに関連する開口部４１
は、ばねケースの相対する端部３７の近くに存在する。

開口部４０．４１はブシュ本体１１の縦方向スリット１
３に対して直径上で対向して横たわる。

係留耳片３８または３９は開口部４０または４１中・に
良好に支持されるので、係留耳片と協働する開口部４０
．４１の側面は互に平行な平面内に配置され、従って互
に対向して横たわる係留耳片３８または３９も、第５図
に明示されているように、互に平行に横たわるようにな
る。

ブシュ本体１１を形成するために役立つ板を前以ってＵ
形に曲げて置けば、開口部４０及び４１が適切に打抜か
れるであろう。

ばねケース１２の帯環３２は係留耳片３８の助けにより
環状端部２１上に固定支持されている。

これに反して、帯環３２に背を向けた・ばねケースの端
部３７はブシュ本体１１を弛く或は特に幾分の遊びを以
て包囲するが、その意義及び目的は以下に説明される。

端口１４から離れたばねケース１２の端部は結局多くの
止め耳片４２をも備え、それらはブシュ本体１１から突
張り支持され、更に一つの外側隆起４３と共にコンセン
トブシュ１１、細長いばねケース１２を一つの絶縁材ハ
ウジング（図示せず）中で固定支持するのに役立つ。

（この事は当業者には公知である） ばねケース１２の弾力のある舌部３５は、ブシュ本体１
１の両接触フィンガー１９．２０を極めて強く内方へ押
すので、第３図及び第４図に見られるように接触フィン
ガーの自由端部はブシュ本体の非可撓性部２２の切断縁
に対して当接する。

ブシュ本体１１の端口１４中に一つのプラグピンが挿入
され、このピンの直径がブシュ本体の環状端部２１の内
径よりも単に相対的に僅かに小さい場合には、両接触フ
ィンガー１９．２０の自由端部が舌部３５の弾性の影響
に抗してブシュ本体の非可撓性部２２の切断縁からはず
され、プラグピンとブシュ本体との間に小さい電気的接
触抵抗を保証するため及び同時にコンセントブシュから
プラグピンが故意でなくすべり出ることを防止するため
に、プラグピンが、弾力のある舌部３５によって前記ブ
シュ本体における非可撓性部２２と接触フィンガー１９
．２０との間に十分強固に締めつけられる。

例えばプラグピンがコンセントブシュ中へ斜に挿入され
る際に、接触フィンガー１９．２０が許容限度を越えて
外方へたわむことはばねケース１２の帯環３２によって
阻止される。

何となれば帯環３２は接触フィンガー１９．２０の自由
端部を越えて延び、従って接触フィンガーの外方への移
動可能性を限定する止め片を形成するからである。

それによってまたばねケース１２の弾力ある舌部３５の
過応力及び弾力作用の衰弱も防止される。

環状端部２１の周りに固着されたばねケース１２の帯環
３２は更にまた、特にブシュ本体１１の縦方向スリット
１３で、端口１４が拡がることをも阻止するものである
。

前述の有利な特色のほかに、前述のコンセントブシュの
特別な利点は、ばねケース１２の弾力ある舌部３５が比
較的長く形成されており、従って荷重／伸びダイヤグラ
ム中で比較的平らに経過する即ちはね特性曲線の勾配が
小さいという特性を示すことが見られることである。

この事は、舌部３５が、ブシュ本体１１から分離されて
いるばねケース１２に対して比較的強く内方へ曲げられ
ていることを意味する。

それ故にコンセントブシュの組立てに際しては、たとえ
両接触フィンガー１９．２０がブシュ本体の非可撓性部
２２の切断縁に当接するまで内方に押されていても、舌
部３５にはかなりの弾性変形及び比較的高い弾性力が導
入されている。

プラグピンをコンセントブシュ中に挿入する際に舌部３
５の半径方向の弾性変位量が僅小である、それ故に舌部
が接触フィンガー１９．２０を押す力は僅かしか増加せ
ず、ブシュ本体１１の内径及びプラグピンの外径の寸法
に於て製作公作に僅かな程度しか依存しない。

従って前記の製作公差も実際上は、コンセントブシュと
挿入されたプラグピンとの間の電気的及び機械的接続の
性能に対し、並びにプラグピンとブシュ本体との間の摩
擦に打克つためにプラグピンの挿入及び引出しに必要な
力に対し、何等の影響も及ぼさない。

前記の平らなはね特性はまた、コンセントブシュの性能
及びそれによって得られるコンセントの接続に及ぼす他
の全ての製作公差の影響をも減少せしめるものである。

上述のように、帯＄３２に背を向けたばねケース１２の
端部３７が若干の遊隙を以てブシュ本体１１を包囲する
際には、荷重／伸びのダイヤグラムのはね特性曲線の傾
斜度はより小さくなる。

何となればその際舌部３５だけが弾性的に曲がるのみな
らず、たとえ僅かな程度でも、ばねケースの両側面が縦
方向スリット３０と縦方向スリット３３又は３４との間
で弾性的に曲がるからである。

以上に記述し且つ図解したコンセントブシュは比較的簡
単な方法で製作及び組立てが行なわれ、その際上述のコ
ンセントブシュ及び得られたプラグ接続の性能に及ぼす
製作公差の僅小な影響が製作費に有利な結果をあられす
のである。

