JPS58152Y2 - アラ−ム時計 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、電気エネルギーによって駆動されるブザーを
有するアラーム時計の改良に関するものである。

従来、ブザーを使用したアラーム時計においては、表示
パネルの下へブザーを重ねて配置し、ブザーの音を裏ブ
タ側へ放音する構造があるが、ががる構造は、裏ブタの
腕への密着によって、ブザーの発音振動が妨げられるた
め、適当な空間をへだてて裏ブタを二重構造となし、内
側の裏ブタへブザーを取りつけ、腕に密着する外側の裏
ブタの側斜面等へ放音穴を設ける構造が一般的である。

しかし・、裏ブタの腕への密着条件によっては、ブザー
の音を放音する穴が腕によってふさがれてそのためブザ
ーの音が小さくなってしまったり、また電池交換を容易
にするための電池ブタが、２枚の裏ブタを貫通する構造
としなければならないため、構造が複雑となり、電池ブ
タがつけづらく、又、裏ブタが２枚であるため、時計が
厚くなってしまうという欠点がある。

こうした欠点を解決する公知技術としては、第１図に例
示するように、液晶表示パネルとブザーが重らないよう
に配置して、ブザーの音を時計・の表側へ放音させる構
造がある。

この構造によれば前記構造の欠点は解消されるが表示パ
ネルとブザーを平面的に重ならないように配置しなけれ
ばならないため、表示パネル及びブザーの平面スペース
を余り大きくできないという制約がある。

しかし、特に全電子式デジタル時計にむいては、多機能
化の傾向が強い一方、使いやすい時計としなければなら
ない。

本考案の対象とするアラーム時計においても、時・分・
秒・日付・曜日といった通常時刻表示と共に、アラーム
設定時刻を同時に表示させることにより、現在時刻を見
ながら、アラームの時刻設定を行なえるため、使いやす
くなり、また常にアラームの設定時刻を確認できる利点
もあるため、従来の表示パネルよりも大型化した表示パ
ネルにする必要があるが、さりとて単純に表示パネルを
大きくして、ブザーと並列に配置すると、特に小型のア
ラーム腕時計のような場合には、大型になりすぎてしま
って、ごつくて携帯性がわるくなり、またデザイン的に
も好ましくない時計になってしまう。

本考案は、かかる欠点を解消して、特に大型表示パネル
を有しながらコンパクトなアラーム時計を実現する有効
な方法を提供するものである。

次に本考案を具体的に一実施例について説明する。

第２図は本考案の具体的一実施例の断面図で第２図にお
いて表示パネル１は適当な固定部材１０によって地板２
に固定されている。

地板２は金属やプリント基板等であって、要するに時計
ムーブメントの基板となるもので振動子（図示せず）電
子回路等（図示せず）が装着されている。

電池３及びブザー４は地板２の裏ブタ８側に配置されて
いる。

１５は回路ケースで、電池３の案内や、地板２の補強や
支持、その他の部品の案内や支持を行う。

ブザー４は一般にはユニット化され円筒形をなしている
が、このブザー４の振動板部４ａを覆うように筒状中間
部材５を係合させる。

筒状中間部材５は、中空部５ｂで連結された少なくとも
２つ以上の開口を有し、その開口の一つはブザー４の振
動板部４ａと係合し、他端は突起部５ａを形成してケー
ス６の放音穴６ａに接続し、ブザー４ａの発する音をケ
ースの外に導いている。

ブザー４の大部分は表示パネル１と重なって配置されて
いるが、ブザー４の平面形状と偏心して設けられた筒状
中間部材の突起部５ａによって、ブザー４の音は表示パ
ネル１の側方を通り、時計の表側即ち時刻表示側へ放音
される。

このとき筒状中間部材の突起部５ａは、第３図に例示す
る如く表示パネル１と地板２で囲まれたほぼ三日月形の
部分に配置することが可能であり、時計ムーブメントを
大型化することなく表示パネルを大型化することができ
ることが容易に理解されよう。

さらに、本構造によれば、ブザー４が表示パネル１と重
ねられているのでブザー４の平面形状を大きくすること
ができ、このためブザー４の体積は小さくせずに薄型化
が可能で、ブザー設置部は電池３とほぼ同じ厚ミとする
ことが可能で、ブザー４と表示パネル１が重なっても゛
時計体が厚くなることはない。

