JP2004000388A - かみそりアセンブリ - Google Patents
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Abstract
【課題】ひげそり接線角度を一定に保持し、スムーズで安定したひげそりを可能とするかみそりアセンブリを提供する。
【解決手段】刃先前方に回転可能なローラ7を備えたかみそりアセンブリ1において、キャップ部材の皮膚に接触する表面とローラ周面の皮膚に接触する上面部を結ぶ想像線によりひげそり接線Xを形成する一方、ローラと刃先との間に可撓性のガード部材10を配設し、可撓性のガード部材の皮膚と接触する表面を少なくとも一部がひげそり接線Xに一致させる。
【選択図】 図4
【解決手段】刃先前方に回転可能なローラ7を備えたかみそりアセンブリ1において、キャップ部材の皮膚に接触する表面とローラ周面の皮膚に接触する上面部を結ぶ想像線によりひげそり接線Xを形成する一方、ローラと刃先との間に可撓性のガード部材10を配設し、可撓性のガード部材の皮膚と接触する表面を少なくとも一部がひげそり接線Xに一致させる。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はかみそり、特に回転可能なローラを備えたかみそりアセンブリの改良にかんする。
【0002】
【従来の技術】
刃先前方に回転可能なローラを備え、刃先の直前で皮膚を押圧するとともに皮膚にテンションを与えてヒゲをたたせ、刃先の切断効果を高めるように構成したかみそりが知られている。また刃先とローラの中間にブラシ部材からなるガード部材を設け、刃先に当たる前にヒゲを立たせるようにしたかみそりがある(特表2000−514681参照)。特に最近の高級なかみそりにはガード部材の表面に上方に伸びる可塑性樹脂(好ましくはエラストマ樹脂)のリブ状の突起を設けたものが採用されている。この場合、熱可塑性エラストマ材料から作られたリブ状の突起は可撓性であり、使用中に皮膚と接触して適宜に変形するからひげそり中の感触がよくなるという効果もある(第2895232号特許公報参照)。
【0003】
かみそりの優劣あるいは個人的な好みには「切れ」、つまり、切れる/切れないなどや、「切れ味」、つまり、ソフトな切れ/かたい切れ/スカットした切れ、など人間の感覚で感じるもの、などがある。一方、保護部材の皮膚と接触する表面とキャップ部材の皮膚と接触する表面を結ぶ想像線をひげそり接線というが、ひげそり接線はひげそり時における皮膚に対応するものである。かみそりの特性を決定する要因は種々あるが、ひげそり接線と刃先との間の長さ、つまり刃先の突出幅の設定はかみそり特性と安全性に関係し、刃先がひげそり接線に近づくほど、あるいはひげそり接線を越えて露出するほど皮膚を切りやすい反面、ひげは根元から切りやすい。また刃体に平行な線とひげそり接線とのなす角度がひげそり接線角度であるが、ひげそり接線角度の設定もかみそりの特性に大きな影響を及ぼす。ひげそり接線角度を常に一定に設定することが所定のみそり特性を確保し、安全性を保持する上で重要である。
【0004】
ひげそり時、ガード部材(可撓性のリブ状の突起など)は皮膚に接触しながら移動するため、突起が寝るなど部分的に不規則な変形をすることがあるが、このことはひげそり接線の角度がわずかであるが一時的に変化することを意味する。またローラをばねやワイヤ部材の回りに配置し、ひげそり時にローラが皮膚の輪郭に対応させることもできるが(特表平12−514681参照)、このような構成の場合も、同様に、ひげそり接線角度に一時的な変化を生じさせることがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はひげそり接線角度を一定に保持し、スムーズで安定したひげそりを可能とするかみそりアセンブリを提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の採用する手段は、刃先前方に回転可能なローラを備えたかみそりアセンブリにおいて、キャップ部材の皮膚に接触する表面(以下、「キャップ材の表面」という)とローラ周面の皮膚に接触する上面部(以下、「ローラの上面部」という)を結ぶ想像線によりひげそり接線Xを形成する一方、ローラと刃先との間に可撓性のガード部材を配設し、可撓性のガード部材の皮膚と接触する表面は少なくとも一部がひげそり接線Xと一致するようにした。