JPS5818844Y2 - 回転式電気かみそりの外刃 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、回転式電気かみそりの外刃、特に孔形状と配
列方法の改良に係るものであり、その目的は内刃回転時
の外刃への片当りを防止し、主として外刃の強度向上を
促すものである。

従来の外刃は、第１図に示されるように外刃中央部５に
は、髭剃り用の長孔１ａ又は、実公昭５０−３５９１５
号公報のように髭が入り得ないような幅０．０６〜Ｑ、
ｌＱｍｍ程度の長孔１ａを放射状に多数配列した補強部
６が存在していた。

補強部を設は髭剃り用長孔を配列することは、外刃が外
部がら、押圧等の圧力を受けた場合の補強と、外刃全体
の強度の均等化を図ったものであり、髭が入り得ない孔
幅にしたのは、この範囲には、普通内刃２がとどかない
範囲であり、孔に髭が入っても、内刃で゛カットされな
いので、抜ける時に孔周辺凸部リム３ｂ（第２図）のエ
ツジ部に引っ掛かり、皮膚の刺激、ひりつきが起こるの
を防止する為である。

孔周辺凸部リム３ｂを設けるのは、内刃との接触抵抗を
低減するためであり、又、刃先を鋭角とし、切れ味を向
上させる為である。

従来の外刃は以上の様になっているが、下記に示す様な
欠点には着目していなかった。

即ち、第３図に示すように従来のカミソリは、内刃２が
回転運動をすると、内刃保持具における、内刃の保持部
である溝と内刃とに隙間が生じるが、遠心力により、そ
の隙間分のみ内刃２が外傾するようになり、内刃外端部
２ｂが外刃４がら離れ、内刃中心側端部２ａが外刃４に
食込むような現象がおきていた。

これを更に外刃断面拡大図の第２図により説明する。

電鋳法による外刃、シンク加工を含むプレス加工による
外刃の部分断面図は、第２図に示される様な形状をして
いる。

長孔１ａの周囲には、切断エツジを含む凸部リム３ｂが
あり、更に、この内側には骨部下面凹部３ａがある。

第３図では実施線で静止している内刃を、回転時の内刃
を破線で゛示しである。

内刃が回転すると、遠心力により外傾し、内刃の外端部
２ｂが下がり、外刃４とすき間ができる。

これの反作用として内刃中心側端部２ａは、外刃４に押
しつけられる。

第１図に示される様な従来の外刃に、内刃中心側端部２
ａが上記のように押しつけられたまま回転すると第２図
に示されるような現象が起きる。

即ち、外刃の裏面は、先に述べたように切断エツジを有
する孔周辺凸部３ｂと、骨部下面凹部３ａがら構成され
ているので内刃中心側端部２ａが絶えず下から押圧を受
けた状態で回転すると、通常は、■のように孔周辺凸部
３ｂに接して摺動しているので、Ｏの如く骨部下面凹部
３ａに入り込む現象が起こる。

内刃中心側端部２ａが骨部下面凹部３ａに入り込み、孔
周辺凸部リム３ｂの骨部下面凹部３ａ側の側面に当りな
がら、回転し、該凹部３ａより抜は出て○の如くなるの
でこの孔周辺凸部リム３ｂの部分が破損し、外刃強度を
弱める原因になり、又、内刃も刃先が破損すると共にそ
の時に異状音が生じるようになっていた。

又、内刃が外傾した状態で回転しているので、特に内刃
外端部２ｂが外刃４から浮き下がり、孔１に導入された
髭を、はさみ切る事が難しくなり、髭を引っ張り、不快
な感じを与える原因になっている。

以上の欠点を解決するのが本考案であり、以下に実施例
に基づき第３図、第４図を中心にして説明する。

解決策の基本は内刃２が回転する時に遠心力が働いて、
内刃２が外傾しても内刃外端部２ｂが下がらないように
すればよく、それには内刃中心側端部２ａが上がらない
様に外刃に内刃２が上がるのを妨げる突起を内刃中心側
端部２ａに対応する部分に設ければよい。

