JPS5821469Y2 - 真空開閉器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は真空開閉器に係り、特に真空容器内壁の絶縁劣
化を防止する金属シールド体の取付構造に関するもので
ある。

真空開閉器においては電流投入時又はしゃ断時に電極間
にアークを生じ、これにより電極の金属粒子が飛散する
。

この飛散する金属粒子をしや蔽し、その表面に冷却凝固
させて絶縁容器内壁の絶縁劣化を防止するために真空開
閉器には金属製のシールド体が電極を囲繞して設けられ
ている。

このシールド体には開閉器内の電位を均等化し、且つ絶
縁性を良好に維持する機能を持たせているため、シール
ド体は固定、可動の両電極に対して対称的に配置されて
おり、又両電極より絶縁されて浮遊電位となるように容
器内壁に支持されている必要がある。

また、電流しゃ断時には大きな衝撃力がシールド体に作
用するため、この衝撃力を効果的に緩和すると共にがた
や振れが無い堅牢な構造にしてシールド体を取付けてお
く必要がある。

従来、真空容器がガラス絶縁筒からなるもののこの種シ
ールド体の支持構造は、短寸法の容器を２本重ね合せ両
者の筒フランジを接合して一つの真空容器を形成し、そ
の接合部にてシールド体を一体固着して支持するように
していた。

しかしてこの構成によれば絶縁容器の外部に導電物が突
出してしまい耐絶縁の設面距離に損失が生じてしまう。

このため絶縁筒を長くして設面距離を確保するようにし
なければならず、開閉器が大きくなる欠点がある。

又、真空容器が２本重ね合せたものだと接合個所が増し
、しかも接合部でシールド体を支持するとなると接合板
の板敷が増し、溶接回数の増加、溶接技術の高度化が要
求され、しかも組立工数が増加し、作業性が悪い欠点が
ある。

本考案は以上の点に鑑みてなされたものであり、真空容
器を形成するガラス絶縁筒の内側に支持金具を埋設し、
この支持金具に金属シールド体の外側部に設けた連結金
具の係合部を係合せしめて金属シールド体を固定するよ
うにした真空開閉器を提供することを目的としたもので
ある。

次に第１図〜第４図に基づいて本考案の一実施例を説明
する。

第１図中、１はガラス絶縁筒、１１．１２は筒フランジ
で、該筒フランジ１１．１２はガラス絶縁筒１の両端に
埋設されている。

１３．１４は端板で、該端板１３，１４は前記筒フラン
ジ１１．１２に気密に固着されている。

１５は固定電極で、該固定電極１５は端板１３を気密に
貫通して設けである。

１６は前記固定電極１５に相対接離し得る可動電極で、
該可動電極１６はベローズ１７を介して端板１４を気密
に貫通すると共に上下動し得る様に設けである。

２は円筒状の金属シールド体で、該シールド体２は、ガ
ラス絶縁筒１と固定電極１５及び可動電極１６との間に
電位的に浮遊の状態に設けである。

３は軸対称の中空体例えば筒状に形成された支持金具で
あり、該支持金具３は第２図に詳細に示す如く、筒状の
支持部３１と、該支持部３１の一端側を外側に折り返し
てガラス部材との接合面が大きくなるように形成した埋
設部３２とから戒っている。

この支持金具３はガラス絶縁筒１の内壁の周方向に所要
数（例えば３個）はど、この支持金具３の中心軸をガラ
ス絶縁筒１の半径方向に向け、且つこの支持金具３の埋
設部３２をガラス絶縁筒１の壁内に没入せしめると共に
支持部３１を壁面より突出させて設けている。

またこの支持金具３はガラス絶縁筒１と同じ熱膨張係数
を具有する材料で形成される。

４は連結金具であり、該連結金具４のその一端側は金属
シールド体２の外側部に固着され、また他端側には係合
部すなわち孔４１が設けられており、この孔４１が前記
支持金具３の支持部３１に嵌装されて、前記金属シール
ド体２と支持金具３とを連結している。

