JPS5815422Y2 - 巻取機制御装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は巻取機制御装置、特に巻取軸駆動巻取機におい
て巻取径が変化しても、はマ一定張力で巻取る巻取機の
制御装置の改良に関するものである○ 従来の制御方式は、直接ダンサロールによって巻取張力
を検出して制御するものや、タッチロールなどで巻取径
を検出するもの、電機子電圧および界磁電流を制御する
もの、オたは操作用電動機を回転させ、可変抵抗器を摺
動して巻取径に比例する電流指令で制御するものなどあ
るが、巻取機械系に余分な機構が付加されたり、電気制
御系が複雑になるという欠点と巻取径の検出にタッチロ
ールなどを使用すると、巻取材料に直接タッチロールを
接触させてロールの機械的な偏差量を電気量に対応させ
るために巻取材料を汚し、かつ損傷させたり、あるいは
巻取径が真円にならない場合などには誤差が生じ、精密
な巻取径が検出不能になるなどの欠点があり、更に操作
用電動機を回転させ、可変抵抗器と摺動して巻取径に比
例する電流指令で制御するものは摺動部をもつため、そ
の摺動部の損耗等からくる装置の保守性、信頼性の向上
という面に欠点があった。

本考案は巻取機制御装置（本考案装置と称す）は上記種
々の欠点を除去するためになされたもので、巻取軸駆動
直流直巻電動機の回転数と巻取ライン速度の検出にて巻
取軸駆動直流直巻電動機の制御を行うもので、ダンサロ
ールによる巻取張力検出を行わず、かつ直接巻取径を検
出せずに巻取径比例信号を得るために操作用電動機など
を使用した機械的機構、又は複雑な電気回路をもたず、
更に界磁電流制御なども行わない改良した巻取機制御装
置を提供するものである。

本考案装置の特徴は、巻取軸駆動直流直巻電動機に結合
された巻取軸回転数検出用回転発電機の出力電圧と、巻
取ライン速度に対応した電圧を発生する巻取ライン速度
検出用回転発電機の出力電圧とで巻取径を演算し、この
電圧を平方根して巻取軸駆動直流直巻電動機の電流指令
として用いることによりはＹ一定張力に制御するもので
ある。

以下、本考案装置の一実施例を第１図につき説明すると
、送出電動機４にて駆動されるローラ１゜１′にて条材
２が所定の条材速度Ｖで送り出され巻取軸駆動直流直巻
電動機７に減速機２０を介して直結した巻取軸３に嵌合
した巻芯３′で上記条材２を巻取りつ＼、該条材２の巻
取径りの変化分を検出しつ＼張力制御を行う巻取機の制
御装置において、上記送出電動機４に直結され、上記条
材２の条材速度Ｖを検出する巻取ライン速度検出用回転
発電機５０発生電圧と上記巻取軸駆動直流直巻電動機７
に直結され、上記巻取軸３０回転数を検出する巻取軸回
転数検出用回転発電機６０発生電圧とを定電流比制御除
算器８および低電圧優先回路で形成した回転損失補償回
路１４にそれぞれ印加せしめ、該定電流比制御除算器８
で条材２の巻取径りを演算し、上記定電流比制御除算器
８からの演算信号と巻芯径設定器１０の設定信号とをリ
ミッタ回路９に付加し、巻芯径における初期張力分を差
し引いた後巻芯径における初期張力分と巻取径増大に伴
うトルク分を加算するべく可変抵抗器１７と連動した可
変抵抗器１６を介した上記リミッタ回路９の出力信号の
他、上記可変抵抗器１７の巻芯径における初期張力分の
設定信号、固定損失補償設定器１８の設定信号および上
記回転損失補償回路１４の出力信号をともども加減算回
路１９に付加せしめ該加減算回路１９で固定損失分を含
めた真の張力分を演算し、平方根演算回路２１と電流制
御回路１３とを介して上記巻取軸駆動直流直巻電動機７
の駆動電源であるサイリスタ変換器１２へ電流指令とし
て加え、かつ実際の電機子電流を直流電流検出器１１で
検出してフィードバックを行う。

本考案装置で何故、一定張力制御がおこなえるのか理論
的に説明すると、巻取径りと条材速度Ｖとの関係は次式
で定する。

■＝πＤｎ ・・・・・・・・・（１）
Ｖ：条材速度、Ｄ：巻取径、ｎ：巻取軸駆動直流直巻電
動機の回転数、（１）式からの巻取径りの変化分は条材
速度Ｖと巻取軸駆動直流直巻電動機７０回転数ｎの比で
定筐ることは明らかである。

よって巻取ライン速度検出用回転発電機５０発生電圧は
条材速度■に、また巻取軸回転数検出用回転発電機６０
発生電圧は巻取軸駆動直流直巻電動機７の回転数ｎに比
例するから、上記円発生電圧を定電流比制御環算器８に
印加せしめることによって巻取径りの変化分を演算する
ことができる。

