JPS5819667B2 - 芳香族及び置換芳香族化合物の選択的ニトロ化法 - Google Patents

芳香族及び置換芳香族化合物の選択的ニトロ化法

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JPS5819667B2
JPS5819667B2 JP51049762A JP4976276A JPS5819667B2 JP S5819667 B2 JPS5819667 B2 JP S5819667B2 JP 51049762 A JP51049762 A JP 51049762A JP 4976276 A JP4976276 A JP 4976276A JP S5819667 B2 JPS5819667 B2 JP S5819667B2
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C201/00Preparation of esters of nitric or nitrous acid or of compounds containing nitro or nitroso groups bound to a carbon skeleton
    • C07C201/06Preparation of nitro compounds
    • C07C201/08Preparation of nitro compounds by substitution of hydrogen atoms by nitro groups
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07BGENERAL METHODS OF ORGANIC CHEMISTRY; APPARATUS THEREFOR
    • C07B43/00Formation or introduction of functional groups containing nitrogen
    • C07B43/02Formation or introduction of functional groups containing nitrogen of nitro or nitroso groups

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は芳香族及び置換芳香族化合物のニトロ化方法の
改良に関する。
化学工業において中間体として有用な種々の生成物を製
造するために、芳香族及び置換芳香族化合物をニトロ化
することは何年も前から知られていた。
例えば、色素及び医薬の中間体を製造するのに有用なパ
ラニトロトルエン中間体を生成するために、トルエンを
ニトロ化する。
ポリウレタンの製造に有用なトルエンジイソシアネート
の製造に、2,4−及び2,6−ジニトロトルエンの混
合物であるジニトロトルエンが使用されてきた。
モノ置換芳香族化合物のニトロ化において、3種の異性
体が生成し、各異性体の割合が芳香族環中に存在する官
能基に大きく依存することがあることが知られている。
例えば、トルエンをニトロ化する場合、約58%のオル
ト異性体、38%のパラ異性体、及び4%のメタ異性体
が生成するが、クロロベンゼンをニトロ化する場合、約
30%のオルト異性体、70%のパラ異性体が生成する
芳香族環上の特定の基により適当な異性体が高い割合で
生成するとしても、これらの基が最終生成物中で望まし
くないこともあり、また選択率が十分でないこともある
ニトロ化混合物中ζこ複数の異性体が存在することは望
ましくなく、原料の浪費及び回収率の低下に導く。
例えは、ニトロトルエンに関して、色素及び医薬の中間
体の製造において、パラニトロトルエンは有用であるが
、オルト及びメタニトロトルエン異性体は有用ではない
従って、これらの異性体は生成物中から除去しなければ
ならず、その分だけ価格が上る。
ポリウレタン工業において最終的に使用するためには、
2,6−ジニトロトルエンに対する2゜4−ジニトロト
ルエンの割合が高い方が望ましい。