この連結金具４は金属シールド体２の外側部に前記支持
金具３に対応して複数個配設される。

またこの連結金具４は金属シールド体２の軸方向と同方
向に延びた状態、即ち例えば連結金具４に於ける孔４１
と固定部４２との両者が、金属シールド体２の外部にお
いて同じ軸方向線上に位置しているような状態に設けて
いる。

この連結金具４の最初の形状は、この連結金具４の平面
図を示す第３図の如く孔４１を一端側に備えた平板状で
ある。

そして後述するガラス絶縁筒１と金属シールド体２との
結合の際にこの連結金具４の側面図を示す第４図の如く
塑性変形される。

次に本考案を実施した真空開閉器の組立を説明する。

まず第１図〜第４図で説明した真空開閉器のガラス絶縁
筒１と金属シールド体２との結合組立を第５図〜第８図
に基いて説明する。

第５図〜第８図において第１図〜第４図と同一符号を付
するものは同等品を示しているのでこれらの説明は省略
する。

まず、所要個数の第３図に示すような、まだ平板状の連
結金具４を、所要の位置にスポット溶接等で固着した金
属シールド体２を用意する。

更に、内壁部に、所要の個数の支持金具３を、所要の位
置に埋設したガラス絶縁筒を用意する。

この支持金具３のガラス絶縁筒１の内壁への埋設は、支
持金具３を誘導加熱によって加熱し、この加熱によって
赤熱した支持金具３を、所望の温度に予熱したガラス絶
縁筒１の内壁に押圧せしめて、ガラス部材を溶融すると
共に、ガラス部材内に支持金具３の埋設部３２を没入せ
しめて埋設固着する。

この場合に支持金具３は中空の筒状になっているので溶
融したガラスは筒内に入り支持金具３は確実に固着され
る。

次に用意したこの金属シールド体２をベース５１と共に
設けているクランプ装置５２に装着してしっかりと固定
する。

この場合に金属シールド体２は、該金属シールド体２に
固着している連結金具４の遊端側が図中上方側に向くよ
うに設置する。

すなわち、連結金具４に設けている孔４１側を上方側に
し、連結金具４と金属シールド体２との固着部４２側を
下方側にする。

更に前記のように固定した金属シールド体２に、用意し
たガラス絶縁筒１を被せベース５１上に載置すると共に
、金属シールド体２に設けている連結金具４の孔４１と
、ガラス絶縁筒１に設けている支持金具３とが、正確に
対向する如く位置合せをする。

次に第５図に示す如く金属シールド体２の上方から図示
しない油圧シリンダ装置によって駆動される成形金具５
３を下降させる。

この成形金具５３は第８図に示す如く、その先端部は、
連結金具４を押し起こすようにクサビ状に形成されてお
り、更にこの先端部には支持金具３に対する逃げ部とな
る切込み５４が設けである。

第５図に示す状態から成形金具５３を、更に金属シール
ド体２の筒外面に沿って下降させる。

そして成形金具５３の先端部を、金属シールド体２と、
連結金具４の図中上方側の遊端部との間に挿入せしめ、
更に成形金具５３を第６図の如く押し下げる。

これによって連結金具４は、固着部４２を支点として図
中右方向側に押し起こされて略く字状の形状に塑性変形
される。

これによって、連結金具４が備えている孔４１は支持金
具３の支持部３１に嵌め込まれて、支持金具３と連結金
具４とが係合される。

そして更に成形金具５３を押し下げると、連結金具４の
遊端側は、ガラス絶縁筒１の壁面及び支持金具３に当接
するために連結金具４は成形金具５３の押し下げによっ
て第７図に示す如く、それまでとは逆の方向すなわち図
中左方向に折れ曲がった逆く字状に塑性変形せしめられ
、これによってガラス絶縁筒１と金属シールド体２との
結合を完了する。

次に以上説明した様に構成した金属シールド体２を組込
んだガラス絶縁筒１に、固定電極１５等を接合した固定
側の端板１３と、可動電極１６及びベローズ１７等を接
合した可動側の端板１４とを、ガラス絶縁筒１の両端に
設けた筒フランジ１１．１２にろう接等で接合して真空
開閉器を製作する。