ガード部材の皮膚と接触する表面(以下、「ガード部材の表面」という)は少なくとも一部がひげそり接線Xに一致し、ひげそり時にガード部材の表面は皮膚と接触する。これによりリブ状の突起からガード部材を構成するなど、ガード部材の具体的態様が種々に変わっても、ガード部材の表面は常に皮膚と接触することができる。またキャップ材の表面とローラ周面の上面部はその位置が定まっているから、キャップ材の表面とローラ周面の上面部により規制されるひげそり接線Xも常に一定している。そこでひげそり時に可撓性のガード部材は表面が常に皮膚と接触している一方、ひげそり接線Xの位置に変化はなく、ひげそり中の感触がよく、また所定のかみそり特性と安全性が確保される。
【0007】
また刃先前方に回転可能なローラを備えたかみそりアセンブリにおいて、キャップ部材の皮膚に接触する表面とローラ周面の皮膚に接触する上面部を結ぶ想像線によりひげそり接線Xを形成する一方、ローラと刃先との間に可撓性のガード部材を配設し、可撓性のガード部材の皮膚と接触する表面は少なくとも一部がひげそり接線Xより上方に突出している。ガード部材の表面はひげそり接線Xより上方に突出し、ガード部材の表面と皮膚面との摩擦力が相対的に大きくなるから、可撓性のガード部材は変形しやすく、またその変形も複雑となる。これにより皮膚との接触が効率的となりひげそり時の感触はよくなる一方、前記の場合と同様に、ひげそり接線Xの位置は一定で変化はなく、所定のかみそり特性と安全性が確保される。また摩擦力が大きくなっても、ローラの回転が移動を促進するから、かみそりアセンブリの直進が阻害されることはない。ひげそり接線Xからの突出幅はガード部材の大きさ、形状、素材(可撓性素材)の種類、具体的な構成などにより適宜に選択される。理論的にはキャップ材の表面とローラ周面の上端部との位置関係により決定されるひげそり接線Xがひげそり時においてガード部材の突出幅によって変動を生じない範囲内ということになるが、通常は2mm以内が好ましい。
【0008】
ローラ周面に複数の孔のない場合でも、皮膚との接触によりローラ周面が皮膚を押圧してテンションを与える(したがってヒゲをたたせる)などの効果があるが、直接接触による押圧であるからその効果はかならずしも顕著といえない。ここではローラは周面に複数の孔および/または凹部を形成し、ローラ周面と接触する皮膚を適宜に押圧する一方、ローラ周面と非接触の孔内および/または凹部内の皮膚には内周縁からテンションを与えるようにした。またローラの回転により、ローラ周面と非接触の孔内および/または凹部内の皮膚には内周縁からテンションを連続して与えるようにすることもできる。ローラ周面と非接触の皮膚には内周縁から相対的に大きなテンションが加わり、孔内および/または凹部内に向け部分的に膨出し、テンションの効果的な付与とともにヒゲをたたせるなどの機能が向上する。また皮膚の一部が孔内および/または凹部内へ部分的に膨出したときはひげそり中の皮膚の輪郭に対するかみそりの対応度にもプラスに作用する。このような孔の存在は摩擦力を増大させるが、ローラの回転により、かみそりアセンブリの移動に対する障害とならないのみならず、その直進を促進する効果もある。
【0009】
またローラとガード部材を並設し、可撓性のガード部材は対向するローラ周面の上端部へ近接するようにローラ周面に沿って延びる張出部を有する。張出部を設けることにより、ローラ、特に孔内および/または凹部内でテンションを与えられた皮膚(通常はヒゲを含む)が可撓性のガード部材へ連続的に送られ、ガード部材との接触を容易にし、また効果的な接触が可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。かみそりアセンブリ1はキャップ部材2、刃台部3、刃体5を備え、刃台部3の上に刃体5を載置し、刃体5は刃台部3とキャップ部材2に挟着されている。図示の場合、刃体5は3枚であるが1枚以上であればよく、また刃体5が複数の場合は刃体5と刃体5との間にはスペーサ6が配置される。かみそりアセンブリ1は刃先9の前方に回転可能なローラ7を備え、図示の場合、ローラ7はキャップ部材2の表面側の前部に配設されている。
