JPS5815708B2 - 製氷機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、製氷機に関するものであって、一層詳細に
は所定寸法の板氷を自動的に製造する製氷機において前
記板氷を角氷片に融断する氷蔵断装置の改良に関するも
のである。

従来より、傾斜配置した製氷板に製氷用水を循環供給し
て所定寸法の板氷を形成し、次いで脱水運転に移行して
前記板氷を製氷板から分離落下させ、この製氷板の斜め
下方に配置した格子状電熱線上に板氷を回収し、この電
熱線により板氷を所定形状の角氷に融断する製氷機が知
られている（例えば、実公昭４８−２６２０１号参照）
。

しかし、このように板氷を角氷に融断する手段として格
子状電熱線を使用する製氷機においては、脱水運転毎に
かなりの重量がある板氷が製氷板を滑落して格子状電熱
線に激突し、これによる強大な衝撃と氷蔵断時の急激な
温度変化とにより、当初緊張配置されていた電熱線は経
時的にゆるんで撓みを生じ、この撓みを吸収するべく板
ばねによって電熱線に張力を付与すると、電熱線を支持
するフレームは非常に製造コストが高くつく頑丈な構造
にする必要があり、また断線事故が頻発する等の不都合
があった。

このため、氷の融断手段として格子状電熱線を使用し得
るのは、形成される板氷が比較的小さい小型の機種が主
であり、大型の製氷機には採用困難であった。

そこで、発明者は、前記欠点を克服するべく鋭意試作改
良を重ねた結果、角氷の融断手段として格子状電熱線を
採用することに代えて氷落下時の衝撃に耐える金属板を
使用してこれを製氷板の下方に巾方向が縦になるように
格子状に配設し、この金属板の板氷を受けない部分を冷
凍系の圧縮機出口と凝縮器入口とを連通ずるホットガス
供給管路に装着して製氷運転時において金属板を加熱す
るように構成すれば、製氷機の脱水運転により前記金属
板上に落下した板氷は、次の製氷運転中にホットガス管
路との熱交換により加熱された金属板によって好適に角
氷片に融断され、しかも氷落下時の衝撃が反復されても
融断部の撓みや断線等の事故は完全に回避され、長期に
亘って安定した氷蔵断操作をなし得ることを突き止めた
。

従って、本発明の目的は、板氷を自動的に製造してこれ
を落下放出する製氷機において氷落下時の衝撃や温度差
による融解手段の撓みや耐久劣化を防止し長期に亘り安
定した氷融断を達成するととを目的とする。

この目的を達成するため本発明は圧縮機と凝縮器と蒸発
管とにより冷凍系を構成し、この蒸発管を配設した製氷
板に製氷用水を流下させて所定寸法の板氷を形成し、次
いで前記蒸発管にホットガスを供給して製氷板を加温し
自重により板氷を落下させる製氷機において、製氷板の
下方に金属板をその巾方向が縦になるように格子状に多
数配置し、この金属板を冷凍系の圧縮機出口と凝縮器入
口とを連通ずる管路に巻着することを特徴とする次に、
本発明に係る製氷機につき、添付図面を参照しながら以
下詳細に説明する。

第１図は、本発明の好適な実施例を示すものであって、
板氷を形成する製氷機として、製氷板の裏面に氷生成を
行う方式のものが開示されているすなわち、参照符号１
０は傾斜配置した製氷板を示し、この製氷板１０の上面
には圧縮機１２および凝縮器１４から成る冷凍系に接続
する蒸発管１６を蛇行配設する。

前記製氷板１０はその傾斜上端部を上部内方に湾曲させ
て湾曲部１７を形成すると共にその端縁部を垂直に屈曲
させて水受部１８を形成し、また傾斜下端部には水切部
２０を設ける。

また、製氷板１０の長手方向両側縁部は夫夫直角に下方
へ折曲して、氷支持縁部２１を延設する。

前記水切部２０の下方には所定形状の水受２２を水平に
設置し、前記水受２２には撤去自在に配置した貯水タン
ク２４から循環水を水位調節器２（を介して供給し、常
時一定水位の製氷用水を貯留させる。

前記水受２２の底部から送水管２８を下方へ導出し、前
記送水管２８の途中に循環ポンプ３０を介挿した後、こ
の送水管２８を垂直に延在させ、前記水受部１８の上方
に配設した散水管３２の一端部に連通ずる。

散水管３２には、散水孔３９を管本体の長手方向に沿っ
て所定数穿設し、かつ水受部１８に指向させる。

なお、この散水管３２の他端部はそのまま終結させて閉
塞してもよいが、これに回収管３・を接続して水受２２
に向けて開口させ、全体として製氷水循環系を形成し、
前記送水管２８および回収管３４に水量調節バルブ３５
を設けて水量を調節するよう構成すれば、ポンプ圧の変
動に左右されず均一な散水が達成される利点がある。