次に第９図〜第２２図に示すものは、本考案の他の実施
例であり、これらにおいて第１図〜第４図と同一符号を
付するものは同等品を示しているのでこれらの説明は省
略する。

まず第９図〜第１１図に示すものは、ガラス絶縁筒１の
内側に設ける支持金具３を、軸方向の複数個所（例えば
２個所）の位置に設けると共に各々の個所で周方向に複
数個（例えば３個）設けた場合の一実施例である。

第９図は、真空開閉器の要部のみを示す縦断正面図であ
り、図中、支持金具３は上下方向すなわち軸線方向で、
且つ同一直線上に２個所要の間隔を有してガラス絶縁筒
１の内壁に埋設されている。

第９図には図示されていないか′、内壁の周方向にも複
数個の支持金具３が設けである。

連結金具４はそのほは沖央がスポット溶接等によって金
属シールド体２に固着され、且つこの連結金具４の上下
両側の端部が上下２個の支持金具３に各々係合されて、
金属シールド体２と支持金具３とを連結している。

この連結金具４の最初の形状は、連結金具４の平面図を
示す第１０図の如く、孔４１を両端部に備えた短冊状の
平板である。

そして、ガラス絶縁筒１と金属シールド体２との結合の
際にこの連結金具４の側面図を示す第１１図の如く塑性
変形される。

次に第１２図〜第２１図に示すものは、本考案の連結金
具４の係合部すなわち孔４１を設けた部分の他の実施例
であり、まず第１２図〜第１５図に示すものは、孔４１
の内側に支持金具３に係合する少なくとも１個の止歯４
５を設けると共に、この止歯４５を支持金具３側に折り
曲げて連結金具４を構成し、ガラス絶縁筒１内における
金属シールド体２の取付保持を一層堅牢に行ない得るよ
うにしたものである。

第１２図、第１４図は最初の状態の連結金具４の平面図
、第１３図、第１５図は、ガラス絶縁筒１と金属シール
ド体２との保合の際に折り曲げられた連結金具４の側面
図である。

尚、止歯４５の設置数及び設置方向は適宜決定して設け
る。

次に第１６図〜第２１図に示すものは、連結金具４の孔
４１側の先端部に、金属シールド体２の振れ止を設けて
、ガラス絶縁筒１内における金属シールド体２の取付保
持を一層堅牢にしようというものである。

第１６図、第１８図、第２０図は、最初の状態の連結金
具４の平面図、第１７図、第１９図、第２１図は、ガラ
ス絶縁筒１と金属シールド体２との結合の際に折り曲げ
られた連結金竺４の側面図である。

まず第１６図〜第１９図に示すものは、連結金具４の孔
４１側の先端部に振れ止４３を突設しておき、金属シー
ルド体２をガラス絶縁筒１内に組込んだ際に、この振れ
止４３を金属シールド体２側に折り曲げる様に構成した
連結金具４である。

また第２０面、第２１図に示すものは、連結金具４の孔
４１側の先端部に切込み４４を設けて振れ止４３を形威
し、金属シールド体２をガラス絶縁筒１内に組込んだ際
に、この振れ止４３を金属シールド体２側に折り曲げる
様に構成した連結金具４である。

次に第２２図に示すものは、ガラス絶縁筒１と金属シー
ルド体２とを、第１２図、第１３図に示した止歯４５を
備えた連結金具４で連結固定した場合の実施例であり、
止歯４５を例えば鋼材等から戒る緩衝部材４６と共に、
支持金具３の支持部３１と、折り返した埋設部３２との
間の空隙の部分に装着したものである。

この構成によると、止歯４５と支持金具３の埋設部３２
との間に緩衝部材が装着されているので、金属シールド
体２のガタは防止され、又金属シールド体２に衝撃が加
わっても効果的に緩衝され、金属シールド体２の取付保
持の一層堅牢なものを得ることができる。

またこのような構成によれば、支持金具３の埋設部３２
の近傍のガラス絶縁筒１壁部が盛り上がった部分（図中
ａ部分）に連結金具４が直接接触することは皆無となり
、この部分が連結金具４によって損傷を受ける恐れは全
く無く耐久性の高い真空開閉器を得ることができる。