【0011】
刃先9とローラ7との間にはガード部材10が配設されており、ガード部材10は少なくとも皮膚に接する表面に上方へ伸びるリブ状の突起11を有する。可塑性樹脂(好ましくはエラストマ樹脂)などで作られたガード部材10は可撓性であり、ひげそり時に皮膚と接触して適宜に変形する。ひげそり時にはキャップ部材2の皮膚に接触する表面2a(「キャップ部材の表面」)とローラ7周面の皮膚に接触する上面部12(「ローラ周面の上面部」)を結ぶ想像線によりひげそり接線Xが形成されている(図4参照)。この場合、ローラ7と刃先9との間に配設されたガード部材10の皮膚と接触する表面少なくとも一部がひげそり接線Xに一致している。例えば、リブ状の突起11の表面はほぼ全体がひげそり接線Xに一致している(図5参照)。また他の例では、可撓性のガード部材10の皮膚と接触する表面は少なくとも一部がひげそり接線Xより上方に突出している。例えば、リブ状の突起11の表面の全体がひげそり接線Xより上方に突出している(図6参照)。いずれの場合もひげそり時にガード部材10の表面が皮膚と接触し、特に後者の場合、皮膚との接触が容易で確実となる。
【0012】
ローラ7は内部に中空部13を有し、ローラ7周面には中空部13へと貫通する複数の孔15が形成されている。ローラ7は、例えば、厚さは0.2mm程度の金属(ステンレスなど)製の薄板に複数の孔をプレス抜きし、全体を丸めて上・下縁を接合した内径が約2mmの円筒形であり、孔15aはローラ7周面のほぼ全体に均一に散在している。他のローラ7は中空部を有しない構造であり、ローラ7周面に孔に替わる凹部15bが形成され、凹部15bがローラ7周面のほぼ全体に均一に散在している。なおローラ7の長さ、太さ、材質、構造などに限定はなく、また孔や凹部の形状、大きさなども任意に選択できる。またローラ周面に孔や凹部がないものでもよい(なおローラは孔、凹部のいずれを採用した場合もかみそりアセンブリの平面図、正面図は同じに表れる)。回転自在のローラ7はキャップ部材2の前端に形成された長手方向の切欠部に配置され、ローラ7の両端部はキャップ部材の両側部16の内側に凹陥した軸受部17に回転自在に保持されている。
【0013】
ひげそり時にローラ7周面は皮膚に接触して適宜に皮膚を押圧するが、ローラ周面の孔15aおよび/または凹部15bは皮膚と接触しない。この場合、孔15aおよび/または凹部15bに対応する皮膚部分19(つまり通常はひげを含む皮膚の1部分であってローラと非接触の部分−ただし図中にひげは表示されていない)は、ローラ7周面と接触する周囲の皮膚17が適宜に押圧される結果、孔15a内および/または凹部15b内にわずかに膨出するか、あるいは膨出するように内周縁20からテンションが加わる(図9、10参照−ただし説明の都合上、皮膚の膨出状態は誇張し説明的に図示してある)。すなわち孔15aおよび/または凹部15bに対応する皮膚部分19に相対的に大きなテンションが加わり、テンションを効果的に付与することができる。複数の孔15aおよび/または凹部15bがローラ7周面にのほぼ全体に均一に散在するときは、全体として平均にテンションを与えることができる。またローラー7周面に加わる力も均一化され、かみそりアセンブリのスムーズな直進が阻害されない。またローラ7の回転により、ローラ7周面と非接触の孔内および/または凹部内の皮膚部分19にテンションを連続して与えることもできる。
【0014】