また、ブザー４の振動板が大きくなるため、ブザー４の
周波数特性が特に低域に広がり、音域が広がると共に、
音量等が安定化する。

防水性は、パツキンＡ１２、パツキンＢ１３を設け、ブ
ザー４の振動板部４ａを気密的に固着すれば容易に得る
ことができる。

尚、本構造は、第２図及び第３図で明らかなように地板
２へ筒状中間部材５を取りつけて、更にブザー４を係合
させるが、このとき地板２へ案内穴２ａを設けて筒状中
間部材の突起部５ａを案内すれば、ケース６に対して筒
状中間部材の突起部５ａの位置は精度よく確保されるの
で組立に際しても何ら支障はない。

また従来構造ではブザー４が外装部品であるケース６、
裏ブタ１０等につけられるのに対して、すべて時計ムー
ブメントに組込めるため、かえって取扱いチェック等で
有利である。

前記地板の案内穴２ａは切欠き等であってもよい。

また第２図で明らかなように、電池ブタ１４を容易に取
付けることができる。

本考案の他の実施例として、第４図に示すように音を導
く中空部の形状をケースに向って徐々に大きくシ、音の
共鳴、ホーン効果等を期待することもできる。

筒状中間部材の突起部５ａをケース６の接続にあたって
は直接係合させることも可能であるが、ケースの肉厚等
の制約があれば、第２図に示すように補助的な案内リン
グ１１をケース６と気密的に固着することも可能である
。

また、筒状中間部材５はいくつかに分割して製造するこ
とも可能であるが、一般的にはプラスチックで一体に成
形することによって複雑な形状も低コストで容易に得る
ことができる。

また筒状中間部材５は、回路ケース１５と一体に形成す
ることができる。

尚、本考案は、デジタル式の表示パネルを用いる時計に
ついて説明したが、表示パネルのかわりにアナログ式の
文字板であっても容易に採用することができることは勿
論である。

以上詳述したとおり、本考案によれば、アラーム設定時
刻を通常時刻に表示するような大型表示パネルや、アナ
ログ式文字板を有するブザー付アラ−ム時計の小型、薄
型化が可能で、デザイン的に有利であり、ブザーの振動
板を大きくすることができるので音量、音質が安定化し
、均一な品質のアラーム時計の製造の合理化が可能であ
り、さらに防水性も容易に持たせることができ、電池ブ
タの取付も容易である。

また小型化が容易であ・す、婦人用のアラーム付腕時計
等を容易に製作することができる。

また、組立性も従来の構造に比べて劣るものではなく、
時計の取扱いチェック等で有利であり、また放音部の形
状を工夫することにより音量、音質の改良、放゛音方向
の任意選択が可能である等の効果を奏する。

さらに筒状中間部材プラスチック等で底形すれば、容易
に加工でき、回路ケース等と同一部品として作ることも
可能であり、コストアップすることもなく、すぐれた考
案である。

さらに、実施にあたっても困難はなく容易に実施するこ
とができるすぐれた考案である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来の構造を示す断面図、第２図は、本考案
の一実施例を示す断面図、第３図は、本考案の一実施例
を説明する配置図、第４図は、本考案の他の実施例を示
す部分断面図である。 １・・・・・・表示パネル、２・・・・・・地板、３・
・・・・・電池、４・・・・・・ブザー、５・・・・・
・筒状中間部材、６・・・・・・ケース、７・・・・・
・ガラス、８・・・・・・裏ブタ、１１・・・・・・案
内リング、１２・・・・・・パツキンＡ、１３・・・・
・・パツキンＢ、１４・・・・・・電池ブタ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 （１）文字板や電気的表示パネル等の時刻表示部材と電
   気エネルギーによって駆動されるブザーを有するアラー
   ム時計において、前記時刻表示部材と前記ブザーを平面
   的に少なくとも一部分が重なるように配置し、かつ前記
   ブザーと係合する第３の部材を設け、前記第３の部材は
   前記ブザーの発する音を時計の時刻表示側へ導き放音す
   る中空の突起部を有することを特徴とするアラーム時計
   。 （２）第３の部材の放音する中空部が、開口端に向けて
   広がりを有することを特徴とする実用新案登録請求の範
   囲第１項記載のアラーム時計。 （３〕第３の部材と、ブザー及び時計ケースとの保合部
   にパツキンを介在せしめたことを特徴とする実用新案登
   録請求の範囲第１項または第２項記載のアラーム時計。 （４）第３の部材がプラスチックであることを特徴とす
   る実用新案登録請求の範囲第１項記載のアラーム時計。 （５）第３の部材が回路ケース等の他の部材と同一部材
   として形成されたことを特徴とする実用新案登録請求の
   範囲第１項及び第４項記載のアラーム時計。