JPS58167203A - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、高速耐久性能にすぐれた空気入りラジアルタ
イヤに関する。

空気入りラジアルタイヤのベルト層は、カーカス・コー
ドを外側から締めつける効果（タガ効果）により、タイ
ヤに空気圧などの内圧や衝撃による外圧が加わった時に
カーカス層で負担できないタイヤ周方向の圧力を負担し
ている。

このベルト効果（タガ効果）を有する空気入りラジアル
タイヤは、空気入りバイアスタイヤに比べて高速耐久性
、耐摩耗性、操縦性および燃料消費性等に多くの利点を
有している。高速道路が整備され、自動車の高速時代を
むかえた昨今、特に前記高速耐久性並びに操縦性の利点
により空気入りラジアルタイヤは予想以上の高速で使用
されており、高速走行時のタイヤ性能低下は極力避けね
ばならない〇一般に高速走行時にはタイヤの発熱が大き
くなり、特にこの発熱が大きい場合にはベルト・コード
およびベルト・コードの被覆ゴムの物理特性低下並びに
化学劣化が促進されるため、高速化時代における安全性
の面から走行中の変形に伴う発熱を抑えること、耐熱性
（＃１疲労性）を向上させることは絶対に欠かせないこ
とである。

従来、空気入りラジアルタイヤのベルト材料には、前記
した利点を有効に引き出すために弾性率の高いレーヨン
・コード並びにスチール・コード等が使用されている。

− しかるにレーヨン・コードは水分存在下での物性低下が
著しいため、タイヤ製造時の吸湿により高速耐久性能が
低下し易い。またタイヤの切傷、亀裂等から侵入した水
とタイヤ走行時の発熱による湿熱劣化により高速耐久性
能が低下する等の欠点がある８ また、スチール・コードは２００Ｋｍ／ｈｒ以上の高速
で走行させた場合、ゴムとの接着力が十分ではなく、早
期に剥離、破壊を発生する。特にこの現象は弾性率が極
端に変化するスチール・ベルトの端部を起点として発生
する。しかもタイヤとして乗心地が悪い等の欠点がある
。

最近、これらのコードの欠点を補うコードとして高弾性
率を有するポリエチレン・テレフタレート繊維をベルト
・コードに使用する事例が特公昭４７−２５２８３号（
空気タイヤ）、特公昭４９−２１２６０号（ゴム構造物
補強用ポリエステル・フィラメント°の製造法）、特公
昭５（）−２０７２３号（タイヤ）並びに特公昭５２−
２４０６６号（タイヤ）等に見られる。しかし、このコ
ードは確かに前記レーヨン・コードの欠点を補い得るも
のであるが、ポリエチレン・テレフタレートコード自身
のコート・ゴムとの接着性がレーヨン・コードに比べ潜
在的に低いため、単にベルト・コードとして使用した場
合には高速走行時の発熱および疲労により接着力の著し
い低下をきたし、２００Ｋｍ／ｈｒ以上の高速耐久性能
には難点がある。

本発明は、上述の現状に鑑みてなされたもので、空気入
りタイヤを構成するベルト層のコー　　　；ドならびに
その被覆ゴムにそれぞれ特定の材質のものを選定し、こ
れらを適宜に組合せることによって、従来の空気入りラ
ジアルタイヤにおける走行時の発熱疲労および湿熱劣化
による高速耐久性能の低下という前記問題点を除去した
極めて優れた高速耐久性能を有する空気入りラジアルタ
イヤを提供することを目的とするものである。

