JP7287443B1 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】カーカス層の層数を減少してタイヤ重量の軽減しながら、高速耐久性、高速操縦安定性、および耐ショックバースト性を高度に両立することが可能な空気入りタイヤを提供する。【解決手段】1層のカーカス層4を備え、トレッド部1がキャップトレッド層11とアンダートレッド層12とで構成された空気入りタイヤにおいて、アンダートレッド層11を20℃における硬度が60~65、100℃における100%伸長時の引張応力が2.0MPa~4.0MPa、100℃における引張強さと100℃における破断伸びとの積が2000以上であるゴム組成物で構成し、カーカス層4をベルト層の内周側における1.5cN/dtex負荷時の伸び率が5.5%~8.5%、破断伸びが20%~30%である有機繊維コードで構成し、カーカスコード1本あたりの正量繊度Dと打ち込み本数Ecとの積A=D×Ecを1.8×105dtex/50mm~3.0×105dtex/50mmに設定する。【選択図】図1

Description

本発明は、軽量化のためにカーカス層の層数を1層に減じた空気入りタイヤに関する。
タイヤの軽量化のために、従来は2層のカーカス層が用いられていたタイプのタイヤにおいて、カーカス層の層数を減少することが行われている(例えば特許文献1を参照)。しかしながら、単純にカーカス層の層数を減らしてしまうと、従来の2層構造のカーカス層と同程度の性能を確保することができないという問題がある。例えば、カーカス層の減少により、タイヤ横方向の剛性(横ばね定数)が不足して、高速操縦安定性が得られなくなる虞がある。また、カーカス層の減少により耐ショックバースト性が低下することも懸念される。その対策として、1層構造のカーカス層においてカーカスコードの繊度を大きくすること(太繊度化)によって、従来の2層構造のカーカス層と同程度の性能を確保することが考えられる。しかしながら、カーカスコードの太繊度化によって発熱性が悪化する虞があり、高速耐久性を確保することが難しいという問題がある。そのため、カーカス層を1層に減少してタイヤ重量の軽減を図るにあたって、高速耐久性、高速操縦安定性、および耐ショックバースト性を高度に両立するための対策が求められている。
尚、上述の「耐ショックバースト性」とは、走行中にタイヤが大きなショックを受けて、カーカスが破壊する損傷(ショックバースト)に対する耐久性である。この耐ショックバースト性は、例えばプランジャーエネルギー試験(トレッド中央部に所定の大きさのプランジャーを押し付けてタイヤが破壊する際の破壊エネルギーを測定する試験)が指標となる。本明細書では、「耐ショックバースト性」を「プランジャー性能」と言い換える場合がある。
特開2010‐137812号公報
本発明の目的は、カーカス層の層数を減少してタイヤ重量の軽減しながら、高速耐久性、高速操縦安定性、および耐ショックバースト性を高度に両立することが可能な空気入りタイヤを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、前記トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備え、前記一対のビード部間に装架された1層のカーカス層と、前記トレッド部における前記カーカス層の外周側に配置された複数層のベルト層と、前記ベルト層の外周側に配置されたベルト補強層とを有し、前記トレッド部が、前記ベルト補強層の外周側に配置されたアンダートレッド層と、前記アンダートレッド層の外周側に配置されて前記トレッド部の踏面を構成するキャップトレッド層との2層で構成された空気入りタイヤにおいて、前記アンダートレッド層を構成するアンダートレッドゴム組成物は、ゴム成分としてイソプレン系ゴムおよびブタジエンゴムを含み、前記ブタジエンゴムはシス-1,4結合含有量が97%以上、100℃でのムーニー粘度(ML 1+4 )が42以上、且つ前記ムーニー粘度に対する25℃での5質量%トルエン溶液粘度(T-cp)の比(T-cp)/(ML 1+4 )が2.0~3.0であり、20℃における硬度が60~65、100℃における100%伸長時の引張応力(M100)が2.0MPa~4.0MPa、100℃における引張強さTB〔単位:MPa〕と100℃における破断伸びEB〔単位:%〕との積(TB×EB)が2000以上であり、前記カーカス層を構成するカーカスコードは、前記ベルト層の内周側における1.5cN/dtex負荷時の伸び率が5.5%~8.5%、破断伸びが20%~30%である有機繊維コードからなり、且つ、前記カーカスコード1本あたりの正量繊度D〔単位:dtex/本〕と、前記カーカスコードの延長方向と直交する方向50mm当たりの前記カーカスコードの打ち込み本数Ec〔単位:本/50mm〕との積A=D×Ecが2.2×10 5 dtex/50mm~2.7×10 5 dtex/50mmの関係を満たすことを特徴とする。
