JPS5820807B2 - 自動車用空気調和装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は加熱器、自動車原動機を動力源とする冷却器、
および温度調節のために加熱器とその側路を流れる空気
量の割合を調節するエアミックスダンパを備えた自動車
用空気調和装置に関し、特に冷却器の作動なしで行なう
温度制御を簡単な構成でかつ高精度に実施できる装置を
提供し、自動車原動機の負荷を軽減し燃費向上を図るこ
とを目的とする。

本発明の一実施例について添付図面により説明する。

１は導入される空気を冷却する冷却用熱交換器で、本実
施例では公知の冷媒圧縮膨張型冷却機におけるエバポレ
ータである。

２はエバポレータ１の下流側にあってエバポレータを通
過してくる空気を加熱する加熱用熱交換器で、本実施例
では自動車機関より発生する熱を利用したヒータコアで
ある。

３は温度調節のための電気的制御部材をなすエアミック
スダンパである。

４は空気を導入し車室６の方向に送風する電動ファンで
ある。

エバポレータ１、ヒータコア２、ダンパ３、ファン４は
通風ダクト５に図示のように直列に配設してあり、通風
ダクト５の下流側は車室６の内側に連通し、上流側は内
外気切換ダンパ５ａによって車室内側５ｂか車室外の大
気側５Ｃのいずれかと連通ずる。

このダンパ５ａは車室６内運転席にて遠隔操作可能なも
のである。

エバポレータ１を含む冷房サイクルは、自動車原動機と
しての内燃機関（以下エンジンと称する）７にて駆動さ
れる冷媒圧縮機１０と、コンｑンサ１１と、受液器１２
と、膨張弁１３とを配管結合して構成されており、コン
デンサ１１において冷媒の熱を放出しエバポレータ１に
おいて導入される空気の熱を冷媒に吸収させる熱サイク
ルをなしている。

８は電磁クラッチで、指令信号９ａによりエンジン７の
駆動力を圧縮機１０に伝達し遮断する働きを有する。

前記ヒータコア２はエンジン１の冷却水配管に接続され
エンジン１にて加熱された冷却水の熱を放出する働きを
有する。

１ａは公知の流路調節弁で、冷却水温度に応じて冷却水
の流路を、前記ヒータコア２を通るものと図示しないラ
ジェータを通るもの１ｂとで調節する。

前記ダンパ３は開度が電気的に制御可能なもので、例え
ばサーボモータ３０によって開度制御される。

このサーボモータ３０は電磁弁３０ａ。３０ｂの開閉に
よってエンジン負圧を管３０ Ｃ，を介して導入するか
大気圧に管３０ｄを介して開放するか、またはいす褐ｘ
断した状態かを切換え、ダンパ３の開度を変える。

３１はダンパ３の開度を電気的に検出するポテンシオメ
ータである。

９は各種の入力条件に応じてダンパ３の開度を制御する
制御装置である。

制御装置９の入力条件を決定する要素としては、車室６
内の温度を測定する内気センサ９０と、車室外大気の温
度を測定する外気センサ９１と、希望温度を設定する設
定器９２と、内外気切換ダンパ５ａの動作位置を判別す
る判別器９３と、前記ダンパ３の開度を検出するポテン
シオメータ３１と、経済運転を選択するスイッチ９０４
とがある。

これらセンサ等より制御装置９へ入力される信号９０ａ
、９１ａ。

９２ａ、３１ａはいずれもアナログ信号となるべく、抵
抗値もしくはそれに応じた電圧値としである。

従って、センサ９０，９１は感温抵抗素子例えばサーミ
スタ、設定器９２は可変抵抗器、ポテンシオメータ３１
は摺動抵抗器にて構成されている。

また、判別器９３はダンパ５ａと機械的に連動して２レ
ベルの出力電圧を選択するスイッチである。

制御装置９より出力される信号は、前記電磁クラッチ８
の接続、遮断を示す２値信号９ａと、前記ダンパ３の開
度を制御する前記電磁弁３０ａ。

３０ｂの開閉を示す信号９ｂ 、９ｃとである。

制御装置９は内気センサ９０と外気センサ９１と設定値
９２からの信号に応じてダンパ３の制御開度を演算する
基本演算回路９０１と、電磁クラッチ８への通電を断続
させて経済運転を選択するスイッチ９０４と、このスイ
ッチ９０４と連動して前記判別器９３の判別信号（２レ
ベルの電圧信号）を開閉するスイッチ９０３と、判別器
９３の判別信号の状態によって基本演算回路９０１の出
力信号を補正する補正演算回路９０２と、その出力信号
とポテンシオメータ３１からの信号とを比較して、ダン
パ３を出力信号によって示される目標位置に動かすため
の電磁弁駆動信号９ｂ 、 ９ｃを出力する比較出力回
路とから構成しである。