コンセントブシュは上述の特性のために、特に多極のプ
ラグ接続用に適し、その際ブシュ本体１１の内径は、例
えば約Ｌ５ｍｍの範囲内にあることが可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によって構成した電気的コンセントブシ
ュの側面図である。 第２図は第１図の上面より見た平面図である。 第３図は第２図のＩ−■線に沿うコンセントブシュの軸
方向縦断面を示すものである。 第４図は第３図のＩＶ−ＩＶ線に沿う横断面を拡大寸法
で示すものである。 第５図は第３図の■−■線に沿う同様な横断面図である
。 第６図はコンセントブシュの画構成部分、即ちブシュ本
体及びばねケースを分離した状態で示す透視図である。 第７図は同じ構成部分の同様な透視図であるが、それら
を１８０°回転した位置で示すものである。 図に於て、１１・・・ブシュ本体、１２・・・ばねケー
ス、１３・・・縦方向スリット、１６・・・横方向スリ
ット、１７゜１８・・・縦方向スリンｌ−１１９，２０
・・・接触フィンガー、２２・・・ブシュ本体の非可撓
性部、３０・・・縦方向スリット、３１・・・横方向ス
リット、３３，３４・・・縦方向スリット、３２・・・
帯環、３５・・・舌部、３７・・・端部、３８．３９・
・・係留耳片、４０．４１・・・開口部、４２・・・止
め耳片。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 電気的伝導性材料より構成された細長い１つの中空
   のブシュ本体を含み、該ブシュ本体が一端一に１つのプ
   ラグを受入れる開口及び他端に１つの接続端子を構成す
   る手段を含み、該ブシュ本体がその開口端の近くに１つ
   の横方向円周スリットを、また横方向円周スリットと連
   通ずる少くとも２つの縦方向スリットを含み、前記開口
   端部に環状端１部を形成するとともに、自由端が前記環
   状端部に近接し、且つ前記ブシュ本体の前記接続端子に
   向って延びる、ブシュ本体の中心線に対して半径方向に
   可撓な接触フィンガーを形成し、前記ブシュ本体の前記
   接触フィンガーの少なくとも一部分を。 包囲する細長いばねを−スを含み、該ばねケースはその
   一端に近く１つの横方向円周スリットを、また該横方向
   円周スリットと連通ずる少くとも２つの縦方向スリット
   を含み、且つ前記ケースの前記一端に帯環を形成すると
   ともに、自由端が前記ケースの一端近くに位置し前記ケ
   ースの反対゛端部に向って延びる少くとも一つの舌部を
   形成し、前記帯環は前記ブシュ本体の前記環状端部を包
   囲し、前記舌部は前記ブシュ本体の前記接触フィンガー
   と接触し、且つ前記細長い中空のブシュ本体の中心線に
   向って内方へ半径方向に前記ブシュ本体の前記接触フィ
   ンガーを弾性的に偏倚するように形成され、前記ケース
   の前記帯環は、前記接触フィンガーの自由端を部分的に
   包囲するように、前記ブシュ本体の前記環状端部よりも
   大きい縦方向寸法を有し、従って前記中心線に対する接
   触フィンガーの外向き半径方向運動を限定するように構
   成された電気的コンセントブシみ２ 前記反対端にある
   前記細長いばねケースの内径は包囲された細長い中空の
   ブシュ本体の外径よりも大きく、それによって両者間で
   相対的な弾性的彎曲ができるように構成された特許請求
   の範囲第１項に記載の電気的コンセントブシュ。 ３ 前記ブシュ本体の開口端近くの横方向円周スリット
   に連通ずる前記２つの縦方向スリットを介して、前記可
   撓な接触フィンガーに対して、該ブシュ本体の半径方向
   に撓曲しないように、該ブシュ本体の周長のほぼ１４以
   上の周長を有するように構成された非可撓性部を対向せ
   しめ、前記縦方向スリットに隣接している該非可撓性部
   の切断縁は該接触フィンガーの内向き半径方向運動を限
   定するために、該接触フィンガーの１つ又は他の自由端
   に対してそれぞれ１つの止め片を形成している特許請求
   の範囲第１項に記載の電気的コンセントブシュ。 ４ 前記細長い中空ブシュ本体及び前記細長いばねケー
   スの両方における横方向円周スリットが、それらの周囲
   を回って約１８０°だけ延び、前記ばねケースの前記縦
   方向スリットは前記ブシュ本体の前記縦方向スリットと
   は該ブシュ本体の直径の両端に位置するように構成され
   た特許請求の範囲第３項に記載の電気的コンセントブシ
   ュ。 ５１つの第３縦方向スリツトが、２つの平行な前記接触
   フィンガーを形成するために、前記ブシュ本体の他の２
   つの前記縦方向スリットの中間で前記ブシュ本体の前記
   横方向周囲スリットと連通し、前記接触フィンガーの内
   方半径方向の運動が、前記縦方向スリットに近接した前
   記ブシュ本体の前記非可撓性部の切断縁によって限定さ
   れるように構成した特許請求の範囲第４項に記載の電気
   的コンセントブシュ。 ６１つの第３縦方向スリツトが、前記舌部の二またに分
   岐された部分を構成するために前記細長いばねケースの
   ２つの他の前記縦方向スリットの中間で前記細長いばね
   ケースの前記横方向周囲スリットと連通し、前記二また
   に分岐された分部が接触し且つ内方へ偏倚する圧力を前
   記ブシュ本体の前記接触フィンガー上に及ぼすように構
   成された特許請求の範囲第５項に記載の電気的コンセン
   トブシュ。 ７ 平らな金属シートを捲回してなる管状体によって前
   記ブシュ本体が作られ、同ブシュ本体における前記第３
   縦方向スリツトが前記金属シートの当接する互に対向す
   る切断縁によって作られるように構成した特許請求の範
   囲第５項に記載の電気的コンセントブシュ。