このため、本発明の特徴とすへ゛るところは、空気入り
ラジアルタイヤ構成部材のうち、ベルト・コードに前記
高弾性率ポリエチレン・テレフタレート・コードを選定
し、かつベルト層中の該コードの占有体積を選定して、
同時に該コードのコート・ゴムに動的疲労特性（寿命特
性）の極めて優れたゴムを用いたことであり、詳しくは
、タイヤ赤道面に対して７５°〜９００に配列した単数
あるいは複数のプライからなり、その両側をビードワイ
ヤに係止したカーカスプライ層と、該カーカスプライ層
のクラウン部外側とトレッド部との間にコードにゴムを
被覆してなるベルトプライ層を有する空気タイヤにおい
て、前記ベルトプライ層を形成するコードは高弾性ポリ
エチレン・テレフタレート繊維よりなり、また、ベルト
プライ層中のコードの体積占有率が４０％以下でかつコ
ード配列層中のコードの体積占有率が４５〜６０％の範
囲であり、さらに、ベルトプライ層を形成するコードに
被覆するゴムが０．１以下の損失正接および２０ｋｇ／
ｃｒｎ２以上の貯蔵弾性率である粘弾性特性値を有する
ことにある。

なお、上記粘弾性特性値は、６０℃の温度下、周波数２
０Ｈｚ、初期歪１０％、動歪２％の条件下で測定した値
である。また、上記のようなコードと被覆ゴムとの組合
せは、いずれの一つが欠けても高速耐久性能を損うもの
であり、全体が総合的に働いて著しい効果を発揮するも
のである。

以下、図面に示されケー実施例に基いて本発明の詳細な
説明する。

第１図は、本発明の空気入りラジアルタイヤの一例の断
面図で、１はキャップ・トレッド・ゴムを、２はベルト
・プライ層を、６はベルト・：ｆｆ−）’を、４はベル
ト・コート・ゴムを、５はカーカス・プライ層を、６は
ベルト折り骨部縁部を、７はベルト折、り骨部近傍をそ
れぞれ示す。

カーカス・プライ層５は、タイヤ赤道面に対して７５’
−９０°に配列した単数あるいは複数のプライからなっ
ていて、その両側がそれぞれビードワイヤ８に係止され
ている。また、ベルト・プライ層２は、ベルト・コード
乙にベルト・コート・ゴム４を被覆してなるもので、カ
ーカス・プライ層５のクラウン部外側とキャップ・トレ
ッド・ゴム１との間に配置されている。

本発明において使用されるベルト・コード３には、温度
２５℃のオルソ・クロロフェノールを溶剤として測定し
た極限粘度が０．６〜０．８で良絆な寸法安定性を有す
る低重合度ポリエチレン・テレフタレートのフィラメン
トを多数本束ねた原糸に通常の撚りを与えてタイヤ・コ
ードとし、次いでゴムと接着させるだめの接着剤を付着
させた高弾性率ポリエチレン・テレフタレート・コード
を選定する。

つぎに、ベルト・プライ層２の断面を拡大して第２図に
示す。なお、第２図中、（イ）は単位ベルト層ａを、（
ロ）は単位ベルト・コード配列層すを、（／→は単位ベ
ルト・コード断面層Ｃをそれぞれ詳しく表わした図面で
ある。第２図において、単位ベルト層ａ中のコードの体
積占有率αを４０％以下の範囲に、好ましくは３７％以
下の範囲に選定し、且つ同図に示した単位ベルト・コー
ド配列層す中の該コードの体積占有率βを４５〜６０％
の範囲に、好ましくは５０〜５５％の範囲に選定する。

前記コード体積占有率αは４０％以上になると第１図に
示した空気入りラジアル・タイヤ断面図におけるベルト
折り骨部近傍７のベルト・コード密度が過分となり、そ
の結果、隣接するコード同志が擦れ合うようになり、タ
イヤの高速耐久性能は低下する。また、コード体積占有
率βは４５％以下になるとベルト層としてのタガ効果が
低減してタイヤの高速耐久性能も低下する。逆にコード
体積占有率βは６０％以上になると第１図に示しだベル
ト折り骨部縁部６に沿って配列したベルト・コードの配
列方向のコード密度が過分となり、その結果、障り合う
コード同志が擦れ合うようになりタイヤの高速耐久性能
は低下する。