前記基本演算回路９０１は、車室内温度を調整するため
に、通風ダクト５より吹出す空気の熱量、とくに吹出空
気量を一定とした場合の吹出空気温度（Ｔａｏ）を次式
に従って演算する。

Ｔａｏ＝Ｋｓｅｔ−Ｔｓｅｔ−Ｋａｍ−Ｔａｍ−Ｋｒ−
Ｔｒ十Ｃ・・・・・・（１） ただし、Ｔｓｅｔ； 設定温度を示す値、Ｔａｍ ；外
気センサの測定値を示す値、Ｔｒ；内気センサの測定値
を示す値、Ｃ；定数、Ｋｓｅ ｔ 、Ｋａｍ、Ｔｒ ；
制御上の利得で、この（１）式では冷却機が作動中であ
ってエバポレータ１の通過空気温度を０℃としたときの
ダンパ３の制御開度をＴａｏとして表わしている。

補正演算回路９０２は冷却機が非作動のとき、すなわち
スイッチ９０３の閉成時において、判別器９３からの判
別信号によりダンパ３の制御開度の補正を行なう。

この補正演算は、通風ダクト５に導入される空気の温度
が０℃のとき補正値がＯとなるようにし、判別器９３の
判別信号が、内外気切換ダンパ５ａが車室内側５ｂを開
いていることを示すときは、内気センサ９０の測定値Ｔ
ｒに定数αを乗算した値αＴｒを補正項とし、測定値Ｔ
ｒが大きくなるに従ってエアミックスダンパ３をヒータ
コア２の側路を通る空気量が増すように前記（１）式の
右辺に補正項αＴｒを加える。

同様に、内外気切換ダンパ５ａが車室外側５ｃを開いて
いるときは、補正演算として外気センサ９１の測定値Ｔ
ａｍに定数γを乗算した値γＴａｍを補正項としてダン
パ３の制御開度を補正する。

従って、ダンパ３は通風ダクト５に導入される空気の温
度に応じて補正された位置に調節され車室内温度を可能
な限り目標温度に近づける。

以上述べたように本発明においては、車室内温度および
車室外温度を予め検出し、この検出値に基いて電気的制
御部材（エアミックスダンパ）の動作位置制御信号を作
成するタイプの温度制御系を有する自動車用空気調和装
置において、導入される空気が車室内から循環されたも
のであるか車室外から取り入れられたものであるかを判
別し、この判別によって車室内温度あるいは車室外温度
に関連して電気的制御部材の動作位置を補正する電気制
御装置とを設けたから、冷却機が駆動されなくても目標
温度に近い車室内温度を得ることができ、しかも車室内
温度および車室外温度の検出器は温度制御用と兼用でき
るため構成上も簡単に実現できるという優れた効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

添付図面は本発明になる自動車用空気調和装置の一実施
例を示す全体構成図である。 １・・・・・・冷却用熱交換器をなすエバポレータ、２
・・・・・・加熱用熱交換器をなすヒータコア、３００
．・０．電気的制御部材をなすエアミックスダンパ、５
・・・・・・通風ダクト、５ａ・・・・・・内外気切換
ダンパ、６・・・・・・車室、９・・・・・・制御装置
、９０．９１・・・・・・車室内温度および車室外温度
の検出器、９３・・・・・・判別器、９０２・・・・・
・補正手段をなす補正演算回路、９０４・・・・・・ス
イッチ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 上流に内外気取入装置を有するダクトに、車載機関
   連結の冷凍機をもつエバポレータ、およびヒータコアを
   配設し、これらエバポレータ、ヒータコアの交換熱量の
   調節により車室の温度調節を行なう自動車用空気調和装
   置において、 車室内の温度に応じた信号を生じる内気温センサ、 車室外の温度に応じた信号を生じる外気温センサ、およ
   び、 上記２つのセンサからの信号を含む制御条件に応じて上
   記交換熱量の調節値を指示する出力信号を発する電気制
   御装置であって、前記冷凍機の作動、停止と、前記内外
   気取入装置の取入状態とに応動して、前記冷凍機の停止
   の除、前記内外気取入装置が、内気取入状態であれば前
   記内気温センサの信号に応じて、また外気取入状態であ
   れば前記外気温センサの信号に応じて、前記出力信号の
   値を補正するように構成された電気制御装置、を具備し
   てなることを特徴とする自動車用空気調和装置。 ２ 前記電気制御装置が、前記内外気取入装置における
   内気取入状態と外気取入状態との別を指示する判別器を
   包含してなることを特徴とする特許請求の範囲第１項に
   記載の自動車用空気調和装置９３ 前記判別器が前記内
   外気取入装置と機械的に連動するスイッチからなること
   を特徴とする特許請求の範囲第２項に記載の自動車用空
   気調和装置。