本発明においては、カーカス層の層数を1層に減じるにあたって、カーカスコードおよびカーカス層の物性を上述のように設定し、且つ、アンダートレッド層を上述の物性のアンダートレッドゴム組成物で構成しているので、高速耐久性、高速操縦安定性、および耐ショックバースト性をバランスよく高度に両立することができる。特に、カーカスコードのベルト層の内周側における1.5cN/dtex負荷時の伸びを上述の範囲に設定しているので、ベルト層と重複する領域でカーカス層が適度に低剛性であるので、接地面積を十分に確保することが可能になり、操縦安定性を改善することができる。また、カーカス層について上述の積A、即ち、単位幅当たりのカーカスコードの繊度を上述の範囲に設定しているので、高速耐久性と高速操縦安定性および耐ショックバースト性とをバランスよく確保することができる。更に、カーカスコードの破断伸びが上述の範囲であるため、カーカスコードが局所変形に追従しやすくなり、プランジャーエネルギー試験時(プランジャーに押圧された際)の変形を充分に許容することが可能になり、破壊エネルギーを向上することができる。つまり、走行時においてはトレッド部の突起入力に対する破壊耐久性が向上することになるので、耐ショックバースト性を向上することができる。これに加えて、アンダートレッドの硬度や引張応力(M100)を上述の範囲に設定しているので、高速耐久性および高速操縦安定性を向上することができる。また、引張強さTBと破断伸びEBとの積(TB×EB)を上述のように設定することでも、高速耐久性の改善を見込むことができる。これらの協働により、高速耐久性、高速操縦安定性、および耐ショックバースト性をバランスよく高度に両立することができる。
尚、カーカスコードについて、「破断伸び」は、JIS L1017の「化学繊維タイヤコード試験方法」に準拠し、つかみ間隔250mm、引張速度300±20mm/分の条件にて引張試験を実施して測定される試料コード(カーカスコード)の破断時の伸び率(%)である。「ベルト層の内周側における1.5cN/dtex負荷時の伸び率」は、JIS L1017の「化学繊維タイヤコード試験方法」に準拠し、つかみ間隔250mm、引張速度300±20mm/分の条件にて引張試験を実施して測定される試料コード(ベルト層の内周側から取り出したカーカスコード)の1.5cN/dtex負荷時に測定される伸び率(%)である。
アンダートレッドゴム組成物について、「硬度」は、JIS K6253に準拠して、デュロメータのタイプAにより温度20℃で測定したゴム組成物の硬度である。「100℃における100%伸長時の引張応力(M100)」は、JIS K6251に準拠して3号型ダンベル試験片を用い、引張速度500mm/分、温度100℃の条件で測定した値である。「100℃における引張強さTB」は、JIS K6251に準拠して、温度100℃の条件で測定した値〔単位:MPa〕である。「100℃における破断伸びEB」は、JIS K6251に準拠して、温度100℃の条件で測定した値〔単位:%〕である。
本発明においては、アンダートレッドゴム組成物に配合される老化防止剤の質量が、アンダートレッドゴム組成物全体の質量の0.7質量%~1.5質量%であることが好ましい。このようなアンダートレッドゴム組成物を用いることで、上述の性能に加えて、耐グルーブクラック性やベルト層に対する耐水接着性を改善する効果を見込むことができる。
本発明においては、ベルト補強層を構成するカバーコードが、100℃における2.0cN/dtex負荷時の伸び率が2.0%~4.0%であるポリエチレンテレフタレート繊維コードからなることが好ましい。このようなカバーコ―ドを用いることで、高速走行時のベルト層のせり上がりを効果的に抑制することができ、高速耐久性を向上するには有利になる。尚、カバーコードの「100℃における2.0cN/dtex負荷時の伸び率」は、JIS L1017の「化学繊維タイヤコード試験方法」に準拠し、つかみ間隔250mm、引張速度300±20mm/分の条件にて引張試験を実施して測定される試料コード(カバーコ―ド)の2.0cN/dtex負荷時に測定される伸び率(%)である。
本発明の実施形態からなる空気入りタイヤを示す子午線断面図である。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、本発明の空気入りタイヤは、トレッド部1と、このトレッド部1の両側に配置された一対のサイドウォール部2と、サイドウォール部2のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部3とを備えている。図1において、符号CLはタイヤ赤道を示す。図1は子午線断面図であるため描写されないが、トレッド部1、サイドウォール部2、ビード部3は、それぞれタイヤ周方向に延在して環状を成しており、これにより空気入りタイヤのトロイダル状の基本構造が構成される。以下、図1を用いた説明は基本的に図示の子午線断面形状に基づくが、各タイヤ構成部材はいずれもタイヤ周方向に延在して環状を成すものである。
左右一対のビード部3間にはタイヤ径方向に延びる複数本の補強コード(以下、カーカスコードという)を含む1層のカーカス層4が装架されている。各ビード部には、ビードコア5が埋設されており、そのビードコア5の外周上に断面略三角形状のビードフィラー6が配置されている。カーカス層4は、ビードコア5の廻りにタイヤ幅方向内側から外側に折り返されている。これにより、ビードコア5およびビードフィラー6はカーカス層4の本体部(トレッド部1から各サイドウォール部2を経て各ビード部3に至る部分)と折り返し部(各ビード部3においてビードコア5の廻りに折り返されて各サイドウォール部2側に向かって延在する部分)とにより包み込まれている。