刃先9の前方にはローラ7とガード部材10が対向して並設されている。ガード部材10は表面に上方に伸びる可塑性樹脂(好ましくはエラストマ樹脂)のリブ状の突起11を有する。リブ状の突起11の形状、数、大きさ、構造に限定はなく、またリブ状の突起の存在しないものでもよい(図示せず)。熱可塑性エラストマ材料などから作られたリブ状の突起11は可撓性であり、ひげそり時に皮膚と接触して適宜に変形する。ガード部材10は支持部21の受け部に固定される一方、ローラ周面の上面部12に近接するようにローラ周面に沿って延びる張出部23を有する。図示の場合、ガード部材10はリブ状の突起11から構成され、リブ状の突起11が張出部23を備える。なお張出部23と上面部12との近接度は適宜に調整でき、図5、6に示されるものよりさらに張出部23を上面部12に近接してもよい。ローラ7の回転によりローラ周面に接触した皮膚は張出部23の存在により引き続きガード部材10と連続的に接触し、ガード部材10との接触が容易かつスムーズにおこなわれる。ローラ7周面に孔15aや凹部15bを形成した場合、前記のように、テンションが皮膚に効果的に与えられ、このようなテンションを付与された皮膚がその直後にガード部材10と接触することになり、ガード部材10部材の機能がより効果的に発揮される。ガード部材10あるいは張出部23とローラ7周面との間隔は一定(ほぼ一定である場合を含む)でかつ短いほどよく、通常は2mm以下の間隔に設定するのが好ましい。以上は、前方からローラ7、ガード部材10、刃先9の順序で配置されている例を説明したが、ローラがガード部材の後方でかつ刃先の前方に配置されたものにも適用される(図示せず)。
【0015】
なお線状のガード部であるワイヤ29は刃先9を部分的に被覆し、スムーサ30がキャップ部材2の表面側に配置されているが、かみそりアセンブリ1の具体的な構成に特に限定はない。みそりアセンブリは柄部(図示せず)の先端部に取り替え自在に取着されるが柄部に固定したものでもよく、また理容用、美容用など用途を問わない。
【0016】
【発明の効果】
本発明にかかるかみそりアセンブリによればひげそり時にひげそり接線角度を常に一定に保つことができ、スムーズで安定したひげそりが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるかみそりアセンブリの平面図である。
【図2】同かみそりアセンブリの正面図である。
【図3】同かみそりアセンブリの底面図である。
【図4】中空部を有するローラを備えたかみそりアセンブリのA−A線の拡大断面図である。
【図5】かみそりアセンブリの部分的な拡大図である(ガード部材の表面がひげそり接線X−Xと一致しているもの)。
【図6】かみそりアセンブリの他の部分的な拡大図である(ガード部材の表面がひげそり接線X−Xより上方に突出するもの)。
【図7】中空部を有するローラの拡大断面図である。
【図8】周面に凹部を有する他のローラの拡大断面図である。
【図9】ローラ周面の孔と皮膚との接触関係を示す説明図である。
【図10】ローラ周面の凹部と皮膚との接触関係を示す説明図である。
【符号の説明】
1 かみそりアセンブリ
2 キャップ部材
3 刃台部
5 刃体
6 スペーサー
7 ローラ
9 刃先
10 ガード部材
11 リブ状の突起
12 ローラ周面の上面部
13 中空部
15a 孔
15b 凹部
16 キャップ部材の両側部
17 軸受部
19 皮膚部分
20 内周縁
21 支持部
23 張出部
29 ワイヤ
30 スムーサ
【発明の属する技術分野】
本発明はかみそり、特に回転可能なローラを備えたかみそりアセンブリの改良にかんする。
【0002】
【従来の技術】
刃先前方に回転可能なローラを備え、刃先の直前で皮膚を押圧するとともに皮膚にテンションを与えてヒゲをたたせ、刃先の切断効果を高めるように構成したかみそりが知られている。また刃先とローラの中間にブラシ部材からなるガード部材を設け、刃先に当たる前にヒゲを立たせるようにしたかみそりがある(特表2000−514681参照)。特に最近の高級なかみそりにはガード部材の表面に上方に伸びる可塑性樹脂(好ましくはエラストマ樹脂)のリブ状の突起を設けたものが採用されている。この場合、熱可塑性エラストマ材料から作られたリブ状の突起は可撓性であり、使用中に皮膚と接触して適宜に変形するからひげそり中の感触がよくなるという効果もある(第2895232号特許公報参照)。
【0003】