ジニトロトルエンの2,6−異性体はオルトニトロトル
エンをニトロ化することにより製造されるが、2,4−
ジニトロトルエン異性体はパラニトロトルエンから製造
されるだけである。
このために、パラニトロトルエンを得ることが重要であ
る。
メタニトロトルエンから製造した異性体は多くのポリウ
レタンの用途に満足ではなく、精製上の問題、すなわち
生成物からメタニトロトルエンを除去する問題がある。
もう一つの置換芳香族化合物である4−ニトロオルト−
キシレンは非常に有用であり、化学工業における多くの
用途に望ましい。
オルトキシレンを従来の方法でニトロ化すると、はとん
ど等しい量の4−ニトロ−オルト−キシレン及び3−ニ
トロ−オルト−キシレンが生成する。
3−二トロ異性体は一般に生成物から除去する必要があ
るので、価格の高騰及び原料の浪費になる。
非常に長い間、ニトロ化の技術の当業者は芳香族及び置
換芳香族化合物のニトロ化率を高めるとともにその選択
率をも高める方法を探究してきた。
多くの触媒又は促進剤が開発されニトロ化反応を高める
ために使用されたが、その多くはニトロ化の選択率を高
めることができなかった。
工業的製造に満足なニトロ化速度を得るためには触媒又
は促進剤が必要である。
この速度は単に反応物の濃度を高めるだけでは得ること
ができない。
芳香族又は置換芳香族化合物の従来のニトロ化法におい
ては、硝酸を濃硫酸と混合し、液相で芳香族化合物に加
える。
硝酸に硫酸を加えるのは、芳香族環を攻撃してニトロ化
を行いもって反応を促進するニトロニウムイオンを生成
するためである。
反応が進行するにつれて、水が生成し、硫酸を希釈する
従って、反応を促進するのに十分な濃度に保つため(こ
、硫酸を補充しなければならない○ ニトロ化の選択率、特にトルエンのニトロ化ニおけるパ
ラ位置の選択率を高めるために、芳香族スルホン酸が使
用されてきた。
芳香族スルホン酸は分子状でもよくまたイオン交換樹脂
のようにポリマー網目構造物に付加していでもよい。
これらの芳香族スルホン酸は、トルエンのニトロ化の選
択率を高めるのに適しているが、ある種の欠点がある。
芳香族スルホン酸は再生が困難なことがあり、再生が必
要となる前に製造した生成物1部尚りに必要なスルホン
酸としての能力が非常に小さい。
担体なしのスルホン酸には、生成物に可溶であることが
よくあり、分離が非常に困難であるという問題がある。
トルエンのパラ位置ζこおけるニトロ化の選択率を高め
るために示唆されたもう一つの方法は、高度に立体障害
のあるアルコールの硝酸エステルを使用する方法である
この方法についての基本的な問題点は、(a)担体が非
常に高価なこと、(b)ニトロ化の後アルコールの再生
が困難であること、(C)ニトロ化に必要な酸条件下で
の転位により、担体アルコールが損失するおそれがある
ことである。
低温において、従来のニトロ化におけるよりも強い硝酸
混合物を使用する変法もある。
この方法はトルエンに対して特に適する。
しかし、この方法の問題点は、モノニトロトルエンとと
もにジニトロトルエンが高い割合で生成することである
所望の異性体の生成割合が高くても、反応媒体はモノニ
トロトルエンの合成に余り適さない。
本発明は芳香族又は置換芳香族化合物をニトロ化する方
法において、硝酸をニトロ化反応条件下で上記化合物と
接触させる改良方法に関する。
ニトロ化の選択率とともQこニトロ化速度を高める本改
良法は、前記ニトロ化を、少くともニトロ化又はニトロ
化の選択率を増大させるのに有効な量の可溶性硬石膏の
存在下で行うことを含む。
本方法の利点は以下の通りである。
(a) 適度な温度、例えば室温(25℃)において
、触媒未使用のニトロ化法と比較して高い反応速度でニ
トロ化を行うことができる。
(b) %ζこパラ置換トルエンのようなアルキル芳
香族化合物のニトロ化の選択率を高めることができる。
(c) 以下の使用のためQこ容易に回収・再生する
ことができる比較的安価な促進剤又は触媒を使用するこ
とができる。
本発明の方法のニトロ化を行うのに適する芳香族及び置
換芳香族化合物は一般に式: RC6H4R1(ただし