一方、トレッド部1におけるカーカス層4の外周側には複数層(図示の例では2層)のベルト層7が埋設されている。各ベルト層7は、タイヤ周方向に対して傾斜する複数本の補強コード(以下、ベルトコードという)を含み、かつ層間でベルトコードが互いに交差するように配置されている。これらベルト層7において、ベルトコードのタイヤ周方向に対する傾斜角度は例えば10°~40°の範囲に設定されている。
更に、ベルト層7の外周側には、高速耐久性の向上を目的として、ベルト補強層8が設けられている。ベルト補強層8は、タイヤ周方向に配向する補強コード(以下、カバーコードという)を含む。カバーコードとしては、例えば有機繊維コードを用いることができる。ベルト補強層8において、カバーコードはタイヤ周方向に対する角度が例えば0°~5°に設定されている。ベルト補強層8としては、ベルト層7の幅方向の全域を覆うフルカバー層8aや、ベルト層7のタイヤ幅方向の両端部を局所的に覆う一対のエッジカバー層8bをそれぞれ単独で、またはこれらを組み合わせて設けることができる(図示の例では、フルカバー層8aおよびエッジカバー層8bの両方が設けられている)。ベルト補強層8は、例えば、少なくとも1本のカバーコードを引き揃えてコートゴムで被覆したストリップ材をタイヤ周方向に螺旋状に巻回して構成することができる。
トレッド部1において、上述のタイヤ構成部材(カーカス層4、ベルト層7、ベルト補強層8)の外周側にはトレッドゴム層11が配置される。特に、本発明では、トレッドゴム層10は、物性の異なる2種類のゴム層(踏面に露出するキャップトレッド層11と、その内周側に配置されるアンダートレッド層12)がタイヤ径方向に積層した構造を有する。サイドウォール部2におけるカーカス層4の外周側(タイヤ幅方向外側)にはサイドゴム層20が配置され、ビード部3におけるカーカス層4の外周側(タイヤ幅方向外側)にはリムクッションゴム層30が配置されている。
本発明は、主として、上述のカーカス層4およびベルト補強層8や、各層を構成するコード(カーカスコード、カバーコード)、トレッドゴム層11(特にアンダートレッド層12)に関するものであるので、その他のタイヤの基本的な構造は上述のものに限定されない。
本発明の空気入りタイヤは、タイヤ重量の軽減のために、カーカス層4の層数を減じたタイヤであり、カーカス層4の層数は1層に限定される。カーカス層4の層数が2層以上であると、タイヤ重量を十分に軽減することができない。
本発明において、カーカス層4を構成するカーカスコードは、有機繊維のフィラメント束を撚り合わせた有機繊維コードで構成される。本発明で使用されるカーカスコードは、ベルト層7の内周側における1.5cN/dtex負荷時の伸び率と、破断伸びとがそれぞれ特定の範囲に設定されている。また、カーカス層4を構成するにあたって、カーカスコード1本あたりの正量繊度D〔単位:dtex/本〕とカーカスコードの延長方向と直交する方向50mm当たりのカーカスコードの打ち込み本数Ec〔単位:本/50mm〕との積A=D×Ecが後述の特定の範囲に設定されている。具体的には、本発明のカーカスコードのベルト層7の内周側における1.5cN/dtex負荷時の伸び率は5.5%~8.5%、好ましくは6.0%~7.0%である。また、本発明のカーカスコードの破断伸びは20%~30%、好ましくは22%~28%である。更に、前述の積A=D×Ecは1.8×105dtex/50mm~3.0×105dtex/50mm、好ましくは2.2×105dtex/50mm~2.7×105dtex/50mmに設定されている。このような物性を有するカーカスコード(カーカス層4)を用いているので、カーカス層4の層数が1層であっても、以下に述べるように、高速耐久性、高速操縦安定性、および耐ショックバースト性をバランスよく高度に両立することができる。
カーカスコードのベルト層7の内周側における1.5cN/dtex負荷時の伸び率が上述の範囲に設定されることで、ベルト層7と重複する領域におけるカーカス層4の剛性が適度に低くなり、走行時に接地面積を十分に確保することが可能になるので、操縦安定性を良好にすることができる。カーカスコードのベルト層7の内周側における1.5cN/dtex負荷時の伸び率が5.5%未満であると、カーカスコードの疲労性が悪化し、高速耐久性が低下する。カーカスコードのベルト層7の内周側における1.5cN/dtex負荷時の伸び率が8.5%を超えると、高速走行時のせり上がりが増大し、高速耐久性が低下する。
カーカスコードの破断伸びが上述の範囲に設定されることで、カーカスコードの剛性を適度に確保することができ、良好な操縦安定性を発揮することができる。また、カーカスコードが局所変形に追従しやすくなり、プランジャーエネルギー試験時(プランジャーに押圧された際)の変形を充分に許容することが可能になり、破壊エネルギーを向上することができる。つまり、走行時においてはトレッド部1の突起入力に対する破壊耐久性が向上することになるので、耐ショックバースト性を向上することができる。カーカスコードの破断伸びが20%未満であると、耐ショックバースト性を向上する効果を得ることができない。カーカスコードの破断伸びが30%を超えると、中間伸度も大きくなる傾向があるため、剛性が低下して操縦安定性が低下する虞がある。