この突起は、孔周辺凸部リム３ｂの高さと同等でなけれ
ばならず、高すぎても低すぎても本考案の目的にそぐわ
ず、髭の引つ張りを引き起こす。

外刃の製法がシンク加工を含むプレス法、電鋳法による
ならば内刃中心側端部２ａに対応する外刃の部分に孔を
設ければよい。

これらの加工法によるならば孔の周辺部には自動的に孔
周辺凸部リム３ｂが成形されるからである。

孔は、その周辺凸部リム３ｂが内刃中心側端部２ａが上
がるのを防ぐという目的から長孔であることが望ましく
、長孔の長手方向は内刃の片摩耗を防ぐ為に、内刃２の
回転する方向αに平行一致するものでなく、斜めに配置
するようにしたもの、即ち、斜行させる必要がある。

斜行させ、常に凸部リム上に内刃中心側端部２ａがくる
ように複数個配列させる。

これを第４図の実施例にて示す。本考案における内刃中
心側端部２ａは内刃中心側最内端でも外刃の骨部下面凹
部３ａ及び、凸部リム３ｂを、かじらないように斜行し
た凸部リム３ｂと接するようにした部分であり、実際上
、内刃中心側端部２ａは、その最内端から、１．５ｍｍ
以内をさし、内刃の半径方向長さの約１割程度以内とな
る。

よって本考案では、内刃中心側端部２ａに対応する外刃
体に回転する内刃に斜行する長孔を、内刃中心側端部２
ａが必ず凸部リム下に存在する様多数配列したので、内
刃２が回転する時に遠心力が作用しても、内刃中心側端
部２ａは、外刃孔周辺凸部３ｂにより保持されるので内
刃２は外傾するのを妨げられる。

よって内刃２の先端部で外刃骨部下面凹部３ａの側面を
かじることもないので外刃の寿命を長くシ、且、内刃の
破損もなく、切れ味を良好に保ちカミソリ回転中の音む
ら等不快な音をもなくすことができる。

しかも、外刃中央部の長孔が内刃運動方向に斜行してい
るので、長孔の周辺凸部リムと接触する内刃の場所は次
々と変化するから、その様なことがない場合に生じる内
刃の偏摩耗もなく、外刃と内刃の位置が変わっても外刃
と内刃の密着が損なわれることがない。

ことに、凸部リムも長孔状となるので、内刃との接触個
所の変化具合もスムースとなる。

又、内刃は外傾することが妨げられるから、髭を引っ張
ることがない。

加えて、内刃中心側端部２ａと当接する長孔を前述のよ
うに髭が入り得ない幅としておくと、外刃ｐ中心まで大
きな多数の髭剃り用孔が設けられているものに対して強
度が向上し、又、外刃全体の強度の均等化を図れるもの
である。

なお、孔周辺の凸部リム３ｂは、孔の全域に設けるもの
でなく内刃と挾み切るものに必要とする部分のみ設けた
ものでもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は外刃の平面図、第２図は外刃と内刃の接触状況
を示すもので、第１図の外刃中央部の円周方向の断面図
、第３図は第１図の半径方向の断面図、第４図は本考案
の実施例における平面図である。 １・・・・・・孔、１ａ・・・・・・長孔、２・・・・
・・内刃、２ａ・・・・・・内刃中心側端部、２ｂ・・
・・・・内刃外端部、３・・・・・・骨部、３ａ・・・
・・・骨部下面凹部、３ｂ・・・・・・凸部リム、４・
・・・・・外刃、５・・・・・・外刃中央部、６・・・
・・・外刃補強部、α・・・・・・内刃運動方向。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外刃の孔の周辺部下面に設けられた凸部リムに内刃が摺
   動する電気かみそりにおいて、外刃中央部に内刃回転運
   動方向に斜行し、ひげが入り得ない幅を有する長孔を複
   数個配置せしめ、内刃中心側端部が内刃回転運動中、常
   時前記長孔の凸部リムに接触するよう構成せしめたこと
   を特徴とする回転式電気かみそりの外刃。