かみそりの優劣あるいは個人的な好みには「切れ」、つまり、切れる/切れないなどや、「切れ味」、つまり、ソフトな切れ/かたい切れ/スカットした切れ、など人間の感覚で感じるもの、などがある。一方、保護部材の皮膚と接触する表面とキャップ部材の皮膚と接触する表面を結ぶ想像線をひげそり接線というが、ひげそり接線はひげそり時における皮膚に対応するものである。かみそりの特性を決定する要因は種々あるが、ひげそり接線と刃先との間の長さ、つまり刃先の突出幅の設定はかみそり特性と安全性に関係し、刃先がひげそり接線に近づくほど、あるいはひげそり接線を越えて露出するほど皮膚を切りやすい反面、ひげは根元から切りやすい。また刃体に平行な線とひげそり接線とのなす角度がひげそり接線角度であるが、ひげそり接線角度の設定もかみそりの特性に大きな影響を及ぼす。ひげそり接線角度を常に一定に設定することが所定のみそり特性を確保し、安全性を保持する上で重要である。
【0004】
ひげそり時、ガード部材(可撓性のリブ状の突起など)は皮膚に接触しながら移動するため、突起が寝るなど部分的に不規則な変形をすることがあるが、このことはひげそり接線の角度がわずかであるが一時的に変化することを意味する。またローラをばねやワイヤ部材の回りに配置し、ひげそり時にローラが皮膚の輪郭に対応させることもできるが(特表平12−514681参照)、このような構成の場合も、同様に、ひげそり接線角度に一時的な変化を生じさせることがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はひげそり接線角度を一定に保持し、スムーズで安定したひげそりを可能とするかみそりアセンブリを提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の採用する手段は、刃先前方に回転可能なローラを備えたかみそりアセンブリにおいて、キャップ部材の皮膚に接触する表面(以下、「キャップ材の表面」という)とローラ周面の皮膚に接触する上面部(以下、「ローラの上面部」という)を結ぶ想像線によりひげそり接線Xを形成する一方、ローラと刃先との間に可撓性のガード部材を配設し、可撓性のガード部材の皮膚と接触する表面は少なくとも一部がひげそり接線Xと一致するようにした。ガード部材の皮膚と接触する表面(以下、「ガード部材の表面」という)は少なくとも一部がひげそり接線Xに一致し、ひげそり時にガード部材の表面は皮膚と接触する。これによりリブ状の突起からガード部材を構成するなど、ガード部材の具体的態様が種々に変わっても、ガード部材の表面は常に皮膚と接触することができる。またキャップ材の表面とローラ周面の上面部はその位置が定まっているから、キャップ材の表面とローラ周面の上面部により規制されるひげそり接線Xも常に一定している。そこでひげそり時に可撓性のガード部材は表面が常に皮膚と接触している一方、ひげそり接線Xの位置に変化はなく、ひげそり中の感触がよく、また所定のかみそり特性と安全性が確保される。
【0007】
また刃先前方に回転可能なローラを備えたかみそりアセンブリにおいて、キャップ部材の皮膚に接触する表面とローラ周面の皮膚に接触する上面部を結ぶ想像線によりひげそり接線Xを形成する一方、ローラと刃先との間に可撓性のガード部材を配設し、可撓性のガード部材の皮膚と接触する表面は少なくとも一部がひげそり接線Xより上方に突出している。ガード部材の表面はひげそり接線Xより上方に突出し、ガード部材の表面と皮膚面との摩擦力が相対的に大きくなるから、可撓性のガード部材は変形しやすく、またその変形も複雑となる。これにより皮膚との接触が効率的となりひげそり時の感触はよくなる一方、前記の場合と同様に、ひげそり接線Xの位置は一定で変化はなく、所定のかみそり特性と安全性が確保される。また摩擦力が大きくなっても、ローラの回転が移動を促進するから、かみそりアセンブリの直進が阻害されることはない。ひげそり接線Xからの突出幅はガード部材の大きさ、形状、素材(可撓性素材)の種類、具体的な構成などにより適宜に選択される。理論的にはキャップ材の表面とローラ周面の上端部との位置関係により決定されるひげそり接線Xがひげそり時においてガード部材の突出幅によって変動を生じない範囲内ということになるが、通常は2mm以内が好ましい。
【0008】