上述の積A=D×Ecは、カーカス層4における単位幅当たりのカーカスコードの繊度に相当するので、これが上述の範囲を満たすことで、高速耐久性と高速操縦安定性および耐ショックバースト性とをバランスよく確保することができる。積Aが1.8×105dtex/50mm未満であると、カーカス層4においてカーカスコードの糸量を十分に確保できず、耐ショックバースト性や高速操縦安定性が低下する。積Aが3.0×105dtex/50mmを超えると、カーカス層4の発熱が増大して高速耐久性が低下する。また、カーカス層4におけるカーカスコードの間隔が狭まるため、この点からも耐久性を維持することが難しくなる。尚、上述の正量繊度Dおよび打ち込み本数Ecの個々の範囲は、積Aが上述の範囲を満たしていれば特に限定されない。
カーカスコードは、熱収縮率が好ましくは0.5%~2.5%、より好ましくは1.0%~2.0であるとよい。尚、「熱収縮率」とは、JIS L1017の「化学繊維タイヤコード試験方法」に準拠し、試料長さ500mm、加熱条件150℃×30分の条件にて加熱したときに測定される試料コードの乾熱収縮率(%)である。このような熱収縮率のカーカスコードを用いることで、加硫時にカーカスコード(有機繊維コード)にキンク(捩じれ、折れ、よれ、形くずれ等)が発生して耐久性が低下することや、ユニフォミティの低下を抑制することができる。このとき、カーカスコードの熱収縮率が0.5%未満であると、加硫時にキンクが発生しやすくなり、耐久性を良好に維持することが難しくなる。カーカスコードの熱収縮率が2.5%を超えると、ユニフォミティが悪化する虞がある。
更に、カーカスコードは、下記式(1)で表される撚り係数Kが好ましくは2000~2500、より好ましくは2100~2400であるとよい。尚、この撚り係数Kは、ディップ処理後のカーカスコードの数値である。このような撚り係数Kを有するコードを用いることで、コード疲労性を良好にして優れた耐久性を確保することができる。このとき、カーカスコードの撚り係数Kが2000未満であると、コード疲労性が低下し、耐久性を確保することが難しくなる。カーカスコードの撚り係数Kが2500を超えると、カーカスコードの生産性が悪化する。
K=T×D1/2 ・・・(1)
(式中、Tはカーカスコードの上撚り数〔単位:回/10cm〕であり、Dはカーカスコードの総繊度〔単位:dtex〕である。)
カーカスコード(有機繊維コード)を構成する有機繊維の種類は特に限定されないが、例えばポリエステル繊維、ナイロン繊維、芳香族ポリアミド繊維(アラミド繊維)などを用いることができ、なかでもポリエステル繊維を好適に用いることができる。また、ポリエステル繊維としては、ポリエチレンテレフタレート繊維(PET繊維)、ポリエチレンナフタレート繊維(PEN繊維)、ポリブチレンテレフタレート繊維(PBT)、ポリブチレンナフタレート繊維(PBN)を例示することができ、PET繊維を好適に用いることができる。いずれの繊維を用いた場合も、各繊維の物性によって、高速耐久性と操縦安定性とをバランスよく高度に両立するには有利になる。特に、PET繊維の場合は、PET繊維が安価であることから、空気入りタイヤの低コスト化を図ることができる。また、コードを製造する際の作業性を高めることもできる。
ベルト補強層8を構成するカバーコードは、前述のように有機繊維コードが用いられるが、例えば、ポリエチレンテレフタレート繊維コード(PET繊維コード)を使用することができる。また、100℃における2.0cN/dtex負荷時の伸びが好ましくは2.0%~4.0%、より好ましくは2.5%~3.5%であるカバーコ―ドを好適に用いることができる。このような物性のカバーコ―ドを使用することで、高速走行時のベルト層7のせり上がりを効果的に抑制することができ、高速耐久性を向上するには有利になる。また、中周波ロードノイズを低減する効果を付加することもできる。カバーコ―ドの100℃における2.0cN/dtex負荷時の伸びが2.0%未満であると、コードの耐疲労性が低下してタイヤの耐久性が低下する虞がある。カバーコ―ドの100℃における2.0cN/dtex負荷時の伸びが4.0%を超えると、高速走行時のベルト層7のせり上がりを十分に抑制できず、高速耐久性を十分に確保することができない虞がある。また、前述の中周波ロードノイズを低減する付加的効果が見込めなくなる。
アンダートレッド層12を構成するアンダートレッドゴム組成物としては、20℃における硬度、100℃における100%伸長時の引張応力(M100)、100℃における引張強さTB〔単位:MPa〕と100℃における破断伸びEB〔単位:%〕との積(TB×EB)がそれぞれ特定の範囲に設定されたゴムが使用される。具体的には、20℃における硬度は60~65、好ましくは61~64である。100℃における100%伸長時の引張応力(M100)は2.0MPa~4.0MPa、好ましくは2.2MPa~3.8MPaである。100℃における引張強さTB〔単位:MPa〕と100℃における破断伸びEB〔単位:%〕との積(TB×EB)は2000以上、好ましくは2200~5500である。このような物性を有するアンダートレッドゴム組成物を用いているので、以下に述べるように、カーカス層4の層数が1層である場合に低減することが懸念されるタイヤ性能を補って、高速耐久性、高速操縦安定性、および耐ショックバースト性をバランスよく高度に両立することができる。