、Rは1〜4の炭素数の低級アルキル基、ハロゲン、ハ
ロアルキル、ニトロ、又は−0CH3基であり、R1は
炭素数1〜4の低級アルキル基、ハロゲン、ニトロ又は
水素であり、中でも水素が好ましい)Iこより表わされ
る。
これらの化合物の中で、低級アルキル芳香族、ポリアル
キル芳香族及びハロアルキル芳香族化合物が本発明の実
施に最も適する。
これらの化合物のニトロ反応生成物は化学工業において
広範な用途を有するので、パラ位置のニトロ化のニトロ
化速度及び/又は選択率が高いことが重要である。
芳香族環は広範囲の種類の基により置換されたものであ
ってもよい。
これらの基は、芳香族環のニトロ化を実質的に妨害しな
いように、ニトロ化反応に対して十分に不活性でなけれ
ばならない。
本発明の方法の実施に使用することができる普通の芳香
族及び置換芳香族化合物はトルエン、オルトキシレン、
n−プロピルベンゼン、イソプロピルベンゼン、t−ブ
チルベンゼン、n−ブチルベンゼン、オルト−クロロト
ルエン、エチルベンゼン、オルト−ニトロトルエン、メ
タ−キシレン、ヘンセン及ヒ二トロベンゼンである。
本発明の方法を実施するのに使用し、パラ位置のニトロ
化の速度又は選択率又はその両方を高めるのに使用する
触媒又は促進剤は無水硫酸カルシウム、すなわち俗にい
う可溶性硬石膏である。
可溶性硬石膏は石膏(Ca 80.・2H20)を加熱
することにより、すなわち石膏を乾燥、粉砕、分級し2
時間約450〜500下まで加熱することにより作られ
る。
得られたものは可溶性、粒状の多孔性物質であり、自ら
の重量を支えるのに十分な機械的強度を有する。
可溶性硬石膏は湿った空気中で容易に水を吸収し、半水
石膏(CaSO4・1/2H20)を生成する。
従って、硬石膏は乾燥剤として使用されており、商標[
ドライヤライト(Drierite)により販売されて
いる。
可溶性硬石膏触媒は、ニトロ化速度を高め、又はニトロ
化の選択率(、こ影響を与え又はその両方をするのに少
くとも十分な割合で、反応媒体中に加える。
しかしこの程度の割合では、特にトルエンのニトロ化の
選択率を高めるのに、すなわちパラ異性体を生成するの
に十分ではない。
一般にニトロ化生成物の理論量に基づく、ニトロ化ζこ
心事な化学量論的量の少くとも25%を反応媒体に加え
る。
この割合は、ニトロ化生成物に対する理論的化学量論的
量よりも少くとも500%過剰にまで増大させることが
できる。
ニトロ化反応に加える可溶性硬石膏の割合は、少くとも
理論的化学量論的量であるのが好ましい。
化学量論的量の25%以下の可溶性硬石膏を使用する場
合、反応速度又はパラ位置におけるニトロ化の選択率は
低下する。
可溶性硬石膏の割合が25%以上化学量論的量まで増大
するに従って、高い反応速度及び選択率の利点が認めら
れる。
可溶性硬石膏の割合が理論的化学量論的量を超えて増大
すると、欠点が現われる。
この点は、回収・再生すべき物質の量の増大による原料
費の増大等である。
化学量論的量乃至約100%過剰量の可溶性硬石膏を使
用するのが好ましい。
無水条件下で行うと仮定して、ニトロ化に使用する可溶
性硬石膏の化学量論的量は以下のよう(こして決定する
生成したモノニトロ化芳香族又は置換芳香族化合物各1
モル当り1モルの氷が生成する。
1モルの可溶性硬石膏はAモルの水を吸収することがで
きる。
従って、化学量論的には、生成したモノニトロ化芳香族
又は置換芳香族化合物各1モル当り2モルの可溶性硬石
膏を使用する必要がある。
ジニトロ化芳香族又は置換芳香族化合物を所望する場合
、ジニトロ化反応(こより生成した2モルの水を吸収す
るのに化学量論的には4モルの可溶性硬石膏が必要であ
る。
便宜のために、無水硝酸を使用すると仮定して、基準点
を、全部の硝酸が反応した場合に生成する水の理論量と
する。
さもなければ硝酸中に生成する水に釣り合うように、可
溶性硬石膏の量を多くしなければならない。
理論に束縛される積りはないが、可溶性硬石膏は水に対
する親和性が非常に大きいために、硝酸から水を除去し