ローラ周面に複数の孔のない場合でも、皮膚との接触によりローラ周面が皮膚を押圧してテンションを与える(したがってヒゲをたたせる)などの効果があるが、直接接触による押圧であるからその効果はかならずしも顕著といえない。ここではローラは周面に複数の孔および/または凹部を形成し、ローラ周面と接触する皮膚を適宜に押圧する一方、ローラ周面と非接触の孔内および/または凹部内の皮膚には内周縁からテンションを与えるようにした。またローラの回転により、ローラ周面と非接触の孔内および/または凹部内の皮膚には内周縁からテンションを連続して与えるようにすることもできる。ローラ周面と非接触の皮膚には内周縁から相対的に大きなテンションが加わり、孔内および/または凹部内に向け部分的に膨出し、テンションの効果的な付与とともにヒゲをたたせるなどの機能が向上する。また皮膚の一部が孔内および/または凹部内へ部分的に膨出したときはひげそり中の皮膚の輪郭に対するかみそりの対応度にもプラスに作用する。このような孔の存在は摩擦力を増大させるが、ローラの回転により、かみそりアセンブリの移動に対する障害とならないのみならず、その直進を促進する効果もある。
【0009】
またローラとガード部材を並設し、可撓性のガード部材は対向するローラ周面の上端部へ近接するようにローラ周面に沿って延びる張出部を有する。張出部を設けることにより、ローラ、特に孔内および/または凹部内でテンションを与えられた皮膚(通常はヒゲを含む)が可撓性のガード部材へ連続的に送られ、ガード部材との接触を容易にし、また効果的な接触が可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。かみそりアセンブリ1はキャップ部材2、刃台部3、刃体5を備え、刃台部3の上に刃体5を載置し、刃体5は刃台部3とキャップ部材2に挟着されている。図示の場合、刃体5は3枚であるが1枚以上であればよく、また刃体5が複数の場合は刃体5と刃体5との間にはスペーサ6が配置される。かみそりアセンブリ1は刃先9の前方に回転可能なローラ7を備え、図示の場合、ローラ7はキャップ部材2の表面側の前部に配設されている。
【0011】
刃先9とローラ7との間にはガード部材10が配設されており、ガード部材10は少なくとも皮膚に接する表面に上方へ伸びるリブ状の突起11を有する。可塑性樹脂(好ましくはエラストマ樹脂)などで作られたガード部材10は可撓性であり、ひげそり時に皮膚と接触して適宜に変形する。ひげそり時にはキャップ部材2の皮膚に接触する表面2a(「キャップ部材の表面」)とローラ7周面の皮膚に接触する上面部12(「ローラ周面の上面部」)を結ぶ想像線によりひげそり接線Xが形成されている(図4参照)。この場合、ローラ7と刃先9との間に配設されたガード部材10の皮膚と接触する表面少なくとも一部がひげそり接線Xに一致している。例えば、リブ状の突起11の表面はほぼ全体がひげそり接線Xに一致している(図5参照)。また他の例では、可撓性のガード部材10の皮膚と接触する表面は少なくとも一部がひげそり接線Xより上方に突出している。例えば、リブ状の突起11の表面の全体がひげそり接線Xより上方に突出している(図6参照)。いずれの場合もひげそり時にガード部材10の表面が皮膚と接触し、特に後者の場合、皮膚との接触が容易で確実となる。
【0012】
ローラ7は内部に中空部13を有し、ローラ7周面には中空部13へと貫通する複数の孔15が形成されている。ローラ7は、例えば、厚さは0.2mm程度の金属(ステンレスなど)製の薄板に複数の孔をプレス抜きし、全体を丸めて上・下縁を接合した内径が約2mmの円筒形であり、孔15aはローラ7周面のほぼ全体に均一に散在している。他のローラ7は中空部を有しない構造であり、ローラ7周面に孔に替わる凹部15bが形成され、凹部15bがローラ7周面のほぼ全体に均一に散在している。なおローラ7の長さ、太さ、材質、構造などに限定はなく、また孔や凹部の形状、大きさなども任意に選択できる。またローラ周面に孔や凹部がないものでもよい(なおローラは孔、凹部のいずれを採用した場合もかみそりアセンブリの平面図、正面図は同じに表れる)。回転自在のローラ7はキャップ部材2の前端に形成された長手方向の切欠部に配置され、ローラ7の両端部はキャップ部材の両側部16の内側に凹陥した軸受部17に回転自在に保持されている。
【0013】