アンダートレッドゴム組成物の硬度が上述の範囲に設定されることで、操縦安定性と高速耐久性を両立するには有利になる。アンダートレッドゴム組成物の硬度が60未満であると、タイヤにした時の操縦安定性が悪化する。アンダートレッドゴム組成物の硬度が65を超えると、高速耐久性を確保することができない。
アンダートレッドゴム組成物の引張応力(M100)が上述の範囲に設定されることで、操縦安定性と高速耐久性を両立するには有利になる。アンダートレッドゴム組成物の引張応力(M100)が2.0MPa未満であると、タイヤにした時の操縦安定性が悪化する。アンダートレッドゴム組成物の引張応力(M100)が4.0MPaを超えると、高速耐久性を確保することができない。
アンダートレッドゴム組成物の引張強さTBと破断伸びEBとの積(TB×EB)を上述のように設定することでも、高速耐久性を改善することができる。積(TB×EB)が2000未満であると、高速耐久性を十分に確保することはできない。アンダートレッドゴム組成物の引張強さTBと破断伸びEBの個々の値は特に限定されないが、アンダートレッドゴム組成物の引張強さTBは、例えば8.0MPa~13.0MPaに設定することができ、アンダートレッドゴム組成物の破断伸びEBは200%~400%に設定することができる。尚、本段落におけるアンダートレッドゴム組成物の引張強さTBおよび破断伸びEBは、上述の説明と同様に100℃における引張強さTB〔単位:MPa〕および100℃における破断伸びEB〔単位:%〕を指す。
上述の物性を有するアンダートレッドゴム組成物は、その配合を例えば以下のように設定することで得ることができる。尚、上述の物性は、以下の配合のみで決定されるものではなく、例えば混練条件や混練方法によっても調整可能である。
上述のアンダートレッドゴム組成物(以下、本発明のゴム組成物という場合がある)において、ゴム成分はジエン系ゴムであり、イソプレン系ゴムとブタジエンゴムを含むとよい。イソプレン系ゴムとしては、天然ゴム、イソプレンゴム(合成ポリイソプレンゴム)を挙げることができる。イソプレン系ゴムとしては、天然ゴムを単独で用いるか、天然ゴムおよびイソプレンゴムを併用することが好ましい。本発明のゴム組成物は、任意で、イソプレン系ゴムおよびブタジエンゴム以外の他のジエン系ゴムを含有してもよい。他のジエン系ゴムとしては、例えば、スチレン‐ブタジエンゴム、アクリロニトリル‐ブタジエンゴム等が挙げられる。これらジエン系ゴムは、単独または任意のブレンドとして使用することができる。
イソプレン系ゴムを配合することで、タイヤ用ゴム組成物として充分なゴム強度を得ることができる。ゴム成分全体を100質量%としたとき、イソプレン系ゴムの配合量は好ましくは60質量%~90質量%、より好ましくは65質量%~85質量%である。尚、イソプレン系ゴムの配合量は、天然ゴムを単独で用いる場合は天然ゴムの配合量、天然ゴムとイソプレンゴムを併用する場合はこれらの合計を意味する。イソプレン系ゴムの配合量が60質量%未満であるとゴム強度を十分に確保することができない。イソプレン系ゴムの配合量が90質量%を超えると上述の物性を得ることが難しくなる。
ゴム成分全体を100質量%としたとき、ブタジエンゴムの配合量は好ましくは10質量%~40質量%、より好ましくは15質量%~35質量%である。ブタジエンゴムの配合量が10質量%未満であると粘度が上昇し、押出加工性が低下する。ブタジエンゴムの配合量が60質量%を超えると押出物のタックが低下し、成型性が悪化する。
ブタジエンゴムは、シス-1,4結合含有量、100℃でのムーニー粘度(ML1+4)、および、該ムーニー粘度に対する25℃での5質量%トルエン溶液粘度(T-cp)〔単位:cps〕の比である(T-cp)/(ML1+4)がそれぞれ後述の特定の範囲を満たすブタジエンゴム(以下、特定BRという)を用いるとよい。このような特定BRを用いることで、上述の物性を確保するには有利になる。
特定BRのシス-1,4結合含有量は好ましくは97%以上、より好ましくは98%以上であるとよい。これにより発熱を低減することができる。シス-1,4結合含有量が97%未満であると発熱が上昇する。シス-1,4結合含有量は、核磁気共鳴装置(NMR)を用いて測定することができる。
特定BRの100℃でのムーニー粘度(ML1+4)は好ましくは42以上、より好ましくは50以上70以下であるとよい。これにより良好な硬度と低燃費性の両立が可能となる。100℃でのムーニー粘度(ML1+4)が42未満であると破断強度が低下する。ムーニー粘度は、JIS 6300‐1に準拠して、L型ローターを用いて測定することができる。