、ニトロニウムイオンを生成するものと考えられる。
一方、他の乾燥剤、例えばシ、リカゲル及び焼石膏は、
可溶性硬石膏の使用により得られる程度までニトロ化速
度を高めることはすく、マたトルエンのパラ位置のニト
ロ化を促進することもない。
可溶性硬石膏が11モルの水を吸収することにより生成
する硫酸カルシウム半水和物は、従来の方法により可溶
性硬石膏に再生することができる。
典型的には、硫酸カルシウム半水和物は加熱空気流によ
り400〜425°Fまで加熱する。
本発明の実施における可溶性硬石膏の利点の一つは廃棄
しなければならなくなるまで何回も使用することができ
ることである。
本発明のニトロ化を行うのに適する反応条件は、可溶性
硬石膏の添加を除いて、一般に従来の方法のものと同一
である。
例えば、0℃乃至約125℃の温度を使用することがで
きる。
実験により、トルエンを使用した場合、パラ異性体の生
成割合は、例えば100℃のような高温で反応させたと
きの方が例えば25℃のような低温で反応させたときよ
りも低いことが判明した。
しかし、高温で生成したパラ異性体の割合は、反応媒体
中に可溶性硬石膏を含有させた場合、同一の温度で従来
の方法により製造した場合よりも大きい。
本発明を実施するのQこ適当な圧力は減圧乃至高圧まで
広範な範囲Qこわたるが、有効性及び経済性の理由から
、大気圧が好ましい。
可溶性硬石膏はその重量の僅か66%の水しか吸収しな
いので、化学量論的割合のトルエンと硝酸との大規模な
反応には、一般に反応混合物を扱いやすくするために、
希釈剤を使用する必要がある。
クロロホルム、メチレンクロライド、ニトロトルエン等
のような化合物を使用することができる。
好ましい結果を得るため(こは反応物が希釈剤に非常に
可溶性であることが好ましい。
反応物に対する溶媒とならない希釈剤は二)口止速度及
び選択率を低下させる傾向がある。
希釈剤はニトロ化速度及び選択率に対して影響を与えう
るが、結果は従来のニトロ化法より良好である。
例えば、クロロホルムはメチレンクロライドよりも低い
オルト/パラ比を与えるが、両方とも従来のニトロ化法
により得られる比よりも低い比を与える。
上記反応条件を使用して、ニトロ化を従来の反応剤によ
り行うことができる。
典型的には、ニトロ化剤として、30〜100%の濃度
の硝酸を使用する。
無水硝酸は系中の水分量を低下させるので、好ましい。
硝酸はまた、アルカリ金属硝酸塩と硫酸のような酸とを
使用することにより、現場生成することができる。
本発明の好ましい実施例を以下の例により示すが、本発
明は勿論以下の例に限定されるものではない。
全ての割合(%)は重量%で表わし、全ての温度は℃で
表わす。
例I トルエン601rLlヲ、34モル%の濃硫酸と8モル
%の濃硝酸からなる混酸80m1で処理した。
処理はトルエン中に酸を注射器からスプレィすることに
より行なった。
反応温度は25℃に保った。そのように処理したトルエ
ンの試料を取り出し、2個の試料に分けた。
試料Iを対照標準とした。試料■には、反応液1ミリリ
ットル当り可溶性硬石膏(ドライヤライト)0.23グ
ラムを添加した。
1時間後及び24時間後に、試料をガスクロマトグラフ
ィーにより分析した。
対照標準および実験試料の分析結果は、24時間後も1
時間後もほぼ同様な組成を示すので、反応の大部分は1
時間以内に完結している事がわかった。
下記の表1に試料Iと試料■の1時間後の分析結果を示
す。
対照標準である試料1はモノニトロトルエンをわずか0
.641モル%しか与えないのに対し、可溶性硬石膏で
処理した試料は、2.883モル%のモノニトロトルエ
ンを与えた。
この結果から、反応液に可溶性硬石膏を添カ目する事に
より、反応速度及び、ニトロ化の収率を上げている事が
わかる。
またこの結果は、可溶性硬石膏添加により、望ましいパ
ラ異性体の割合が、かなり増加している事を確証してい
る。
試料2に含まれるオルト異性体とパラ異性体との比は、
およそ0.74である。
従来のトルエンのニトロ化反応は、試料Iに示されるよ
うに、オルト異性体とパラ異性体との比が1.5〜1.