本考案は以上説明したように、真空容器を底形するガラ
ス絶縁筒１の内壁に半径方向に埋設した支持金具３は軸
対称の中空体に形成しているので中空部にもガラス部材
は溶融して入り、ガラス部材と支持金具３との接合面は
大きく支持金具３の固着は確実である。

しかも内壁における突起は、支持金具３を赤熱してガラ
ス絶縁筒１の内壁に押圧し没入埋設するだけで容易に形
成できる。

また金属シールド体２の外側部の周方向に複数個設けた
連結金具４を塑性変形させると同時に、この連結金具４
に設けている保合部すなわち孔４１と支持金具３とを係
合させるので、ガラス絶縁筒１と金属シールド体２との
結合を簡単に行なうことができ、また金属シールド体２
を堅牢に保持固定することかで゛きる。

更にまた、ガラス絶縁筒１と金属シールド体２との結合
を周方向の複数個所で行なうだけでなく、軸方向におい
ても複数個所（例えば第９図に示す構造）で行なえば、
金属シールド体２の保持固定を一層堅牢に行なうことが
できる。

また、上記のようにガラス絶縁筒１の内壁に設けた支持
金具３で金属シールド体２を保持するように構成してい
るので、従来のように２本の絶縁筒を接続することなく
単一の絶縁筒で真空容器を形成することができる。

これによって絶縁容器の外部に導電物が突出することは
ないので充電部の絶縁に対する沿面距離が長くとれる利
点がある。

このため真空開閉器は小形のものにすることができる。

また従来の２本の絶縁筒を接合するものに比べて接合個
所が減少し、この減少した分真空シールの信頼性が向上
すると共に組立が簡単となり、溶接工数が減少し、安価
で耐久性の高い真空開閉器を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の真空開閉器の要部縦断正面図、第２図
は第１図Ａ部の詳細な縦断正面図、第３図及び第４図は
本考案の連結金具の塑性変形前後の平面図及び側面図、
第５図〜第７図は本考案のガラス絶縁筒と金属シールド
体との結合作業の説明図、第８図は第５図〜第７図で示
した結合作業に使用する成形金具の要部のみを示す斜視
図、第９図は本考案の他の実施例の真空開閉器の要部縦
断正面図、第１０図〜第２１図は本考案の他の実施例の
連結金具の塑性変形前後の平面図及び側面図、第２２図
は本考案の他の実施例で、第１図Ａ部に相当する縦断正
面図。 １はガラス絶縁筒、１１．１２は筒フランジ、１３．１
４は端板、１５は固定電極、１６は可動電極、１７はベ
ローズ、２は金属シールド体、３は支持金具、３１は支
持部、３２は埋設部、４は連結金具、４１は孔、４２は
固着部、４３は振れ止、４４は切込み、４５は止歯、４
６は緩衝部材、５１はベース、５２はクランプ装置、５
３は成形金具、５４は切込み。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ガラス絶縁筒の両端を端板で封止して内部を真空にし、
   前記両端板に貫通すると共に相対する一対の電極を備え
   、これら電極の少なくとも一方の電極がベローズを介し
   て可動し得るように戊され、前記電極を囲繞し且つ該電
   極と前記ガラス絶縁筒との間に位置して浮遊電位の円筒
   状の金属シールド体を備え、該金属シールド体を前記ガ
   ラス絶縁筒に埋設した支持金具に連結して支持するよう
   に構成したものにおいて、前記支持金具を略筒状に形成
   すると共に軸方向の一端側を前記ガラス絶縁筒の内壁面
   に埋設して複数個設け、前記シールド体の外側部に、前
   記支持金具の他端側と係合し得る保合部を少なくとも一
   端側に備えて成る方形状の連結金具を複数個設け、該連
   結金具の長手方向を各々金属シールド体の軸方向と同方
   向にして配置すると共に該連結金具の他端側を金属シー
   ルド体に固着したことを特徴とする真空開閉器。