ひげそり時にローラ7周面は皮膚に接触して適宜に皮膚を押圧するが、ローラ周面の孔15aおよび/または凹部15bは皮膚と接触しない。この場合、孔15aおよび/または凹部15bに対応する皮膚部分19(つまり通常はひげを含む皮膚の1部分であってローラと非接触の部分−ただし図中にひげは表示されていない)は、ローラ7周面と接触する周囲の皮膚17が適宜に押圧される結果、孔15a内および/または凹部15b内にわずかに膨出するか、あるいは膨出するように内周縁20からテンションが加わる(図9、10参照−ただし説明の都合上、皮膚の膨出状態は誇張し説明的に図示してある)。すなわち孔15aおよび/または凹部15bに対応する皮膚部分19に相対的に大きなテンションが加わり、テンションを効果的に付与することができる。複数の孔15aおよび/または凹部15bがローラ7周面にのほぼ全体に均一に散在するときは、全体として平均にテンションを与えることができる。またローラー7周面に加わる力も均一化され、かみそりアセンブリのスムーズな直進が阻害されない。またローラ7の回転により、ローラ7周面と非接触の孔内および/または凹部内の皮膚部分19にテンションを連続して与えることもできる。
【0014】
刃先9の前方にはローラ7とガード部材10が対向して並設されている。ガード部材10は表面に上方に伸びる可塑性樹脂(好ましくはエラストマ樹脂)のリブ状の突起11を有する。リブ状の突起11の形状、数、大きさ、構造に限定はなく、またリブ状の突起の存在しないものでもよい(図示せず)。熱可塑性エラストマ材料などから作られたリブ状の突起11は可撓性であり、ひげそり時に皮膚と接触して適宜に変形する。ガード部材10は支持部21の受け部に固定される一方、ローラ周面の上面部12に近接するようにローラ周面に沿って延びる張出部23を有する。図示の場合、ガード部材10はリブ状の突起11から構成され、リブ状の突起11が張出部23を備える。なお張出部23と上面部12との近接度は適宜に調整でき、図5、6に示されるものよりさらに張出部23を上面部12に近接してもよい。ローラ7の回転によりローラ周面に接触した皮膚は張出部23の存在により引き続きガード部材10と連続的に接触し、ガード部材10との接触が容易かつスムーズにおこなわれる。ローラ7周面に孔15aや凹部15bを形成した場合、前記のように、テンションが皮膚に効果的に与えられ、このようなテンションを付与された皮膚がその直後にガード部材10と接触することになり、ガード部材10部材の機能がより効果的に発揮される。ガード部材10あるいは張出部23とローラ7周面との間隔は一定(ほぼ一定である場合を含む)でかつ短いほどよく、通常は2mm以下の間隔に設定するのが好ましい。以上は、前方からローラ7、ガード部材10、刃先9の順序で配置されている例を説明したが、ローラがガード部材の後方でかつ刃先の前方に配置されたものにも適用される(図示せず)。
【0015】
なお線状のガード部であるワイヤ29は刃先9を部分的に被覆し、スムーサ30がキャップ部材2の表面側に配置されているが、かみそりアセンブリ1の具体的な構成に特に限定はない。みそりアセンブリは柄部(図示せず)の先端部に取り替え自在に取着されるが柄部に固定したものでもよく、また理容用、美容用など用途を問わない。
【0016】
【発明の効果】
本発明にかかるかみそりアセンブリによればひげそり時にひげそり接線角度を常に一定に保つことができ、スムーズで安定したひげそりが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるかみそりアセンブリの平面図である。
【図2】同かみそりアセンブリの正面図である。
【図3】同かみそりアセンブリの底面図である。
【図4】中空部を有するローラを備えたかみそりアセンブリのA−A線の拡大断面図である。
【図5】かみそりアセンブリの部分的な拡大図である(ガード部材の表面がひげそり接線X−Xと一致しているもの)。
【図6】かみそりアセンブリの他の部分的な拡大図である(ガード部材の表面がひげそり接線X−Xより上方に突出するもの)。
【図7】中空部を有するローラの拡大断面図である。
【図8】周面に凹部を有する他のローラの拡大断面図である。
【図9】ローラ周面の孔と皮膚との接触関係を示す説明図である。
【図10】ローラ周面の凹部と皮膚との接触関係を示す説明図である。