8である。
このように、この結果により、可溶性硬石膏は、選択率
すなわち、トルエンのニトロ化中Oこ形成されるパラ異
性体の比を上げるに効果的である事が示された。
例■ トルエン100Tllに、粉末の可溶性硬石膏(ドライ
ヤライト)100gを添加し、混合した。
トルエンと可溶性硬石膏の混合物中に無水硝酸を30分
間かけて滴下した。
トルエンおよび可溶性硬石膏の混合物中に硝酸を全て添
加した後反応を25°C3時間行った。
その後ニトロベンゼン26gを反応液中に添加し、その
反応媒体をさらに30分間攪拌した。
反応液を濾過し、加えたニトロベンゼンを内部標準物と
して、ろ液をガスクロマトグラフィーζこより分析した
その結果、硝酸に対してモノニトロトルエンが89%の
収率で得られた事が示された。
すべての硝酸が反応してモノニトロトルエン体を生成す
ると仮定すると、0.215モルの水が生成する事にな
る。
反応液中に加えた可溶性硬石膏の量は、反応によって生
成するすべての水を吸収するために必要な理論量より7
0%過剰である。
可溶性硬石膏の量は、実際のニトロ化で生成する水に基
づいて計算すると、実際に生成する水を吸収するために
必要な理論量の90%過剰である事がわかった。
生成したモノニトロトルエン体を分析した結果は以下の
通りである。
オルトニトロトルエン43.2%、メタニトロトルエン
2.3%、パラニトロトルエン544%、オルト異性体
とパラ異性体の比は0.78であり、従来のニトロ化法
ζこよって得られる結果のおよそ×である。
また、生成するメタ異性体の量は、従来のニトロ化法で
得られる結果のおよそ×であることも指摘しなければな
らない。
このように、この結果は、可溶性硬石膏の添加により、
使用した硝酸に対して生成するニトロトルエンは非常に
良い収率を示し、また、比較的望ましくないオルトおよ
びメタ異性体の収率を押え、所望のパラ異性体の比を増
している事を示している。
例■ 例■から再生した可溶性硬石膏(有機化合物を取り除く
ために、最初真空下100℃7時間可熱し、それから終
液200℃で可熱したもの)86グラムをトルエン10
0m1に加えた。
この混合物を45℃に加熱し、攪拌しながら無水硝酸1
8,1グラムを30分間かけて滴下した。
攪拌を15時間続け、それから反応媒体にニトロベンゼ
ン26グラムを添加し、さらに攪拌を続けた。
1時間後に反応液を沖過し、p液を、ニトロベンゼンを
内部標準としてガスクロマトグラフィーにより分析した
モノニトロトルエンの収率は、添加した硝酸に対して6
1%であった。
モノニトロトルエンの組成はオルトニトロトルエン44
.1%、メタニトロトルエン28%、パラニトロトルエ
ン53.1%であった。
結果に示されているように、反応液に可溶性硬石膏を添
加する事によって、パラ異性体の比率を大巾に上げてい
る。
硝酸の全量が、モノニトロトルエンに変換されていると
仮定すれば、添加した可溶性硬石膏の量は、生成する水
を吸収するための理論量のおよそ12%過剰である。
実際に生成する水を吸収するために必要な理論量の80
%過剰な可溶性硬石膏が添加された。
例■ トルエン32.9グラムおよびクロロホルム100m1
の溶液中に、可溶性硬石膏100グラムを添加した。
それから無水硝酸22.6グラムを30分間かけて添加
し攪拌した。
さらに、2.5時間25℃で攪拌を続けた。
ニトロベンゼンを最後の30分前に加え内部標準とした
ガスクロマトグラフィーの分析Gこより、ニトロトルエ
ンの収率は93.2%であり、その組成はオルト体49
.1%、メタ体2.1%、パラ体48.8%であった。
例■ 例■、例■で使用した方法を用い表2に示すごとく、組
成および反応時間を変化させて実験を行なった。
反応はおよそ25°Cで行なった。使用し、た可溶性硬
石膏の量は、生成する水を吸収するために必要な理論量
のおよそ70%過剰であった。
以下の表2に記載された結果が示すように可溶性硬石膏
は、選択的にパラ位置をニトロ化するために有効である
例えば、従来の方法で得られる結果と比較して、可溶性
硬石膏を使用する事により、0−キシレンおよびm−キ
シレンと共に、大量の4−ニトロ−〇−キシレンおよび
4−二トローm−キシレンが得られる。
さらに、り四ロベンゼンのパラ位置へのニトロ化が増加
し、また0−ニトロトルエンの、2−4−異性体への選
択率を高めている。
また表の結果により、可溶性硬石膏ハ、反応性の低いク
ロロベンゼンおよび0−ニトロトルエンなどの化合物を
活性化する能力を有している事が示された。
例■て記載した方法を用い、可溶性硬石膏のかわりに、 理論量の半水石膏(CaS04×H20)を1つの試料
に添加し他の試料には理論量のシリカゲルを添加して反