次に、この御氷板１０の直下には上方に向けて開口する
貯水槽３６を配置し、この貯氷槽内には氷蔵断装置３８
を配設する。

この氷蔵断装置は金属板４０をその巾方向が縦になるよ
うに垂直に多数立設し、第１図に示すように夫々縦方向
および横方向に二段配列して構成される。

この場合、各金属板４０は、第１図および第２図に示す
ように圧縮機１２の出口および凝縮器１４の入口を連通
ずるホットガス供給管路４２に板氷を受けない両端部を
巻着固定することにより支持される。

すなわち、金属板４０は長形に切断され、この金属板の
一端部を前記管路４２に巻着した後、所定距離だけ垂下
させ、次いでこれを９０度折曲して水平に延在させると
共にこの水平部分をひねって垂直に指向させ、再びこれ
を９０度折曲すると共にひねりを与えて再び上方へ指向
させ、他端部を前記管路４２に巻着するのが好ましい。

このように構成した金属板４０は、多数所定距離離間さ
せて配置される（第２図参照）。

この管路４２には、製氷機の製氷運転中常時ホットガス
が圧縮機１２から凝縮器１４に向けて流れているので、
管路４２に密接に巻着された金属板４０は熱交換の結果
加熱されることが諒解されよう。

次に、このように構成した本発明の作用効果につき説明
する。

先ず、水受２２中の製氷用水はポンプ３０により吸引さ
れて散水管３２に到達し、散水孔３９から噴出して製氷
板１０の水受部１８に散布される。

散布された水は湾曲部１１で平均に拡散分布されて下面
部を隅なく濁流して流下し、製氷板下面部上で徐々に氷
結して板氷を形成し、未氷結水は水切部２０を伝って滴
下し、水受２２に回収される。

次いで、前述した冷凍系において圧縮機１２と凝縮器１
４とを接続する配管４２の中途から電磁弁４６を介して
分岐導出したホットガス供給管４８より電磁弁４６の切
換操作下にホットガスを蒸発管１６に供給して製氷板１
０を加温し、板氷と製氷板との凍結付着を解除する。

これによって板氷は自重で格子状の金属板４０上に落着
するに到る。

この場合、ホットガスは電磁弁４６の作用下に管路４２
をバイパスして分岐管路４８に供給されているので、管
路４２は積極的に加熱されていない。

しかし、水分離後は自動的に製氷運転に復帰するので、
管路４２には再びホットガスが送給され、このため管路
４２に巻着された金属板４０との間に熱交換が行われて
金属板は加熱される。

従って、金属板４０上に載置された板氷は、この上段に
配置された金属板４０により短冊上に融断されて、下段
に配置された別の金属板列４０に落着し、再びここで融
断されて最終的に所定形状の角氷片として貯水槽３６中
に回収される。

このように、本発明では板氷の融断装置を金属板で構成
すると共に、該金属板の巾方向が縦になるよう格子状に
多数配置したから、電熱線のように張力を付与する必要
がなく、板氷の落下時の債撃に良く耐え、安定した氷融
断操作が達成されるものである。

しかも、板氷の融断はホットガス供給管路により直接に
行なうのではないから融断に伴う融水量は最少ですみ、
また、金属板の加熱は冷凍系のホットガス供給管路との
熱交換により省うよう構成しだから別途発熱電線等は必
要とせずまたこのホットガス供給管路における熱交換作
用により、凝縮器１４での熱交換作業を補助するので使
用する凝縮器の容量を小さくできる利点がある。

更に、本発明の装置は耐久性に富むことから、重量の大
きな板氷が製造される大型の製氷機にもそのまま採用し
得る等、その実用的効果は極めて大きいものである。

以上、本発明に係る製氷機につき好適な実施例を挙げて
説明したが、本発明はこの実施例に限定されるものでは
なく、発明の精神の範囲内で多くの改良変更をなし得る
ものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る製氷機の一実施例の斜視図、第２
図は本発明に使用する氷融断用金属板をホットガス管路
に巻着した構造の一例を示す概略斜視図である。 １０・・・製氷板、１２・・・圧縮機、１４・・・凝縮
器、１６・・・蒸発管、４０・・・金属板、４２・・・
管路。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 圧縮機ど凝縮器と蒸発管とこれ等の諸要素を相互に
   接続する管路とにより冷凍系を構成し、この蒸発管を配
   設した製氷板に製氷用水を流下させて所定寸法の板氷を
   形成し、次いで前記蒸発管にホットガスを供給して製氷
   板を加温し自重により板氷を落下させる製氷機において
   、製氷板の下方に金属板をその巾方向が縦になるように
   格子状に多数配置し、この金属板の板氷を受けない部分
   を冷凍系の圧縮機出口ど凝縮器入口とを連通ずる前記管
   路の部分に装着することを特徴とする製氷機