ベルト・コードの被覆ゴム配合物は、天然ゴム（含ポリ
イソプレンゴム）、若しくは、それにジエン系ゴム並ｄ
にジエン系共重合体コ゛ムを任意の割合にブレンドした
ゴム群から選ばれた加硫可能なゴム１００重量部に対し
て、加硫剤として硫黄２．５０〜６．５０重量部、スル
フェン・アミド系加硫促進剤を１．００〜１．５０重量
部、ゴム補強剤として粒子径２５〜７７ｍμ程度のカー
ボン中ブラックを上記ゴムに対して４０〜７０重量部配
合し、所要に応じて更に上記配合剤以外に通常のゴム配
合物として用いられる補強剤、充填剤、老化防止剤、加
硫促進助剤および軟化剤等を適宜に配合して得られるも
ので、かつ、粘弾性スペクトロ拳メーターを用いて６０
℃の湯度下、周波数２０Ｈｚ、初期歪１０％、動歪２％
で伸張振動せしめた粘弾性試験において損失正接（ｔａ
ｎδ）の値を０．１０以下の範囲に選定し、かつ貯蔵弾
性率（Ｅｌ）の値を２０ｋｇ／ｃＷＬ２以上の範囲に選
定したものである。

前記損失正接値（ｔａ’ｎδ）は、０．１０以上になる
と熱的疲労が促進され、タイヤの高速耐久性能が低下す
る。また損失正接値が０．１０以下の場合でも、貯蔵弾
性率値が２０ｋｇ／ｃｒｒＬ２以下になるとタイヤ中で
のベルト層自体の変形（動き）が大きくなるためか、や
はりタイヤの高速耐久性能が低下する。

以下に実施例を例示する。

実施例 本例は以下に示す各構成要素から構成されるものであっ
て、タイヤサイズ：　１６５３Ｒ１３の空気入りラジア
ルタイヤに成型し、ドラム走行試験によって高速耐久性
をテストして、その性能を比較した。

まず、その構成部材について述べる。

（１）　　ベルト・コード 本発明の空気入りラジアル・タイヤに使用されるベルト
用高弾性率ポリエチレン・テレフタレート・コードは本
実施例においては１５００１１／３５１５００　Ｄ／２
　、並びに１００ＯＤ／３　の３種のものを使用した。

これらのコードはいずれも温度２５°Ｃのオルソ・クロ
ロフェノールを溶剤として測定した極限粘度が０．６７
で良好な寸法安定性を有する高弾性率ポリエチレン−テ
レフタレートのフィラメントを多数本束ねた原糸にタイ
ヤ・コードとして通常の撚りを与えた後、コード・ゴム
と接着させるだめの接着剤処理がなされて（・る。

対比コードとして同様な処理をしたレーヨン・タイヤ・
コードの１６５０Ｄ／３を使用した。

（２）　　ベルト・コート・ゴム配合物本発明の空気入
りラジアル・タイヤに使用されるベルト・コート・ゴム
配合成分の代表実施例は下記第１表の扁１からＡ７に示
す通りであり、Ａ８から屋１０は動的疲労特性（寿命特
性）の優れたゴム配合をしない場合の例としての対比試
料である。

（以下余白） 次に上記構成部材（１）　？　（２）のそれぞれの材料
からなる空気入りラジアル・タイヤ（Ａ−８）の構成組
成を第２表に示す。

第　　２　　表 尚、第２表においてＥＨＭポリエステルは高弾性率ポリ
エチレン・テレフタレートを表わし、供試タイヤＳは対
比ベルト・コードとしてレーヨンを使用した対比例を示
している。

第２表の各供試タイヤを各２本ずつ４３ＡＪＸ１３イン
チのリムに組み、内圧を２゜１ｋｇ／ｃｍ２にインフレ
ートした後ドラムテストを行々い高速耐久性を比較した
。それらの結果を第４表に示す。