応を行った。
半水石膏の場合、添加した硝酸に対する2時間後のモノ
ニトロトルエンの収率は小さかった。
0−二トロトルエンとp−二トロトルエンの比は1.3
1であった。
シリカゲルを添加した試料の場合、16時間後における
モノニトロ−ツエンの収率は、添加した硝酸に対して4
8%であった。
0−ニトロトルエンとp−ニトロト/ ルエンの比は121であった。
これらの結果により、シリカゲル及び半水石膏は、通常
乾燥剤に用いられているにもかかわらず、ニトロ化の選
択率および収率を上げるために効果的ではない事が示さ
れている。
ニトロ化の反応速度が低い事は、同様の反応時間を用い
たにもかかわらず、添加した硝酸に対する低い収率によ
って示されている。
またこの結果は、可溶性硬石膏を用いた時と比較して生
成するp−ニトロトルエンの量が大巾に少ない事を示し
ている。
半水石膏の場合もシリカゲルの場合も従来のニトロ化法
と比較して、0−ニトロトルエンとパラニトロトルエン
との比はほぼ同じである。
例■ 例■で用いた方法で、可溶性硬石膏のかわりに、触媒と
して使用される事が知られ商品名、アンバーリスト−1
5(Amberlyst−15)で売られている巨大網
目状スルホン化ポリスチレン樹脂100gを用い反応を
行なった、反応時間を6時間に増やした。
添加した硝酸に対するモノニトロトルエンの収率は、4
6%であった。
異性体の割合は。−ニトロトルエン43,4%、m−二
トロトルエン3.1%、p−二トロトルエン535%で
あった。
スルホン化ポリスチレン樹脂を使用して得られた異性体
分布は、可溶性硬石膏を使用した場合と同様であるが、
可溶性硬石膏の場合に比べてモノニトロトルエンの収率
が低い。
このモノニトロトルエンの収率が示す所は、スルホン化
ポリスチレン樹脂触媒が、可溶性硬石膏に比べてニトロ
化の反応を高めるために、不活性であるかまたは容量が
小さいことである。
後者が正しいとすれば、大量のスルホン化ポリスチレン
樹脂が必要である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 芳香族又は置換芳香族化合物をニトロ化条件下で硝
    酸と接触させる前記化合物のニトロ化法において、ニト
    ロ化の反応速度及び選択率を高めるためQこ、前記ニト
    ロ化を、少くともニトロ化速度又は選択率を選択的に高
    めるの(こ有効な量の可溶性硬石膏の存在下で行うこと
    を特徴とする方法。 2 前記ニトロ化に使用する可溶性硬石膏の量が、ニト
    ロ化反応Qこより生成しうる水と希釈剤として存在する
    水との合計量に基づく理論的化学量論的量の少くとも約
    25%乃至前記量の約500%過剰の量であることを特
    徴とする特許請求の範囲第1項暑こ記載の方法。 3 可溶性硬石膏をほぼ理論量乃至理論量より約100
    %を超えない程度に過剰の量の割合で添加することを特
    徴とする特許請求の範囲第2項に記載の方法。 4 前記化合物が炭素数1〜4のアルキル基を有するア
    ルキル芳香族化合物であることを特徴とする特許請求の
    範囲第3項に記載の方法。 5 前記化合物がトルエンであることを特徴とする特許
    請求の範囲第4項に記載の方法。 6 前記化合物が炭素数1〜2のアルキル基を有するポ
    リアルキル芳香族化合物であることを特徴とする特許請
    求の範囲第3項に記載の方法。 7 前記ポリアルキル化合物がキシレンであることを特
    徴とする特許請求の範囲第6項に記載の方法。 8 前記化合物がクロロベンゼンであることを特徴とす
    る特許請求の範囲第3項に記載の方法。
JP51049762A 1975-05-02 1976-04-30 芳香族及び置換芳香族化合物の選択的ニトロ化法 Expired JPS5819667B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US05/574,131 US3957889A (en) 1975-05-02 1975-05-02 Selective nitration of aromatic and substituted aromatic compositions

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS51136626A JPS51136626A (en) 1976-11-26
JPS5819667B2 true JPS5819667B2 (ja) 1983-04-19

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