特定BRの前記(T-cp)/(ML1+4)は好ましくは2.0~3.0、より好ましくは2.2~2.5、さらに好ましくは2.3~2.5であるとよい。前記(T-cp)/(ML1+4)は、BRのポリマー鎖の分岐度の指標になるものであり、この値が大きいほど分岐度が小さい、即ち、リニアリティが高いことを意味する。この値が2.0未満では、低発熱性、硬度、耐摩滅性および耐セット性をいずれも改善することができない。この値が3.0を超えると押出時の加工性が悪化する。トルエン溶液粘度(T-cp)は、試料ゴムをトルエンに5質量%溶液として溶解し、その溶液の25℃での粘度をキャノンフェンスケ型動粘度計により測定して得ることができる。
上述のアンダートレッドゴム組成物には、充填剤としてカーボンブラックを配合するとよい。カーボンブラックを配合することでゴム組成物の強度を高めることができる。特に、カーボンブラックのCTAB吸着比表面積が70m2/g未満、好ましくは30m2/g~50m2/gであるとよい。このように粒径が大きいカーボンブラックを用いることで、発熱性を低く維持しながら、ゴム硬度を効果的に高めることができる。カーボンブラックのCTAB吸着比表面積が70m2/g以上であると発熱性が悪化する。尚、カーボンブラックのCTAB吸着比表面積は、ISO 5794に準拠して測定するものとする。
カーボンブラックの配合量は、上述のゴム成分100質量部に対して、好ましくは35質量部~60質量部、より好ましくは35質量部~55質量部、更に好ましくは35質量部~50質量部であるとよい。カーボンブラックの配合量が35質量部未満であると硬度が低下する。カーボンブラックの配合量が60質量部を超えると、発熱性が悪化する。
本発明のゴム組成物は、カーボンブラック以外の他の無機充填剤を含んでいてもよい。他の無機充填剤としては、例えば、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム、マイカ、水酸化アルミニウム等のタイヤ用ゴム組成物に一般的に用いられる材料を例示することができる。
アンダートレッドゴム組成物には老化防止剤、特にアミン系老化防止剤を配合することが好ましい。老化防止剤の配合量(質量)は、ゴム組成物全体の質量に対して好ましくは0.7質量%~2.0質量%、より好ましくは0.8質量%~1.8質量%、更に好ましくは1.0~1.5質量%であるとよい。これにより、上述の性能に加えて、耐グルーブクラック性やベルト層に対する耐水接着性を改善する効果を見込むことができる。老化防止剤の配合量が0.7質量%未満であると、耐クラック性や加工性を向上する効果が見込めなくなり、特に耐クラック性が低下する。老化防止剤の配合量が1.5質量%を超えると加工性が低下する。
アミン系老化防止剤としては、N-フェニルN’-(1,3-ジメチルブチル)-p-フェニレンジアミン、アルキル化ジフェニルアミン、4,4’-ビス(α,α-ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、N,N’-ジフェニル-p-フェニレンジアミン、N-フェニル-N’-イソプロピル-p-フェニレンジアミン、p-(p-トルエンスルホニルアミド)ジフェニルアミン、N-フェニル-N’-(3-メタクロイルオキシ-2-ヒドロキシプロピル)-p-フェニレンジアミン、2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン重合体等を例示することができ、特に、N-フェニルN’-(1,3-ジメチルブチル)-p-フェニレンジアミンを好適に用いることができる。
本発明の空気入りタイヤは、上述の各部材の物性の協働によって、カーカス層の層数を1層に減じた場合であっても、高速耐久性、高速操縦安定性、および耐ショックバースト性をバランスよく高度に両立することができる。尚、本発明の効果を得るうえで、少なくとも満足すべき事項はカーカスコードの物性(ベルト層の内周側における1.5cN/dtex負荷時の伸び率、破断伸び、積A=D×Ec)とアンダートレッドゴム組成物の物性(20℃における硬度、100℃における100%伸長時の引張応力(M100)、積TB×EB)であるので、それ以外の各種物性や配合については、適宜組み合わせて採用することができる。
以下、実施例によって本発明を更に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
タイヤサイズが230/60R18であり、図1に示す基本構造を有し、カーカス層について、層数、カーカスコードの材質、繊度、ベルト層の内周側における1.5cN/dtex負荷時の伸び率(表中の「中間伸度」)、破断伸び、カーカスコード1本あたりの正量繊度D〔単位:dtex/本〕とカーカスコードの延長方向と直交する方向50mm当たりの前記カーカスコードの打ち込み本数Ec〔単位:本/50mm〕との積A=D×Ecを表1のように設定し、また、アンダートレッド層を構成するゴムについて、種類、20℃における硬度、100℃における100%伸長時の引張応力(M100)、100℃における引張強さTB〔単位:MPa〕と100℃における破断伸びEB〔単位:%〕との積(TB×EB)、アンダートレッドゴム組成物に占める老化防止剤の質量の割合を表1のように設定し、更に、ベルト補強層を構成するカバーコードの100℃における2.0cN/dtex負荷時の伸び率(中間伸度)を表1のように設定した従来例1、比較例1~7、実施例1~3の空気入りタイヤ(試験タイヤ)を製造した。