他方張力Ｔと条材速度Ｖとを巻取軸駆動直流直巻電動機
７の出力との間には次式が成立する。

Ｔ Ｖ ＝ Ｅ ｃ Ｉ ａ ・・−”（２
）Ｅｃ：巻取軸駆動直流直巻電動機誘導起電力、■ａ：
電機子電流 Ｅｃ＝に〆ｎ ・・・・・・・・・（３）Ｋ：
定数、メ：磁束、ｎ：回転数 （３）式を（２）式に代入し変形すると、■ Ｔ（）＝に、＄Ｉａ −・・・−・−（４）（４
）式を（１）式に代入すると、 πＴＤ＝に＄Ｉａ ・・・・・・・・・（５）
上記（５）式において巻取軸駆動直流直巻電動機７の磁
束〆は界磁巻線に上記電機子電流Ｉａが流れることから
、 グ■Ｉａ ・・・・・・・・・（６）（
６）式が成立し、これを（５）式に代入すると、πＴＤ
−に■２ａ ・・・・・・・・・（７）（７）式
が得られる。

この（７）式から巻取径りの変化に対して張力Ｔを一定
に保持するには電機子電流Ｉａを巻取径りの平方根に比
例するように制御すればよいことが判る○ 以上述べてきたように巻取ライン速度検出用回転発電機
５０発生電圧と巻取軸駆動直流直巻電動機７０回転数ｎ
を検出する巻取軸回転数検出用回転発電機６０発生電圧
とを定電流比制御除算器８に印加して巻取径りを演算し
、該定電流比制御除算器８の出力信号を張力設定器１５
、加減算回路１９平方根演算回路２１および電流制御回
路１３を介して巻取軸駆動直流直巻電動機７の駆動電源
であるサイリスタ変換器１２へ電流指令として加え、上
記巻取軸駆動直流直巻電動機７の電機子電流Ｉａを制御
することによって一定張力制御を行うことができる。

このように本考案装置は従来のようにダンサロールなど
による張力検出を用いず、更に巻取径の検出に機械的手
段を使用しないため即応性が良く制御系は簡単になり、
保守・点検が容易でしかも材料を損傷するおそれもなく
なる利点がある。

更に従来の方法では巻取径比が大きなものには良好に適
用し得なかったが、本考案装置によれば軸速度比（巻取
径比と巻取ライン速度比との積）が１００倍程度普で容
易に適用でき、巻取駆動直流直巻電動機回転数と巻取ラ
イン速度検出のみで張カ一定は勿論、リミッタ回路９に
含む可変抵抗器（図示せず）を調整してゲインを減少さ
せることにより、テーパー張力制御が容易に行え、かつ
テーパー張力特性を任意に調整できる。

又、定電流比制御除算器を使用するため実用上回路が簡
単になり、即応性の良好なしかも直線性のよい安価な制
御装置を提供できる。

更に巻取機の機械損を巻取ライン速度と軸速度を比較す
ることによって速度比例機械損失補償を安定に制御でき
る利点がある。

又、本考案装置は直流直巻電動機を使用しているため、
負荷の急変あるいは電源電圧の急変などの突入電流を小
さく抑えることができ、その過渡時の整流が他の直流電
動機に比べ比較的良好に行える利点がある。

しかも操作用電動機にて可変する可変抵抗器をもたない
ため、その可変抵抗器の摺動部の損耗よりくる保守の煩
わしさや信頼性の欠如がなくなるという利点がある。

さらに、低電圧優先回路を採用しているため、巻取物の
破断等が生じた場合であっても軸回転が逸走するのを防
止できるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置の一実施例による巻取機の回路構成
図を示す。 ３′・・・・・・巻芯、５・・・・・・巻取ライン速度
検出用回転発電機、６・・・・・・巻取軸回転数検出用
回転発電機、７・・・・・・巻取軸駆動直流直巻電動機
、８・・・・・・定電流比制御除算器、９・・・・・・
リミッタ回路、１０・・・・・・巻芯径設定器、１１・
・・・・・直流電流検出器、１２・・・・・・サイリス
タ変換器、１３・・・・・・電流制御回路、１４・・・
・・・回転損失補償回路、１５・・・・・・張力設定器
、１６゜１７・・・・・・可変抵抗器、１８・・・・・
・固定損失補償設定器、１９・・・・・加減算回路、２
１・・・・・・平方根演算回路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 条材の巻取径の変化分を検出して張力制御を行う巻取機
   の制御装置において、巻取ライン速度検出用回転発電機
   ５０発生電圧と巻取軸回転数検出用回転発電機６の発生
   電圧とをそれぞれ定電流比制御除算器８と低電圧優先回
   路で形成した回転損失補償回路１４に印加し、リミッタ
   回路９と張力設定器１５とを介した上記定電流比制御除
   算器８の演算信号と上記回転損失補償回路１４の出力信
   号および固定損失補償設定器１８の設定出力信号を加減
   算回路１９に付加せしめ、平方根演算回路２１を介した
   上記加減算回路１９の出力信号で巻取軸駆動直流直巻電
   動機７を駆動するサイリスタ変換器１２を制御する巻取
   機制御装置。