JPS5816547Y2 - 大型円筒型貯槽の側底取合部構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は現場組立用大型円筒型貯槽の側底取合部の構造
に関するものである。

従来より原油タンクのような大容量円筒型貯槽は、第２
図イに示すように、基礎地盤上に底板を敷設し、底板周
辺部に側板を起立固定して戊るものであるが、このよう
に側板と底板とを直接結合する構成となっているため、
この側・庇取合部ａ附近に大きな局部曲げ応力が発生す
る。

この過大な局部応力の大きさによっては、或は又基礎地
盤の不等性下等によっては、上記側・庇取合部に亀裂が
発生し、タンクの破壊をひき起こし、漏洩事故に至る危
険が存在する。

前記欠点を緩和するために、例えば第２図口に示すよう
に円弧状の補強部を当該部に取り付けたものも提案され
てはいるが、この場合においてはｂ部において局部応力
の増大が生じ、本質的な問題解決には至っていないのが
現状である。

更に又、第２図への場合は第２図イ９口に示す従来の隅
肉構造にて発生していた溶接止端部での応力集中をなく
シ、更に地震時などに側板に大きな軸力が発生する場合
の力をスカート部で受は持つことを目的とした支持構造
で、第２図ハに示すように底隅角部を円弧状にし、円弧
状部材イを支持するためにスカート部を円弧状部材イか
ら垂直に下降させて支持“しているが円弧状部材イとス
カート部の上端外側へを溶接するだけでは構造上不安定
であり内側二を溶接しなければならないが内側二部の溶
接は作業は事実上不可能であるなどの問題があった。

又円弧状部材イは塑性加工されており、加工度の高い円
弧状部材イに溶接を施すことは好ましくないなどの欠点
を有していたものである。

本考案は前記欠点に鑑みなされたものであって、今その
実施例を述べれば、貯槽７の本体を形成する側板１と底
板２とを円弧状部材３とで円弧状に突合せ溶接により固
定し、且つ側板１の下端外周を基礎４に垂直に支持され
ている環状スカート５に密接支持して成るものである。

又、環状スカート５と側板１との支持構造を述べれば、
第３図イの場合は基礎４上に敷設された環状の基礎ブロ
ック８の上部に環状の当リング９を設け、該当リング９
上に垂直に支持されている環状スカート５の上端を側板
１に溶着して固定したものである。

第３図口の場合は基礎４上に敷設された環状の基礎ブロ
ック８の上部に環状の当リング９を設け、該当リング９
上に垂直に支持されている環状スカート５の上端を側板
１の下端部近くの外周に固定された支持部材６の下端面
に当接して支持しているものである。

いいかえれば、該支持部材６の環状スカート５の上端に
載置し、環状スカート５と側板１とを密接支持して成る
ものである。

更に又、この支持部材６と環状スカート５との支持構成
を述べれば、第４図イの場合は第３図口の場合の支持部
材６の外周に更に支持部材６より下方に延長されるよう
なはずれ止め板１０を固着して、側板１とはずれ止め板
１０とで支持部材６よりやや巾広の空間１１を形成し、
該空間１１に環状スカート５の上端が嵌合されるように
したものである。

第４図口の場合は、支持部材６の下端と環状スカート５
の上端とに外方に向けてフランジ６ａ、５ａを形成して
支持できるようにしたものである。

本願は前記構成よりして貯槽７の本体を形成する側板１
と底板２を円弧状部材３（ナックル状アンニュラー板）
を介して突合せ溶接により滑らかに接続している為、第
２図イ９口に示すような構造における側・庇取合部に発
生するような局部過大応力の発生が防止できる。

又、本構造は貯槽７の自重又は地震時のスラスト力（横
圧力）を支える目的の環状スカート５及びこの力を基礎
に分散して伝達する為の当リング９を有する。

これは特に地震時のスラスト力が極めて大きい為、この
力を円弧状部材３のみで受けるようにする為には円弧状
部材３の厚さを非常に厚くせねばならないか゛、環状ス
カート５を用いたことにより円弧状部材３を薄くするこ
とができる。

又、第３図口及び第４図に示すものは貯槽本体の内圧に
よる膨張とか、地震時の荷重等によって環状スカート５
と円弧状部材３が離れ方向に変形した場合、環状スカー
ト５の上端と側板１の固着部に曲げが発生し、この部分
にピーク応力が発生し破壊の原因となることをさけるこ
とを目的とし、環状スカート５の上部と下部を分離し、
この曲げが固着部に伝達されるのを防ぐことを特徴とし
ている。

即ちこの環状スカート５は自重とか地震力等の下方の荷
重のみを受けるので環状スカート５の上部と下部を分離
しておいても何ら支障はないし、又、本構造を低温液を
貯蔵する二重殻タンクの内槽に適用した場合には通常運
転時には内容液のガスによる内圧の為に側板を持ち上げ
ようとするアップリフ） （ｕｐ １ｉｆｔ）が働くが
この状態では環状スカート５の拘束による本体への悪影
響がなくなるものである。

本願は斜上のように貯槽の本体を形成する側板１と底板
２とを円弧状部材３とで円弧状に突合せ溶接により固定
し、且つ側板１の下端外周を基礎４に垂直に支持されて
いる環状スカート５に密接支持して成り側板と底板とを
円弧状部材で滑らかに接続されているので従来の構造の
側底取合部に発生するような局部過大応力の発生が防止
でき、環状スカート材により貯槽の自重又はスラスト力
を基礎に分散して伝達することができる１等の効果を有
するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は一部を切り欠いた貯槽全体の正面図、第２図イ
９口、ハは従来の側底取合部の断面図、第３図イ９口は
本願の側底取合部の断面図、第４図イ１口は支持部材と
環状スカート部の支持構成の拡大断面図である。 １・・・・・・側板、２・・・・・・底板、３・・・・
・・円弧状部材、４・・・・・・基礎、５・・・・・・
環状スカート、６・・・・・・支持部材。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）貯槽の本体を形成する側板と底板とを円弧状部材
   とで円弧状に突合せ溶接により固定し、且つ側板の下端
   外周を基礎に垂直に支持されている環状スカートに密接
   支持して成る大型円筒型貯槽の側底取合部構造。
2. （２）実用新案登録請求の範囲第１項記載の環状スカー
   トに密接支持する場合、環状スカートの上端と側板の下
   端外周とを固着して支持して成る大型円筒型貯槽の側底
   取合部構造。
3. （３）実用新案登録請求の範囲第１項記載の環状スカー
   トに密接支持する場合、側板の下端部近くの外周に支持
   部材を固定し、該支持部材を環状スカートの上端に載置
   し、環状スカートと側板とを密接支持して成る大型円筒
   型貯槽の側底取合部構造。