尚、カーカスコードの「破断伸び」は、試料コード(カーカスコード)の破断時の伸び率(%)であり、JIS L1017の「化学繊維タイヤコード試験方法」に準拠し、つかみ間隔250mm、引張速度300±20mm/分の条件にて引張試験を実施して測定した。カーカスコードの「ベルト層の内周側における1.5cN/dtex負荷時の伸び率」は、試料コード(ベルト層の内周側から取り出したカーカスコード)の1.5cN/dtex負荷時に測定される伸び率(%)であり、JIS L1017の「化学繊維タイヤコード試験方法」に準拠し、つかみ間隔250mm、引張速度300±20mm/分の条件にて引張試験を実施して測定した。カバーコードの「100℃における2.0cN/dtex負荷時の伸び率」は、試料コード(カバーコ―ド)の2.0cN/dtex負荷時に測定される伸び率(%)であり、JIS L1017の「化学繊維タイヤコード試験方法」に準拠し、つかみ間隔250mm、引張速度300±20mm/分の条件にて引張試験を実施して測定した。
アンダートレッドゴム組成物について、「硬度」は、JIS K6253に準拠して、デュロメータのタイプAにより温度20℃で測定した。「100℃における100%伸長時の引張応力(M100)」は、JIS K6251に準拠して3号型ダンベル試験片を用い、引張速度500mm/分、温度100℃の条件で測定した。「100℃における引張強さTB」は、JIS K6251に準拠して、温度100℃の条件で測定した。「100℃における破断伸びEB」は、JIS K6251に準拠して、温度100℃の条件で測定した。
表1のコード材質の欄について、物性の異なる3種類のポリエチレンテレフタレート繊維コードを用いており、それぞれ「PET1」、「PET2」、「PET3」と表示した。尚、PET1~PET3は、カーカスコードの「破断伸び」および「ベルト層の内周側における1.5cN/dtex負荷時の伸び率」によって区別される。また、アンダートレッドゴム層を構成するアンダートレッドゴム組成物の種類の欄には、表2に示した配合からなるアンダートレッドゴム組成物A~Fの番号を示した。表2には、各アンダートレッドゴム組成物A~Fの配合の他に、参考のために物性等として、各アンダートレッドゴム組成物A~Fの20℃における硬度、100℃における100%伸長時の引張応力(M100)、100℃における引張強さTB〔単位:MPa〕と100℃における破断伸びEB〔単位:%〕との積(TB×EB)、アンダートレッドゴム組成物に占める老化防止剤の質量の割合を示した。これら物性等の値は表1と対応している。
これら試験タイヤについて、下記の評価方法により、タイヤ質量、耐ショックバースト性(プランジャーエネルギー)、高速操縦安定性、高速耐久性を評価し、その結果を表1に併せて示した。
タイヤ質量
各試験タイヤの質量を測定した。評価結果は、従来例1の測定値に対する変化量〔単位:kg〕で示した。尚、重量が減少した場合は負の値で示した。
耐ショックバースト性(プランジャーエネルギー)
各試験タイヤを、リムサイズ18×7.5Jのホイールに組み付け、空気圧を250kPaとし、JIS K6302に準拠して、プランジャー径19±1.6mmのプランジャーを負荷速度(プランジャーの押し込み速度)50.0±1.5m/minの条件でトレッド中央部に押し付けるタイヤ破壊試験(プランジャー破壊試験)を行い、タイヤ強度(タイヤの破壊エネルギー)を測定した。評価結果は、従来例1の測定値を100とする指数にて示した。この値が大きいほど破壊エネルギー(プランジャーエネルギー)が大きく、耐ショックバースト性に優れることを意味する。尚、この指数値が「110」未満であると、十分な改善効果が得られなかったことを意味する。
操縦安定性
各試験タイヤを、リムサイズ18×7.5Jのホイールに組み付け、空気圧を250kPaとし、排気量2000ccの試験車両(四輪駆動車)に装着し、2名が乗車した状態で乾燥路面からなるテストコースにて、テストドライバーによる操縦安定性の官能評価を行った。評価結果は、従来例1を「3.0(基準)」とし、0点から5点までの0.5点刻みによる5点法にて評価し、最高点と最低点を除いた5名の平均点で示した。この点数が大きいほど操縦安定性に優れることを意味する。
高速耐久性
各試験タイヤをリムサイズリムサイズ18×7.5Jのホイールに組み付け、試験内圧を250kPaとし、ドラム表面が平滑な鋼製で直径が1707mmであるドラムを備えたドラム試験機を用い、周辺温度を38±3℃、荷重をJATMA最大荷重の88%とし、走行速度を120km/hから30分毎に10km/hずつ加速し、タイヤに故障が生じるまでの走行速度を計測した。評価結果は、走行距離の測定値を用い、従来例を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど故障が生じるまでの走行距離が大きく、高速耐久性が優れていることを意味する。
Figure 0007287443000002
Figure 0007287443000003
表2において使用した原材料の種類を下記に示す。
・NR:天然ゴム、天然ゴム、TSR20