高速耐久性能は第３表に示すように直径１．７ｍの回転
ドラムの上で４２０ｋｇの荷重を加え先ず８１ｋｍ／ｈ
ｒの速度で１２０分間の予備走行を行なった後、室温（
３８°Ｃ））でタイヤを冷却する。

冷却後タイヤの内圧を２゜１に９／ｃｒＩＬ２に再調整
し、次いで１２０　ｋｍ／ｈ　ｒの速度で３０分分間性
させる。

この条件を完走しだら１３０．１４０．１５０　ｍ＋＋
＋＋−ｋ１７１／ｈｒと１０　ｋｍ／ｈｒのステップで
３０分ごとに速度を上昇し、故障が生じた時の速度と走
行時間を記録した。

第　　３　　表 第　　４　　表 なお、供試タイヤＢ、ＧならびにＳに使用した各構成組
成からなるベルト材料を２５℃×８３％相対湿度の雰囲
気下に７日間自然放置して予じめ吸湿させ、水分率の高
い該ベルト材料を使用した供試タイヤＢ’、Ｇ’ならび
Ｓ（それぞれ供試タイヤＢ、Ｇ及びＳに対応）の高速耐
久性能を評価した。これらの評価結果は次表（第５表）
の通りであるが、コード水分率はＪＩＳＬ−１０１７に
準じて（１０５℃±２℃）Ｘ２時間の加熱減量法で測定
したものであり、タイヤの高速耐久性能は先に第３表に
示した条件で評価したものである。

第　　５　　表 第４表の結果より本発明の空気入りラジアル・タイヤＡ
、Ｂ、Ｃ，Ｄ、Ｅ、Ｆ、Ｇ、Ｈ，Ｉ。

Ｊ、Ｋ及びＬはベルト・コート・フンパウンド　　　（
を選定しない通常のタイヤＭ、Ｎ及び０ならびにベルト
材料中のベルト・コード体積占有率を選定しない通常の
タイヤＰ、・Ｑ及びＲに比べ高速耐久性能が非常に優れ
ていることがわかる。

また、第５表の結果より本発明の空気入りラジアル・タ
イヤＢ’（中Ｂ）及びＧ’（中Ｇ）はレーヨン・ベルト
・コード使用の通常タイヤＳ’（中Ｓ）に比べ、タイヤ
製造時の吸湿による高速耐久性能低下を全く生じないこ
とがわかる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の空気入りラジアルタイヤの一例の断面
図、第２図は第１図におけるベルト・プライ層の拡大断
面図である。 １・・・キャップ・トレッド・ゴム、２・・・ベルト・
プライ層、６・・・ベルト・コード、４・・・ベルト・
コート・ゴム、５・・・カーカス・プライ層、６・・・
ベルト折り骨部縁部、７・・・ベルト折り畳部近傍−代
理人　弁理士　小　川　信　− 弁理士　野　口　賢　彦 弁理士　斎　下　和　彦 第１図 第２図 （イ）ＩＮ＝＝］］ （ロ）　　お灰区全圏 （ハ）　○○○

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. タイヤ赤道面に対して７５°〜９０°に配列した単数あ
   るいは複数のプライからなり、その両側をビードワイヤ
   に係止したカーカスプライ層と、該カーカスプライ層の
   クラウン部外側とトレッド部との間にコードにゴ台を被
   覆してなるベルトプライ層を有する空気タイヤにおいて
   、前記ベルトプライ層を形成するコードは高弾性ポリエ
   チレンテレフタレート繊維よりなり、また、ベルトプラ
   イ層中のコードの体積占有率が４０％以下でかつコード
   配列層中のコードの体積占有率が４５〜６０％の範囲で
   あり、さらに、ベルトプライ層を形成するコードに被覆
   するゴムが０．１以下の損失正接および２０に９／ａｎ
   ’″以上の貯蔵弾性率である粘弾性特性値を有すること
   を特徴とする空気入りラジアルタイヤ。