【符号の説明】
1 かみそりアセンブリ
2 キャップ部材
3 刃台部
5 刃体
6 スペーサー
7 ローラ
9 刃先
10 ガード部材
11 リブ状の突起
12 ローラ周面の上面部
13 中空部
15a 孔
15b 凹部
16 キャップ部材の両側部
17 軸受部
19 皮膚部分
20 内周縁
21 支持部
23 張出部
29 ワイヤ
30 スムーサ
Claims (5)
- 刃先前方に回転可能なローラを備えたかみそりアセンブリにおいて、キャップ部材の皮膚に接触する表面とローラ周面の皮膚に接触する上面部を結ぶ想像線によりひげそり接線Xを形成する一方、ローラと刃先との間に可撓性のガード部材を配設し、可撓性のガード部材の皮膚と接触する表面は少なくとも一部がひげそり接線Xに一致するかみそりアセンブリ。
- 刃先前方に回転可能なローラを備えたかみそりアセンブリにおいて、キャップ部材の皮膚に接触する表面とローラ周面の皮膚に接触する上面部を結ぶ想像線によりひげそり接線Xを形成する一方、ローラと刃先との間に可撓性のガード部材を配設し、可撓性のガード部材の皮膚と接触する表面は少なくとも一部がひげそり接線Xより上方に突出しているかみそりアセンブリ。
- ローラは周面に複数の孔および/または凹部を形成し、ローラ周面と接触する皮膚を適宜に押圧する一方、ローラ周面と非接触の孔内および/または凹部内の皮膚に内周縁からテンションを与えるようにした請求項1または2に記載のかみそりアセンブリ。
- ローラの回転により、ローラ周面と非接触の孔内および/または凹部内の皮膚に内周縁からテンションを連続して与えるようにした請求項1または2に記載のかみそりアセンブリ。
- ローラとガード部材を並設し、可撓性のガード部材は対向するローラ周面の上端部に近接するようにローラ周面に沿って延びる張出部を有する請求項3または4に記載のかみそりアセンブリ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002196540A JP2004000388A (ja) | 2002-05-31 | 2002-05-31 | かみそりアセンブリ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002196540A JP2004000388A (ja) | 2002-05-31 | 2002-05-31 | かみそりアセンブリ |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2004000388A true JP2004000388A (ja) | 2004-01-08 |
Family
ID=30437133
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2002196540A Pending JP2004000388A (ja) | 2002-05-31 | 2002-05-31 | かみそりアセンブリ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004000388A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007532252A (ja) * | 2004-04-22 | 2007-11-15 | ザ ジレット カンパニー | 剥離を有する剃毛装置 |
JP2009189589A (ja) * | 2008-02-14 | 2009-08-27 | Kai R & D Center Co Ltd | 顔のほか足や腕の毛を剃るための安全かみそり |
WO2014075279A1 (zh) * | 2012-11-16 | 2014-05-22 | Ren Xiangrong | 剃须刀头及剃须刀 |
-
2002
- 2002-05-31 JP JP2002196540A patent/JP2004000388A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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