・BR:ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、宇部興産社製 UBEPOL BR360L・CB:カーボンブラック、東海カーボン社製 シーストF(CTAB吸着比表面積:47m2/g)
・シリカ:Evonick Japan社製 Ultrasil VN3(CTAB吸着比表面積:175m2/g)
・タッキファイヤー:日立化成社製 ヒタノール1502Z
・酸化亜鉛:正同化学工業社製 酸化亜鉛3種
・老化防止剤:アミン系老化防止剤、フレキシス社製 サントフレックス6PPD
・ステアリン酸:新日理化社製 ステアリン酸50S
・硫黄:不溶性硫黄、四国化成工業社製 ミュークロンOT‐20
・加硫促進剤:三新化学工業社製 NS‐G
表1から判るように、実施例1~3のタイヤは、従来例1との対比において、タイヤ質量を軽減し、耐ショックバースト性、操縦安定性、および高速耐久性を向上し、これら性能をバランスよく両立した。一方、比較例1は、従来例1に対してカーカス層の層数を単純に1層に減少しただけであるので、耐ショックバースト性、操縦安定性、および高速耐久性が悪化した。比較例2は、アンダートレッド層は本発明の条件を満たすものの、カーカスコードの物性が不適当であるため、耐ショックバースト性、操縦安定性、および高速耐久性が悪化した。比較例3は、カーカスコードの物性が積Aを除いて良好であるものの、積Aが小さすぎ、アンダートレッド層の物性も不適当であるため、操縦安定性および高速耐久性が悪化した。比較例4は、カーカスコードの積A以外の物性が不適当であり、且つアンダートレッド層の物性も不適当であるため、耐ショックバースト性、操縦安定性、および高速耐久性が悪化した。比較例5は、カーカスコードの物性が良好であるものの、アンダートレッド層の物性が不適当であるため、操縦安定性および高速耐久性が悪化した。比較例6は、カーカスコードの物性が良好であるものの、アンダートレッド層の物性が不適当であるため高速耐久性が悪化した。比較例7は、カーカスコードの破断伸びが小さいため、耐ショックバースト性を向上する効果が十分に得られなかった。
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
8 ベルト補強層
10 トレッドゴム層
11 キャップトレッド層
12 アンダートレッド層
20 サイドゴム層
30 リムクッションゴム層
CL タイヤ赤道

Claims (3)

  1. タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、前記トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備え、前記一対のビード部間に装架された1層のカーカス層と、前記トレッド部における前記カーカス層の外周側に配置された複数層のベルト層と、前記ベルト層の外周側に配置されたベルト補強層とを有し、前記トレッド部が、前記ベルト補強層の外周側に配置されたアンダートレッド層と、前記アンダートレッド層の外周側に配置されて前記トレッド部の踏面を構成するキャップトレッド層との2層で構成された空気入りタイヤにおいて、
    前記アンダートレッド層を構成するアンダートレッドゴム組成物は、ゴム成分としてイソプレン系ゴムおよびブタジエンゴムを含み、前記ブタジエンゴムはシス-1,4結合含有量が97%以上、100℃でのムーニー粘度(ML 1+4 )が42以上、且つ前記ムーニー粘度に対する25℃での5質量%トルエン溶液粘度(T-cp)の比(T-cp)/(ML 1+4 )が2.0~3.0であり、20℃における硬度が60~65、100℃における100%伸長時の引張応力(M100)が2.0MPa~4.0MPa、100℃における引張強さTB〔単位:MPa〕と100℃における破断伸びEB〔単位:%〕との積(TB×EB)が2000以上であり、
    前記カーカス層を構成するカーカスコードは、前記ベルト層の内周側における1.5cN/dtex負荷時の伸び率が5.5%~8.5%、破断伸びが20%~30%である有機繊維コードからなり、且つ、前記カーカスコード1本あたりの正量繊度D〔単位:dtex/本〕と、前記カーカスコードの延長方向と直交する方向50mm当たりの前記カーカスコードの打ち込み本数Ec〔単位:本/50mm〕との積A=D×Ecが2.2×10 5 dtex/50mm~2.7×10 5 dtex/50mmの関係を満たすことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記アンダートレッドゴム組成物に配合される老化防止剤の質量が、前記アンダートレッドゴム組成物全体の質量の0.7質量%~2.0質量%であることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記ベルト補強層を構成するカバーコードが、100℃における2.0cN/dtex負荷時の伸び率が2.0%~4.0%であるポリエチレンテレフタレート繊維コードからなることを特徴とする請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
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